校長室からの風(メッセージ)

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待つことの大切さ

待つことの大切さ

                             

 何か大事な結果を待った体験が皆さんはあると思います。例えば、高校入試の結果発表までの気持ちはどうでしたか? 期待と不安が入り交じり、動揺する日々。そして、いよいよ結果が判明する時の気持ちの高まり。ついに自らの受検番号を見つけた時の歓喜の感情。待ったからこそ、喜びは大きいものがあります。

今、若い世代は待つことができなくなったと言われます。例えば、返信メールやSNSの返事が遅いというだけで腹を立て、交友関係が悪化したという話を聞きます。便利な電子媒体、インターネットの世界においても、相手への思いやりが欠ければコミュニケーションは成り立ちません。相手の都合も考えない、自分勝手な思考では、待つことができません。

かつて、「電話は相手の時間を奪い、手紙は自分の時間を贈る」と言われました。一方的に相手の時間に割り込んでいく電話に比べ、自分の都合の良い時間にゆっくりと読むことができる手紙の特性を言い表しています。今では、電話して直接話すこともせずに、電子メールに依存する人が多いのでしょう。

待つ経験は人を成長させます。待つ間、自分自身と対話することになるからです。待つということはとても人間らしい行為と言えます。待つことを厭わないでください。待つことができる人になって欲しいと思います。

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