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2020年1月の記事一覧

第3回和牛甲子園参加

 総合農業科動物コース・牛部の代表4名は1月16日、17日に東京品川グランドホールおよび東京都中央卸売市場食肉市場で行われた第3回和牛甲子園に参加しました。和牛甲子園は全国の農業高校で競う大会で、体験発表(プレゼンテーション)と出品した枝肉の審査結果で勝敗が決まります。

 会場に着くととても高いビルのホールでした。人の多さ、建物の大きさと私たちが住んでいる人吉球磨が恋しくなりました。

 会場に着くと全国各地の高校生や、大きなスクリーンに「和牛甲子園」の文字。気持ちが高ぶります。

 1日目は30校の体験発表を視聴しました。始まる前は「1日中、集中力が保てるだろうか」と心配しましたが、全国各地の取り組みを見せていただくことはとても興味深く、生徒は熱心にメモをとりながら学習している様子でした。

 午前中から始まった体験発発表会、本校の発表は夕方16時頃だったでしょうか。直前の様子ですが、そんなに緊張はなさそうです。

 いざ始まると、生徒からは緊張の様子がうかがえました。プレゼンテーションではマイクの距離やパソコンの操作など、本番を意識した練習が必要だと感じました。とはいえ、立派な発表でした。

 このあと、参加校と夕食をとりながら交流会が行われました。生徒達は牛に意欲を持つ全国の高校生と交流を深め、意見交換を行っていました。

 

 2日目の17日は東京都中央卸売市場食肉市場で枝肉共励会(牛の肉のできばえで勝負)を見学しました。先日、悲しい別れをした安桜号と久百合号はどのような枝肉に仕上がっているのか。また、全国の農業高校生はどのような枝肉を生産するのか。

 枝肉は冷凍庫の中。衛生的な問題と個人情報保護の問題で着替えや持ち物検査を行いました。ここから先、冷凍校の中では写真は撮れませんでした。

 冷凍庫の中には2メートル以上ある、枝肉がびっしりぶら下がっていました。

 まずは枝肉格付け協会の方(牛の肉の格付け(順位付け)を行う専門家)から数値で表れない枝肉の見方について説明をしていただきました。「バラ肉は前期の食い込みが影響する」「ここの発達は中期以降の食い込みが原因で、いまひとつ発達していないね」「後期に体重が増えた牛は皮下脂肪が厚くなりすぎることがある」と枝肉から見える飼養管理の課題を教えて頂きました。

 本校から出品した久百合号、安桜号も枝肉としてつるされていました。それを見たとき、「久百合と安桜はいなくなった」と改めて感じました。

 枝肉の格付けはどちらも、最高ランクの「A5」でした。細かく分けるとA5の枝肉はBMS8~12に分けられます(詳しくは枝肉格付け協会のホームページをご覧下さいhttp://www.jmga.or.jp/standard/beef/)。本校の枝肉は久百合号はBMS10、枝肉重量542㎏。安桜号はBMS9、枝肉重量503㎏でした。

 枝肉部門の順位発表はそのまま、冷凍庫の中で実施されました。最優秀賞は・・・。「岩手県立水沢農業高校」。BMS12、枝肉重量604㎏。枝肉を見せてもらうと、枝肉全体、ロース、バラなど、大きさが一回り大きく、ロースの中には細かなサシ(脂肪)がぎっしり。肉の色は薄いピンク色をしていました。その枝肉からは肥育技術の高さや20ヶ月という長い期間、生徒が関わった様子が想像できるものでした。

 枝肉の見学終わった後、枝肉のせりが行われました。枝肉のせりとは生産者からお肉屋さんに枝肉を販売する価格を決めることです。本校の枝肉は2頭で税込み312万5092円。高値で購入して頂きました。

 最後は表彰式。本校は入賞できませんでした。総合部門の最優秀賞は鹿児島県立市来農芸高校。枝肉、発表ともに見事でした。また、写真は最後の表彰式の様子です。最優秀賞インタビューのコメント、表彰式の立ち振る舞いがとてもすばらしく、「日本一になるということはこういうことなのか」と感じました。

 今回、初めて和牛甲子園に参加させていた頂きました。生徒達は卒業した先輩も含めて、目標を持ちながら肥育牛を飼育することができ、深い学習につながりました。

 また、参加生徒保護者が地域の方々に対して、生徒の旅費の援助頂くために物品販売を行ったのですが、十分すぎる援助を頂くことができました。経済的援助は勿論、地域の方々から応援して頂けるうれしさは、生徒のやる気に大きく影響しました。本当にありがとうございました。これからも本校では地域の方々とともに、地域の将来を支えられる人材を育てることを目標に掲げながら、生徒が育ち、夢をもち、夢をつかむ学校を目指して活動を続けます。