シャカ、シャカ、シャカ……。
静かな実習室に響くのは、ワイヤーが擦れる音と、細かく鋏(はさみ)を動かす金属音。
農業科3年生が今、全神経を指先に集中させて取り組んでいるのは、衣服の胸元を飾る小さな花束「ブートニア」の制作です。
これは、国家資格である「フラワー装飾技能検定」の実技試験に含まれる重要な課題の一つ。
今回はクラス全員の講義の一環として、この高度な技術の習得にみんなで挑戦しています。
生徒たちの机の上には、鮮やかな紫色のデンファレや、青々とした美しいグリーンの植物など、たくさんの材料が並びます。
【プロから学ぶ、ミリ単位の熱血指導】
この日は特別な実習。
日頃の授業に加え、外部から専門の講師の先生にお越しいただき、実技の直接指導をしていただきました。
完成したブートニアはとても華やかで優美ですが、その美しさを支える裏側には、地道で非常に細かい職人技が隠されています。
まずは、植物の茎の代わりに細い金属のワイヤーを通していく作業。
絶妙な力加減で花を傷つけないよう固定し、その上からフローラルテープを隙間なく、均一に巻きつけていきます。
指先に残るテープのわずかな粘着感を感じながら、長さを測り、細かく鋏を動かしていく緻密な集中力が求められます。
「ここ、もう少し綺麗に巻けるかな?」
講師の先生のお手本の手元をじっと見つめ、プロの洗練された技術を少しでも自分のものにしようと、生徒たちは熱心に耳を傾けていました。
第一線で活躍される先生からのリアルなアドバイスは、生徒たちにとって何よりの刺激です。
裏側を覗いてみると、細いワイヤーが美しく張り巡らされ、鮮やかな緑色のテープできっちりと巻き上げられているのが分かります。
この見えない部分の丁寧さこそが、表にある主役の花々を一番美しい角度でキープする「魔法」なのです。
【それぞれの目標へ向けて、技術を研ぎ澄ます】
全員が検定を受験するわけではありませんが、こうしてプロの技に直接触れ、本物の技術を学ぶ時間は全員にとって貴重な経験です。
講師の先生の丁寧なご指導のおかげで、最初は一本のワイヤーに苦戦していた生徒たちも、手つきがどんどん滑らかに、そして素早くなってきました。
ただ花を組み合わせるだけでなく、植物それぞれの個性を活かしながら、規格通りの美しい形へ。
検定合格を目指してさらに腕を磨く生徒も、この講義を通じて花を扱う楽しさや奥深さを知った生徒も、それぞれが自分の感性を大きく成長させた一日となりました。
お忙しい中お越しいただいた講師の先生、本当にありがとうございました!
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