日誌

鉛筆 苦み抜き 知恵を煮詰める 春の雨

 あいにくの雨となった今日、実習室では2年生による「食品製造」の実習が行われました。

 作るのは、爽やかな香りが広がる「甘夏マーマレード」です。

 

■丁寧な下準備から始まる

 今日は仕上げに向けた大切な下準備。

 まずは皮を一つひとつ四角く成形し、機械へ投入します。

 すると機械からは、細長い短冊状にカットされた皮が次々と出てきます。

 

 一方で、甘夏の実(じょうのう)は熱湯へと移されます。

 「熱湯へ入れ、取り出す」

 この実習工程を、3回。

 その後、じっくりと熱湯で煮詰めていきます。次回はいよいよ仕上げの予定です。

 

■「なぜ?」から始まる学び

 実習中、実を熱湯に入れている男子3人組に声をかけてみました。

 「なぜ、3回も熱湯に浸すのかな?」

 すると、生徒からは自信満々にこんな答えが。

 「冷凍保存していたので、解凍してるんです!」

 確かに、素材の状態を考えれば「解凍」も間違いではありません。

 ……が、あと一歩足りなかった!

 

 そばにいた担当職員からは、すかさず愛のある訂正と嘆きが入ります。

 「苦みを抜くためたいっ! 頼むから、話をきいといてくれよぉ……」

 

■工程の意味を考える

 言われた通りに実習をこなすだけでなく、「なぜこの工程が必要なのか?」を考える。

 「3回繰り返す」という手間には、甘夏特有の強い苦みを和らげ、最高に美味しいマーマレードにするための先人の知恵が詰まっています。

 今回のユニークな回答も、本質を知るための大切なステップ。

 「なぜだろう?」と疑問を持ち、先生の話をしっかり聞いて、その理由を深く考える。

 そんな積み重ねが、技術だけでなく「食」に向き合う姿勢を育ててくれるはずです。

 次回の仕上げ実習では、苦みがきれいに抜けた甘夏の香りが、実習室いっぱいに広がるのが楽しみです。