秋風が心地よく実習園地を吹き抜ける季節となりました。
昨日、本校にて毎年恒例となっている「狩猟技術向上研修」が実施されました。
「くまもto☆農家ハンター」の稲葉様をはじめ、地元猟友会や振興局の皆様に毎年お越しいただき、果樹園や畑を守るための専門的なアドバイスを直接いただける、私たち教員にとっても実に貴重でありがたい機会となっています。
【受け継がれるバトン、静かに芽吹く変化】
思い返せば昨年のこの研修をきっかけに、当時の先輩(昨年度の卒業生)たちとともに果樹園の防除対策を本格的に強化しました。
※卒業生の活動の様子
それ以来、課題研究の果樹班は毎週のように現場へ足を運び、試行錯誤の対策を積み重ねてきたのです。
以前の「スイートスプリング」(上)と、今年の「スイートスプリング」(下)。
まだ果実こそ少ないものの、適切な獣害防除によって守られた樹の勢いや葉の青々とした輝きには、確かな違いが現れていました。
さらに隣の「はるか」の園地を覗くと、なんと生徒の膝ほどの低い位置にも綺麗な果実がしっかりと実を結んでいます。
来校いただいた講師の皆様からも、「積み重ねてきた対策のおかげで、目に見えて良い変化がたくさん出ていますね」と温かいお褒めの言葉をいただきました。
卒業していった先輩たちの想いと、在校生の粘り強さが静かに実を結んでいる——その事実が、教員として何よりの誇りであり、深く心に沁み入る瞬間でした。
【一筋縄ではいかないからこそ、探究は続く】
しかし、自然相手の取り組みに「終わり」はありません。
本日朝、課題研究果樹班の生徒たちは、さっそく「鹿フンマップ」作成のための果樹園巡回へと向かいました。
昨日お褒めいただいた園地とは別の区画を歩いていると――
「先生、ここ入られてますよー!」
「あ、これ鹿が食べたっぽいね……」
生徒たちの鋭い視線が、新たな被害の痕跡を見つけ出します。
評価していただいた喜びを糧にしながらも、まだまだ張り巡らさなければならない対策や、改善の余地が山積みであることを再確認しました。
この「山あり谷あり」の現場こそが、生徒たちをたくましく育ててくれる生きた教材です。
【向き合うものは変われど、目の前の課題に全力で】
ザクッ、ザクッ。
カリカリ、サラサラ。
こねこね、ペチッ。
1時間目に泥にまみれながら果樹園を巡回していた生徒たちは…
土と向き合う果樹の現場。
数式と向き合う黒板の前。
命の恵みと向き合うパンの生地。
1日の中で向き合う対象は次々と変わっていきますが、どの瞬間においても、目の前にある課題に対してひたむきに、一生懸命に汗を流す生徒たちの姿があります。
生徒たちのその健気で力強い眼差しに、教員である私たちが救われ、背中を押される毎日です。
果樹班の探究と防除の戦い、そして生徒たちの成長の物語は、これからも続いていきます。
本日10月8日は、二十四節気の「寒露(かんろ)」です。
露が冷たく感じられる頃とされ、日中はずいぶんと過ごしやすい気温となってきました。
澄み渡るすっきりと清々しい青空のもと、校内でも長袖姿の生徒を見かけることが増え、秋の深まりを肌で感じます。
特に朝晩は少し肌寒いくらいの冷え込みとなり、季節の移ろいを実感する日々です。
■ 実りの秋、たわわに育つ命
寒露の心地よい風が吹き抜ける農場では、植物たちがそれぞれのペースで力強く成長を続けています。
果樹ハウスの「不知火」はますます肥大し、枝をしならせるほどずっしりと豊かな実を太らせています。
草花温室に目を向けると、出荷に向けたシクラメンの「葉組み」実習がこれから本格化する時期を迎えます。
整然と並べられた鉢の中を覗いてみると、気の早い株が数鉢、一足先に可愛らしい花を咲かせていました。
シクラメンの中にも、どうやら少し「せっかち」な子がいるようです。
思わずクスッと微笑ましくなると同時に、季節が着実に前へ進んでいることを教えてくれます。
■ 16日の稲刈りを待ちわびて
そして水田に目を向ければ、一面に広がる黄金色の絨毯。
10月16日に控えた稲刈りの日を静かに待ちながら、丸々と実った稲穂たちが誇らしげに頭(こうべ)を垂れています。
1年生が大切に種をまき、荒天を乗り越えて泥にまみれながら植えたあの苗たちが、今こうして立派な実りを迎えています。
自然の厳しさと恵み、その双方に向き合いながら汗を流してきた生徒たちの努力が、目に見える形となって実結ぶ瞬間は、何度経験しても胸が熱くなるものです。
■ 秋空のもと、誇らしく前へ
せっかちに咲く花もあれば、じっくりと時を重ねて実る果実や稲穂もあります。
進路や考査、日々の実習に向き合う生徒たちの歩みもまた、それぞれのペースで着実に花開き、実を結んでいくはずです。
寒暖差の大きくなる季節です。
体調管理に気をつけながら、実りの秋を全身で感じて進んでいってほしいと願っています。
清々しい秋空のもと、ひたむきに頑張る芦北高校の生徒たちを、農業科一同、これからも温かく見守り、全力で応援していきます。
「寒露(かんろ)」
澄み渡る青空のもと、ずっしりと実る命と、それぞれのペースで前を向き歩む生徒たちのひたむきな姿に想いを重ねて。芦北高校より。
本日の農業科2年生の「食品製造」は、待ちに待った「ガトーショコラ」の製造実習。
実は今回のメニュー、先生方が年間の指導計画や生徒たちの技術習得状況、焼き菓子やケーキといった洋菓子の体系的な学びのバランスを綿密に計算した上で、生徒たちにいくつかの候補を提示し、みんなで話し合って決定したもの。
【手慣れた手つきと、プロの問いかけ】
トントン、サッサッ。
材料を正確に計量し、全卵を卵黄と卵白にサッと分ける手つきは、これまで実習を重ねてきた2年生にとってもうお手の物。
板チョコも細かく刻んで丁寧に湯煎で溶かし、薄力粉やココアパウダーをダマにならないようきれいにふるいにかけて準備を進めます。
シャカシャカ、とろ〜り。
生地を合わせていく工程では、甘いカカオの香りが漂う中で、先生からの鋭くも温かい問いかけやアドバイスが飛び交います。
・「砂糖を入れるタイミング」(一気に加えず分けることで、キメ細かく安定した泡に!)
・「作るものによる混ぜ方の違い」(さっくり切るように混ぜるのか、滑らかにつなぐのか)
・「メレンゲを少し入れる意味」(生地の比重を近づけ、全体の泡を潰さずに均一に混ぜ合わせるため!)
ただレシピ通りに手を動かすのではなく、「なぜそうするのか?」という化学的な理由と意味を一つひとつ理解しながら、最後は型へと丁寧に流し込んでいきます。
【理論が形になる、至福の焼き上がり】
じっくり、ふっくら。
オーブンに入れて待つこと約40分。
扉を開けると、芳醇なショコラの香りが実習室いっぱいに広がる立派なスイーツが焼き上がりました。
カットした断面を覗いてみると、中まで密度の詰まった、しっとりとなめらかな仕上がりに。
「なるほど、だからあの工程が必要だったんだ」
先生方の言葉の意味が、目の前の美しい断面と質感で証明された瞬間でした。
【体系的な学びを重ねて未来へ】
生徒たちの「作ってみたい!」という主体性を大切にしながら、その裏側に確かな技術理論と体系的な学びを組み込む「食品製造」の実習。
一つひとつの工程に込められた「意味」を納得しながら形にした今日の体験は、これからさらに高度な加工技術に挑んでいく2年生にとって、大きな自信と確かな基礎となったはずです。
自分たちの手で理論通りに焼き上げた、自信作のガトーショコラ。
確かな手つきと理論を身につけた2年生たち——これでいつ2月の「バレンタイン」がやって来ても、準備は万全です!
今日は持ち帰って、ご家庭で甘く誇らしい時間を過ごしてください。
Global Series Vol. 7:Ashikita Dedication
[JP]
芦北高校農業科の活動を世界へ届けるシリーズ。
私たちが大切にしている活動の記録を厳選し、月に一度、英語版としてお届けします。
第7回は、9月4日の「3年生果樹専攻・雨の日の実習(刈払機メンテナンス)」の記録です。
[Global Series Vol. 6:Tasting the Difference Today, Selling with Confidence Tomorrow はこちら]
[EN]
Sharing the passion of Ashikita Agricultural High School with the world. Once a month, we present an English edition of our specially selected stories. Vol. 7: Junior Fruit Tree Practice — Rainy Day Maintenance (Sep 4th).
[Click here for Global Series Vol. 6:Tasting the Difference Today, Selling with Confidence Tomorrow]
— Junior Fruit Tree Practice: Expressing Gratitude Through Maintenance on a Rainy Day —
Before we realized it, a whole month had passed since our last post...!
After days of relentless heat, today brought a sudden shift to rain. While outdoor practical lessons were put on hold, there is no point in complaining about the weather! A rainy day has its own distinct work to be done.
With that mindset, the third-year Fruit Tree majors gathered in the practical training room.
Deciding today was the perfect "brush cutter maintenance day," they set out to thoroughly care for the trusty equipment they rely on every day.
■ Thorough Maintenance for Our Reliable Partners
Swish, swish, wipe.
The session began with cleaning the air filters—which support the engine's breathing—and the fuel filters that ensure a smooth supply of clean fuel. The students calmly brushed away the accumulated dirt. Next came the spark plugs, the very heart of the engines. They meticulously polished the soot-blackened tips until they were clean enough to strike powerful sparks once again.
■ No Shortcuts, Especially Where It Cannot Be Seen
Squeeze.
They carefully applied fresh grease to the gear cases.
Next was replacing the nylon cutting cords, a task that directly impacts work efficiency. Focusing intently on their hands to prevent tangling, they wound the cords with balanced tension—turning smoothly until a crisp snap signaled everything was set. In the workshop, where only the sound of falling rain resonated, a quiet yet intense atmosphere filled the room as each student silently faced their machine.
■ Ready for the Next Blue Sky
With all maintenance steps completed, it was time for the final test: starting the engines.
Vroom, vroom!
A powerful exhaust roar echoed through the room. The trusty machines seemed to come back to life, as if saying, "We're ready anytime." Once the rain stops, the relentless weed control work will resume. But our students are ready. The equipment they carefully tuned with their own hands on this rainy day will undoubtedly perform at its best when the sun shines again.
Doing what needs to be done, rain or shine—now fully prepared.
Team Fruit Tree is ready to roll anytime!
坂道を登りながら、生徒たちの足取りにはどこか緊張感が漂います。
「あの補修で止まっているだろうか……」
「また破られていたらどうしよう……」
ドキドキとした高鳴りを胸に、前回の実習で緊急対策を行った露地「不知火」園地へと向かいました。
前回の記事はこちら・・「鉄パイプ 打ち込み挑む 知恵比べ」
緊張の面持ちで現場に足を踏み入れると――鹿の侵入痕跡はゼロ!
自分たちの手で施した補修がしっかりと功を奏し、まずは第一関門突破です。
【凄まじい生命力と、新たな刺客】
ムクッ、青々と。
食害を受けた「不知火」の枝をよく観察すると、わずか2週間前に葉を削ぎ落とされた場所から、力強く新芽が吹き出しているのを確認。
このまま食べられ続ければ枝ごと枯れてしまうリスクもありましたが、「不知火」が見せた粘り強い生命力に生徒たちも驚きを隠せません。
しかし、ホッとしたのも束の間。
自動撮影カメラのデータを解析すると、なんと今度はイノシシの親子らしき姿が……!
鹿は防げたものの、油断は禁物です。
次回の実習では、さらに頑丈な獣害ネットの補修や張り替えを計画し、絶対に突破されない対策を検討していきます。
【逆転の発想!9月の剪定実験】
続いて、樹勢回復を目指す「スイートスプリング」の試験区へ。
現在、対象の樹は主幹や主枝から多くの新梢(新しい枝)が発生しているものの、樹全体に実がなっていないという課題を抱えています。
そこで果樹班は、「結実がない状態」を逆手に取った実験を試みることに!
本来なら冬季に行う剪定ですが、あえてこの9月に実施(比較のために剪定しない試験区も用意)。
特に今後「徒長枝(無駄に伸びる枝)」になりやすい主枝上面の新梢を、今のうちに早めに剪定していきます。
【見据えるのは、来年・再来年の姿】
パチ、パチッ、スーッ。
茂っていた新梢を切り落とすと、それまで混み合っていた主幹部が見違えるほどスッキリと風通し良くなりました。
果樹の研究は、今日実習したからといって明日にすぐ結果が出るものではありません。
この一手が、来年・再来年の開花や着果にどう影響してくるのか。
目先の変化に一喜一憂せず、未来の収穫を見据えた果樹班の探究と挑戦は、まだまだ続いていきます。
昨日9月23日は、二十四節気の「秋分(しゅうぶん)」でした。
昼間はまだ夏の残り香を感じる日差しが差すものの、朝晩はすっかり過ごしやすくなり、澄んだ空気が心地よく頬を撫でる季節となりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、季節の歩みは着実に進んでいます。
シルバーウィークが明け、学校は一気に緊張感のある空気へと包まれ始めました。
■ 挑む秋。それぞれの場所で戦う生徒たち
今、3年生はまさに進路活動の真っただ中です。
就職を希望する生徒たちは、連日のように就職選考(面接や試験)へと挑んでおり、日ごとに誰かが公欠で試験に向かっています。
空席の残る教室に漂うのは寂しさではなく、「仲間が今、自分の未来のために戦っている」という静かな熱気と互いを思いやる空気です。
また、10月に入ると進学を希望する生徒たちの試験も本格化します。
面接や小論文の対策に打ち込む生徒たちの表情には、真剣そのものの熱が宿っています。
就職、進学、それぞれの道は違えど、互いの努力を認め合いながら進む姿はとても頼もしく感じられます。
さらに、来週からは全学年で定期考査も控えています。
放課後の校内では、テストに向けて残って勉強に励む生徒や、農場での実習の成果を振り返る生徒の姿が見られます。
■ 夜長の深まりとともに、未来を灯す
秋分を境に、昼よりも夜の時間が少しずつ長くなっていきます。
秋の夜長、深く静まる時間の中で重ねる努力は、必ず明日の自分を支える光になります。
自分の進路と向き合い試験に向かう足取りも、机に向かってペンを走らせる手も、すべては自分の夢や目標を実現するための大切な一歩です。
季節の変わり目、寒暖差に気をつけながら、この試練の秋を乗り越えていってほしいと願っています。
それぞれの未来に向かって突き進む芦北高校の生徒たちを、農業科一同、これからも温かく見守り、全力で応援していきます。
「秋分」
夜の長さを増す空のもと、就職や進学、考査という試練に挑み、自らの手で未来を切り拓く生徒たちのひたむきな姿に想いを重ねて。芦北高校より。
本日の農業科2年生「総合実習」は、ハウス内での「不知火(しらぬい)」の枝吊り実習です
果実が順調に肥大してくると、その重みで枝がぐんぐんと垂れ下がってきます。
そのままにしておくと、最悪の場合は枝が折れてしまうことも……。
そこで、ハウスの上に張り巡らされたワイヤーから麻紐を伸ばし、果実のついた枝を吊り上げて支える技術を学びます。
【プロの技「一工夫」を体得する】
キュッ、シュッ。
一見、ただ紐を結んでいるだけのように見えますが、実はここに必要なのが農業科ならではの「一工夫」です。
・果実の成長に合わせて「高さ調整」が簡単にできること
・果実を傷つけず、でもしっかり固定できること
・収穫後の「撤去」のときに、サッと簡単に解けること
2年生たち、この結び方を夏休みの間に実習室内で何度も何度も繰り返し練習してきました。
指先が覚えるまで叩き込んだあの成果を、現場の実習で発揮する時がまさに今です。
【指先に込める、未来の収穫への想い】
「よし、この高さでバッチリ!」
手元に集中しながら、一本一本の枝と丁寧に向き合う生徒たち。
夏休みに実習室でトレーニングを重ねていた姿から一転、実際のハウス内で迷いなくサクサクと結び目を作っていく姿には、頼もしい成長が感じられます。
【見事な黄色に染まるその日まで】
枝を吊り上げてもらい、どこか誇らしげに青空に向かって持ち上がった「不知火」の果実たち。
しかし、本格的な収穫はまだまだ先です。
これから秋を越し、緑色の果実が鮮やかな黄色へと色づき、甘みが乗った見事な果実に育つまで。
生徒たちの手による細やかな管理実習は、これからも続いていきます。
自分たちの手でしっかり支えた「不知火」
最高の収穫期を迎えるのが今から楽しみです。
本日の農業科2年生の「食品製造」は、実習室で「イチゴとブルーベリーのミックスジャム」製造に挑戦です!
実習に入る前の全体説明では、先日教室の座学で学んだ「ゲル化の三要素(糖度・酸度・ペクチン)」について、振り返りました。
めざす目標糖度は60度。
理論で学んだ知識が、いよいよ目の前の実習とつながっていきます。
【一滴一滴に込める緊張感】
全体説明を終えたら、充填作業へ。
熱々のジャムを扱うのは、2年生にとって今回が初めての実習です。
微調整の基準は「ビンの首まで確実に入っているか」。
少なすぎても多すぎてもいけないため、目の前の瓶をじっと見つめながら「あと数ミリ……!」と慎重にスプーンを動かします。
熱い瓶をこぼさないよう丁寧に拭き上げる手元には、心地よい緊張感が漂います。
【密閉直前!最後の最後まで手抜きなし】
いよいよ最終段階、キャップを締める「密閉」の工程へ。
ここでしっかりチェックすると、中にはほんの少しだけ量が足りず、急遽ジャムを注ぎ足して微調整する瓶もいくつかありました。
「もうちょっと足そう!」
「よし、これで首までピッタリ!」
最高のジャムを届けるため、最後の1瓶まで妥協せず、声を掛け合いながら丁寧に仕上げていきます。
【未来の名人に育つ日まで】
そんな2年生の奮闘を見守りながら、ふと頭をよぎったのは、以前投稿した先輩たち(現3年生)の手際の良さでした。
過去のブログはこちら→「共に行く 地域と歩む この一歩」
無駄のない動きでテキパキと実習を進める先輩たちも、最初から完璧だったわけではありません。
今日の2年生のように、座学の知識を現場で試し、量の加減に悩み、注ぎ足しながら一歩ずつプロの技術を身につけてきたのです。
教室で学んだ知識が、今日の手探りの実習を通して一つひとつ自分の技術へと昇華していきます。
先輩たちの背中を追いかけながら、ここからどんどんレベルアップしていこう、2年生!
昨日の1限目、農業科3年生の「課題研究(果樹班)」での出来事です。
「獣害から果樹園を守る」をテーマに掲げる彼らが、日課である果樹園の見回りのため坂道を登っていたときのこと。
「あれ……? ネット倒れてない?」
「あっ……!」
目の前に広がっていたのは、見事に倒された露地不知火園のネットでした。
【現場に残されたくっきりと重い痕跡】
ゾクッ……。
一歩園地に足を踏み入れると、異変はすぐに分かりました。
足元には無数の鹿のフン。
さらに不知火の木を観察すると、鹿の口が届く高さの葉が見事に削ぎ落とされ、綺麗な「ディアライン(鹿の採食線)」が出来上がっていたのです。
「これがあいつらのやり方かぁ〜〜!」
被害の大きさに驚きつつも、即座に対応策会議をスタート。
まずは設置していた自動撮影カメラの位置を変更して犯人を特定することにし、本格的な復旧作業は翌日の課題研究で行うことに決定しました。
【深夜1:38、カメラが捉えた犯人!】
カシャリ。
翌朝、回収した自動撮影カメラのデータをチェックすると……そこには深夜1:38、暗闇の中で堂々とたたずむ「鹿」の姿がくっきりと写っていました。
犯人確定です!
「絶対にこれ以上侵入させない!」
生徒たちのエンジンが一気に回ります。
【即行動!廃材を活かした補修作業】
ビィーン、ガツン!
早速、廃材の鉄パイプをカットし、倒れたネットを補修しながら頑丈な支柱を追加していきます。
支柱作成や杭打ちも、これまでの実習で鍛えたチームワークで手際よく進め、ひとまず鹿が入らないよう防御陣形を完成させました。
【戦いは、ここからが本番!】
物理的な防御は一旦完了しましたが、これで終わりではありません。
今後は「音」や「匂い」など、どうやって鹿を遠ざけるか(忌避対策)の実証実験に入っていきます。
相手は山の野生動物。
一筋縄ではいきませんが、自分たちの「不知火」を守るため、そして課題研究を成功させるため!
果樹班と鹿との知恵比べ、まだまだ熱い戦いは続きそうです!
本日の農業科3年生「食品製造」は、実習室全体が甘〜い香りに包まれる人気メニュー、「メロンパン」製造です。
これまで何度も作ってきた基本の丸パン。
今回はその上にサクサクのクッキー生地を被せ、格子模様を入れて焼き上げます。
実習自体はとっても楽しくてワクワクするものですが……実はこのメロンパン、これまでのパン作りとは一味も二味も違います。
【楽しさの裏に、計算されたプロの技】
ペタッ、サクッ、パラパラッ。
クッキー生地の大きさや形、手の熱でダレない絶妙な温度管理、そして全体を包み込む丁寧な手つき。
さらに、仕上げのグラニュー糖のまぶし方ひとつで、見た目も食感もガラリと変わります。
声を掛け合いながら成形していく時間は、やっぱり製パン実習ならではの楽しさ。
こうやって一つずつコツを掴むたび、確実にレベルアップしていきます!
【目の色が変わった!勝負の夏】
しかし、ふと生徒たちの手元や表情に目をやると……いつにも増して、真剣そのもの!
現在、3年生はまさに就職活動の真っ只中。
来年4月から実際に「食品製造」の現場へ飛び込もうとしている生徒もいます。
自分の将来がリアルに見えてきた今、実習に向き合う「目の色」が完全に変わってきました。
「もっと上手くなりたい」
「一発で綺麗な形にしたい」
——その真っ直ぐな想いが、手先の集中力に現れています。
【取材の特権!焼き立てをいただきます】
サクッ……フワッ! というわけで、取材の特権(?)として焼き立てを1つ試食させてもらいました。
……はい、文句なしのメチャウマです!
外側のクッキー生地は香ばしくサクサク、中のパンは驚くほどふんわり。
絶妙な温度管理と丁寧な成形が、そのままこの最高の食感に表れています。
作る楽しさを全力で味わいながら、自分の未来へ向かって本気で挑む3年生。
見事に焼き上がったこのメロンパンのように、みんなの夢もでっかく膨らむよう、全力で応援しています!
気がつけば、前回の投稿から一ヶ月が過ぎていました……!
連日の猛暑から一転、本日はあいにくの雨。
外での実習はストップですが、天気と喧嘩してもしょうがない!
雨には雨の日の、やることがあります。
というわけで、農業科3年生の果樹専攻生たちは実習室へ集合。
今日は絶好の「刈払機メンテナンス日和」として、日頃お世話になっている相棒たちを徹底的に手入れすることにしました。
【相棒への感謝を込めて、フルコース】
シャカシャカ、キュッ。
まずはエンジンの呼吸を支える「エアフィルタ」や、綺麗な燃料を送る「燃料フィルタ」の清掃からスタート。
溜まった汚れを淡々と払い落としていきます。
続いて、エンジンの心臓部である「スパークプラグ」。
煤(すす)で真っ黒になった先端を丹念に磨き上げ、力強い火花が飛ぶように復活させます。
【見えない場所こそ、手抜きなし】
ニュルッ。
ギヤケースへ新しい「グリス」をしっかり注入。
さらに作業効率を左右する「ナイロンコード」の巻き替えです。
絡まないよう手元に集中し、均一な力加減でくるくる、パチッとセットしていきます。
雨音だけが響く実習室で、各自が黙々と機械と向き合う静かな熱気が心地よい時間です。
【次の青空の下へ向けて】
すべてのメニューを終え、最後はエンジン始動。
ブォン、ブォーン!
実習室に響き渡る力強い排気音。
相棒たちも「いつでもいけるぞ」と言わんばかりに息を吹き返しました。
雨が上がれば、また容赦ない草刈りとの戦いが始まります。
でも大丈夫。
雨の日に自分たちの手でしっかり仕立て上げた相棒たちが、次の晴れ舞台で最高の仕事をしてくれるはずです。
雨は雨なりに、やることやって準備万端。
チーム果樹、いつでも出動OKです!
本日7月23日は、二十四節気の「大暑(たいしょ)」です。
快晴の空を見上げれば、見事なまでに突き抜ける青い空、モクモクと湧き立つ白い雲、そして容赦なく照りつける太陽。
あとは揺れるヤシの木と白い砂浜さえ揃えば、まるで南国のビーチのようなロケーションですが、ここは芦北高校の農場です。
学校は夏休みに入りましたが、校内や農場は今も生徒たちの元気な声と活気に満ちあふれています。
■ 操縦レバーを握り、未来を拓く挑戦
農場の一角では、「小型車両系建設機械」の特別講習が行われていました。
重厚なエンジン音とともに、真剣な眼差しで機械に向き合う生徒たち。
受講した生徒からは、「思った以上に揺れます!でも、操作には自信があります!」という何とも頼もしい声を聞かせてくれました。
ただ座って学ぶだけでなく、実際に自らの手で重機を動かし、身体で感覚を覚えていく。
こうした実用的な資格取得や技術の習得に汗を流す姿は、まさに農業高校ならではの力強い夏の風景です。
■ 明後日の体験入学へ。心を込めたおもてなし
外の農場が熱気に包まれる一方、食品製造実習室のなかでも熱い準備が進められていました。
生徒たちが取り組んでいるのは、明後日に控えた「体験入学」の準備です。
実習室の隅々まで行き届いた徹底的な清掃をはじめ、中学生たちが迎える体験活動のセッティングなど、準備に追われる生徒たち。
自分たちが学んできた楽しさや魅力を「少しでも中学生に伝えたい」「楽しんでもらいたい」という一心で、細かなところまで心を配りながら作業に励んでいます。
■ 汗の数だけ、成長する夏
その他にも、草花や果樹の各専攻の生徒たちが「時間外総合実習」のために登校し、太陽の下で爽やかな汗を流しています。
大暑という一年で最も暑い時期に、自らの成長のために学び、誰かの笑顔のために準備を重ねる生徒たち。
厳しい暑さに負けず、ひたむきに汗を流すその一瞬一瞬が、彼らの未来を照らすかけがえのない経験へと変わっていきます。
明後日、芦北高校の門をくぐる中学生のみなさんを、最高の笑顔と準備でお迎えします。
暑さのなかでも輝きを放ち続ける生徒たちの成長を、農業科一同、これからも温かく見守り、応援していきます。
「大暑」
照りつける太陽のもと、資格取得や後輩を迎える準備に汗を流す、生徒たちの頼もしく輝かしい夏。芦北高校より。
ジリジリ、ピカーッ!
長かった梅雨がようやく明け、青空から強烈な太陽が照りつける本格的な夏がやってきました。
気温はぐんぐん上昇し、果樹専攻が管理する「不知火」のハウス内は、なんと40℃を超えることも……!
このままでは「不知火」も、私たち人間もバテてしまいます。
そこで本日の実習は、ハウスの天井ビニールを巻き上げて一気に換気する大作戦を決行しました。
【油断大敵!ハウスの上の大仕事】
するする、ギュッ。
まずはハウスをがっちり固定しているバンドを緩め、大きなビニールを最上部まで巻き上げていきます。
写真の通り、ハウスのてっぺんへ登っての非常に高い場所での実習です。
一歩間違えれば大怪我に繋がるため、一瞬の油断も許されません。
全員が細心の注意を払い、神経を研ぎ澄ませます。
【響き渡る声、安全第一のチームワーク】
高所と地上でガッチリとタッグを組み、声を掛け合いながら進めます。
「結んだかぁい!」
「巻き上げまぁす!」
「バンド締めるよぉ!」
元気な声が夏の青空に響き渡り、お互いの安全を確認しながら、無事に全てのビニール巻き上げを終えることができました。
【10月まで、ここからは開けっ放し!】
これでハウスの天井は防鳥ネットだけになり、中にスーッと心地よい風が通り抜けるようになりました。
次にこのビニールを閉めるのは、涼しくなる10月以降。
それまでの長い夏の間、ハウスは実質「開けっ放し」の状態になります。
これで「不知火」たちも、厳しい夏の暑さをしのぎながら、のびのびと大きくなってくれるはずです。
【体調第一!ミストでクールダウン】
実習室には暑さ対策のため「ミスト」が設置されています。
シュワーッと吹き出す冷たい霧が、火照った体に最高の癒やしをくれます。
「生き返る〜!」と思わず笑顔がこぼれる大活躍のスポットです。
「不知火」も自分たちも、暑すぎるのはちょっと苦手。
これからも「体調第一・安全第一」をモットーに、この熱い夏を果樹専攻生一丸となって乗り切っていきます。
教育実習の最終日に、実習生の先生とクラス全員で記念撮影をしました。
この数週間、共に学び、笑い、過ごした時間は、生徒たちにとってかけがえのない思い出となりました。
K先生、熱心なご指導とたくさんの笑顔を本当にありがとうございました。
チーム農業科一同、先生のこれからのご活躍を心より応援しています!
「パン製造で、ガス抜きをする目的は何だと思いますか?」
教室に響く、少し緊張しながらも通る声。
本日、教育実習生のK先生による研究授業が行われました。
テーマは「パンの製造工程の意味」です。
授業の冒頭、生徒たちに投げかけられたこの一つの問いから、教室の空気がガラリと変わりました。
対象となったのは、先日実施した惣菜パン「ハムマヨパン」の製造工程。
普段の調理や食べる時には「なんとなく」通り過ぎてしまう工程の裏側にある一つひとつの意味へと、生徒たちの思考を誘導していきます。
【疑問を置き去りにしない、丁寧なアプローチ】
普段私たちが何気なく選んでいるパン。
K先生は、生徒たちが日々感じる「パンを選ぶ基準」や、工程のなかで生まれる小さな疑問を、授業の中でひとつひとつ丁寧に拾い上げていきました。
生徒たちが直感的に理解できるよう工夫されたワークシートの作成、どこに何を書き、どう見せるかが計算され尽くした板書計画。
そのどれをとっても、「どうすれば生徒に伝わるか」を考え抜き、準備してきたK先生の真摯な気持ちが溢れていました。
【授業を終えて――それぞれの声】
授業後、大役を終えたK先生と、授業を受けた生徒たちに感想を聞いてみました。
K先生のコメント:「とにかく緊張しました。時間配分が難しかったです……!」
時間内にすべての内容を収める難しさは、プロの教員でも毎日向き合う壁。
真剣に授業と向き合ったからこその、本音の感想を漏らしてくれました。
しかし、その努力は生徒たちに100%届いていたようです。
生徒たちのコメント:「説明がすごくわかりやすかったです!」
「黒板の書き方のバランスが良くて、字も大きくて見やすかったです」
【同じ職員室の仲間として、感謝を込めて】
この2週間、私たち農業科の職員は、同じ職員室でK先生と共に時間を過ごしてきました。
遅くまで机に向かい、授業に対してどこまでも真摯に向き合う姿。
「生徒の気持ちを第一に考えよう」と、何度も頭を悩ませながら教材研究に没頭する姿を、私たちはすぐ隣でずっと見てきました。
K先生のその真っ直ぐでひたむきな姿は、私たち農業科職員にとっても、「自分たちの普段の授業はどうか」「生徒にこれほど真剣に向き合えているか」と、自らの姿勢を見直す素晴らしい機会をくれました。
K先生、本当にありがとうございました。
母校の教壇で見せたその確かな一歩を、チーム農業科一同、これからもずっと応援しています。
本日3・4限目、農業科2年生の「食品製造」の授業。
今日のブログのタイトルと、ここからお送りする製造工程の写真を見て、生徒たちが一体「何を作っているのか」、ぜひ画面の前で予想しながらご覧ください!
一見、よくある美味しそうな料理ですが、実は「小麦粉のグルテン形成」と「酵母菌(イースト)の発酵特性」を体感で学ぶ、農業科ならではの本格的な実習の記録です。
【前編:職人の技と、ミクロの科学】
1.まずは先生の説明を真剣に聞きます。
(仕上がりの食感を左右する、重要なポイントを頭に叩き込みます)
2.材料を正確に計量。
(食品製造において、1グラムの誤差は命取り。慎重に測ります)
3.ボウルに入れて、均一に混ぜ合わせます。
4.ここからが力仕事!まずは優しくこねる。
5.さらに全体重をかけて、力強くこねる!
(こねることで小麦粉のタンパク質が結合し、網目状の「グルテン」が形成され弾力とツヤが!)
6.丸めてラップに包み、しばらく寝かせます。
【後編:目の前で起きる、生命の神秘】
7.生地を休ませている間に、次の「盛り付け」の説明を聞きます。
8.……と、説明を聞いている間に、ラップがパンパンに膨らんでる!?
(これぞイースト菌の力!生地の中で二酸化炭素を発生させている証拠です。)
9.発酵した生地を、薄くまるく成形します。
10.ソースを均一に塗って……
11.彩り豊かな具材を、焼き上がりを計算しながら乗せていきます。
12.オーブンに入れて、高温で一気に15分!
【運命の正解発表!!】
13.焼き上がりました!
正解は、タイトル通り「ナポリ風ピザ」でした!
外はカリッと香ばしく、中は驚くほどモチモチ。
小麦粉の性質を知り、微生物の手を借りることで、ただの粉がこれほど美味しい「食品」へと姿を変える。
これこそが食品製造の醍醐味であり、面白さです。
14.学びの成果が詰まった、世界に一枚だけの特製ピザが完成です!
【おうちに持って帰ります!】
こうして焼き上がった最高のピザは、本日生徒たちが自宅へと持ち帰っています。
自分たちで粉から、科学の力を借りて一生懸命に作った自慢の味。
今夜はぜひ、ご家庭で今日の頑張りや学びの話を聞きながら、召し上がってください。
それでは皆様、家族みんなで――
「ブォナッペティート(召し上がれ)!」
本日7月7日は、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」です。
文字通り、いよいよ本格的な夏の暑さが始まる節目の日。
そして、誰もが夜空を見上げ、星に願いを託す「七夕(たなばた)」でもあります。
ここ最近は重たい梅雨空が立ち込め、しとしとと雨が降り続く日が続いていましたが、今日は朝から一転、突き抜けるような青空と、力強い夏の白い雲が広がりました。
待ち望んだ晴天ではありますが、一気に気温も湿度も上昇。
ふと足元を見れば、ひまわりの黄色い花が咲き誇り、蜜蜂が忙しそうに飛び回るなど、農場はすっかり夏の装いです。
この急激な暑さは、外で活動する生徒たちにとっては身体に堪える非常に厳しい試練の始まりでもあります。
■ 暑さに負けず、農場で流すひたむきな汗
そんな過酷な暑さの中でも、農業科の生徒たちは決して歩みを止めません。
本日、果樹専攻の生徒たちは、照りつける太陽のもとで果樹園の草刈り実習に奔走しました。
草むした地面を、集中力を切らさずに一台一台丁寧に刈り進めていく作業は、体力的にも本当にタフな実習です。
しかし、すべては育てている命に豊かな栄養を行き渡らせるため。
生徒たちが大汗をかきながら実習に励むその傍らでは、期待のメロン「肥後グリーン」がネットをくっきりと浮き立たせて丸々と大きく実り、柑橘の「不知火」も青々とした力強い果実を太らせています。
また、温室の中では次の季節を待つシクラメンの瑞々しい緑の葉が、一鉢一鉢丁寧に整えられていました。
生徒たちの流した汗は、確実に農場の植物たちの生命力へと変わっています。
■ 天の川に想いを馳せ、それぞれの夢の舞台へ
実習でしっかりと汗を流した放課後、校内では七夕の心温まる風景が広がっていました。
図書室前の黒板には、彦星と織姫、そして夜空に流れる天の川を描いた見事な黒板アートが施され、紀友則(きのとものり)の歌が美しく添えられています。
「あまの河 あさ瀬しら波 たどりつつ 渡りはてねば 明けぞしにける」
黒板に書かれたその言葉のように、高校生活の限られた時間は、夢中になって走っているとあっという間に過ぎ去ってしまうものです。
だからこそ、今という時間を大切に、自分の「将来の夢」や目標に向かって一歩一歩、実直に突き進んでほしいと願っています。
梅雨を耐え抜き、今日の強い光を浴びて一段と色濃くなった農場の緑のように、生徒たちがこの試練の夏を超えて、自らの手で大きな未来を切り拓いていくことを信じています。
星が輝く今夜、芦北高校の生徒たちのすべての願いや挑戦が天に届き、それぞれの夢が豊かな実りを結びますよう、農業科一同、これからも見守り、全力で応援しています。
「小暑」
「七夕」を迎えて 一転した夏空のもと、命のきらめきと、自らの夢に向かって汗を流す生徒たちのひたむきな姿に未来を重ねて。芦北高校より。
「学校とバイトのバランスはどう取っていますか?」
「ひとり暮らしって、やっぱり難しいですか?」
「進路を決めるときに、一番大事にしていたことは何ですか?」
質疑応答の時間に入った瞬間、学年を問わず、次々と手が上がりました。
生活費のリアルなお金の話から入試対策まで、生徒たちから溢れ出す等身大の質問の数々。
これほど多くの質問が飛び交ったのは、生徒たちがただ聞いていただけではなく、自分の未来を重ね合わせ、それだけ強い興味を持って先輩の話に耳を傾けていた証拠です。
本日6限目、現在教育実習生として来られている本校卒業生のK先生による、「卒業生講話」を開催しました。
【担任の粋な企画で、農業科が全員集結!】
この講話を企画したのは、K先生の高校在学時に担任だったM先生です。
先生の熱い呼びかけに応え、農業科の1〜3年生全員が視聴覚室に大集結。
【芦高から大学へ。先輩が歩んだリアルな軌跡】
講話のなかで、K先生は自身の経験をもとに、生徒たちの未来に直結するたくさんのお話をしてくださいました。
・芦高への入学のきっかけ
・在学時に熱中したこと(フラワーアレンジメントや農業鑑定競技への挑戦)
・進路決定までのプロセス(担任の先生からの声掛けや、試験に向けた取り組み)
・大学で専門的に学んでいること(造園や栽培について)
さらに、高校生が一番気になっている「大学生活のリアル」についても、ひとり暮らしの工夫やアルバイト、現在の就職活動の様子まで、包み隠さず語ってくださいました。
【「やりたいことがない」と悩む後輩たちへ】
進路に迷う後輩たちに向けて、K先生が送ってくれたアドバイスは、心に深く刺さるものでした。
「進路を選ぶために、まずは資格や経験をたくさん積んで選択肢を広げてほしい。そして、周囲への感謝を伝えることを忘れないでください」
また、「将来やりたいことがまだ見つからない」という生徒に対しては、
「『これならちょっとやれそうかな』ということから始めてみればいい。自分のペースで『自分なりにはだいぶ良い方だな』と思える選択をしていけば大丈夫」
という、優しく背中を押してくれる言葉をかけてもらい、生徒たちは真剣な表情で深くうなずいていました。
【濃密な時間への感謝】
年齢が近い「先輩」だからこそ、どの言葉も説得力があり、生徒たちにとっては進路パンフレットを読むよりも何倍も大きな刺激になったはずです。
どんな質問にも笑顔で、かつ丁寧に答えてくれたK先生の姿勢からは、後輩への温かいエールが溢れていました。
企画してくださったM先生、そして本音で語ってくれたK先生、本当にありがとうございました。
この講話を聞いた生徒たちが、これからどんな進路を選び、どんな風に挑戦していくのか、今からとても楽しみです。
農業科3年、草花の授業。
ふと見ると、生徒に混じって、見慣れない職員の姿。
6月29日から本校農業科に教育実習生としてやってきた、卒業生の「K先生」です。
【頼もしい実績を持つ卒業生】
K先生は高校在学時、課題研究で草花を選択し、土日も惜しまず技術を磨いてフラワーアレンジの全国大会に出場した経験を持っています。
素人の私が「これは何の葉っぱですか?」と聞くと、迷うことなく「レザーファンです」と即答。
流石の一言です。
その知識と技術は、卒業してからも全く衰えていません。
実習中、手こずっている生徒を見つけると、サッと隣に寄り添って優しくアドバイスをされていました。
すでに先生らしい温かい眼差しで指導する姿に、生徒たちも真剣な表情で耳を傾けていました。
【授業だけじゃない、教員のリアルを学ぶ2週間】
実習の舞台は実習室だけではありません。
職員室では、指導教師の先生と2週間のびっしり詰まったスケジュールを確認していました。
授業見学や教材研究はもちろん、教務の仕事や生徒指導のあり方など、学ぶべき内容は多岐にわたります。
教科書を開くだけでは分からない、学校現場の「リアル」を肌で感じる、非常に濃い2週間になりそうです。
【充実した実習になりますように!】
3日には最初の授業実施、そして来週には実習の集大成となる「食品製造」の研究授業も控えています。
教える側として母校の教壇に立つ緊張と喜び。
K先生にとっても、農業科の生徒たちにとっても、これ以上ないほど充実した時間になりますように!
チーム農業科、全力で応援しています!
【今日の一枚】
先輩の技を、まさかの方法で吸収!?
K先生の熱心な指導が続く、3年生の草花実習。
カメラを向けるとポーズを取ってくれました。
K先生、個性が爆発する楽しい後輩たちですが、2週間どうぞよろしくお願いします!
Global Series Vol. 6:Ashikita Senses
[JP]
芦北高校農業科の活動を世界へ届けるシリーズ。
私たちが大切にしている活動の記録を厳選し、月に一度、英語版としてお届けします。
第6回は、6月4日の「2年生・果樹総合実習(不知火のブラインド・テイスティング)」の記録です。
[Global Series Vol. 5:The Chemistry of Baking and Respect for Professionals はこちら]
[EN]
Sharing the passion of Ashikita Agricultural High School with the world. Once a month, we present an English edition of our specially selected stories. Vol. 6: Sophomore Fruit Tree Practice — Shiranui Blind Tasting (Jun 4th).
[Click here for Global Series Vol. 5:The Chemistry of Baking and Respect for Professionals]
— Sophomore Fruit Tree Practice: Unlocking the Secrets of Shiranui Through a Blind Tasting —
"It’s totally different! This one is so sour!"
"Don't you think this one has a richer flavor?"
"I think I prefer Option A!"
Today, the classroom for our second-year Agricultural Department students was buzzing. Arranged on the desks were two types of "Shiranui" citrus that looked absolutely identical. However, the moment the students tasted them, their expressions changed completely. The room filled with the raw, sensory exclamations of mixed confusion and excitement.
This lesson featured a "blind tasting" designed to help students understand the unique characteristics of different citrus varieties and strains. As students of Ashikita Agricultural High School, we want them to do more than just eat and say "delicious"—we want them to become experts who can discern the most subtle differences. This marked the beginning of a slightly challenging yet highly exciting practical lesson born from that very wish.
■ The Four-Stage Judgment: No Easy Way Out
The "Variety Tasting Worksheet" provided two clues: "Hinoyutaka," born in Kumamoto, known for its quick reduction in acidity and a mellow flavor; and "M16A," a classic strain that develops a deep richness and a punchy acidity through careful storage.
The worksheet listed specific evaluation items, such as the color of the pulp, the thinness of the inner skin, and the mildness of the acidity. Crucially, there was no option for "average" or "neutral." The teacher's voice echoed through the room: "Try to make your evaluations definitive. There is no single right answer, so trust your own senses."
Munch, munch... Gulp.
The students focused all their energy on their taste buds. If this were just an ordinary snack time, it would have ended with simple smiles. However, the profiles of these students—showing the burgeoning pride of future growers—were intensely serious.
■ Lost in a Maze of Senses "They Look the Same, But Taste Completely Different!"
After the initial tasting, a quiet passion enveloped the classroom. The students grew quiet, staring intently at their worksheets, sinking into deep reflection as they translated their sensations into words and numbers.
Carefully recalling the flavors lingering in their mouths, they pieced the clues together one by one. "Was that aftertaste the mellowness of Hinoyutaka, or the richness of M16A?" Comparing their memories with the hints before them, they trusted their intuition to guide them to their own answers. This is precisely what makes working with living agricultural products so fascinating and profound. Seeing the students hesitate, the teacher offered some guidance:
"The correct answer doesn't matter. It’s not about guessing right. What matters is knowing that a clear 'difference' exists in things that look identical, and discovering which one you prefer. Catching that feeling is the real goal."
The feedback from the students proved that they had turned a real page of agricultural science through their own physical experiences:
"They were different, but both were so delicious that I want to eat a lot more next time."
"The flavors were completely different, but I could barely see any difference in the color or the appearance of the pulp."
"The difference was clear and easy to understand. I want to utilize this knowledge when selling them."
■ A Single Bite Nurtures the "Eyes of a Professional" for Tomorrow
Cheers of excitement and groans of frustration erupted the moment the correct answers were revealed, followed by the teacher's commentary. As time passes on the tree or in the storage facility, the acidity of the Shiranui citrus decreases, causing its flavor to evolve period by period. Because the speed of this change and the sharpness of the flavor vary by strain, citrus cultivation is incredibly deep and interesting. The students listened quietly, discovering how much intricate natural drama is packed into every single Shiranui fruit they normally handle without a second thought in the orchard.
This opportunity to learn the differences between strains through physical experience is a precious moment limited only to this fruiting season. A single tasting session will not instantly turn them into all-knowing professionals. However, the seed of inquiry planted in their hearts today—"Why do they taste so different?"—will undoubtedly transform the way they look at things during future harvest and storage management practices.
Being moved by the complexity of nature beyond just "tasty," and by the incredible human skill required to master it—this is how Ashikita Agricultural High School "creates" dependable wisdom for the future of agriculture through real learning that engages all five senses. As the lesson concluded and the room was cleared, a faint, sweet-and-sour aroma of Shiranui lingered in the air. Having taken their first step toward becoming "growers who know the difference," we are already looking forward to the next harvest these sophomores will raise.
〒869‐5431
熊本県葦北郡
芦北町乙千屋20-2
熊本県立芦北高等学校
管理責任者
校長 草野 貴光
運用担当者 広報部
TEL 0966-82-2034
FAX 0966-82-5606
E-mail
ashikita-h@pref.kumamoto.lg.jp
URL http://sh.higo.ed.jp/ashikita
学校からの緊急連絡(休校、授業打切り等)、各種連絡、資料・アンケート等について、学校・保護者間連絡システム「すぐーる」にて配信しております。
また、欠席・遅刻等についても本システムから連絡いただくことが可能になっております。