学校生活
緑科学科 東日本大震災の被災地宮城県石巻市「石巻工房」を訪問
緑科学科2年生は、
1泊2日の日程で「Fabラボの先進地視察研修」に来ています。
今日は、宮城県石巻市にある木工房「石巻工房」の視察に来ました。
石巻工房は東日本大震災をきっかけに地震や津波で壊れた家屋を自分たちの力で修理する方法(DIY)を地域の人たちに教えたいという思いから設立された工房です。
震災後の石巻では、家屋の1階部分が津波で流され家の2階で生活する家庭があり、被害の範囲が広く支援の手が回らないため周囲に散乱する畳などを家の扉がわりに立て掛けていました。地域の人たちにDIYを教えて、自分で修理ができるようにするとりくみは結果的には実現しなかったそうですが、石巻の夏祭りのイベントの一つとして映画上映を企画したときに地元の工業高校生と作ったベンチづくりきっかけに家具を製作する方向性ができました。
また、被災地支援で隣町の女川町に来ていたアメリカの世界的家具ブランド「ハーマンミラー」が協力して被災者と一緒に家具作りのワークショップを開催して家具を提供しました。
製品は、建築士で共同代表の芦沢氏の友人のデザイナーなどがデザインし現在は60種類のプロダクトがあるそうです。
材料は規格材のみを使用し、丸鋸やボール盤、手押しカンナ盤などの一般的な木工機械を使ってシンプルなデザインで、ビス止めのビスを隠さないという家具業界のタブーを犯している製品ですが、素朴な質感のなかにあるおしゃれなデザインが消費者に受け入れられています。
代表で工房長の千葉さんは震災前はすし職人だったという異色の存在で、木工の知識は全くなかったそうです。千葉さんからは石巻工房の設立からの歩みについてや、価格の設定、経営、マーケティングなど異業種から家具業界に参入したために苦労したお話、変化する常識に対応する力など多くのことを私たちに語っていただきました。
また、工房内を案内していただき3時間もの長い時間をかけて私たちにたくさんのお話しを丁寧に詳しくしていただきました。
おかげさまで、今後のものづくりの視点や私たちの目指す工房づくりの指針となるお話を聞くことができました。
千葉さん、石巻工房の皆さんお忙しい中、私たちのためにお時間をいただきありがとうございました。