校長室からの風(メッセージ)

2017年2月の記事一覧

ダンス、ダンス、ダンス ~県高校ダンス発表会

ダンス、ダンス、ダンス

~ 県高等学校ダンス発表会 ~

  他者とコミュニケーションをとる時は、言葉が絶対的なものだと私たちは思っています。ところが、実際には言語(言葉)よりも非言語によるコミュニケーションの比重が大きいと言われます。非言語コミュニケーション(Non verbal Communication)とは表情、しぐさ、行動、装いなどですが、確かにそう云われると日常生活で思い当たることがあります。「目は口ほどに物を言う」ということわざもありますね。そして、改めて非言語コミュニケーションの素晴らしさを実感したのが、2月11日(土)の熊本県高等学校ダンス発表会でした。

  67回を数える伝統のダンス発表会は、今年は熊本県立劇場演劇ホールという最高の舞台環境で開催されました。参加17校の一つとして多良木高校も出場、しかも最多の40人で臨みました。高等学校体育連盟ダンス専門委員でもある体育の境先生の熱意によって出場が実現しました。

   多良木高校チームのテーマは「仲間 ~ 仲間との思い出、つながり、一体感」です。限られた時間での練習しかできず、県劇のステージという檜舞台で40人という大人数の息が合うのか心配しながら観客席から見つめていましたが、生徒たちは伸び伸びと、まるで学校の体育の授業中かのように自然な動きを披露し、持っている力を十分に出し切ったパフォーマンスでした。

  また、他の高校チームもそれぞれの特色を発揮し、観客を魅了しました。最優秀賞の熊本北高校の洗練された表現力、優秀賞の専大玉名高校の華やかさ、鹿本高校の強いメッセージ性には目を見張りました。入賞こそ逃しましたが、八代清流高校の男子3人による楽しさ全開のダンスには会場から大歓声が上がりました。

  振付け、衣装、音楽など全てを話し合い、試行錯誤して創っていくダンスには、高校生の瑞々しい感性としなやかな全身の動き、そして多彩な表情などが凝縮されています。そこに言語(言葉)はありませんが、何よりも雄弁に若者の可能性の豊かさを物語っており、観ていて溜息が出るほどでした。


                       写真は「エンジョイ多良木ディ」(2月4日)での2年生有志のダンス

多高生の青春物語 ~ エンジョイ多良木デイ

多高生の青春物語

~ エンジョイ多良木デイ ~

  「うーん、この生徒にはこんな面があったのか」と、ステージで歌や演技など次々とパフォーマンスを繰り広げる生徒たちを目の当たりにして、何度もうならされました。生徒の学習及び文化部の活動の成果発表の場として2月4日(土)に行事「エンジョイ多良木デイ」を開催しました。3年生を送る予餞会も兼ねました。ステージ発表も展示もすべて第1体育館で行い、昼食は保護者のご協力を得て、全員でカレーを教室でいただきました。館内はストーブが必要な寒さでしたが、プログラムが進むにつれ、生徒たちの熱気が充満しました。

  開会宣言を兼ねた書道部のパフォーマンスから始まり、音楽選択者による計12曲の歌が披露されました。クラスで、グループで、デユェットで、そしてソロと変化に富み、いずれも生徒たちは生き生きと歌をとおし自分を表現していました。1年生の男女のデユェット歌唱は笑顔があふれ、歌う楽しさが聴く者に伝わり、最も歓声があがりました。また、ボランティア部の労作である全校生徒及び職員による手話による合唱ビデオ、保健委員会のリラクゼーションビデオ、2学年のインターンシップ(職業体験)発表、茶道部のお点前実演と多彩なプログラムが続き、観覧していて時間が短く感じられました。

  その後の有志発表では、バンド、漫才、ダンスがあり、それぞれ生徒の個性が輝いていました。そして、午後の2年1組の劇は観る者を抱腹絶倒させるもので、ストーリーはよくわからないのですが、場面ごとの面白さで勝負というものでした。この劇のためにセミナーハウスで合宿して準備したというクラスの気迫が込められていました。

  圧巻はフィナーレの全校合唱です。東日本大震災を背景に生まれた「群青」、友へ感謝の気持ちを伝える「マジありがとう」、そして「校歌」です。卒業を控えた3年生は感極まっている様子でした。全校生200人の歌声が胸にずしりと響き、歌の力に感嘆しました。多高生の明るさ、純粋さなど青春の輝きを眩しく感じた一日でした。


                     フィナーレの全校合唱

校門前での町長選挙候補者の演説

校門前での町長選挙候補者の演説

~ 多良木高校型主権者教育 ~

  多良木町町長選挙が1月31日(火)に告示され、現職と新人の二人が立候補され、2月5日(日)投票日まで選挙戦が始まりました。4年に一度の地元の首長を選ぶ大事な選挙です。この機会を生かし、18歳選挙権を有している3年生に町長選挙との接点を持たせ、主権者意識を高めたいと考えました。そこで、両陣営に主権者教育の趣旨を説明し協力をお願いしたところ、快諾いただき、告示日の午後、多良木高校校門前において、両候補者による演説が行われることとなりました。

  多良木高校3年生64人のうち多良木町町長選挙有権者は20人です。しかし、町長選挙候補者の生の演説を聴く機会は恐らく初めてであり、これから地域の担い手として成長していく3年生には貴重な体験となります。

  当日は卒業考査最終日で、3年生は午前で放課となり、校門付近に希望する生徒およそ40人が集まりました。校門と町道を隔てたスーパーの駐車場から新人、現職の候補者がそれぞれ15分間、「若い世代への期待」や「2年後に閉校する多良木高校施設の利活用」等について生徒たちに熱く訴えられました。演説を聴く生徒たちの表情は真剣で、聴き終えて「貴重な機会となった。」「もっと具体的な政策を聴きたい」などの感想を述べていました。

  近年、若い世代の投票率の低下が問題となっています。「政治には関心がない」、「どうせ自分が一票入れたところで変わらない」等、関心の低さや主体性のなさが指摘されています。日頃から、私は、生徒たちに「未来を変えるかもしれない力を君たちは持っている」と語っています。そして、先ず身近な問題から関心を持つこと、さらに自分が生まれ育った故郷にどうあってほしいのか思いを選挙であらわしてほしいと願っています。

  学校で学んだことをいかに社会とのかかわりにつなげていくかが大切です。そのためには、今回のような実際の選挙と関わる場を設けることは学校の役目だと思います。地域の方々と一緒になって若い主権者を育てていきます。多良木町町長選挙において多くの「青き一票」が投じられることを期待します。


           多良木高校校門で町長選挙候補者の演説を聴く3年生