学校生活(芦高ブログ)

2026年4月の記事一覧

鉛筆 笑顔へと 続く一打の エンターキー

 4月1日。

 新年度の挨拶と、期待と不安が入り混じった先生方のザワザワとした談笑。

 熱気を帯びた空気の中で、新しい一年が幕を開けます。

 

 午前中から息つく暇もなく始まる会議の連続。

 分掌の実務、学級経営、膨大な年間実習計画……。

 共有フォルダに積み上がるデータの山を眺めながら、正直なところ「おっと、これは……」と、頭がパンクしそうになっているのが本音です。

 

 ようやく訪れた昼休み。

 喧騒を離れ、呼吸を整えるように農場へと向かいます。

 会議室の熱気とは違う、少しヒンヤリとした果樹の出荷調整室。

 主役を待つ静かな食品製造実習室に響く自分だけの足音。

 そして、温室内で鼻の奥をくすぐるサイネリアの香り。

  誰もいない現場を歩きながら、

 「正直、会議室にこもるより、ここで生徒たちと一緒に実習している方が、よっぽど性に合っているのになぁ……」

 なんて、思わず苦笑いがこぼれます。

 

  土と緑の匂いに触れて、ようやく少しだけ、深い呼吸が戻ってきます。

 視界の端では、裏山を鮮やかに染める桜の薄桃色が、春風に優しく揺れています。

 農業科の学びは、日々の実習という地道な積み重ねでできています。

 新しい年度を迎えても、目の前の管理に一つひとつ丁寧に向き合い、毎日の実習を何よりも大切にすること。

 その積み重ねの先に、生徒たちの心が満たされ、充実した顔で農場を歩く姿を目指します。

 そうして一歩ずつ育んできた「実り」を、どう次へ繋げていくか。

 生徒たちが登校し、農場に弾けるような活気が戻ってくるまで、あと数日。

 

  令和8年度。

 やるべきことは、山積みです。

 けれど、そのすべてが、最後には生徒たちの笑顔に繋がっている。

 そう信じるだけで、指先に少しだけ力が宿ります。

 

 「カンッ」、と少し強く叩くエンターキー。

 

 さぁ、始めますか。