校長室からの風(メッセージ)

2016年5月の記事一覧

スポーツマンシップでいこう ~ 高校総体推戴式

 5月26日(木)、中間考査終了後に第1体育館で高校総体推戴式を行いました。今年度、本校からは陸上、男子バスケットボール、女子バレーボール、ソフトテニス(男女)、アーチェリー、サッカーの6競技に参加します。激励の挨拶を次に掲げます。

 「今年の高校総体は、熊本地震の影響で例年とは大きく異なり、県民総合運動公園陸上競技場での総合開会式はなくなり、主に熊本市及びその近郊で実施されていた競技が、県北から県南にかけて広い地域で分散して開催されることとなりました。けれども、関係者の御尽力によって開催されることを皆さんと共に感謝したいと思います。

 県高校総体のテーマは、昨年に引き続き「スポーツマンシップでいこう」です。「スポーツマン」とはスポーツをする男性という狭い意味ではなく、女性も含めて「スポーツをする人」と広く捉えた表現だと思います。スポーツマンシップとは何でしょうか? 昨年度の総合開会式で高体連の赤星会長が、スポーツマンシップとは、ルールを守り、審判に敬意を表し、勝っても負けても相手を称えることだと話しをされました。応援する者も、スポーツマンシップに則って応援しなければなりませんが、昨年の高校総体で私には苦い思い出があります。

 サッカーの1回戦、八代農業高校との試合を応援に行きました。確か、昨年の本校のサッカー部の部員は15人だったと思います。サッカーはイレブン、11人でプレーする競技ですから、15人は余裕のない部員数です。ところが、相手の八代農業高チームは10人しかおらず、初めから一人足りないハンディがあるのです。前半は3-0で多良木高校がリードして終わり、ハーフタイムを迎えました。八代農業は交代する選手もいないため、後半はこのまま点差が開き、大差になるだろう、気の毒だなあという気持ちに私は包まれました。しかし、後半の八代農業高校の選手達は1人足りない10人で、体をはって果敢にプレーし、多良木の攻撃を止め一点も許しませんでした。後半は0対0で終わり、八代農業高校の健闘が光りました。試合後、私は、八代農業高校の選手達に対して、申し訳ないというか恥ずかしい気持ちになりました。私はスポーツマンシップに反し、試合はまだ終わっていないのに、相手を見下した考えに支配されていたのです。次の2回戦は部員が70人もいる熊本北高校が相手でした。今度は一回戦とは立場が逆で、多良木高校サッカー部は、懸命に粘り、リードされても追いつき、最後PK戦までいき惜しくも敗れました。

 スポーツは筋書きのないドラマだと言われます。応援する者の心が熱くなるような試合、レース、競技を今年も期待します。そして、繰り返しますが、ルールを守り、審判に敬意を表し、勝っても負けても相手を称えるというスポーツマンシップを発揮して欲しいと願い、激励の言葉とします。」

                           


選手代表の挨拶

第66回体育体育大会開催

 5月14日(土)、風薫る五月晴れのもと、熊本県立多良木高等学校第66回体育大会を開催しました。開会式に先立ち、「平成28年熊本地震」の犠牲者の方に全員で黙祷を捧げました。今年度の体育大会が3学年そろう最後の大会となります。校長の開会挨拶を次に掲げます。

「五月晴れのもと、熊本県議会議員 緒方勇二様、多良木町町長 松本照彦様をはじめ多くのご来賓の方々、そして保護者、地域の方々に御臨席いただき、熊本県立多良木高等学校第66回体育大会を開催できますことを生徒の皆さんと共に喜びたいと思います。

 ちょうど一か月前、「平成28年熊本地震」が発生し、未曾有の災害に熊本県は見舞われました。甚大な被害を受けた地域の復興は始まったばかりであり、被災地の学校では体育大会を開くことができないところもあります。こうして、体育大会を実施できることに心から感謝すると共に、立ち上がろうとされている被災地の方々に向けてここ多良木の地から元気を発信したいと思います。

 今年の体育大会のテーマは「がむしゃら ~ 一瞬一秒に感動を」です。土にまみれてもいい、多少の演技のミスがあってもいい、皆さんの若さと勢いで押し通し、これまでの練習の成果を発揮してほしいと思います。併せて、大会の円滑な運営を担う各係の皆さんが責任をもって自分の役割を果たすことを期待します。そして、笑顔と歓声があふれる大会になることを願っています。

 結びになりますが、ご観覧の皆様には、全校生徒に対するご声援をよろしくお願いして、開会の挨拶といたします。」

                                「多高生」の人文字

 

平成28年度PTA総会

 5月7日(土)に平成28年度多良木高校PTA総会を開催しました。開会に当たり、「熊本地震」で犠牲になられた方に対し、黙祷を捧げました。校長挨拶の前半部分では、この「熊本地震」に伴う本校の被害状況及び対応等について説明し、安全・安心な学校づくりに一層努めていくことを誓いました。校長挨拶の後半部分を次に掲げます。

「さて、本校にとって最後の入学生である新入生73人を迎えることができました。多良木高校の歴史のアンカーを走ってくれる頼もしい生徒たちです。2年生67人、3年生64人、全校生徒204人です。30人の職員全員で204人の全校生徒を支援していきます。小規模校の特性を生かして、一人一人の生徒に寄り添い、きめ細かな指導、支援に努めていく所存です。生徒たちがもつ豊かな可能性を引き出し、学力をはじめ様々な力を伸ばし、多良木高校の教育成果を地域に広く発信していきます。

 ここで、昨年度後半に保護者の皆様に御協力いただいた学校評価アンケート結果についてお話しします。

 「多良木高校は保護者や地域から信頼されている」

 「多良木高校は学校行事が充実している」

 「多良木高校は部活動が活発である」

などの多くの項目について、保護者の皆様から、「よくあてはまる」「ややあてはまる」という肯定的な意見が90%を超えるという高い評価をいただきました。学校の教育活動への御理解の表れだと深く感謝すると共に、今年度はさらに100%に近づくよう努力していきます。

 

 来週土曜日、5月14日は体育大会を予定しております。4月28日から全体練習を開始し、全校生徒が気持ちを一つにして取り組んでいます。どうか御観覧いただきますようお願い申し上げます。

 結びになりますが、お子様のことで何か気になることがありましたら、遠慮なく担任や学年主任へ御連絡いただきたいと思います。保護者の皆様の願いと学校が目指すものは同じだと思っております。学校の教育活動への御理解と御支援を重ねてお願いして、私の挨拶といたします。」


スポーツの力で元気を発信

スポーツの力で元気を発信

 

 4月14日(木)夜の「熊本地震」発生以来、2週間以上経過しました。いまだ熊本地方では余震が続き、多くの方が避難生活を余儀なくされていることに胸が痛みます。そして、熊本市をはじめ県全域で24校もの県立学校が休校状態(4月27日現在)です。被害が大きい学校は、5月の大型連休明け以降に授業再開がずれ込むところもあるようです。

 球磨郡はこの度の地震災害の被害をほとんど蒙ることなく、小、中、高校ともに平常の教育活動が展開できています。そのため、被災地から小、中学生が球磨郡の学校に転校してくる動きも見られます。また、被災地の公立・私立の高校に通学している球磨郡出身の生徒が一時帰省しています。そして、体育系部活動の練習を長くできていない高校生が、本校の部活動練習への参加を希望するケースも出てきました。保護者もしくは所属校からの依頼を受け、安全面に配慮して、柔軟に対応しています。陸上、バスケットボールで本校生と一緒に練習する生徒の姿からは、自分の好きなスポーツをできる喜びが感じられ、本校の生徒にとっても豊かな交流の機会となっています。また、被災した大学の野球部員が本校の野球場で自主練習に励む光景も見られます。本校の恵まれたスポーツ環境を活かし練習や合宿の場を提供することで、被災地の学校及び生徒の皆さんに対して多良木高校ならではの支援ができるのではないかと考えます。

 4月29日の祝日には、本校をはじめ球磨人吉地域の4つの高校の女子バレーボール部が集まり、合同練習試合を行いました。本校は被災地に水を送る支援活動を行い、今後は生徒会で募金活動を予定しています。しかし、高校生の本分である学習活動や部活動に真摯に打ち込むことこそが、被災者の方に明るい気持ちになってもらえる最大の「支援活動」になるのではないかと思います。

 スポーツを通して元気を発信しよう、との合い言葉のもと多良木高校の各部活動はこれまで以上に声を出し、気持ちを奮い立たせています。

            女子バレーボール練習試合(多良木高校第1体育館)