本校、神殿原農場で繁殖技術講習会が行われました。講師の先生は宮崎大学農学部准教授の北原先生。獣医師の資格もお持ちです。そう、繁殖については勿論、牛についても学生の指導についてもプロ中のプロの方。専門的な学習が出来るうれしさ半分、難しすぎて理解できるのか不安半分、そんな気持ちで始まった繁殖技術講習会でしたが、結論から言うと、とても勉強になった時間でした。
牛を飼育管理する上で繁殖技術を身につけることはとても有効です。今回は雌牛の生殖器を直腸壁ごしに触診する、直腸検査技術について詳しく学ぶことが出来ました。
画像や動画をつかって分かりやすく説明してくださいました。「北原先生の言葉が分かる」事前学習会の成果を感じました。
カラープリントで分かりやすい資料を頂きました。先日、子宮の解剖を行ったときよりも色が濃い気がしました。
子宮の模型を触らせて頂きました。実際の子宮よりも扱いやすく、また、見えるため学習しやすい。こんな便利なものがあったことに驚きました。場所によって堅さも違います。噂によると1つ〇十万円もするとか・・・。
まさに灯台もと暗し。直腸検査で腸壁越しの生殖器を想像するためには自分の手の大きさを知る必要があります。親指の幅、中指の第一関節から先などみなさんも測ってみてください。私は意外に長いと感じました。自分の手のサイズって分からないものですね。
クイズ「中の物の大きさは?」。なかなか正確な大きさを当てることは出来ませんでした。写真の彼は先生が冗談のつもりで入れたウトラマンの人形を触診。「頭は長さ3㎝。この頭は最近のやつじゃない。」「長靴、手袋は昭和。」など専門的な言葉をぶつぶつと発しました。「そう、これはウルトラマン!」と正解をピシャリ。繁殖技術があるかないかは別にして、ウルトラマンの触診は右に出る者はいなさそうです。このあと「胸にブツブツがあればゾフィーなんですけど」と言っていました。脱帽です。
いよいよ牛を用いた直腸検査実習です。これまで学習してきたことや講義で学んだ知識を発揮することが出来るでしょうか。
先生と一緒に直腸検査。「これが卵巣だよ」「今、ひっくりかえした」二人しか分からない世界。直腸の中で子宮を触診しながら先生からアドバイスを頂くことが出来ました。始めて卵巣の触診ができた生徒もいました。感覚を忘れないうちに練習を積むことで確かな技術となります。とても貴重な経験をさせて頂きました。
妊娠末期の牛の直腸検査も行いました。胎児に触れた生徒は「かわいーーーー」の声。周囲の生徒から「見えないだろう!」と突っ込まれていましたが、命を感じた本人はその感動を「かわいい」と表現したように思いました。
最後に、超音波画像診断装置を用いて卵巣の様子を見せて頂きました。牛の体の外にいながら子宮や卵巣の様子が目で見える技術。これから、更に練習を積んで身につけます。
はじめは不安もあった講習会でしたが、北原先生の優しく明るい人柄もあって、意欲的に取り組むことが出来ました。また、プロの技術を目の当たりにした生徒達は目を輝かせて取り組んでいました。牛の繁殖についての知識・技術は勿論、「学ぶことは楽しい」と感じさせてもらった講習会でした。北原先生、本当にありがとうございました。