日誌

芦高ブログ

鉛筆 「不知火」に 生徒の真心 「あしポン」へ

芦北高校農業科 「品種名鑑」 #01

 

 新企画をスタートします。

 私たちが日々実習で向き合っている、個性豊かな農作物たちを紹介する「品種名鑑」です。

 果樹・野菜・草花……本校が誇る命のカタログを綴っていきます。


 記念すべき第一号は、やはりこの品種。

 「不知火(しらぬい)」です。

※本日使用の写真は1月14日のブログで紹介したプロのカメラマンの方々に撮影していただいたものを使用しています。 


■地元の海の名を冠して

 実はこの名前、熊本県の宇土半島(宇城市不知火町)で最初に栽培が広まったことに由来しています。

 校門を出ればすぐそこに広がる、穏やかな不知火海(八代海)。

 その潮風とともに育つこの果実に、地元の海の名前が冠されたことを、私たちは誇らしく感じています。

 

 

「デコポン」「あしポン」

 皆さんがよく耳にする「デコポン」という名前。

 実は「デコポン」とは品種の名前ではなく、この「不知火」という品種が一定の糖度と酸度の基準をクリアし、指定のルート(JA)を通じて流通する際にのみ使用できる「商標名(ブランド名)」です。

 ですので、私たちがハウスで育てている「樹」「葉」、そして実っている「果実」のことは、正しくは「デコポン」ではなく、「不知火」と呼びます。


 本校の生産品はJAを通じて出荷するものではないため、たとえ基準をクリアしていても「デコポン」という名前で呼ぶことはありません。

 その代わりに、私たちは親しみを込めて、芦北高校の「不知火」「あしポン」と呼んでいます。

 


■名前よりも、中身。

 ブランド名としての「デコポン」は名乗れずとも、中身へのこだわりは負けていません。

 教科書にある「清見」「中野ポンカン」の交配種という知識以上に、実際に触れて感じる「不知火」の力強さや、ハウス栽培ならではの管理の難しさを、私たちは日々学んでいます。

 

 現在、果樹専攻生たちは、一つひとつ丁寧にこの「不知火」と向き合っています。

 ブランドという名前の枠を超えて、この果実の本質を学ぶ。

 それもまた、農業高校ならではの「品種名鑑」の醍醐味です。


 品種名鑑、これから少しずつ更新していきます。

 

「名前以上に大切なのは、その中身。あしポンの甘みの奥には、生徒たちの誠実な努力が詰まっています」

 

■次回予告

 次回は、この「不知火」の系統である「肥(ひ)の豊(ゆたか)」、そしてメカニックな名前を持つ「M16A」について詳しく紹介します。

 お楽しみに!

鉛筆 立春の 白き豆腐に 夢をのせ

 2月1日より3年生が家庭学習日に入りました。

 彼らが毎日汗を流していた実習地や教室には、少し寂しい静けさが漂っています。

 そんな中、本日暦は二十四節気の始まりである「立春」を迎えました。

 


 ふと足元に目を向ければ、凍てついていた土の表情が心なしか緩み、ハウスの傍らには寒さに耐えながら出番を待つ小さな蕾が、わずかに膨らみ始めています。

 厳しい冬の奥底で、生命が春に向けて一歩を踏み出す、そんな微かな胎動が聞こえる季節です。

 


「立春」という暦の豆知識


 二十四節気において、立春は一年のスタート地点です。

 かつて旧暦では、立春を一年の始まりとし、立春の前日である「節分」は大晦日のような位置づけでした。

 そのため、立春は「立春正月(りっしゅんしょうがつ)」とも呼ばれ、新しい一年の無病息災を願う特別な日とされてきました。


 農業の世界でも、立春はカレンダーの「元日」のような役割を果たします。

 例えば、種まきの目安となる「八十八夜」や、台風を警戒する厄日として知られる「二百十日(にひゃくとおか)」などは、すべてこの立春を起点として数えられます。

 まさに、実りの秋に向けたすべてのスケジュールの「起点」となる日なのです。

 


「白」に込める清めの習わし


 そんな立春には「白いものを食べると縁起が良い」という習わしがあるのをご存知でしょうか。

 中でも有名なのが「立春大吉豆腐」です。

 豆腐の「白」は邪気を払い身を清める色とされ、さらに原料の大豆には「魔(ま)を滅(め)する=魔滅(まめ)」という、災いを払う意味も込められています。

 立春に豆腐を食べることで、これまでの穢れを払い、清らかな心身で新しい一年のスタートを切るという意味が込められています。


 3年生の皆さんは今、学び舎を離れ、それぞれの家庭で社会へ出るための準備を進めています。

 この家庭学習日の期間が、白い豆腐のように、皆さんにとって「心を整え、まっさらな自分を作る」大切な時間となるよう願っています。

 


■ 私たちも新たな気持ちで


 私たち1・2年生と教職員もまた、その教えにあやかり、清らかな気持ちで今年の農作業を本格始動させます。

 3年生がこれまで大切に守ってきたこの土を、今年も真摯に耕していきたいと思います。


 さて、立春に豆腐を食べると、健康にも恵まれ、一年の幸福を呼び込むのだとか。

 「福を呼び込む」という言葉に弱い私……。

 今夜の献立を考えながら、今日は仕事の帰りにスーパーで少し良い豆腐を買って帰ろうかな、なんて画策しています。

 


 

 「立春大吉」

 皆さんのもとにも、穏やかな春の光が届きますように。

鉛筆 「あしポン」は 僕らが育てた 春の福

 冬の柔らかな光が差し込むハウス内に、パッと輝くような黄金色の実りが並びました。

 本日は、今年度初となるハウス内「不知火(しらぬい)」の収穫。

 これまで静かに、しかし力強く糖度を蓄えてきた果実たちが、いよいよ収穫の時を迎えました。

 昨年末、寒風吹く中で2年生が露地での収穫を終え、繋いできた収穫のバトン。

 その最終走者としてハサミを握るのは、卒業を目前に控えた3年生です。

 

 「見て!デコが立派すぎてハサミ入れるの緊張するわ(笑)」

 「こっちのもずっしり重いよ、美味しそう!」

 ハウス内には、そんな明るい笑い声と、パチンパチンというリズムの良いハサミの音が響いています。

 一果一果、感触を確かめるように丁寧にハサミを入れる手つきには、三年間の積み重ねによる自信が溢れていました。

 ふと気づくのは、ハウスを満たす「いつもと同じ」土と葉の匂い。

 柑橘の香りは、まだどこにもしません。

 自分の爪やハサミでわずかでも果皮を傷つければ、その瞬間に芳醇な香りが溢れ出してしまいます。

  「香りがしない」こと。

 それは、一果一果を傷つけることなく、三年間で磨き上げた精密な技術で収穫できているという、何よりの上達の証です。

 コンテナが黄金色に染まっていくたびに、実習地には大きな達成感が広がります。

 このメンバーで実習着に身を包み、共に土に触れる日々も、もう指を数えるほど。

 だからこそ、一秒一秒を惜しむように、そしてこの一瞬を楽しみ尽くそうとする彼らの表情は、黄金色の実に負けないほど眩しいものでした。

 樹になっている状態では、まだ一農産物としての「不知火」。

 それが、無傷で収穫する確かな技術と、その後の厳しい糖酸検定という関門をクリアすることで、ようやく本校の誇りである「あしポン」としての命が吹き込まれます。

 この名前は、彼らが三年間かけて磨き上げた技術と、注いできた愛情が認められた「合格証」そのものなのです。

 

 奇しくも今日は「節分」

 季節を分けるこの日に、高校生活最後の冬を締めくくるような収穫を最高の仲間と行えたことは、彼らにとって何よりの「福」となったはずです。

 選別や一玉ずつの拭き上げを経て、皆さまのもとへ届くまでにはもう少しお時間をいただきますが、3年生が真心を込めて仕上げる「あしポン」の登場を、どうぞ楽しみにお待ちください。

 後輩が露地で拓き、先輩がハウスで結実させた、農業科の誇り。

 3年生の手から生まれた「あしポン」の確かな重みは、彼らが芦北高校で共に歩んできた「確かな証」として、卒業後の新しい季節を照らす光となることでしょう。

 

 立春を前に始まった、黄金色の実りとの対話。

 「あしポン」の収穫は、これからも、もう少し、続きそうです。

国家試験を終えた3年生に聞いてみました② ~3年福祉科~

前回に引き続き、インタビュー会議・研修

 

?国家試験、どうでしたか?

 ー しっかり勉強してきたので、終わった後も意外に冷静でした ー

 

?どんな勉強してきたの?

 ー テストのやり直し、小テスト対策、わからないことは調べる。それでもわからないときは質問する。特別なことはせずに、自分にできることをやりました ー

 

?「福祉科」で勉強してどうでしたか?

ー 入学当時は、「介護の仕事に就くのかな」くらいな気持ちでした。でも、1年生の時の実習で、介護の仕事をする自分のイメージが湧かなかった。2年生の時に「介護をする前に、情報分析したのち、介護計画を立てる」という「介護過程」の授業を受けて、その面白さを知りました。そこから、社会福祉士や特別支援の教師に興味を持ち、大学に行くことを決心しました。大学4年間で、どの道に進むかを考えていきたい ー

 

?後輩へメッセージを?

ー 「やりたいことをやる。それが1番。」走ることが好きなので、これからも走ります。でも、それだけやっていてもだめ。勉強するときはする。クラスで何かするときは協力する。だから、自分がやりたいことができる。学校生活をたのしんでください。応援していますにっこり

 

インタビューしながら、「自分も頑張らなきゃ」と高校3年生から刺激を受けましたキラキラ

国家試験を終えた3年生に聞いてみました① ~3年福祉科~

先日、「介護福祉士国家試験」を受験した3年福祉科の生徒にインタビューしてみました会議・研修

 

?試験はどうでしたか?

(生徒1)全力出し切りました!

(生徒2)あんなに勉強したのは、人生で初めてでした。頑張りました。

(生徒3)達成感でいっぱいです!結構、自信あります!

 

?介護の魅力ってなに?

(生徒1)支えることで、その人は日常生活を過ごすことができる。とても素晴らしいと思う。

 (生徒2)高齢者に対する偏見が強い。例えば、「◎◎ができない」とか。でも、実はできることはたくさんある。そして、介護することで、できるようになると、嬉しいですよね。もっと「できること」に着目してほしい。

(生徒3)普段から友だちにも「困っていることない?」と声をかけられるようになった。自分も変われることに気づけたこと。

 

?3年間、「福祉」を学んできました。今後、どう生していく?

(生徒1)高齢者の食事について学び、そこから「調理師」になりたいと思った。年齢を重ねても、食の楽しみを感じられる手助けをしていきたい。

(生徒2)実習などを通して、「コミュニケーション」の大切さを学んだ。子どもから高齢者まで携わる機会が多くなると思うので、明るく楽しく訓練できる雰囲気を作る視能訓練士になりたい。

(生徒3)人とのかかわりが苦手だったけど、実習やボランティア活動をする中で、子どもとのかかわりが好きなんだと気づいた。保育士として、子どもやその保護者としっかり向き合いたい。