台湾研修を終えて
熊本県立南稜高等学校 食品科学科3年 蓑毛
私には「社会に出る前に日本以外の国を訪れてみたい!」という思いがありましたが、その思いを実現させる方法が分かりませんでした。そんな時に先生に勧めていただいたのが、この「火の国の翼台湾研修」です。
正直、この研修に関して不安しかありませんでした。海外に行くのも初めてだし、班の中では「班長」という役割を担当することになったからです。しかし、その不安も自分と同じ名前の同級生が班員としていてくれたおかげでほとんど無くなりました。参加者名簿を見たとき自分と同じ名前が載っていて驚きました。同じ班になるとは思ってもいませんでしたが、そのことがきっかけで他の班員とも話せるようになったので良かったです。
台湾では目にするものの多くが初めてのものばかりでしたが、その中でも特に印象に残っていることが2つあります。
まずは食文化についてです。事前に台湾の食事について下調べはしましたが、実際現地に行ってみるとどうしていいかわからず戸惑いました。その中でも疑問だったのが、用意されていたお茶の温度です。夏だというのにとても熱く、猫舌な私は冷まさなければ飲めませんでした。夏でもお茶が熱い理由を聞くと「冷たい飲み物は消化を妨げるため台湾では夏でも熱いお茶を飲むんだ」という答えが返ってきました。些細なことかもしれませんが、こういったところでも日本の文化との違いがあって、とても興味深かったです。
次に台湾の学生との交流会についてです。この交流会で学生と意思疎通できるのかが、この研修の中で一番の不安でした。実際、言語での意思疎通は無に等しく、ほとんどジェスチャーでした。そこでふと気づいたのが、「台湾の学生は母国語である中国語のほかに英語と日本語を話せる。日本語は英語に比べ拙い感じではあったが、実質彼らは3か国語、使用できている」ということです。このことに気づき、自分自身の勉強不足を痛感しました。学校での英語の授業がいかに大切であるかが、よく分かりました。「『物を大切に』100回言われるより、1回つくるほうが、身につく」という言葉を最近目にしましたが、これはものづくりに限らず、全てのことに言えると思います。私自身、グローバル化なんだとよく耳にしますが、今回、この研修に参加するまでは、いまいち実感できませんでした。この交流を通して、私は自分の意識の低さを知ることができました。世界に通用する人間、は言い過ぎかもしれませんが、せめて海外の方に日本の魅力を伝えられるような人になりたいです。
この台湾研修では多くのことを学びました。私は、今回学んだことを活かすことができるような人生を送りたいです。