2017年10月の記事一覧
アンパンマン♫
農業科1年生『食品製造』の授業では小麦粉の加工について学習しています。本日は「あんパンとチーズパン」です。
パウンドケーキやマドレーヌなどの焼き菓子は“卵の気泡性”やベーキングパウダーなどの“膨張剤”の力でふくらみ、ふわふわの生地となります。パンはこれとは違い“イースト”と呼ばれる酵母菌の働きで膨らみます。イースト菌は小麦粉や砂糖、水分をエサにして40℃位の温かい環境で活発化します。これを発酵といいます。発酵で発生する二酸化炭素と一緒にエチルアルコールも発生するので、出来たてのパンはアルコール臭がします。
【製造工程】あんパン3個、チーズパン3個
① 水130gに砂糖20g、塩3g、脱脂粉乳(スキムミルク)10g、ドライイースト4gを入れ混ぜます。
② ボールに強力粉200gを入れ、①を全体に回し入れます。
③ 指先で粉と水分を混ぜ合わせ、ひとまとまりになったら体重をかけるようにして捏ねます。最初はべたべたと手にくっついていやな感じですが、材料全部がなじんでくると手から離れてきます。気合いで捏ねましょう。
④ 有塩バター(マーガリン)20gを加えさらに力一杯こねます。(注意:生地をちぎらないようにまとめながらこねます)
⑤ しっとりとなめらか、ふわふわの生地になったら、ボールに入れラップをして35~40℃で20分間一次発酵。(発酵器がない時は温かい窓際や50℃位の湯煎であたためてもOK)
⑥ 膨らんだ生地のガスを抜いて6個に分割します。丸めてバットにおいて10分間ベンチタイム。(乾燥しないように布巾を掛けて下さい)
⑦ 丸く伸ばしてあんこ50gを包みます。チーズはサイコロ状に切って同じように包みます。あんパンは平たく、チーズパンははさみで切り込みを入れて成形します。天板に並べて35~40℃20分間 二次発酵。
⑧ つや出しの卵液(卵+少量の水)を刷毛でぬり、180℃ 12分間 焼成。
漬物伝承学習~内臓が喜ぶ食事~
農業科2年生『食品製造』では野菜類の加工について学習しています。10月3日に就農教育講演会でご講話いただいた漬物職人の尾崎吉秀さんとイタリア料理店経営の積一也さんを再びお招きして、本日は漬物伝承学習の実践編を行いました。
本日の実習では『万能みそ』『味噌漬けを使った漬物寿司』『酒粕入りの味噌汁』を作りました。
『万能みそ』は材料の加熱に大変時間がかかるため、製造工程をビデオに撮った映像を見ながら解説を聞きました。丁寧な仕込みやじっくり煮込んで仕上げていく工程に魅了されました。この夏、芦北伽哩街道に芦高生も参加してJAあしきた道の駅総菜部の方にご協力いたき796杯売り上げた“KEYMAN伝承カレー”には『万能みそ』をとり天のソースに取り入れました。その名の通り、ご飯にのせても、ソースとしても、薬味としても何にでも合う万能みそなのです。本日は焼きおにぎりと揚げ豆腐、キュウリにディップしていただきました。
『漬物寿司』は尾崎さんが九州新幹線開業記念に考案して販売した逸品です。味噌漬けを丁寧に薄切りにして酢飯にのせます。15年間味噌に漬け込んだ幻のキュウリの味噌漬け、芯まで透き通ったゴボウの味噌漬け、そして、2013年に日本一に輝いたショウガの味噌漬けなど5種類をお寿司のネタとしました。このショウガの味噌漬けは『しょうがのべっこう漬け』と名付け、今では関東有名百貨店から取引の依頼まである商品です。
『酒粕入りの味噌汁』は尾崎さんのこだわりのお味噌汁で、天然のだしと尾崎さんの無添加お味噌に酒粕を少々加えます。あまりのおいしさに生徒はおかわりです。ちなみにご飯は自分たちで田植えした学校のお米“芦高米”です。
便利な食べ物より時間をかけて作られた、素材本来の旨味を体に取り入れることで、私たちの体は喜ぶ・・・「内臓が喜ぶ食事」この食文化を学びそして後生に伝えてほしいという思いをしっかりと受け止めた生徒たちでした。
ピザ♫
農業科2年生「食品製造」の授業では野菜類の加工について学習しています。本日はトマトの加工についての実習です。
トマトの加工品には
①トマトの缶詰トマトをそのまま又はカットして詰めたもの)
②トマトジュース(トマトを破砕し裏ごししたもの)
③トマトピューレ(トマトを破砕後裏ごしし3倍程度に濃縮したもの)
④トマトペースト(トマトピューレをさらに濃縮して食塩を加えたもの)
⑤トマトケチャップ(裏ごししたトマトやトマトピューレに食塩、酢、タマネギ、ニンニク、香辛料を加えて濃縮したもの)
とたくさんあります。今回の実習ではトマトピューレ、炒めたタマネギ、ニンニクのみじん切り、砂糖、塩を加えて煮たトマトソースを作りました。更に、ピザ生地もこねて、手作りのトマトソースを塗って直径23㎝のピザを焼きました
【トマトソース】直径23㎝1枚分
① タマネギ1/4個、ニンニク1片をみじん切りにします。
② 鍋にオリーブオイルを適量入れ、①を炒めます。
③ トマトピューレ100g、砂糖小さじ1、塩ひとつまみ、白コショウ少々を加え煮詰めて完成です。
【ピザ生地】直径23㎝1枚分
① 強力粉200g、砂糖10g、塩4g、ドライイースト8g、水120gをボールに入れ、混ぜ合わせます。
② ひとまとまりになったらオリーブオイル小さじ2を加えしっかりこねます。
③ ボールにきれいに丸めた生地を入れ、ラップをして1次発酵(40℃で20分間)
④ 一回り大きく発酵したらガス抜きをしてオーブンシートにのせて麺棒で直径23㎝の円に伸ばす。フォークで全体に穴をあけ、冷めたトマトソースを全体に塗ります。
⑤ トッピング(ベーコン、ピーマンなど)をのせ、最後にとろけるチーズをのせて、180℃のオーブンで12分間焼成で、できあがりです。
ふわふわの生地にチーズがとろけて、かなりのボリュームみんな大満足です
ピザ生地はパンと違ってベンチタイムや2次発酵がないので、とても簡単ですよ!ぜひお試し下さい。
就農教育講演会
10月3日(火)に農業科全学年を対象にした『就農教育講演会』が開催されました。2013年に漬け物グランプリを受賞された、芦北在住の尾崎吉秀さんとイタリア料理店コラッジオ経営の積一也さんを講師にお招きし農と食のこだわりや経営観念についてたくさんの熱い思いを語っていただきました。
今年は例年と違って、農業科の各学年の代表者をパネラーとして登壇してもらい、尾崎さんと積さん、生徒3人と農業科主任の6人でパネルディスカッション形式で進めていきました。
最初にパネラーの生徒3人に尾崎さんの受賞作品でもある『しょうがのべっこう漬け』を試食してもらいました。「雑味がなく素材本来の味がします」「塩辛さがなくて食べやすい」とコメントをしてくれました。
尾崎さんのお漬け物グランプリを受賞したときの『しょうがのべっこう漬け』は思うような出来ではなかったので、倉の片隅に放っておいたら、とても良い香りがしてきたので、タルを開けてみたら、驚きの仕上がりだったという秘話もお話いただきました。“この時から味噌本来の力に魅了され、今も味噌のトリコとなっている”と81歳という年齢にも負けないくらいの夢を語っていただきました。
漬け物製造だけでなく、漬ける野菜の栽培に欠かせない『土作り』にもこだわりがあり、下処理した野菜の皮などの残さや漬け終わった味噌などはすべて土に返し肥料として利用することにより、土に活力がみなぎりふわふわの土ができ、本来のうまみが凝縮した野菜が出来るとの事でした。味噌漬けという漬け物は単に野菜を味噌に漬け込むという工程ではなく、野菜の具合によって塩の漬け方、その後の塩分の抜き方が大事であるということでした。味噌に漬けてからは味噌の力に委ね、納得のいく仕上がりで世の中に出す・販売すると熱く語られました。
「添加物のたくさん入った食べ物では体の内臓が喜ばない」
81歳にして東京で行われた有名百貨店などが集まる商談会に自ら出向き、納得のいく商品を売り込む精神力に圧倒された1時間でした。まだ尾崎さんのお漬け物を食べたことのない方は、道の駅あしきた、道の駅たのうらで販売されています。ご賞味下さい♫
また、お忙しい中、来賓としてご出席賜りました、 芦北地域振興局農林部農業普及振興課長様、同課技師様、芦北町役場農林水産課長様、あしきた農業協同組合営農指導部長様、芦北高校就農教育検討委員様、誠にありがとうございました。
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