校長室からの風(メッセージ)

2017年5月の記事一覧

ツクシイバラの自生地を訪ねて

ツクシイバラの自生地を訪ねて

 
 昨日の日曜日、高校総体サッカー1回戦を戦う多良木高校イレブンを球磨工業高校グラウンド(人吉市)で応援。3対1で逆転勝利をおさめ、2回戦進出を決めました。部員は12人で、1人怪我をしているためぎりぎりの11人で試合に臨んでの劇的な勝利でした。生徒の頑張りに満たされた気持ちになった私は、多良木への帰途、錦町からあさぎり町にかけての球磨川の河川敷の「ツクシイバラ自生地」を訪ねました。
 ツクシイバラは野生バラの一種で、九州を意味する筑紫(ツクシ)と茨(イバラ)を合わせた名前です。5月下旬から6月上旬にかけて、薄いピンクや白の花を咲かせ、球磨の風物詩となっています。1917年(大正6年)に当時の旧制人吉中学校教諭の前原勘次郎氏がこの地で発見し、今年は100年に当たります。熊本県の絶滅危惧種に指定されている植物ですが、地元の方々の保護活動によって今年も野趣に富むツクシイバラの花を見ることができます。
 錦町木上(きのえ)の球磨川河川敷ではミニコンサートも行われ、多くの見学者でにぎわっていました。傍らを流れる球磨川の清冽な水、周囲の山々の瑞々しい万緑、そして素朴なツクシイバラの群生に包まれると、球磨郡の風土の豊かさをしみじみと実感します。これからの100年、いやその先も長きにわたってツクシイバラの自生が続くよう念じました。


 



自生のツクシイバラの花

いざ高校総体、総文祭へ

いざ高校総体、総文祭へ

 一昨日からの中間考査が今日5月25日(木)の午前で終わり、全校生徒が体育館に集まって第45回熊本県高等学校総合体育大会(高校総体)・第29回熊本県高等学校総合文化祭(総文祭)の選手推戴式を行いました。昨年は、「熊本地震」の影響で総文祭は中止となり、高校総体も総合開会式は行われず、競技会場を県内全域に分散しての開催でした。高校生のスポーツと文化の祭典が通常通りに開催できることを有難く感じます。

 本校からは、高校総体に男子サッカー、男子バスケットボール、女子ソフトテニス、女子バレーボール、陸上(男女)、アーチェリーの6競技に、総文祭には書道と華道の二つの部が参加します。昨年は、高校総体開催時期に入梅が重なり、屋外競技は雨にたたられた印象があります。サッカーは雨の中、まさに泥だらけの試合でした。陸上競技も雨が降り続き、厳しいコンディションのもと行われました。今年は選手一人ひとりがより力を発揮できるような良好な気象条件を望みたいと思います。

 多良木高校の高校総体は来る5月28日(日)のサッカーの1回戦、ソフトテニスの個人戦から始まります。ソフトテニス部は部員が3年生4人であり、この高校総体を最後に部の活動は停止となります。総体にかける生徒たちの思いは深いものがあるでしょう。

 6月2日(金)に2年ぶりに実施される高校総体総合開会式で入場行進の旗手を務める恒松朋樹君(陸上部)に校旗を私から授与しました。選手を代表して女子バレー部キャプテンの高尾美喜子さんが決意の言葉を述べてくれました。

最後に野球部全員が太鼓を叩き、威勢の良い激励をしてくれ、会場は大いに沸きました。

 昨日からの雨も朝方には上がり、選手推戴式を終えた頃には強い日差しが照り始めました。さあ、高校総体、総文祭に向けて元気を発信です。



魅せた体育大会

魅せた体育大会

 雨で一日順延となった体育大会を5月14日(日)に開催しました。3学年そろっていた昨年までと異なり、3年生と2年生の2学年136人による体育大会でしたが、生徒一人ひとりが進んで動き、競技、演技も一生懸命さが伝わり、大会運営も円滑に進み、どのプログラムを見ごたえあるものでした。

 また、保育園児とのダンスや玉入れ、老人会の方々とのグラウンドゴルフ、そして保護者の方も参加しての綱引きや男女混合リレーなど交流プログラムも充実しており、地域に開かれた体育大会となりました。

 特に本校体育大会のハイライトとして午前中最後のプログラム「キラリ輝く多高生」は、全校生徒が参加して、男子による伝統の多高体操、女子のダンス、そして体育コース生徒による集団行動、種目別の演技(縄跳び、マット運動、跳び箱)と1時間にわたる多彩な内容で、今年も大いに観衆を魅了しました。きびきびした動き、力強さ、柔軟性、そして豊かな表現力と多高生の力を存分に発信できたと思います。体育コースの生徒たちは、高い身体能力を発揮するだけでなく、個性を加えて高校生のユーモアと明るさをアピールし、魅せる演技に成功しました。

 御観覧頂いた保護者、地域の方々からも「昨年までとそん色ない盛り上がり」、「生徒数は減っても元気があった」、「生徒の出番が多くて楽しめた」等、多くの賞賛の言葉をいただきました。多高生全員の力で創り上げた体育大会として誇っていいと思います。

 ゴール(閉校)まで2年。多良木高校は最後まで元気を発信し続けていきたいと思います。


                                     体育コース生徒による集団演技

体育大会開催

 5月14日(日)、第67回体育大会を開催しました。本来は前日13日(土)に予定しておりましたが、雨天の影響で一日順延となりました。開会式の校長挨拶を次に掲げます。

「風薫る五月の日曜日、多良木町副町長の島田保信様をはじめ多くのご来賓の方、そして保護者、地域の方々に御臨席いただき、熊本県立多良木高等学校第67回体育大会を開催できますことを生徒の皆さんと共に喜びたいと思います。

本日も出演される光台寺保育園の園児の皆さんから可愛いテルテル坊主を頂いていたのですが、雨の影響で一日順延となり今日の開催となりました。しかし、これで良好なコンディションのもと、生徒の皆さんは思い切ってパフォーマンスができるものと思います。

 今年の体育大会のテーマは「多魂情 ~ 熱く強く勇ましく」です。土にまみれてもいい、多少の演技のミスがあってもいい、皆さんの若さと勢いで押し通してください。

3年と2年の2学年による体育大会です。人数が少なくなった分、皆さんの競技種目への出番が多くなります。存分に力を発揮してください。併せて、大会の運営も皆さんが担います。責任をもって自分の役割を果たすことを期待します。今日の体育大会が、笑顔と歓声あふれるものになることを願っています。

 結びになりますが、ご観覧の皆様には、全校生徒136人に対するご声援をよろしくお願いして、開会の挨拶といたします。」
 

介護職員初任者研修課程の開講式

 5月9日(火)の2限目、福祉講義室において2年生福祉教養コースの「介護職員初任者研修課程の開講式」を行いました。その冒頭の校長挨拶を掲げます。

 「介護職員初任者研修課程の開講に当たって、2年1組福祉教養コースの皆さんに、気持ちのうえで一度初心に立ち戻ってほしいと思います。中学3年生の進路を決めなければならない時に、皆さんたちが、多良木高校福祉教養コースを志望した理由は何だったのでしょうか。その時の気持ち、即ち初心に戻ってほしいのです。

 高校は様々な学科・コースがありますが、普通科、農業、工業、商業、体育コース等ではなく、この福祉教養コースを選んだ時の決意を思い出してください。きっと、福祉に関する専門的な知識と技術を身につけられること、そして、介護福祉施設や病院、保育園等での多くの実習に魅力を感じて志望したのだと思います。
 福祉のことを学びたいという皆さんは、心優しい人たちです。けれども、優しさだけでは介護はできません。プロとして働くには専門性が必要です。その専門性の土台となる資格が介護職員初任者研修課程です。何事も基礎が大切です。少々我慢して基礎を身につける時期が必要なのです。基礎をしっかり学び、この課程を修了して自信を付けてください。

 これから1年間、医師、看護師、介護福祉士など医療、福祉の現場の専門家の方々が来校され、講義してくださいます。学ぶ内容は易しくはありません。だからこそ学びがいがあります。一人で学ぶのではありません。同じ志を持った14人で学びあい、教えあい、高めあっていってください。

 1年後を楽しみにしています。皆さんは、必ず「キラリ輝く多高生」に成長しているでしょう。」


バレーボールの魅力

バレーボールの魅力

 4月28日(金)、第34回人吉・球磨地区合同体育大会が開催され、多良木高校では陸上競技とバレーボール競技が実施されました。陸上が個の力の競い合いであるのに対し、バレーボールはチームの戦いで対照的でした。本校第1体育館で繰り広げられたバレーボール競技を観戦して、改めてその魅力に引き付けられ、時間が立つのを忘れるほどでした。

 男子バレーボールは、球磨工業と南稜の2校が参加し、戦いました。男子はジャンプ力があり、滞空時間が長く感じられ、まるで垂直に叩き込むようなスパイクの威力は目を見張るほどです。コートに叩き付けられたボールが2階席までバウンドすることもあり、男子のプレーはダイナミックで迫力があります。

 男子バレーボールは近年競技人口が減り、大会に参加する高校も少なくなってきているようです。かつて1972年(昭和47年)にミュンヘンオリンピックで日本の男子チームが金メダルを取った頃は、男子バレーの人気は高いものがありました。当時、私は小学生でしたが、その熱気を覚えています。スポーツの人気も消長があります。かつての人気がなくても、好きなバレーボールに没頭する男子生徒に心からの声援を送りました。

 女子バレーボールは、人吉、球磨中央・球磨商業、南稜、そして多良木の4校が参加し、白熱した試合の連続でした。女子バレーの魅力は6人全員で懸命にボールを拾い、つなぎ、返すチームワークにあると思います。打ち合い(ラリー)が続き、緊張感ある攻防はまことに見ごたえがありました。

 多良木高校女子バレーボールチームは、部員10人(1人はマネージャー)という出場チームの中で最小人数ながら、全員の力を結集して接戦を制し、優勝を果たしました。ミスをしても、リードされても、慌てず諦めずお互いを信じて果敢なプレーをやり抜いた生徒たちを頼もしく思います。高校総体まであと1か月です。この最高のメンバーでバレーに打ち込む時間はそう多くは残されていません。限りある時間を惜しみ、バレーボールを心の底から楽しんでほしいと願います。