2016年6月の記事一覧
生徒会役員立ち会い演説会に望む
「生徒会は多良木高校の全校生徒204人全員が会員です。生徒会は、クラスマッチや体育大会、文化祭など大きな行事を企画、運営することも務めですが、一方、挨拶や交通安全といった日常生活に係る取り組みも大切だと思います。今、売店がある部屋を、生徒会役員の皆さんが中心になって「エンジョイ広場」として作っていると聞いています。どんなリフレッシュスペースができるのか楽しみです。皆さんが工夫し、力を合わせれば、もっと充実した多良木高校生活が実現できると期待しています。
今回の生徒会役員の選挙に、福田君、野村君、大山君、西脇君の4人が立候補してくれました。進んで役員になろうという4人の志に敬意を表します。
さて、現在、参議院議員選挙が行われていますね。6月22日に公示され、選挙戦が始まり、7月10日(日)が投票日です。今回の参議員選挙が注目されるのは、18歳選挙権が導入されて初めての選挙だからです。選挙権年齢が20歳以上から「18歳以上」に引き下げられ、投票日の時点で満18歳になっていれば高校生でも選挙権を持つのです。今回の参議院議員選挙においては、本校の3年生64人のうち21人が選挙権を持っています。人生で最初の選挙、投票です。選挙権は、国民としての責任を伴う重要な権利ですから、棄権せずに必ず投票して欲しいと願っています。
高校生で十分な判断ができるのか、早すぎるのではないか、と心配する声も聞かれますが、アメリカ合衆国、ヨーロッパの各国、オーストラリアなど世界では18歳以上の選挙権が主流だそうです。18歳選挙権の始まりは、皆さん一人一人が、身近な地域のことから国の政治問題まで幅広く社会に関心を持つきっかけになると私は期待しています。
今回の生徒会役員選挙は、昨年までとは異なり、ひと工夫してあり、投票は明日以降、会議室に各自で行くようになりました。投票場である会議室は実際の選挙の投票場のように設定されています。自ら足を運ばなければ棄権となります。各クラス100%の投票率を目指しましょう。
それでは、この立会演説会が、皆さんにとって、どんな学校であってほしいのか、どんな学校をこれからみんなで創るのかを考える良い機会になることを願い、挨拶とします。」
野球部を励ます ~ 高校野球推戴式
野球部を励ます ~ 高校野球推戴式での校長の激励の言葉
昨年の夏は、多良木高校にとって熱い熱い夏でした。夏の甲子園大会熊本県予選で野球部が快進撃をみせ、次々とシード校を破り、30年振りのベスト4進出を果たしました。多良木町をはじめ地域の方、同窓会の方々と一緒に私たちも熊本市の藤崎台球場に駆けつけ、「思いはひとつ ~多良木の意地と誇りを胸に」の横断幕を掲げ、スタンドとグラウンドの選手が一体となって戦った夏が忘れられません。
一年経ち、また甲子園の夏が巡ってきました。野球部の皆さん達には、昨年の先輩達が残した結果を超えたいという思いがあると思います。しかし、そのことが精神的重圧になってはいないでしょうか? 昨年の野球部キャプテンの大塚将稀君が、十日ほど前、学校を訪ねてきてくれました。大塚君は現在、北九州市にある九州国際大学の野球部で活躍しています。大塚君は話しました。「実は、昨年の僕たちは、先輩達と比べられているのではないかとずっと意識して、プレッシャーに押しつぶされそうでした」と。一昨年の野球部は、現在、社会人の東芝で活躍するビッチャーの善君、そして法政大学で活躍しているキャッチャーの中村君がいて秋の県大会やNHK旗杯で優勝するなどの強豪チームでした。大塚君は、「善さん、中村さん達にはとてもかなわない」と思っていたそうです。けれども、いざ夏の大会が始まると一試合一試合に集中でき、「先輩達のことは忘れ、全力で自分たちの野球ができた」そうです。大塚君は言いました。「大学の練習より、多良木高校の練習の方がきついです。厳しい練習を積み重ねてきたことを自信に、自分たちの野球を貫いて欲しい」と。
野球場近くにお住まいのご婦人が、先日私に言われました。「今年の野球部は例年以上に声が出ているようですね。高校生の大きな声を聞くだけで元気が出ます。」。君たちは、練習の声だけで地域の方々に元気を届ける存在です。地域の応援を追い風として勢いを付け、大会に臨んでください。畑野キャプテンを中心に、一昨年のチームとも、昨年のチームとも違う、今年のチームらしさを発揮し、自分たちの野球に集中してください。
第98回熊本県高等学校野球選手権大会に、誇りをもって野球部を送り出します。
しなやかな若い力 ~ 高校生による復興支援ボランティア
しなやかな若い力 ~ 高校生による復興支援ボランティア活動
「地震に負けんばい がまだすぞー 西原村魂」。西原村ボランティアセンターの敷地内の大きな立て看板に書かれた言葉です。6月18日(土)、熊本県教育委員会主催の「高校生による復興支援ボランティア」活動に多良木高校から3年生男子4人、教諭1人と共に参加しました。この度の「平成28年熊本地震」であまり被害がなかった地域の県立高校23校から84人の代表生徒が集結しました。
当日、朝9時に県庁で出発式を行い、大型バス3台に分乗し、先ず益城町に向かいました。4月14日、16日と二度にわたって震度7の強烈な揺れを蒙った益城町は、県内で最も被害が大きい地域です。特に同町の木山地域にバスが入ると、家々が崩壊したままの惨状が残されており、現実とは思えない光景に思わず息をのみます。テレビ映像や新聞の写真では幾度も目にしていたのですが、実際に間近で見ると改めて大地震の脅威を実感します。生徒達もバス車窓から食い入るように被災地の状況を見つめていました。
益城町から西原村に進み、同村のボランティアセンターで受付をしました。当日も県内外から多くのボランティアの人が駆けつけており、活気がありました。私たちは山間部に移動し、昼食を取った後、しいたけ栽培の原木復元作業に取り組みました。地震で2千本のしいたけ原木が倒れたまま放置されており、それらをボランティアリーダーや地元の農家の方の指導のもと、一本一本復元していくのです。不安定な斜面での作業にかかわらず、高校生達は意欲的に取り組みました。蒸し暑い天候で、ムカデも出る厳しい環境でしたが、どの生徒も苦しい顔や嫌な顔ひとつせず作業する姿は爽やかでした。作業を始めておよそ1時間半で2千本のしいたけ原木を元の位置に戻すことができました。
この日、高校生達が行った事は、大地震の被害の前では小さい復元作業でしかありません。けれども、今回参加した高校生達が各学校に帰って体験を広め、多くの高校生に復興支援のボランティアの意識が共有されることで、大きな復元力が生み出されると思います。高校生の若さ、しなやかさは不屈です。彼らはこれからの社会を創っていく原動力なのです。
地に足をつけて一勝を ~ 一勝地駅記念入場券
地に足をつけ一勝を ~ 一勝地駅の記念入場券
JR肥薩線の一勝地駅(いっしょうちえき:球磨村)は、その地名の縁起の良さから、「必勝」、「合格」等のお守り代わりに記念入場券が売れることで知られています。6月12日(日)に多良木高校から自動車で50分かけて、一勝地駅を訪ねました。一勝地は球磨村の中心部に当たり、駅は、球磨川の左岸に位置し、対岸の高台には球磨村役場が見えます。
明治41年開業の肥薩線は、明治、大正期の駅舎や隧道(トンネル)、鉄橋等の鉄道遺産が多いことで有名ですが、一勝地駅の現在の駅舎も大正3年に完成して以来基本的な骨格が保たれており、背後の山林に調和するクラシックな木造駅舎です。駅舎やホームに立つと、およそ一世紀にわたって球磨の人々の往来の場となってきた歴史を感じます。一勝地駅内の事務室が球磨村観光案内所となっており、ここで記念入場券を7枚購入し帰って来ました。
先般開かれた県高校総体陸上競技において男子400リレーで6位に入ったメンバーが南九州大会(6月16日~18日、宮崎市)に、そして、女子アーチェリー個人の部で2年生女子が入賞し九州大会(6月17日~18日、鹿児島市)に進出することになりました。このリレーメンバー(選手4人、補欠2人)と女子アーチェリー選手に、一勝地駅の記念入場券を贈りたかったのです。
校長室にて、陸上部員とアーチェリー部員の併せて7人の生徒達に励ましの言葉を掛け、「地に足をつけて一勝を」と一勝地駅の記念入場券を渡しました。皆、喜んで受け取ってくれ、大会に向けて学校を出発しました。
生徒達の健闘を心から祈ります。
県6位入賞を果たした400㍍リレー(6月4日八代市)
若者たち ~高校総体2
若者たち ~ 高校総体その2
今年の高校総体の陸上競技は、熊本地震の影響で熊本市の県民総合運動公園陸上競技場(「うまかな・よかなスタジアム」)が使用できず、県営八代運動公園陸上競技場(八代市)で6月3日から6日にかけて行われました。
6月4日(土)と5日(日)のそれぞれ午後の半日、多良木高校陸上競技部の選手を応援しました。収容人員32000人の巨大な競技場である「うまかな・よかなスタジアム」とは異なり、八代の陸上競技場はスタンドも小さく、雨が降る時は周辺の芝生広場のテントで待機するという状況で、例年と比較すると選手のコンディションには厳しいものがあったようです。応援する者にとっても、雨が降ると傘をさし、競技場のトラック(競走路)の周囲に立っての応援となりました。しかし、競技中の選手と距離が近く、選手の息づかいや流れる汗が感じられる程で、陸上競技の醍醐味を満喫できました。
本校から3人の女子選手が出場した400mハードル競技は負荷の大きい種目で、1人の1年生選手はゴールすると倒れ込み、しばらく起き上がることができませんでした。また、男子2人が出場した5000m、3000m障がい、そして女子2人が挑んだ3000mと長距離レースはいずれも過酷で、苦しそうに表情をゆがめゴールを目指す姿には、こちらも熱くなり声援を送りました。苦しくてもひたすらゴールを目指す選手達の姿を至近距離で見ていて、中学校の音楽の授業で歌った「若者たち」(作詞:藤田敏雄、作曲:佐藤勝)の歌詞の一節が思い浮かびました。
「君の行く道は 果てしなく遠い
だのになぜ 歯をくいしばり
君は行くのか そんなにしてまで」
高校総体が終わり、先日、陸上競技部の選手達が応援の御礼に校長室まで来てくれました。その時、私は「君たちは苦しくてもなぜ走るんだろう?」と問いかけました。すると1人の生徒が「なぜでしょうね? 自分でも時々わからなくなります。」と笑って答えてくれました。
雨の中、応援する陸上部員
登録機関
管理責任者
校長 粟谷 雅之
運用担当者
本田 朋丈
有薗 真澄