校長室からの風(メッセージ)

2018年5月の記事一覧

笑顔と涙のフィナーレ ~ 最後の体育大会をやり遂げた生徒たち

笑顔と涙のフィナーレ ~ 最後の体育大会をやり遂げた生徒達 


  「飛ぶ飛ぶ雲が  青春の雲が  青く連なる  市房山の

   尾根の起伏を  雲が飛ぶ   薫れ石楠花(しゃくなげ) 
   輝け霧氷
  讃(ほ)めよ  多良木の   若き生命を」 


 多良木高校生徒歌の一番の歌詞です。この生徒歌は毎年体育大会の閉会式で歌います。5月12日(土)の多良木高校最後の体育大会のフィナーレは、この生徒歌合唱でした。日焼けした67人の生徒たちが肩を組み、ある者は笑顔で、ある者は感極まって涙目で歌いました。生徒全員、その胸中は「自分たちで最後の体育大会をやり遂げた」という達成感、成就感に満たされていたことと思います。

 閉会後、「最初の入場行進から涙が出ました」、「体育大会を見て泣いたのはじめて」、「感激で涙がとまらなかった」と多くの保護者、同窓及び地域の方々が体育大会の感想を述べられました。生徒たちが一生懸命に競う姿、ひたむきに演じる姿が観覧の方々の胸を打ったのでしょう。広いグラウンドで躍動する高校生の姿を来年は見ることができません。最終年度、多良木高校の伝統の活力を発信し、多くの方々に元気を届けることができたと思います。そして、永い間、学校を応援し協力してくださった地域への恩返しにもなったのではないかと思います。

 午前中最後のプログラム「キラリ輝く多高生」(集団演技)では、男子のたくましい体操、女子の軽快なダンス、そして体育コース生徒の高い身体能力によるパフォーマンスと続き、ラストでは全生徒が白い晒し布を使い「一生多高生」の文字を浮かび上がらせました。意表をつかれた演出で鮮やかでした。さらに赤団、青団の両団長が多良木高校のアンカーとしての決意を表明しました。

 この2年余りの生徒の成長を目の当たりにして、「皆さん、ご覧ください。この生徒たちが多良木高校96年のアンカーです。」と胸を張りたい思いにとらわれました。

 


 

 


 

最後の体育大会 ~ テーマ「一勝懸命 ~ Final Lap」

最後の体育大会 ~ テーマ「一勝懸命 ~ Final Lap

 
   多良木高校第68回体育大会を5月12日(土)に開催しました。市房山をはじめ九州山地の鮮やかな山並みを背景とした本校グラウンドにおいて、生徒達が躍動する姿はまことに眩しく、観る者の胸に迫りました。多良木高校67人の最終走者(アンカー)は見事に自分たちの力で体育大会をやり遂げました。そのことを私は誇りに思います。

 開会式における校長挨拶を次に掲げます。


 「風薫る五月晴れのもと、熊本県議会議員 緒方勇二様、多良木町町長 吉瀬浩一郎様をはじめ多くのご来賓、保護者、同窓及び地域の方々に御臨席いただき、また、主催者側として熊本県教育委員会の宮尾千加子教育長、那須高久高校教育課長に御観覧いただく中、熊本県立多良木高等学校第68回体育大会を開催できますことを、皆さんと共に喜びたいと思います。

 多良木高校は平成31年3月をもって閉校します。大正11年の創立以来、綿々と引き継がれてきたバトンが、最終走者である今年度の3年生に渡りました。この67人のアンカーが多良木高校のゴールに向かって、今、走っています。最終年度の本校のテーマは『ゴールに向かって、挑戦!』です。

 生徒の皆さん。皆さんは『自分たちの力で最後の体育大会を創り上げたい』との熱い思いで、生徒会を中心に準備や広報に取り組むと共に、各競技・種目の練習を重ねてきました。今日はこのように大勢の方が来校されました。生徒の皆さんが輝く日です。そして、日頃から本校を応援してくださっている地元住民の方や交流のある保育園の園児たちとの合同競技も楽しみです。
    今日の体育大会はきっと笑顔と歓声あふれるものになることでしょう。 

 結びに、ご観覧の皆様に、生徒達に対するご声援を心からお願いして、開会の挨拶といたします。」


 

 

1点差で勝つ ~ 野球部、城南大会優勝!

1点差で勝つ ~ 野球部、城南大会優勝! 

 熊本県の県南地域の高校24校が参加して行われた第49回城南地区高校野球大会で多良木高校が優勝を飾りました。4年ぶりの快挙です。4年前は、投手の善君(現 東芝)と捕手の中村君(現 法政大)のバッテリーを中心とした強力チームでした。今年度は多良木高校最後の学年であり、3年生のみの選手18人とマネージャー6人の24人という少人数です。しかし、平野主将を中心にお互いが支え合い「多良木の意地と誇り」を合言葉に練習を重ねてきた成果が、この城南大会で表れたのです。優勝までの軌跡は次のとおりです。

 2回戦 秀岳館高校  1 対 0

 3回戦 八代高校   3 対 2(延長10回)

 準決勝 小川工業高校 1 対 0

 決 勝 八代東高校  2 対 1

 全ての試合が1点差という接戦の連続でした。実力伯仲でまさに勝負は時の運、紙一重の互角の戦いで、どちらが勝ってもおかしくない好試合ばかりでした。多良木高校は一人がミスをしても他の者がカバーして失点を防ぎ、少ないチャンスを生かすという高校野球の基本のような試合を展開しました。接戦になればなるほど百戦錬磨の名将である齋藤監督の采配が冴えわたりました。

 4月29日(日)、県営八代球場で行われた決勝戦は左腕の宮本君が7回まで1失点の好投、そして8回からエース古堀君が登板、8回裏に逆転して1点差の勝利でした。今大会を象徴する「守って勝つ」試合でした。1点差という緊迫した連戦を勝ち抜いた選手の精神力を称えたいと思います。

 僅か1点差。しかし、そこに勝敗の明暗が分かれます。毎試合、大勢の応援が多良木高校側のスタンドを埋めました。保護者、同窓生、地域の方々の熱烈な応援の力が、グラウンドの選手の可能性を最大限に引き出してくれたのだと思います。