校長室からの風(メッセージ)

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オール多良木で挑んだ高校城南駅伝大会

「オール多良木」で挑んだ高校城南駅伝大会 

 

 熊本県高等学校城南地区新人駅伝競走大会のゴールのシーンはまことにドラマチックで、思い出す度に興奮してくるほどです。

   女子のアンカーの椎葉さん(1年)が8位で本渡運動公園陸上競技場に帰って来ました。トラックで苓明・天草拓心高校合同チームを抜き、さらに人吉高に迫りましたが、あと一歩及ばず7位でゴール。倒れ込んで悔し涙を流す椎葉さんをサポートの生徒たちが励まし支えました。

 男子のアンカーの西君(1年)は、先頭の球磨工業に続き、八代東高の選手と競り合いながら2位で競技場に帰って来ました。最後のトラック一周、両校の生徒たちの声援が飛び交い、私も八代東高校の校長先生もお互い応援。西君は身体一つ分リードを保ち、ゴールイン。生徒たちも感激して駆け寄りました。

   1月30日(土)、天草市で熊本県高等学校城南地区新人駅伝競走大会が開催されました。男子は第61回、女子は第22回を数える伝統ある大会で、今回は男子30チーム、女子は22チームがエントリーし、多良木高校も男女共に出場しました。小規模校ゆえに陸上部の長距離選手だけでは人員が不足するため、5つの運動部(サッカー、バスケット、バレー、野球、ソフトテニス)から協力を得て、言わば「オール多良木」で挑んだのです。

 本渡運動公園陸上競技場をスタート、ゴールとし、午前9時30分に女子がスタート。5区間12㎞を全員が懸命にたすきをつなぎました。そして午前1050分に男子がスタート。1区の那須君と4区の村上君の区間賞をはじめ6区間20㎞を全員が上位の走りを見せ、2位を勝ち取り歓喜にわきました。

 1月24日(日)から25日(月)にかけて天草地方でも大雪が降り、学校は臨時休校、道路も通行止めが相次ぎ、城南駅伝大会の開催を危ぶむ声も上がったそうです。大会前日の29日(金)も終日雨でコンディションが心配されましたが、大会当日は朝から雨が上がり、次第に陽光が差し始め、青空が広がりました。風の強い海沿いのコースを苦しい表情ながら強い意志の力で走りきる選手の姿は輝いて見えました。午後には気温も上がり、まるで春の陽気となりました。高校城南駅伝大会が天草に春を呼び覚ましたのです。