学校生活

2024年1月の記事一覧

シンPITAパン検討会

1月19日(金)は、いつもお世話になっているPan工房ベーグル様のご協力のもと、商業科の開発商品「シンPITAパン」の検討会が行われました。参加生徒は、総合実践及び課題研究班の2~4年生の生徒です。

 

今回の企画は、かねてよりご好評いただいていた、もち麦&トマトソース味のオリジナルPITAパンを改良し、さらにおいしい商品にするべく、生徒たちから提案があり、共同開発元であるPan工房ベーグル様のご協力を得て実現したものです。

そのうえで、再開発にあたり留意する点として、次の2点を共通の課題としました。

(1)コンセプト「水俣の食材を使ったもち麦生地の健康志向惣菜パン」

(2)ターゲット「小さい子から大人までどの世代でも食べられる」

以上の2点は、最初にオリジナルPITAパンを開発した際のおおまかな理念です。この2点がブレることがないようにしたうえで、まずは各生徒より、研究発表からのスタートです。

4年生から順に、研究したこと及びそれに基づいたシンPITAパン案の発表をしていきます。

店主様が近くで見守るように聴いてくださっています。

若い生徒諸君からの柔軟な発想にも大変感心してくださっています。

一通り発表が終わったら、今度はベーグル様より生徒案に対する講評がありました。その中で、食品製造・販売をしていくには所轄の保健所への申請が必要なこと、及び保健所からの食品衛生に関する指導内容にも触れていただき、生もの等の日持ちしない食品は避けることといったお話もしていただきました。

生徒は真剣にメモを取ります。

講義の後は、いよいよ試作実習です。その前に、入念に手を洗います。

この日はベーグル様が朝からたくさんの食材を下ごしらえして、持参していただきました。

あらかじめ生徒からの提案シートをお渡ししておりましたので、それに基づき可能な限り準備をしてくださっていました。もち麦生地のパンに挟み込む食材の候補としては、チーズ、鶏のむね肉・照り焼き、レタス、コーン、コールスロー、サラダ玉ねぎ、ハム、ポテトサラダ、キクイモといった食材です。

ベーグル様より説明をしていただきながら、パンへの食材の詰め方ポイントを教わります。

主に自分たちが提案した具材を用いながらパンに挟み込んでいき、プレゼンで説明した時の図面に近づくように丁寧に作り上げていきます。

レタス、ポテトサラダ、コールスロー、鶏むね肉、キクイモチップス、サラ玉を詰め込んだボリューム感がある状態ものと、レタス、スライスチーズ、ポテトサラダ、キクイモチップスを入れ込んだシンプルなバージョンです。

 さきほどの、ボリューム感がある方のサンプル品の具材の中で、鶏のむね肉を照り焼きに変えた状態のものです。

先生にも手伝ってもらいながらサンプル品を切り分けていき、試食をします。

そして、挿入した具材を付箋紙に書き出したメモを掲示するとともに、試食後の所感を出し合い、板書にまとめていきます。

たくさんの試作品を作りましたが、最終的には、レタス、ポテトサラダ、コールスロー、キクイモチップス、サラ玉を詰め込んだものに、メインの鶏肉は、むね肉バージョンと、照り焼きバージョンの2種類を商品化することにしました。売価は、それぞれ1個税込み300円で販売することとしました。

最後は、4年生から立派な謝辞がありました。その後、取材に来てくださっていた熊本日日新聞水俣芦北総局の記者様より、4年生がインタビューを受けさせていただきました。

高校生活としては、残された時間がわずかな4年生諸君及び卒業予定の3年生諸君の「最後の」と形容される行事がまたひとつ終わっていく中で、今回も抜群のリーダーシップを発揮してくれました。そして今回は、それを引き継いでいく2年生諸君の、4月から最上級生になる自覚も垣間見える、頼もしくも感じる試作実習会でした。

考案から考察、そして事柄を決定していくその過程において、何事にも当事者意識を持ち、学んだことを生かし自信をつけていくことで、夢の実現に向けて挑戦するその姿をいつまでも大事にしてほしいと願います。

朝早くから本校定時制生徒のために準備して協力してくださったPan工房ベーグル様、取材に来校してくださった熊本日日新聞水俣芦北総局様、本当にありがとうございました。

なお、この新商品の発売日についてですが、2月9日(金)・10日(土)11時~16時までの間、JR熊本駅様のご協力をいただき、熊本駅の正面入り口から建物の中に入り、「肥後よかモン市場」の入り口付近で、総合観光案内所の右側付近のスペースをお借りして販売実習会を行いますので、その際に、おなじみ「水定どら焼き」とともに販売する予定です。当日はご近所お誘いあわせのうえ、もえぎ色の「水俣高校定時制」と記されたのぼり旗を目印にお越しいただければ嬉しく思います。生徒たちの活躍にご期待ください。精一杯の接客でおもてなしする予定です。

3学期進路講話

1月18日(木)は、進路講話が行われました。

今回は、水俣公共職業安定所の統括職業指導官の方をお迎えして、雇用と労働法規関係についての講話をしていただきました。

ハローワークは、厚生労働省が所管する機関で、全国に約500か所あり、熊本県は10か所あります。

主な業務は、求職者の斡旋、企業からの求人受付、雇用(失業)保険の加入に関すること、職業訓練(スキルアップ)の斡旋等、多岐にわたります。

そこで、今回はまず、闇バイトについてのお話がありました。

オレオレ詐欺や、記憶に新しい銀座の覆面強盗事件も、この闇バイトによるものでした。かつて、間近でハローワークを利用している人が、このような闇バイトに関する事件で警察に逮捕され新聞に載るといった衝撃的なできごともあったそうです。

闇バイトの厄介なところとしては、募集の際、闇バイトとは気づかないように誘ってくるところが特徴です。X(旧Twitter)やインスタグラムで「お金が無い」などと書き込むと、どこからともなくこの種の紹介が来ます。同級生等にも「お前は親友だから、特別に教えてやる」などと特別感を漂わせ、対人関係が悪くなるといけないと思い、また、借金も返済しないといけないので、やむなく手を染めてしまうといったことが後を絶たないそうです。またその際、テレグラムやシグナルといったインスタントメッセンジャーアプリケーションをインストールするよう指示し、「身分証明書が必要」などど言って、免許証やマイナンバーカードや保険証の写真を送らせ、巧妙に家族構成や交際相手の事を聞き出し、「おかしい」と気づいたとしても、入手した情報をもとに脅し、別の男性が殴られている動画を見せる等して外堀から埋めていき、退会できないようにしたうえ、警察に捕まるまでその人を使い続け、捕まったら使い捨てます。特にこの手の闇バイトは、多くの人が通常の仕事を急に失ったコロナ禍に増加し、ある日初めて顔を合わせることになった5人が、指示された民家に強盗に行く車中で、「せめてその家に誰も居ませんように」と願いながら行ったという話や、犯行後、いつ警察が来るかとドキドキしていたなかで、自宅に警察が来て「ついに来たか」と思った一方、捕まってホッとしたといった、悲しい実話も話してくださいました。簡単にお金が入るなんてことはないのです。

次は、冊子の労働に関する漫画やクイズ形式のプリントを使った学習です。

一般に、「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」をまとめて「労働三法」と呼ばれています。以下は、主なきまりに関する確認事項をまとめたものです。

(1)労働契約はしっかりと確認する必要があります。諸手当や賃金等が記された「労働条件通知書」を出す良い会社も中にはあります。

(2)期間・更新基準・時間・休日・退職等書面で示すことが義務づけられています。

(3)一部の不可抗力的な例外を除き、会社側からの内定取り消しは認められていません。

(4)最低賃金<熊本県898円・鹿児島県897円>(※2023年10月現在)以上は必ずどんな人にも払わなければなりません。「試用期間は800円」と言われるのはアウトです。なお、日給制・月給制には注意が必要です。時給換算してきちんと条件を満たしているかチェックが必要です。

(5)約束した賃金は必ず払わなければなりません。業績悪化で下げられることがあってはなりません。黙っていてしまうと「同意した」と認められてしまうおそれがあるので、すぐに労働基準監督署へ相談をする。賃金は必ず本人へ(未成年でも)月1回以上、決まった日にちに支給する必要があります。現金支給が原則ですが、受給者本人が承認すれば、銀行振り込みも可能です。電子マネーによる支給も現在議論中であるといわれています。

(6)残業の強制は不可です。残業する場合でも割増賃金を払わなければなりません。勤務時間は1日8時間以内、1週間40時間以内ですが、三六協定を締結すれば週40時間以上も可能です。その際、週15時間以内、月45時間以内です。

 (7)有給休暇の不当な却下は、正常な運営を妨げる場合を除いて認められていません。半年以上勤めたら最低10日は取れます。なお、通常の休日は週1回以上、月4回以上与えなければなりません。また、休憩時間は6時間以上は45分以上、8時間以上は60分以上与えなけらばなりません。その時間の賃金は発生しません。

(8)仕事が原因のケガは労災がおります。通勤中も含みます。労災保険は会社負担、雇用保険は育休、失業(12か月以上勤務した場合)などのセーフティーネット労保があります。健康保険は仕事以外の病気は3割負担になります。厚生年金は65歳以上から支給されるものと、障害年金といった社会保険があります。これは、会社と本人の折半になります。会社も入りたがらないところがあるので、ブラックかどうかを見極めるのはこの社会保険です。

(9)辞めたくても辞めさせてもらえないということは、あってはなりません。退職を申し出て2週間で認められます。その範囲の中で就業規則に従うことになります。「次の人が見つかるまで」は違法です。「誰か連れて来て」などと言われたらすぐ相談しましょう。

 最後は、卒業間近の4年生から立派な謝辞が述べられました。

自分の権利は自分で守れるようになるためにも、知識は必要です。何事にも当事者意識を持ち、各人が自分らしく輝ける場所で働けるよう、夢の実現に向けて挑戦してほしいと願います。

水俣公共職業安定所の皆様、本日は大変お忙しい中、本校定時制生徒のための貴重な御講話をいただき、ありがとうございました。

人権教育Ⅲ、及び生徒会役員改選

○人権教育

1月12日(金)3限目は、人権教育が行われました。

今回は人権啓発動画「ハンセン病問題を知る~元患者と家族の思い~」(法務省人権擁護局 企画)を視聴しました。ハンセンとは、らい菌を発見したノルウェーの医師、アルマウェル・ハンセンに由来します。昔は「らい病」と呼ばれていて、感染すると手足のまひ等が起こりますが、正しく治療すればほぼ後遺症もなく治り、感染力があるものではありません。

香川県大島のある人のエピソードです。

症状が軽かった頃は少年舎・少女舎にいました。中学までは患者作業(生きていくために必要なこと)はありませんが、卒業後はあります。治療に来ているのに作業をさせられていました。包帯の洗濯などです。手足の感覚がないため、ケガに気付かず悪化するケースもありました。偏見や差別を恐れた家族が身内の遺骨引き取りを拒否することもありました。就職しても精神的に苦しむこともあり、大島に帰らざるを得ませんでした。

 

 

無知こそ差別のはじまりです。これは遺族の言葉です。正しい知識をもち、その人の思いに寄り添ってみることが大事です。

ハンセン病患者の施設収容数を競ったり、警察が立ち会ったりする流れもありました。

法律の廃止が問題解決にはなりません。入所者の多くは高齢者で、すぐに社会との関係を断ち切られている人々ばかりだから、身寄りもなく、施設で暮らすしかないのです。

施設は全国に14か所あります。山の中や離島に多いですが、交流会が開かれたりしています。

今でも入所者がいるのはなぜか。差別・偏見はまだ残っているからです。

当時小6の男性のエピソードです。

父が施設に入所することになりましたが、悲しさや色々な思いがあり、見送ることもしませんでしたが、これを生涯悔やむことになりました。数日後には家に消毒作業者が来ました。夏休みのできごとでしたが、新学期が始まったとき、突然いじめが始まりました。東京に出て行きましたが、父を”死んだ”ことにして生きてきました。教員になってから久しぶりに父に会いに行きましたが、予防服を着せられました。「父ちゃんのことは世間に知られないようにね。」父が別れ際に言った一言です。その後、部落差別問題を扱うことになったとき、初めて父のことを世間に公表しました。同じ苦しみを抱える人が同じように身内のことを話せるようになってほしいからです。

以下、生徒感想文の一部抜粋です。

「林力さんが無知から差別は始まるとおっしゃっていて、確かにそうだなと思いました。知識があればハンセン病はほぼ感染することはないし、発症の確率が低いというのもわかり、差別は減っていたと思います。調べる手段が少ないとはいえ、”ハンセン病”というものが家族のだれかにでもいるというだけで差別になるのはおかしなことだと思いました。いくつかの裁判で勝訴していましたが、まだ差別をしてくる人は残っているのがなんだか悲しく感じました。昔に比べハンセン病で差別する人はだいぶ減少したと思いますが、ハンセン病だけでなく、差別自体がこの世界からなくなったらいいなと思います。自分も正しい知識をもっていこうと思いました。」

「偏見や差別は、ハンセン病にかかった方だけじゃなく色々な事で行われていることを改めて感じました。療養所であった場所がいつしか隔離される所に変わり、強制的に隔離された方々が居たと知って、その方々の声は心が痛みました。また、私はハンセン病という名前は知っていたけれど、どのような病気でどのような症状が出るのか全く知りませんでした。この学習を通してハンセン病のことや今までの日本がしてきたことを、これから勉強する子たちや生まれてくる子たちに正しく伝えていこうと思いました。そして自分もハンセン病についてもっと知るべき、調べてみようと思うきっかけになりました。」

”人権”とはまず自分の人権について考えることからのスタートなので、卒業後も自分にも関わりのあることとして、何事にも当事者意識を持ち、夢の実現に向けて挑戦するその姿勢を大切にしてほしいと思います。

 

○生徒会役員改選

続けて、4限目は令和6年度の生徒会役員改選が行われました。

現会長が司会進行と投票用紙の説明をして、立候補者が演説し、各教室で記入という流れでした。

 

今回は、信任投票となりますので、得票数が一定数を超えた場合は当選の可能性があります。

「生徒会」とは生徒の組織ですので、広い意味では生徒全員が「生徒会」のメンバーということになります。今回は、その「生徒会」の代表者(執行部)を決める改選ですので、自分にも大いに関わりのあることとして、何事にも当事者意識を持ち、どのようにしたら良い学校になり、どのようにしたら自分たちの夢の実現に向けて挑戦できる環境になるかをよく考え、その前向きな姿勢を大切にしてほしいと思います。

3学期始業式

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

1月9日(火)は、3学期始業式が行われました。

式に先立ち、令和6年能登半島地震において犠牲になられた方々の冥福を祈るため1分間の黙祷を行い、哀悼の誠を捧げました。

校長講話の要旨は次のとおりです。

明けて1月1日夕方。TVを観ながら衝撃が走りました。改めて、災害は時を選ばないのだと。亡くなった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。熊本地震を経験したからこその当事者意識を持つこと。いつ、なんどき熊本で起こるか。心の備えと具体的な備えをしておくようにしてください。

今回の講話は、いつも話していることを、切り口を変えながら話します。

目標を持つことの大切さと、より高い目標設定をしてほしいということです。「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。大きな目標を達成するためには、しっかりとした計画を立てなければなりません。元旦は過ぎましたが、まだ一年は始まったばかりですので、まだの人は立ててほしいと思います。

この言葉の由来は、毛利元就が息子の隆元に送った書状の「一年の計は春にあり、一月の計は朔にあり、一日の計は鶏鳴にあり」にあると言われています。
朔は「ついたち」と読み、月初めの日のことです。また鶏鳴は「けいめい」と読み、鶏の鳴き声のことから一番鶏が鳴く早朝のことを指す言葉です。
毛利元就の言葉は、一年、一月、一日それぞれの最初のときこそが計画を立てるべきときであるということを言ったもので、何事も最初が肝心であるという戒めを意味しています。

これからでも遅くないので、計画を立てること。大きな目標とは、設定するだけではだめで、積み重ねていくこと。自分に向き合いながら、それができなかったら修正していく。これを繰り返す。

オリンピックのメダリストや起業をして成功した人などは、毎日日誌をつけていたそうです。明確に文字にしていくこと。高い目標に対して現状はどの位置か把握すること。

ノミの体長は2ミリメートル程度ですが、その150倍の跳躍ができるそうです。20センチメートルの瓶に入れても蓋が無ければ30センチメートル跳べますが、蓋をしたら当然、20センチメートルしか跳べません。その後、その蓋を外しても、30センチメートル跳べていたのが20センチメートルしか跳べなくったそうです。自分で限界を作ってしまっているのです。

思い込みで限界を作らず、あらゆる可能性にトライすること。視野を広げること。精進する1年としてください。

卒業予定者の3学期は何事にも「高校最後の」と形容されます。悔いがないよう励むこと。在校生の3学期は新年度の0学期といわれます。1年のまとめと新学期の準備をして、実り多き令和6年にしてください。

校長講話の後には、教務部・生徒指導部・進路指導部からそれぞれ諸連絡がありました。

 令和6年も水俣高校定時制をよろしくお願いします。