校長室からの風(メッセージ)
教えることは学ぶこと ~ 地域未来塾の講師を務める多高生
教えることは学ぶこと ~地域未来塾の講師を務める多高生
今年度の夏季休暇から、多良木町において地域未来塾(多良木町教育委員会主催)が始まりました。同町の三つの小学校(多良木、黒肥地、久米)の4~6年生に対し、午前中2時間の学習時間を設け、それを断続的に6日間行い、学習の基礎基本を確立させる事業です。他の幾つかの自治体ですでに始まっている「町営学習塾」の多良木版と言えるものですが、最大の特色は、講師役として、小学校の教師や学習支援員に加え、多良木高校生が加わるという点です。
「高校生に講師役を!」という多良木町教育委員会から御提案があった時、私はとても有り難く思い、即、協力する旨を伝えました。教えるということはとても貴重な体験であり、教えることで多くのことを学ぶことができるからです。本校は、地域に開かれた学校として、これまでも様々な地域貢献に努めてきましたが、高校生による小学生への学習指導という機会はありませんでした。多良木高校生により豊かな体験をさせたい、多くの出番を与えたいとの多良木町教育委員会の温かい御配慮によるものと深く感謝します。
多良木町地域未来塾は、7月21日(木)、黒肥地小学校から始まり、同小に5人の生徒が赴きました。そして、25日(月)からは多良木小学校でも始まり、同小には6人の生徒が、26日(火)から久米小学校でも始まり、同小にも6人の生徒が参加し、計17人の意欲ある多高生が先生役として活動しています。私も参観に行っていますが、教えることの難しさを実感している生徒の様子が見えます。自分では理解していても、それをいかにわかりやすく言語化して他者に伝えるかは思ったよりも困難な作業なのです。
「礼儀正しい」、「さわやか」と先生役の多高生の評判はすこぶる良いようです。学校に帰ってきた生徒達に感想を聴くと、皆、異口同音に「教えることは難しい、けれど楽しい」と笑顔で答えてくれます。教えることは学ぶことです。地域未来塾で育つのは小学生だけではありません。
地域未来塾(黒肥地小学校)で教える多高生
登録機関
管理責任者
校長 粟谷 雅之
運用担当者
本田 朋丈
有薗 真澄