学校生活ブログ
3学期クラスマッチ!
自分はなぜ選ばれたんだろう・・・
司書の田中先生が、この3月末日をもって廃校になる河浦高校の図書館から182冊の本を貰って来られました。管理上必要と認められる物品や資料を他の機関に移したり管理区分を換えたりすることを、行政では「保管転換」という難しい言葉を使いますが、その作業をされたわけです。 廃校になる学校に残された図書は、引き取り手がなければ廃棄処分にされるわけですから、選ばれた本たちは本校の図書館で再び日の目を見ることになりきっと喜んでいることでしょう。 私、3月18日(土)からの3連休に読む本を借りに図書館に行ったついでに司書室に寄り、どのような本を貰って来られたのか説明を伺いました。数多(あまた)の本の背表紙を眺めていたら、本たちのつぶやきが聞こえてきそうでした。「自分はなぜ選ばれたんだろう・・・?」と。 そんなことを考えていたら、私自身も「黒潮」にも書いていたとおり終活とか断捨離とか称して一気に本を捨てることがあるわけですが、どうしても捨てきれない本が本棚に残ることがあり、その本たちの気持ちと通じるところがあるのでは・・・?と思えてきました。 何と、折も折、たまたま目にした3月20日(月)の熊日新聞読者文芸の短歌の欄の第2席にあった熊本市画図在住の女性による次の一首とその評が目に留まりました。 断捨離の書架に残りし書は我に残されし意味を問ひ続けをり 【評】捨てた本と残した本、その意味は何か・・・・・・。その意味はたぶん、作者の過去と現在と未来、つまり人生の時間にかかわるにちがいない。 「本の立場になって思いを詠んだこの一首、僅か3日前の幻聴と同じじゃない!」と思い、「最近の偶然って怖いよね!」と、とても不思議な気持ちになりながらこんな逸話も思い出しました。 はるか900年前、和歌の道に行き詰まった若い頃の藤原定家*から「西行さま、どうすればうまい歌が詠めるのですか。私は西行さまのようなよい歌人になりたいのです」と問われた西行**が「定家殿、歌といっても別段コツがあるわけではございません。ただ思うまま、見たままを言葉に託す。それだけです」と諭したというものです。「残された本を見て自分自身もまさに感じたそのことを、この女性はそのまま言葉に託して歌にしている。自分は歌にしようとか思いもしなかったな・・・。こんなことでも歌になるんだ!」という思いで。 田中先生に伺ったところ、もう登録手続きは終わって貸出可能だということです。河浦高校図書館にあったどのような本が本校の書架で光が当たり、息を吹き返したのか、どうして自分は選ばれたんだろうと思っているのか、それらの答えを想像しながら背表紙を眺めてみるのもきっと楽しいことだと思います。図書館に足を運んでみませんか。 なお、本だけでなくバーベルや指令台、得点板、卓球台などのスポーツ用品も貰ってきてあることを申し添えます。 【校長】 *平安末期の大歌人藤原俊成の子。新古今和歌集の選者の一人として有名ですが、何より小倉百人一首を選んだ歌人として知られる。(97来ぬ人を) **鳥羽上皇に北面の武士として仕えるも、23歳の時に家庭と職を捨てて出家、西行と号し諸国を遊行。漂泊の歌人。(俗名:佐藤義清[のりきよ]、86嘆けとて)
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(^.^)春の日差しに誘われて……
あと、4,5日もすれば春空に映える深紅の花々を目にすることができると思います。
初代の天草エアラインの機長、石垣忠昭さんが著した『オジサンカモメ天草を飛ぶ』という
エッセーの中に「三月中旬になると天草地方は本格的な春の訪れとなる。
天草下島にある本渡市の天草工業高校の校庭にある陽光櫻にも赤い花が咲きだし……」のフレーズが思い出されました。
この本は学校の図書館にあります。生徒の皆さん、ぜひ読んでみてください。
アクセス数に思う
昨日夕刻、学校を出る直前(17時40分)のアクセス数は246537でした。この状況なら246642、246738、246802などのちょっと気に留めたい数字が、寝ているうちに過ぎてしまうのかな・・・と思いながら帰ったところでした。 今朝、学校に来て7時55分現在のアクセス数は247218。ということで、それらのことが昨夜、確実に起こっていたことを実感しました。1時間平均40件のアクセスをいただいたわけで、大変ありがたく思う一方、どのような方が真夜中にもかかわらず本校のHPを訪問していただいているのかと思いを巡らしました。(何と昨日は1日(16日8時~17日8時)に997件のアクセスを頂いています) 言うまでもなく、最初の246642は、趣味の数学の分野でよく研究の対象になっている回文数字(右から読んでも左から読んでも同じ数になる数)です。最後の246802は偶数の並びが面白いと思っています。では、真ん中の246738は一体何? これは下4桁の6738が鉄道の日本最長距離路線である山陰本線*の距離、673.8kmの数字の並びであるということでした。 *山陰本線は、京都駅から山口県幡生(はたぶ)駅までを結ぶ全長673.8kmの幹線(でも、現在全線を通して走る特急はありません)です。従来、日本最長距離路線を誇っていた東北本線東京~青森間739.2㎞(支線を除く)が、2002年12月1日の東北新幹線盛岡~八戸間の開通に伴い、並行在来線の同区間105.9㎞が2つの第3セクター会社に譲渡され、東京~盛岡間565.3㎞となったことにより、山陰本線が遂に日本最長距離路線となりました。 山陰本線は、色々な意味で「偉大なるローカル線」と鉄ちゃんたちから評されています。車窓から垣間見える海や山、谷、都市や農村など、変化に富み情緒あふれる路線で、懐かしの昭和にトリップした気分になれます。好きな鉄道路線を3つ挙げよと言われたら、私、迷うことなく、東京の山手線、熊本の肥薩線、それとこの山陰本線を挙げます。 ふらっと山陰本線に乗って、文豪志賀直哉の「城崎にて」の舞台となった城崎温泉(三木屋という現存する旅館)でも訪れて、彼が何を見て何に思いを馳せたのか追体験してみたいのですが、今はその余裕がありません。 日本全国の鉄道を制覇していた若い頃の話ですが、山陰本線で車窓越しに日本海に沈む夕日を眺めながら、あの向こうに拉致被害者が住む北朝鮮とかあるのか・・・と哀しい気持ちになったことを思い出しました。 【校長】 |