球磨工ブログ

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化学基礎

 今年度、最後の化学実験は電気分解となりました。
 中学校でも学習・実験する水の電気分解です。

実験18 電気分解

 まずは電気分解について学習し、実験に入りました。

 水酸化ナトリウム水溶液の電気分解を行うための準備から始めます。
 注射器でつくった電極に水溶液を満たし、ビーカーに立て、電源につないで電気分解を始めます。
準備中1 準備中2

準備中3 準備中4

 電源を買うことも、電池を買うこともできないので、手回し発電機による電気分解です。一人一分、四人で四分間の電気分解を行いました。
人力電気分解1 人力電気分解2

 電源や電池の便利さやすばらしさを体感するだけではなく、生成物の確認も行います。陰極の水素が5.4+0.5=5.9mL、陽極の酸素が2.3+0.5=2.8mL(注射器の上部に目盛りのない0.5mLの空間があるため、目盛りの読み取り値に0.5mLを足しています。)
 5.9÷2.8≒2.1 水素:酸素=2.1:1となり、学習する2:1に近い結果となりました。
陰極の水素 陽極の酸素


 次は電極を芯を出した鉛筆に変えて、水酸化ナトリウム水溶液を電気分解しますが、15秒~1分程度電気分解した後に電源を外し、電子メロディにつなぎ替えます。
鉛筆電極1 鉛筆電極2


 電気分解も充電も、相手に電流を流すため同じことと考えることができます。水酸化ナトリウム水溶液の電気分解(充電)でできた電池は水素(と酸素)を燃料として働く燃料電池です。

化学基礎

 今年度もクラスの授業時数に大きな差が生じ、少ないクラスは実験15で終了しました。
 ほとんどのクラスは、実験17電池と実験18電気分解まで行うことができました。すべてのクラスの進度を合わせたいのですが、なかなかそろいません。

実験17 電池

 まずは電池について学習し、実験に入りました。

・11円電池
 2種類の金属と電解質水溶液で電池が構成されていることが分かるものです。この電池は、1円硬貨・10円硬貨・食塩水を染み込ませたティッシュペーパーでつくりました。0.5~0.6V程度の電圧の電池になります。
11円電池1 11円電池2


・人間電池 
 ティッシュペーパーを人間に変えても、電池になります。人間も2種類の金属を持てば電池になります。
 食塩水をつけたティッシュペーパーでも、人間でも電圧は0.5~0.6Vとなり、使用する金属の種類で電圧が決定されることが分かります。
 いい加減な電池に思えるかもしれませんが、直列つなぎにすると1.0~1.2Vとなることも確認できます。
人間電池 人間電池直列つなぎ


・ダニエル電池
 次は紙の箱をセパレーターにしたダニエル電池をつくり、LED・電子メロディ・モーターなどを使いました。
材料 組み立て中

ダニエル電池完成 約1.1V

LED1 LED2

電子メロディ モーター

動画 ダニエル電池で電子メロディを鳴らす.wmv

動画 ダニエル電池でモーターを回す   .wmv


 ボルタ電池やダニエル電池は、負極に亜鉛、正極に銅が使われており、1.1Vの電圧になります。
 つくられた電気エネルギーは光エネルギー、音エネルギー、運動エネルギーなどに変換することで、さらなる用途が生まれます。この世の中は電気なしでは成り立たなくなっています。電気を使うばかりでなく、もっと電気に興味・関心を持ちましょう。

屋上より

 27日(木)晴れ、久しぶりに屋上に上ってきました。

 管理棟の奥に正門前の桜並木が見えました。
管理棟側1 管理棟側2

 セントラルパークと太陽光発電設備です。太陽光発電設備からは耳鳴りのような甲高い音が響いていましたが大丈夫でしょうか?
セントラルパーク 太陽光発電設備

 グラウンドではサッカー部、ハンドボール部、野球部などが練習に励んでいました。平成26年度の新入生も練習に参加しているようでしたので、人物が小さめの写真を掲載しておきます。
グラウンド サッカー部

ハンドボール部 野球部

 さらに各科の最上階や屋上に移動しました。電気科からは正門前のサクラが近く、きれいに見ることができました。
C科屋上より管理棟 E科屋上より管理棟

E科3階からの桜 M科3階からの桜

 高いところからきれいにサクラの見える場所は無く、よい写真は撮れませんでした。

化学基礎

 春休みはネタ不足。ブログの話題が理科に偏っている事はお許し下さい。
 学年末考査が終わり、化学基礎は酸化還元反応に入りましたが、実験を中心に授業を進めています。

実験16 酸化還元反応2

 テルミット反応を観察し、アルミニウムと鉄の金属のイオン化傾向の違いを理解します。また、アセチレンの発生と燃焼を行い、可燃物と空気(酸素)の混合比を考察します。

 左はアルミニウムの粉末(3g)、右は酸化鉄(III)の粉末(8g)です。どちらも磁石につきません。
アルミニウム 酸化鉄(III)

 この2つをよく混ぜ合わせて、水で濡らしたろ紙に入れ、マグネシウムリボンを立てます。
混合物 点火前

 準備ができたら点火です。
テルミット反応1 テルミット反応2

動画 テルミット反応.wmv

 Fe2O3 + 2Al → Al2O3 + 2Fe
 上記の反応が起こり、赤く溶けた鉄が得られます。鉄なので磁石につきます。

溶けた鉄 磁石につく鉄

 酸化鉄(III)の酸素がアルミニウムに移ったことから、アルミニウムの方が酸化されやすいということが分かり、金属のイオン化傾向の大きさが、Al>Feと決定できます。


 カーバイドと水を反応させるとアセチレンを発生できます。
 アルミ箔で包んだカーバイドを水に沈め、発生したアセチレンを試験管に水上置換しました。
 アセチレンを集める量は、1本目100%、2本目50%、3,4本目12%です。(残りは空気になります。)
アセチレンの発生1 アセチレンの発生2

 集め終わったら、1本目から火を着けていきます。
アセチレンの燃焼1 アセチレンの燃焼2

動画 アセチレン100%の燃焼.wmv

動画 アセチレン 50%の燃焼.wmv

動画 アセチレン 12%の燃焼.wmv

 2C2H2 + 5O2 → 4CO2 + 2H2O
 アセチレンの完全燃焼には多くの空気(酸素)が必要となります。空気が少ないと不完全燃焼しすすが出ます。動画の燃え方を見ると、少量の(12%)アセチレンの方が危険に思えませんか?

 日本では、ロングレール化のためのレール溶接法として、テルミット溶接法の他、フラッシュ溶接法、ガス圧溶接法、エンクローズアーク溶接法が適用されています。テルミット反応は、線路づくりに欠かせない反応であることを知っておきましょう。

 通常、ガス溶接と言えば、酸素アセチレン溶接のことを指します。アセチレンの取り扱いには十分に気をつけてください。

地学基礎3

 地学基礎
 見た目の美しい鉱物標本について。

美しい鉱物標本より
1.方鉛鉱(Calena) 鉛の鉱石。主に六面体の結晶であり、面に平行な劈開(へきかい)をする。
2.黄銅鉱(Chalcopyrite) 銅の鉱石。金に似るが、粉にすると緑黒になる。
方鉛鉱 2黄銅鉱

3.黄鉄鉱(Pyrite) 黄銅鉱より色が白っぽくかたい。成分は鉄と硫黄。
4.赤鉄鉱(Hematito) 鉄の最も重要な鉱石。
黄鉄鉱 4赤鉄鉱

5.水晶(Quartz) 石英が結晶して水晶となる。
6.紫水晶(Amethyst) 微量の鉄イオンを含むため、美しい紫色になる。
水晶 6紫水晶

7.メノウ(Agate) 玉髄(Chaicedony)の中で、縞模様のあるものをメノウという。
8.方解石(Calcite) 透明方解石を通して見ると文字などが複屈折のため二重に見える。
メノウ 8方解石

9.カンラン石(Olivine) 地下深部マントルより生成された鉱物。
10.ホタル石(Fluorite) 緑色・紫色・黄色・無色など様々な色のものがある。八面体の劈開(へきかい)をする。
カンラン石 10ホタル石

11.バナジン鉛鉱(Vanadinite) バナジウムの鉱石。赤色六角板状~柱状の結晶。
12.アラレ石(Aragonite) 方解石と同じ成分の鉱物。六角柱状に見えるが、双晶である。(斜方貫入三連晶)
11バナジン鉛鉱 12アラレ石

13.藍晶石(Kyanite) 低温高圧で生成される白色~青色の鉱物。雲母と同じく薄くはがれる劈開(へきかい)をもつ。
14.鱗雲母(リチア雲母)(Lepidolite) リチウムを多量に含む美しい紅雲母。
13藍晶石 14鱗雲母

15.ラブラドライト(曹灰長石)(Labradorite) 斜長石の一種。斑レイ岩・玄武岩などの造岩鉱物。光の干渉によって、美しい閃光を発するものがある。
15ラブラドライト1  ラブラドライト2

 美しいかな?という鉱物もありますが、実物を見せながら話をすることで興味・関心が高くなればいいなと思っています。