校長室からの風(メッセージ)

校長室からの風(メッセージ)

俳優の中原丈雄さんからのメッセージ

「良い仕事をするために、つらい経験がある」 

~ 俳優の中原丈雄さんからのメッセージ ~


 高い演技力と重厚な存在感を発揮し、多くの映画、テレビドラマ等に出演されている俳優の中原丈雄さんは人吉市のご出身です。強い郷土愛の持ち主で、球磨郡の観光大使を務めておられ、しばしば帰省され地域の行事に登場されます。実は、中原さんの御母堂は多良木高等女学校を卒業されており、本校に対して特別な親近感を抱いておられます。この度、多良木町役場の御尽力を得て、本校最後の生徒たちに中原さんからエールを送って頂く場が実現しました。

 1020日(土)の午前、本校第1体育館において、「これからの時を生きる」の演題でトーク&ライブが開かれました。本校の生徒・教職員に加え、保護者や地域の方々も参加されました。前半のトークでは、若い劇団員としての下積み生活の中でも、俳優になるという夢を持ち持ち続けたことを語られました。印象に残った言葉を二つ紹介します。

 「これから、つらいことにたくさん出会う。けれども、良い仕事をするために、つらい経験をしていると考えてほしい。」

 「昨日負けても、今日勝つと思えばいい。今日負けても、明日は勝とうと思えばいい。」

 後半のライブでは、音楽仲間の方と結成しているバンドで再登場され、中原さんはエレキギターを奏で、1950年から1960年代に英米でヒットしたポピュラーソングを軽快に披露されました。中原さんは俳優が本業ですが、絵画も個展を開くほどの腕前で、音楽の才能も豊かな方です。

 あふれんばかりの能力に恵まれた方ではありますが、40代までアルバイトをしなければ俳優だけでは生活ができなかったという長く厳しい体験が土台となり、現在のベテラン俳優ができあがったという真実は、来春に巣立っていく生徒たちにとって何よりの励ましになったでしょう。