校長ブログ

笑う 平成28年9月

 9月17日(土)に本校で中学生向けの学校説明会を行いました。昨年までは8月の上旬の暑い中での開催でしたが、今年は少しずらして9月開催としました。当日はたくさんの中学生の皆さんが本校に集まってくれました。熊本地震で本校も施設が大きな被害を受けましたので、仮設のプレハブ教室などを使い説明会を実施しました。参加していただいた中学生の皆さん、大変ありがとうございました。
  当日も職員が学校の状況を説明しましたが、体育館、図書館、(ホームルームとして使用する)教室の一部、職員室・進路指導室などが入っている建物が使用禁止となっています。これから施設の復旧工事が本格的に始まります。本校以外にも、小学校、中学校、高校など数多くの施設が被害を受けていますから、すぐに工事が進んで復旧が完了するということにはなりません。熊本県が施設の被害状況を確認し、順番に復旧を行っていきます。施設が使えない状況でも在校生たちはがんばっています。現在使える施設を有効に活用し、生徒諸君が有意義に高校生活を過ごせるよう今後も工夫しながら教育活動を行っていく予定です。先日の学校説明会で疑問に思ったり不安に思っている方もいらっしゃることでしょう。いつでもかまいませんので学校の方にお尋ねいただきたいと思います。
  9月になって夏の暑さが和らぎ秋の季節に移ってきました。「中秋の名月」は今年は9月15日でした。「中秋の名月」の日が、年によって異なるような言い方になってしまいましたが、実際に年によって「中秋の名月(芋名月)」の日は変わります。感覚的にはその日は満月になると思ってしまいがちですが、今年も満月ではありませんでした。「中秋の名月」の決め方が月の正確な満ち欠けとは少し異なっているのでずれが生じます。「中秋の名月」は旧暦の8月15日の夜の月のことをいっています。また、満月は、地球から見て月と太陽が反対方向になった瞬間の月を指しています。中秋の名月から一番近い満月は2日後の9月17日4時頃でした(詳しくは国立天文台のHPを参照してください)。このように旧暦と月の満ち欠けは微妙に違いますので、旧暦の15日と満月は少しずつずれ、さらには暦と実際の季節がずれることとなりますので、そのずれを補うために旧暦では約3年に一度閏月が挿入されることとなります。
  太陽系の中で惑星と衛星の関係では、特に月は衛星として大きいので、月(衛星)の引力が地球(惑星)に及ぼす影響は大きくなります。その代表的な例が潮の干満です。私たちが住んでいる熊本県には有明海が面していますが、遠浅の部分が多いので潮の満ち引きが顕著に現れてきます。つい最近の新聞記事に、月の引力が大地震と関係しているのではないかという記事が載っていました。東京大学の研究チームが、英科学誌ネーチャージオサイエンス電子版に論文を発表しました。今回の研究では、過去に起こった1万以上の地震と月の関係を調べたところマグニチュード8.2以上の巨大地震12例のうち9例が、特に月の力が強い時に起こっていると結論づけています。ただ、マグニチュード5.5レベルの地震では明確な関係は見られなかったとしています。人間には月の引力を感じ取ることはできないようですが、潮の満ち引きからもわかるように地球には月の力が大きく影響しており、海水だけでなく地下の岩盤や岩石にも力は影響を及ぼしていますので、月の引力が大きくなるときに岩盤が崩れるのを誘発しているのかもしれません。今後の研究がどのように進展するのか興味がわいてきます。
  地震の影響に関係するかどうかは不明ですが、本校のHPで生物部の活動状況をお知らせしている中で、クチナシの話題を取り上げていました。生物部の研究テーマの一つとして、クチナシの害虫である「オオスカシバ」の幼虫の食餌傾向を研究しています。生物部が育てているクチナシには今年は「オオスカシバ」の幼虫が見られず、食べた後も見られなかったようです。生物の教員に私が「地震を予感して逃げたつだろ?」と言ったものの科学的根拠はありません。人間以外の生物には私たちにはわからないことを感じ取る感覚器官を持っているのかもしれません。オオスカシバの孵化が周りの環境にどのように影響しているかなども研究材料になるのではと考えたりもします。理科の課題研究では、研究テーマになることが身近なところにいっぱいあります。本校の理数科や普通科で理系分野に進もうと考えてる中学生の皆さん、第二高校で課題研究や部活動の研究に取り組んでみませんか。

にっこり 平成28年8月

 連日猛暑が続いていますが皆さんいかがお過ごしですか。8月11日には熊本市と佐賀市で38.1℃を観測し、全国929観測点中、35℃以上の猛暑日となったところは123地点にもなったそうです。暦の上では立秋を過ぎて秋ですが、しばらくは暑い日が続きそうです。水分補給や休憩を取るなどして、熱中症にならないようにお過ごしください。
 新聞でも報道されていましたが、7月29日に本校は終業式を行いました。熊本地震で休校になっていた分の授業を行うために夏休みを短くしました。2学期の始業式は8月25日に行います。当初の計画では4月15日に遠足を計画していました。本校では遠足は毎年グリーンランドに行っています。遠足ができていませんでしたので1学期の最終日に全学年で遠足を楽しみました。気候的には暑い時期でしたので心配しましたが、生徒諸君は満足してくれたと思います。
 現在、ハンドボールコートに第1棟目のプレハブの仮設教室ができあがりました。これまで、特別教室棟の実験実習室をホームルームとしていましたが、ようやくそれが解消できます。生徒の皆さんには不便をかけていますが、すべてをすぐに元に戻すことはできません。数年間という長い目で見ながらの復旧となります。
 第1棟目の横に第2棟目のプレハブ教室が建築中です。ここは主に現在管理棟に入っている職員室、進路指導室、事務室、校長室などが入ります。また、図書館が使用不能となっていますので、図書の貸し出し、閲覧や学習するスペースを設けます。管理棟や図書館が生徒立ち入り禁止となっていますが、第2棟が完成することで、職員室にも生徒が自由に入れるようになりますし、十分とは言えませんが図書館の機能も復活することができます。
 体育館も復旧工事を進めていますが、なかなか思うように事は進みません。櫓を組んで天井の防音板などの落下しそうなものを取り除く作業して、近場から構造体を点検しました。その結果、鉄骨の破断や接合部のボルトのゆがみ等が新たに発見され、短期間での修復が難しい状態となりました。体育館は学校の中でも重要な建物の一つです。学校行事で入学式、各学期の始業式や終業式、卒業式やPTA総会等を行う会場となりますし、屋内で行う部活動の練習場所としても使用します。部活動は、各部活動が苦労して練習場所を探し、やりくりをしています。地震の影響で練習場所を学校内に確保できない部活動は、現在練習場所として学校やその他の施設をお借りしていますが、貸していただいている施設の関係者の皆様には、感謝申し上げます。
 本校は生徒数が約1200人と、県立学校では最も生徒数が多い学校の一つですが、1200人規模の収容能力のある施設は多くはありません。始業式や終業式は、放送で今後行うこととなりますが、卒業式や入学式は他の施設を借りないといけません。学校行事の会場の確保や部活動の練習場所の調整等については、県教育委員会と相談しながら計画を立てていきたいと考えています。
 7月30日から8月3日まで広島県で全国高等学校総合文化祭が開催されました。昨年度は滋賀県で開催され、来年は宮城県、その次は長野県と、毎年各県が担当して文化祭が開催されます。総合開会式では、実施されるすべての部門を網羅した内容のもので大変素晴らしい内容のものでした。開会式の中で各都道府県の代表生徒が一言アピールを行いますが、今回は熊本県の代表として本校美術科3年の伊藤真生君がメッセージを堂々と伝えてくれました。開会式の会場では、熊本地震に対する募金も行われ、生徒の皆さんが募金を呼びかけていました。熊本県民の一人として募金活動を行っていただいた広島県の生徒の皆さん、また募金に協力をしていただいた皆様にお礼を申し上げます。
 全国高校総文祭に限らず文化系、運動系部活動の生徒の皆さんが県代表として各種の全国大会に参加してくれました。参加生徒の活躍は今後このHPで紹介して参ります。参加した生徒の皆さんご苦労様でした。

にっこり 平成28年7月

 7月になり梅雨の終盤に入ってきました。ここ数日は晴れの天気になり、雲も夏の雲が見られ気温が上昇しています。現在は湿度も高いので熱中症にも十分注意しておく必要があります。本校でも先日部活動のキャプテン等を集め、熱中症対策の研修会を開きました。梅雨では、太平洋高気圧からの暖湿な風とオホーツク海高気圧からの冷湿な風がぶつかることでそこに梅雨前線が発生します。この前線が日本付近を北上したり南下したりして各地で雨を降らせることとなります。熊本県でも局地的な豪雨で警報が出たりしていました。雨は作物の成長にとって必要なものですから全く降らないというのも困ります。ほどほどがいいのですが、こちらの思うとおりには降ってはくれません。梅雨の終盤にも豪雨になる場合もあるのでもう少し注意が必要です。
  7月3日に台風1号が発生したと報道されていました。今頃今年最初の台風が発生していますが、この記録は統計を取り始めたこの60年あまりで2番目に遅い記録とのことです。記録では台風1号の発生が最も遅かったのが、平成10年7月9日となっています。この4、5年は毎年20個以上の台風が発生しています。梅雨が明けたと思ったら今度は台風の心配もしなければなりません。今回の熊本地震で各地で地盤が弱くなっている箇所が多くありますので、今後集中豪雨や台風の影響で二次災害が発生しないことを祈っています。
 本校の施設の復旧状況については、本校のHPで今後も随時お知らせしていきたいと思っています。現在、教室棟の一部が使用できないため、ホームルームを特別教室棟や東棟などの分散させています。それを解消するため、プレハブの教室をハンドボールコートに建築中です。予定では8月中旬に完成しますので、2学期からは、分散していたホームルームをこのプレハブの教室に移し授業を始めます。また、ユニセフからいただいたテントで授業を行っていましたが、それも何とか別の場所を確保できる予定です。生徒諸君には不便をかけていますが、学習環境の整備を最優先に復旧を図って参ります。また、管理棟、教室棟、特別教室棟をつなぐ渡り廊下が現在使用禁止で出入り口が制限されています。教室棟及び特別教室棟の南側1階の外側にそれぞれ、落下物からの安全を確保するためコンパネで屋根を設置しその下を通路として使用できるようにしました。その結果、教室棟は南北両側の1階の出入り口を使用することができるようになりました。特別教室棟もこれまで体育館とをつなぐ渡り廊下からの出入り口1カ所でしたが、1階の出入り口を使用できるようになりました。
 プレハブ教室は、他校ではたとえば校舎の建て替えである一定の期間利用することがよくありますが、本校の場合は、現在のところいつまでプレハブ校舎を使用するのかという見通しが立っていません。
 本校も二の丸にあった頃などは、プレハブの校舎が一部あったということをりんどう会の方々から聞いています。本校は昭和37年の創立から今年で55年目を迎えました。創立からこれまでの中で最大の困難に直面していると思います。生徒、職員が一丸となってこの困難を乗り越えていきたいと思います。
 最後に、学校の古い資料を探していたら、「熊本二高新聞」の創刊号(昭和37年10月13日)がありましたので、参考までにご覧ください。

平成28年6月

 5月10日から学校を再開し、5月26日から全学年一斉に授業をすることができるようになりました。保護者の皆様をはじめ、関係の皆様の御尽力の賜と感謝申し上げます。しかし、授業や部活動における支障が解消されたわけではありません。教室等への移動経路が限られ、迂回して移動しなければならないこともあり、授業の間の移動休憩時間を15分取らざるを得ません。その結果、1コマ45分授業の形態がしばらく続くことになります。また、理科や家庭科の実験・実習室を急きょホームルームとして使用することになり、実習関係の授業も満足にできないような状況です。このように制限された状況での授業になりますので、各教科共に授業内容の濃度を濃くし、時間の有効活用を努めてまいります。
 さらに、体育館の復旧がいまだに予定が立ちません。体育館で活動をしている部活動は練習会場を確保するのに苦労しています。高校総体では総合開会式が中止となり、各競技も震災前の予定とは違った会場で実施されることになりました。練習不足に加え、例年と違う会場で試合に臨むことになりますが、このような時こそ、生徒の皆さんの頑張りに期待したいところです。
 高校総文祭も県立劇場が使用できないこと等の理由により、囲碁、将棋、百人一首かるたを除いて、パレード、ステージ及び展示部門が中止となりました。高文連会長として苦渋の決断をしなければなりませんでした。生徒たちには大変申し訳なく思います。
 放課後になると、運動系、文化系部活動ともに練習に励んでいます。目標に向かい、ひた向きに部活動に取り組む姿は私たちに元気を与えてくれています。
 本校も、熊本地震の前震からグラウンドが避難所となりました。本校のグラウンドにも本校の生徒が避難してきていました。避難所を開設してからすぐに、生徒たちが避難所の本部に来てボランティア活動を申し出てくれました。グラウンドに入った車が最大時は約600台くらいになり、学校への車の出入りを一方通行にせざるを得ませんでしたが、その誘導に進んで協力してくれました。また、学校の近くに集合住宅があります。そちらには、本校のグラウンドまで物資を受け取りに来られるのが困難な方もおられますので、生徒たちがリヤカーを引いて、飲料水などの物資を届けてくれました。もちろん、本校に限らずいろんな避難所で手伝いをしてくれたと聞いています。生徒の皆さんの心配りに感謝します。
 本校の施設などの被災状況は、今後もお知らせしていきたいと考えています。本校の施設のつくりは他の学校の構造とはずいぶん異なっています。まず、教室棟に廊下がありません。廊下の役割をしているものが管理棟、教室棟、特別教室棟を結ぶ渡り廊下となります。地震で8本ある渡り廊下がすべて使用禁止となりました。移動に時間がかかる大きな要因になっています。
 正門の大きな門柱は花崗岩でできています。今回の地震では、前震では倒れませんでしたが、本震で2つとも倒れてしましました。正門の車の出入りの妨げになっていますので、先日同窓会にお願いして門柱を移動していただきました。本校のシンボルの一つでありますが、元に戻るのには少し時間がかかると聞いています。
 管理棟は、職員室、事務室、校長室、会議室などが入っています。管理棟は玄関を含む東側の部分が全て使用禁止となりました。西側の部分も県の審査の結果、生徒を入らせないという条件で使用しています。
 校長室の前震の後の様子です。校訓額の下のあったガラス戸の戸棚が下に落ち、これは使用不能になりました。校訓額は落ちずにかろうじて持ちこたえていましたが、本震ではとうとう落ちてしまいました。戸棚が開いていますが、普段から開けているわけではありません。前震が主に横揺れでしたので、激しい揺れで開いてしまいました。ガラス戸も倒れソファーに倒れ掛かっています。
 反対側を写した写真です。歴代校長の写真は、途中までずり落ちたものがありました。
 前例にないような二度の大きな地震は、想定外の部分がたくさんありました。いまだに避難所で生活されている方々もおられます。今回の地震で被害にあわれた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
 私たち職員は、第二高校に入学した生徒諸君が安心して学校生活が過ごせるよう最大限努力してまいりますので、今後とも御支援、御協力をよろしくお願いします。

学校 学校再開に向けてのご挨拶

学校再開に向けてのご挨拶

県立第二高等学校長 那須 髙久

 まずは今回の地震により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、保護者の皆様には、休校が長く続いておりますことで、大変御心配をおかけしております。
 先日、県の施設課の調査が行われまして、渡り廊下の使用はできないものの、全ての教室が使用可能という判断が下りました。その結果を受けまして、学校といたしましては、5月10日(火)より登校を再開することといたしました。ただ、渡り廊下が使用できないために教室棟や特別教室棟への出入口の使用に一部制限があり、現時点では全学年分の余裕を持った避難経路を完全には確保できないこと、また余震が今なお続いていること等を鑑み、生徒の安全を最優先に考えまして、少なくとも初めのうちは、登校を午前中に限って学年ごとに実施することにいたしました。具体的には10日(火)は3年生、11日(水)は2年生、12日(木)は1年生という形で、順次登校を実施いたします(詳細は本校のホームページ内にある学年のページに掲載いたしております)。まずは生徒達がホームルームで級友たちと顔を合わせ、短時間ではありますが机に向かって学習をする時間を確保し、担任による面談を実施することで、少しずつ学校としての落ち着きを取り戻したいと考えております。またその間に、県教育委員会の指導を仰ぎながら、校舎の復旧・整備等を進め、全生徒が安心して登校できる環境を構築し、生徒達が通常の学校生活に一日でも早く戻れるよう、職員全体で取り組む所存です。生徒が全員登校できるようになるまで、今しばらくは保護者の皆様には御心配をおかけいたしますが、御理解と御協力をいただければ幸甚に存じます。
 最後になりましたが、温かい励ましのお言葉を戴いた多くの方々、またボランティア活動に日々励んでくれた本校の生徒や卒業生の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。


平成28年4月

 平成28年度が始まりました。4月8日は、午前中に2年生と3年生で始業式を、午後は入学式を行い新入生を迎えました。3月に52期生を送り出して、1学年分生徒が少なくなっていましたが、全校生徒が揃い以前と同様に、学校に活気が戻ってきたように思います。
 本年度の本校の教育目標は、昨年度と同様に「連携と共有 全人教育の推進」としました。本年度も生徒の希望が実現できるよう私たち職員一同、精一杯生徒を指導、支援して参りたいと思いますので、このHPを御覧の皆様も第二高校に対するご支援、ご協力をよろしくお願いします。

 以下、始業式式辞の内容の一部を示します。


 ・・・昨年度、皆さんには、「切磋琢磨」及び「二高生としての品格をさらに高めよう」という2つのことをお願いしました。今年度もこの2つを皆さんに継続して求めたいと思います。昨年1年間皆さんを見てきましたが、皆さんの成長はまだ途中の段階にあるといえます。皆さんの可能性は無限大であると思っています。皆さんそれぞれの進路目標を実現するためには、お互いが意識しあい切磋琢磨しながら努力してください。また、熊本県内の同じ学年の人たちだけではなく全国の同じ学年の人たちがよきライバルであります。それぞれが勉学に励み、競い合うことでさらに学力が高まる。そして、学年全体のレベルが高まっていくと信じます。学校生活は団体戦といわれますが、皆さんがよいところを十分に発揮しながら、学校全体がより高いレベルにステップアップできることを期待したいと思います。これは学習に限らず部活動でも必要なことです。互いが技量を磨くことでチーム全体のレベルが上がります。団体戦や個人戦の結果を見るともう少しで入賞という人たちがかなり多くなってきました。文化系、運動系の部活動ともに活躍を期待します。
 次に「二高生としての品格」。二高生の品格は何かと問われても簡潔明瞭な説明は難しい面があるかもしれません。しかし、これを凝縮してまとめたことばが本校の三綱領になるのではないかと考えます。本校の創立時にこの三綱領が制定され、55年変わらずに先輩諸氏が唱和し常に胸に刻み受け継がれてきたものですから、この綱領を日々実践に移すことで第二高校としての品格、さらに社会人としての品格が培われていくのだと思います。
(中略)
 「土光臨調」で有名な土光敏夫さんは、石川島播磨重工業や東京芝浦電気の社長を務めました。いずれの会社も経営危機に陥った時の社長就任でしたが、その類まれな経営手腕でどちらも見事に経営を立て直されました。その後、経団連や国の第二次臨時行政調査会の会長に就任し、国が進める行政改革にも大きな足跡を残されました。
(中略)
 土光さんは戦後屈指の経営者として有名な人ですから、土光さんが示した行動指針は、現在の社会人のあるべき理想として今なお読み続けられています。土光さんのことばを紹介します。
『やるべきことが決まったら執念を持ってとことんまで押しつめよ。問題は能力の限界ではなく執念の欠如である。
 物事を成就させる力は何か、その力の中にはむろん能力があるだろう。だが、能力は、必要な条件ではあっても十分な条件ではない。十分な条件とは、その能力に、起動力・粘着力・浸透力・持続力などを与える力である。そのような様々な力を、私は執念と呼びたい。
 仕事に困難や失敗はつきものだ。そのようなとき、困難に敢然と挑戦し失敗に屈せず再起させるものが、執念である。そればかりではない。およそ独創的な仕事といえるのも、執念の産物であることが多い。湯川博士は中間子理論のヒントを寝床の中で得たという。しかしその背後には、寝ても覚めてもその一事に凝り憑かれた長い執念の期間があったことを忘れてはなるまい。』(「新訂 経営の行動指針」より)

今年の卒業生は、進路でがんばって素晴らしい成績を残してくれました。これも生徒の皆さんが最後まであきらめず、目標とするところに合格するのだ、合格してそこでさらに勉強するのだ、という強い思いがあったからだと私は思います。これが今述べた執念であり二高生の伝統のひとつであると思います。・・・


 生徒たちは、4月の後半から5月14日に開催する運動会の練習に取り組んでいきます。既に各団の絵看板の作成や応援団員の練習が始まっています。今年の運動会も生徒たちの取り組みによって、躍動感あふれる素晴らしい運動会にしてくれることでしょう。近隣の皆様には様々な面でご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞご声援をよろしくお願いします。


にっこり 平成28年3月 その2

 桜の花が美しい時期になりました。自衛隊通りの桜は、満開の時期を迎えると見応えがあります。この時期の週末には自動車が通行止めになり、歩行者がゆっくりと散歩しながら桜を眺めることができます。一般的に植えられている桜は「ソメイヨシノ」と呼ばれる品種です。ソメイヨシノは、江戸時代に園芸品種として創られたという説が有力です。この品種は結実してもその実から実生することはなく、各地に植えられているものはすべて接ぎ木などの方法によって繁殖されたものです。ソメイヨシノの寿命はあまり長くはないようです。自衛隊通りの桜も植えてから年数が経っているものも多く、樹勢が衰え、花の咲き具合が悪くなったものから順次植え替えられていると聞いています。実際に見てみると、所々に若い木を見ることができます。
 九州自動車道の八代から以南は山岳道路となり山間を縫って道路ができています。桜が咲く時期に山肌の木々を眺めると所々に薄ピンク色の花が咲いた木が見られますが、これは「ヤマザクラ」と考えられます。ソメイヨシノは花が葉よりも早く開きますが、このヤマザクラは花と葉芽がほぼ同時に展開するのが特徴です。南阿蘇村には樹齢400年あまりといわれる「一心行の大桜」があり、報道などでもよく紹介されますが以前はこの木の品種が、「エドヒガン」「ヤマザクラ」のいずれなのかという議論がありました。その後DNA鑑定が行われ、「ヤマザクラ」であるという結果になっています。報道されるたびに、実際に花を見ようと観光客が多く訪れるのですが、観光客の足で地面が踏み固められ樹勢が弱るため、立ち入り規制を行っているようです。自然の状態が木にとっては最も健康的でありますので、実際に見学に行っても桜の木に対する配慮が必要です。
 日本では年度が変わる時期と桜の開花が重なり、別れと出会いの季節となります。本校でも3月29日に職員の転退任式を行いました。今年は教職員の人事異動の報道発表が3月30日でしたので、一般の方が知る前の転退任式となりました。しかし、体育館には卒業生の諸君も大勢出席してもらい、厳粛な中に盛大に先生方をお送りすることができました。駆けつけて頂きました保護者、卒業生の皆さん大変ありがとうございました。本校を転退任される先生方におかれましては、本校の教育にご尽力いただきありがとうございました。先生方のご指導を忘れず、私たちは二高生のために努力して参ります。
 このHPを日頃からご覧いただいている皆様、今年1年間第二高校へのご声援ありがとうございました。次年度も第二高校へのご支援ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
 この「東町3丁目だより」も 次年度も続けていきます。1ヶ月に約1回のペースで更新して参りますが、あまり期待されずに眺めていただければ幸いです。

学校 平成27年度末人事異動

  氏  名
 石田 智雄 先生
 本山 雅仁 先生
 髙田  拓 先生
 前田 眞澄 先生
 津留 幸江 先生
 武田 昭博 先生
 前田 啓志 先生
 平川真由美 先生
 内藤さとみ 先生
 園田 光世 先生
 髙島 由佳 先生
 栁田 耕輔 先生
 中満恵美子 先生
 瀬上眞由美 先生
 草留 秀人 先生
 鋤本 誠也 先生
 宮原 公典 先生
 牛島 隆博 先生
 長谷川智洋 先生
 山口 玲奈 先生
 田中 基義 先生
 小林 敏夫 先生
 澤田 一生 先生

笑う 平成28年3月

 3学期は、他の学期に比べ授業日数が少ないのですが、学校にとっては重要な行事が続きます。まず、3年生が上級学校進学に向けてセンター試験に挑みます。1月16日と17日に熊本県立大学で受験しました。その後私立大学を受験する生徒は、1月下旬から各私立大学の入学試験に臨みました。国公立大学は、大学個別の試験を実施します。前期が2月25日、3月になると中期及び後期試験が実施されます。3年生の皆さんはそれぞれ志望の大学を受験しています。受験生の皆さん、最後まであきらめずに頑張ってください。
 3年生の受験と同じ時期に今度は高校の入学者選抜検査が行われます。2月2日、本校では前期(特色)選抜を、理数科と美術科で行いました。3月に入り、8日と9日に後期(一般)選抜を行いました。多くの生徒の方に受検していただきありがとうございました。難関を突破され、4月になると新たな二高生となって新学期が始まります。
 前後しましたが、3月1日に卒業式を行いました。保護者の方や来賓の方もたくさんおいでいただき3年生の卒業を祝福していただきました。大変ありがとうございました。卒業式が終わった後の卒業生の笑顔を見る度に、私は教員になって本当に良かったと思います。卒業した二高生は、これから社会で更に大きく成長してくれることでしょう。
以下に、卒業式の式辞の一部を掲載します。

式辞
 ……中略……
 ただ今、卒業証書を授与した卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは、本校の綱領である「自主積極・廉恥自尊・礼節協調」をよりどころとして、「学力の向上」はもとより、人としての「人格の陶冶」に向けて、日常の勉学や部活動、並びに生徒会活動を中心に、自己研鑽の日々を積み重ね、本日、晴れて卒業の日を迎えたのであります。
 ……中略……
 皆さんが本校に入学したとき、これから高校生活をどのように送ってほしいか、学校からお願いをしていました。まず、一つ目は「第二高等学校の生徒であるという、自信と誇りを持って欲しい」ということ、二つ目に「感謝の心と謙虚さを常に忘れないで欲しい」ということでした。私は卒業生の皆さんについては、三年次のこの一年間しか見ていませんが、この一年間充実した学校生活を送ってくれました。皆さんは、積極的に挨拶を励行してくれましたし、環境美化活動やボランティア活動にも一所懸命に取り組んでくれました。率先して何事にも取り組む姿勢は、二高生の伝統であり、「二高生としての自信と誇りを自分も受け継いでいくのだ」という強い意志があったからこそ、為し得たものではないかと考えます。この自信と誇りを自分のものにすることで、感謝の心と謙虚さも同時に身についたことが、皆さんの姿勢からはっきりとわかります。私も年度当初の四月に、皆さんに「二高生としての品格をさらに高めよう」とお願いしましたが、私が期待した以上に皆さんは「人間力」を高めることができたと確信しています。本校で培った人間力が、十年後、二十年後の時代になっても、皆さんの心の中でも生き続け、皆さんそれぞれの人生を支えていくものとなることを願っています。
 ……中略……
 皆さんがこれから活躍していく社会は、新しい知識・情報・技術が、政治・経済・文化をはじめ、社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す「知識基盤社会」の時代と言われています。知識は日進月歩であり、競争と技術革新が絶え間なく、驚くほどの速さで進行する社会でもあります。ニューヨーク市立大学のキャシー・デビットソン教授は、「2011年にアメリカの小学校に入学した子供たちが、大学を卒業するとき、その65パーセントは、現在は存在していない職業に就くだろう」と予測しています。65パーセントという数値はアメリカ合衆国国内を対象にした予測ですから、そのまま日本においても当てはまるものではないかもしれません。しかし、自分たちの周りを見渡すと十年前にはなかった職業も実際に存在します。このように変化が激しい社会では、これまでの知識だけでは解答を導けないような諸問題に果敢に取り組み、新たな世界を切り拓いていく力が必要となってきます。
 皆さんは、第二高校の学校生活の中で、課題研究やテーマ研究に取り組み、研究を進めていく中で、問題解決や創造性、独創性といった思考の方法、またコミュニケーションや協働といった仕事の方法を身につけてきました。皆さんが身につけた力はこれからの生活で諸問題を解決していく上で必ず役立つものと思います。
 これまでの前例が参考にならない、答えのない問題に向き合う場面が、皆さんのこれからの人生に幾度となく訪れると思います。難しい問題に直面してそれを乗り越えるのに時間がかかる場合があるかもしれません。その時は一度立ち止まって、自分が置かれている立場や状況を見つめなおしてみることも必要になってくるでしょう。
 作家である赤瀬川隼さんは「道草を食うことを恐れるな。道草とは、決められた一本の道を急ぐのではなく、好奇心を道連れに、時間をかけてらせん状にすすむことだ。」と述べています。ここで言う「道草」とは、ただ単に時間を浪費するということではありません。すぐにあきらめず、課題を乗り越えるための解決法を多方面にわたって時間をかけて探る。そうすることで、今まで気づいていなかった新たな自己の能力を発見し、その力を使って解決する道が開けてくると信じます。「道草を食うことを恐れるな。時間はかかっても必ず課題は乗り越えることができる。」
 ……中略……
 卒業生の皆さん、皆さんの前途が洋々たるものであることを信じ、将来のご多幸をお祈りして、式辞とします。

にっこり 平成28年1月

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
年明けは穏やかな日が続きました。皆さんもそれぞれが、新たな年の目標を設定したことと思います。
「一日の計(はかりごと)は寅に在り、一歳(いっさい)の計(はかりごと)は春に在り」という先人の教えがあります。「一日の計は寅に在り」の寅とは十二支の寅を指し、現在の時刻でいうと午前4時頃を示しています。また、「一歳(一年)の計は春に在り」の春は年の始まりのことで、目標や計画は早めに立てるべきであるとの教えです。
私たちは何かに取り組むとき、あらかじめ目標や計画をたて実行しています。学習も同様で、一年という区切りに加えて、一日、一週間、一か月というスパンで目標を設定してみてはどうでしょうか。長期的目標と短期的目標を組み合わせることで、目標に向けた進捗状況や理解の度合いをより正確に、また具体的に把握できると思います。
 1月2日と3日の二日間、箱根駅伝が行われました。今年で92回目を迎え、国民的行事になっています。今年は往路・復路とも青山学院大学が制し、2年連続2度目の優勝を果たしました。往路・復路ともに一度もトップを明け渡さず全区間を首位で通過し優勝したのは実に39年ぶりという快挙でした。この大会の最優秀選手に送られる賞は「金栗杯」と呼ばれ、今回は青山学院大の往路1区の選手に贈られました。この金栗という冠は、熊本県玉名郡春富村(現在の和水町)出身の金栗四三という人の名に由来します。日本におけるマラソンの父と称された人で、3度オリンピックに出場されました。箱根駅伝は大正6年に第1回が開催されましたが、金栗さんはその開催に向け中心となって尽力された郷土の偉人です。今年も実況中継の合間にモノクロの当時の映像や写真が流され、開催に至る苦労や歴史がよく伝わってきました。
 金栗さんは、「体力、気力、努力」という言葉を残していらっしゃいます。この言葉は、マラソン選手として成功するための3つの条件として述べられたものと推察しますが、スポーツに留まらず私たちが生活していく上でも大切な心構えだと思います。
まず「体力」。何よりも健康で体力があること。健康な体でないといざという時に力を発揮することができません。3年生の諸君はセンター試験が目前に迫っています。体調を万全に整え、最大限の力を発揮してください。センター試験の頃になると毎年寒気が増していきます。体調管理も大切な受験への備えです。
次に「気力」。やる気、強い心。これによって行動へのモチベーションが維持できます。皆さんの大きな目標の一つに、進路実現があげられると思います。1年生、2年生の諸君は2年先、1年先に自分はこうなっているのだということをイメージしながら、気力をもって取り組んで欲しいと願います。
 3つ目に「努力」。継続して行動することが、大きな実りにつながるものと思います。皆さんの将来が全てにおいて順調であれと願いますが、実際は様々な困難に直面し、すぐには解決できない問題が大きく立ちはだかることもあるでしょう。その時、「自分には無理かもしれない」とか「だめだ」と思うと、目標実現に向けての気力が委縮してしまうかもしれません。そんな時に「もうできない」ととらえず、「まだできていないだけ」、「いつかできる」と心に強く思うことで、自己のポテンシャルを高めることができると思います。このような考え方を「成長型マインドセット」と呼びます。
 皆さんもよく知るトーマス・エジソンは「発明家」・「努力の人」と呼ばれますが、一方で、「失敗と敗北の人」とも呼ばれました。彼は次の言葉を残しています。「わたしは今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今までに2万回したのだ。」と。発明や成功以上に失敗を経験したエジソンですが、うまくいかなかったことを失敗と捉えず、その方法ではうまくいかないということを発見したという考え方に変えたのです。「成長型マインドセット」の典型と言えるでしょう。
 今年の干支は「さる」。十干十二支の組み合わせで言えば「丙申(ひのえさる)」の歳です。申という漢字には「のばす」、「まっすぐにのびる」という意味があります。皆さんがこの一年、目標達成に向けて成長型マインドセットを発揮し、人間力を伸ばし更にレベルを上げてくれることを期待します。

にっこり 平成27年12月

 師走も半月が過ぎ、あと2週間もすると新たな年を迎えます。年末になるとなぜかあわただしさを感じます。仕事も一区切りつけたい、正月に向けて家の掃除などもしなければと、12月に入ると毎年頭の中で考えるのですが、歳も押し迫った頃になってようやく動き出すということを繰り返しています。計画的に仕事を片付けたいと思います。
 12月になって、宇宙観測分野で2つの大きな話題がありました。まず、小惑星の探査に関するものです。小惑星探査機「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」に向かうため、地球スイングバイを行い小惑星に向かう軌道への投入が成功したというニュースでした。初代はやぶさが小惑星イトカワから2010年にサンプルを持ち帰り、その後はやぶさ2が2014年12月に打ち上げられました。ハヤブサ2は、有機物や水のある小惑星を探査してサンプルを持ち帰り、生命誕生の謎を解明することを目的としています。2020年頃に採取したサンプルを地球に持ち帰る予定になっており、無事に戻ってくることを期待しています。
 宇宙関連でもう一つ。「あかつき」と呼ぶ金星探査機が、金星の周回軌道に入ったニュースでした。あかつきについては、5年ほど前に金星への軌道に乗せることを試みましたが、その時はエンジン噴射ができず失敗、今回の再挑戦で見事周回軌道に乗せることに成功しました。金星は厚い雲に覆われ表面を直接観測することができません。この探査機は赤外線を使って、雲の下の大気の状況や地表の様子を観測することを大きな目的としています。予定より長い期間厳しい環境にさらされ機器がうまく動くか心配もありますが、針の穴を通すような確率で軌道に入った「あかつき」のことです。きっと金星の素顔をとらえて貴重なデータを地球に送ってくれることでしょう。
 どちらの探査機も軌道や速度を修正するために惑星の重力を利用しています。はやぶさ2の場合は、地球の重力を利用して軌道を修正・加速し、地球を離れ小惑星に向かいました。あかつきは、姿勢制御用エンジンを噴射、減速し、金星の重力に引かれることで金星の周回軌道に入りました。どちらも探査機の打ち上げ前に綿密な軌道計算が行われた結果、軌道修正が正確にできています。現在ではその計算が電子計算機で速く正確にできますので、このことも科学技術進展の一つの成果であると言えます。
 私が小学生の頃、科学の図鑑の中で日食がいつどこで起こるかを示した図を見ていた時、どのような計算をして導いているのだろうと不思議に思ったことを思い出しました。天体の動きは計算により予測が可能となります。以前、江戸時代の天文学者が、自分が改正した暦の正確性を確かめるのに日食の予想を行うという内容の映画がありました。電子計算機のない時代でも、人間は正確な計算を行い正確に自然現象を説明してきています。人間の能力は計り知れないものだと改めて痛感します。
 本校は、国からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けています。SSHでは課題研究という授業を行っていますが、その研究題材は様々な分野に亘っています。研究テーマの一覧を見ると実に多彩で感心してしまいます。前述のはやぶさの技術の一つである電力の制御技術をルームエアコンに応用しようという企業もあります。生徒の皆さんには身の回りで起こる現象や情報に関心を持って、様々な研究材料を見出して欲しいと思います。
  本校のHPを見ておられる皆さん、今年1年はどのような年だったでしょうか。どうぞよいお年をお迎えください。

笑う 平成27年11月

 11月8日(日)に、藤崎台野球場で本校と第一高校との野球の交流戦が行われました。この交流戦は、第一高校同窓会(清香会)と本校同窓会(りんどう会)の共同企画で、一昨年から始まり今年で3回目となります。結果は4対4の引き分けに終わり、第二高校の初勝利は来年にお預けとなってしまいました。しかし、野球部の諸君は一生懸命プレーをしてくれました。また吹奏楽部をはじめ多くの生徒が球場まで駆けつけ、大きな声援を送ってくれました。ありがとうございました。
 試合の合間に校章のことが話題になりました。本校の校章はりんどうの花がデザイン化されており、第一高校の校章は梅の花がデザイン化されています。他の高校の校章を調べてみると、私の前任校の鹿本高校の校章は、鹿の角とイチョウの葉が盛り込まれ、先日創立120周年を迎えた熊本商業高校は、桜と錨がデザイン化されています。全ての高校の校章を見たわけではありませんが、花や葉といった植物に由来するものが盛り込まれているものが多いのではないでしょうか。
 姉妹校であるアメリカモンタナ州のビッグスカイ高校のシンボル(校章と言うのかは?)は白頭鷲となっています。9月に友好訪問した際に、他校とのサッカーの試合があるということで、ビッグスカイ高校の副校長先生に会場に連れて行ってもらいともに応援しました。対戦相手は同じミズーラ市にあるセンティネル高校でしたが、ビッグスカイ高校は惜しくも敗れてしまいました。ちなみにセンティネル高校のシンボルはスパルタの兵士で、副校長先生にアメリカの高校の状況を尋ねると「元気が出るようなシンボルが多い」とのことでした。
 海外旅行の話題をもう少し続けます。先月号でも少し触れましたが、私は海外に行く機会が少なく、長時間飛行機に乗ったり日付変更線を越えたりするような旅行は今回が初めてでした。旅行初日(9月18日(金))は、成田空港からシアトル空港に向かいました。飛行機は夕方5時半頃に成田空港を出発し、約9時間機内の人となります。
 シアトル空港までの間、日付変更線を西から東に超えることになりますから、シアトル時間では9月18日(金)の午前11時頃の到着となります。出発前に単純に行程表で時間のみを見て、時差のことを簡単に考えていたのがいけませんでした。初日(18日)は27時間以上の行程となりかなり疲れました。疲れた原因は、

○その1…飛行機の中で数時間しか睡眠がとれなかったこと。
○その2…機内食が夕食、朝食と2回出され、シアトル到着後またすぐに昼食となり、常に満腹状態で過ごしたこと。
○その3…体が「jet lag(時差ぼけ)」の状態になったこと。

「jet lag」はかなりの時差がある地域間を、飛行機などで短時間に移動したときに起こる心身の不調状態のことを言います。「jet lag」の主な症状として、睡眠障害、胃腸障害、昼夜逆転等があるようですが、今回の旅行では3日目位にようやく体が現地の時間に慣れたようでした。
 機内ではできるだけ睡眠を取り、食事も1日のうち何回出てどれくらいの間隔で食事するのかを把握しておくことが大切であることを痛感しました。しかし、生徒たちは疲れた様子は見受けられず、中には機内で一睡もしなかった生徒もいましたし、食事もすべて食べた生徒もいて、若い人たちは元気だなあと改めて思いました。


にっこり 平成27年10月

 暦をふと見ていたら、もう10月も半ばになっています。学校HPの校長室だよりを見ると、9月号には9月1日の始業式の式辞を載せていました。ずいぶん間隔があいてしまいました。 

 言い訳にもなりませんが、9月下旬のシルバーウィークに、本校が毎年行っているアメリカ合衆国モンタナ州ビッグスカイ高校親善訪問団の団長として、9日間学校を留守にしていましたので、あっという間に9月が終わってしまったという感じです。海外へ行く機会が少なく、この出国は私としては約30年ぶりのこととなりました。海外に出て、五感で感じ取るということがいかに大事であるかということを改めて感じた旅行でした。モンタナでの経験は、今後この校長室だよりでもお知らせできるようまとめておきたいと思います。本校はモンタナ州ミズーラ市にあるビッグスカイ高校と姉妹校を締結しています。本校からは毎年訪問団を派遣しています。ビッグスカイ高校のHPは本校のHPにリンクを張っていますので、どうぞご覧ください。 

 9月13日(日)と14日(月)の2日間、本校の文化祭を開催しました。1日目は学校で展示やバザーを行い、2日目は県立劇場コンサートホールでステージ発表を行いました。9月号でも述べていますが、本校の体育館の吊り天井が耐震基準をクリアできず、現在改修工事を行っています。そのため体育館が使用できないので、ステージ発表は県立劇場で行うことになりました。立派なホールで発表ができましたので、各団体とも素晴らしい内容だったと思います。 

 吹奏楽部の発表の中で、演奏してくれた内の一曲に『宇宙戦艦ヤマト』のテーマ曲がありました。『宇宙戦艦ヤマト』といえば、私が中学生の頃の1974年にテレビで放映されたアニメで最近リメイクもされました。この作品のストーリーは、地球外の異星人から地球が侵略を受け、放射能汚染が進行し、宇宙戦艦ヤマトが銀河系のとなりにある大マゼラン雲のイスカンダル星に、放射能除去装置であるコスモクリーナーDを受け取りにいくという壮大な物語となっています。 

 放射能は現実として取り去るのは無理であり、この物語は非現実的なものと考えていました。しかし、現在では常温核融合の遺産を応用して、放射線を出す原子核を別の元素の原子核に変換する研究が進んでいます。核融合の代表的なものとしては、太陽の中心部で起こっている反応があげられます。核融合反応では膨大な熱エネルギーが発生し、その熱で太陽が光り輝いています。ですから、エネルギーを得る方法として熱核融合の研究が行われていました。この反応は超高温の状態が必要となりますので、常温の状態で反応を行わせることは非常に困難です。そこで常温で核融合ができないかという研究も行われました。その研究の流れとして、現在は、放射能を持つ原子核を常温で放射能を持たない別の原子核に変換する技術の開発が進められています。原子核を別の原子核に変えるということは、たとえば炭素という元素を酸素という元素に変える、あるいは放射性セシウム原子核を放射線を発しない別の原子核に変換するという技術になります。昔でいえば錬金術です。この技術が実用化すれば、現在も進行中ですが原子力発電所の廃炉処理にも応用でき、廃炉処理や使用済み核燃料の処理にもきわめて有効な技術となることでしょう。実用化されることを期待しているところです。 

 暑い夏が過ぎ、気候も過ごしやすい季節になりました。秋の夜長、皆さんはどのように過ごされていますか。読書の秋、私は時間を見つけて本を読みたいと思います。 

笑う 平成27年9月

第2学期始業式式辞
 本日から2学期が始まります。
7月の終わりから8月にかけては特に暑い日が続きました。連日の猛暑で、全国では熱中症による病院への搬送者数が、8月23日までの時点で5万人を超えたということです。これから少しずつ秋に向かって涼しくなっていきますが、熱中症にはこれからも注意しておく必要であるようです。
 8月25日(火)の早朝には、台風が熊本地方に上陸し、農作物や建物などに大きな被害が出ました。本校でも木が倒れたりするなどの被害が出ました。風が強い台風だったのであちらこちらに木の葉や枝が散乱していましたが、翌日、部活動などの生徒の皆さんに片づけを手伝ってもらい、短時間で後片づけをすることができました。手伝ってくれた皆さんにお礼を申し上げます。
 本日の始業式はこのように放送による式となりました。これは以前、皆さんにも連絡していたとおり、体育館の吊り天井と照明設備の交換のための工事によるものです。これは、万が一強い大きな地震が来てもそれに耐えうるための改修工事ですので、皆さんにもしばらくの間不便をかけますが、11月末まで御協力をお願いします。
このような形で始業式を行った経験は私もありません。学校が新しくできて、生徒が入学しても体育館ができていないというケースでは、グラウンドで入学式を挙行したり、教室棟の廊下に並び、放送で始業式をしたりという学校も以前ありました。
 さて、夏休み中には課外を受けながら、部活動の大会やその他学校外で開催される行事に皆さんは積極的に参加してくれました。時間の関係上ここで全てを紹介することはできませんので、見事優勝の栄冠を勝ち取った生徒諸君を紹介します。
まず、沖縄で開催された九州陸上選手権大会の5000m競歩に出場した3年生の倉原菜摘(くらはらなつみ)さんが、26分42秒51のタイムで見事優勝しました。猛暑の中のレースで、競技途中は他の選手とのレースの駆け引きが大変だったそうです。よく頑張ってくれました。
 また、美術関係では、県内で最も長い歴史をもつ絵画公募展「第78回銀光展」に、3年の吉田有花(よしだゆか)さんが出品した作品が、最高賞である銀光会賞に選ばれました。吉田さんが制作した作品は「目を閉じる少女」というタイトルの油絵で見事な作品です。熊日新聞紙上でも大きく紹介されました。
 さらに、今日の朝刊で見た人も多いかもしれませんが、中国の香港で開催された第30回中国青少年科学技術イノベーションコンテストに出場した、3年の碇 和也(いかりかずや)君、園田晃史(そのだこうし)君が、国際代表部門で最高の賞である金賞を受賞しました。この部門には12カ国から17のグループが出場し、金賞は本校の他にマレーシアとルクセンブルグのグループが受賞したそうです。日本からは、本校と福島県立福島高校が出場し、福島高校は銀賞でした。昨年のこの大会では、宇土高校が銀賞を受賞しています。
 倉原さん、碇君、園田君に直接話を聞く機会がありました。3人とも、積極的にチャレンジしたと語ってくれました。積極的に何事にも挑戦していくことはとても大切で、その積み重ねが結果となって現れてきます。
本校の3綱領の一つ、「自主積極」の心を持って何事にも挑んでいく。皆さんの積極的な姿勢を今後も期待したいと思います。
 話を次に移します。先日私は、PTAの会議で岩手県盛岡市に行く機会がありました。その途上研修視察として宮城県石巻市を訪れ、東日本大震災で被災した地域を視察し、ガイドの方から説明を受けました。東日本大震災が起こったのが2011年(平成23年)3月11日ですから、4年半が経過しています。
海沿いの沿岸部をバスの中から見ましたが、被災した当時の状況そのままで、未だに取り壊されず荒れたまま立っている民家や工場の建物がありました。復興は進んでいると思いますが、このように手つかずだったり、取り壊されても、その後、何も建物が建たず更地の状態になっているところもありました。また、津波が10m以上の高さで襲ってきたところもあり、建物の3階付近まで海水につかったと、ガイドの方が実際のところを指し示しながら、説明されました。自然の力は計り知れないものがありますし、避けることができません。私たちはどのようにして被害を最小限にしていくかという、減災の考え方が重要であることをこの視察から勉強することができました。
東日本大震災の被災地の方々は、前に向かって力強く着実に歩みを進めておられます。私たちも何らかの形で応援することができればと考えます。
 岩手県出身の作家で、詩人でもある宮沢賢治が創った「生徒諸君に寄せる」という詩の一部を紹介しておきます。

諸君よ 紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか
じつに諸君はその地平線に於る
あらゆる形の山嶽でなければならぬ

諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか

それは一つの送られた光線であり
決せられた南の風である
(『宮沢賢治全集』より一部抜粋)

 宮沢賢治は、旧制盛岡中学校(現在の盛岡第一高等学校)から盛岡高等農林学校(現在の岩手大学農学部)に進み、花巻農学校(現在の花巻農業高等学校)の教師となります。この「生徒諸君に寄せる」という詩は、出身校である旧制盛岡中学校の求めに応じて書いた詩であるといわれています。宮沢賢治の後輩たちへの力強い思いを感じることができます。
 最後になりましたが、2学期は授業日数が長く、勉学や部活動といった学校生活を送る上で大変過ごしやすい季節です。生徒諸君各自が持つ目標に近づき、目標達成に向けてしっかりと頑張ってください。この学期が皆さんにとって実り多き学期になることを祈念して式辞とします。

にっこり 平成27年8月

 残暑お見舞い申し上げます。今年の夏も厳しい暑さの日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。8月12日までの熊本地方の猛暑日は10日だったそうです。これから幾分かは暑さが和らいでいくものと思っています。
 本校には、熊本県高等学校文化連盟の事務局があり、事務局校の校長が会長職を務めることになります。今年の全国高校総合文化祭は7月28日(火)から8月1日(土)にかけて滋賀県で開催されました。会議、県代表校への激励や視察のため滋賀県に行ってきました。それぞれの部門によって開催会場が滋賀県内の各地に渡り、また開催日程が各部門で異なるので、すべての部門を見ることはできませんでしたが、開催県は数年前から準備されていることもあってすばらしい文化祭でした。本校からも箏楽部と美術部が参加しました。美術部の展示は見ることができましたが、箏楽部の発表は日程が合わず発表を見ることはできませんでした。どちらもお疲れ様でした。本校以外からも熊本県からは多数出演・出品がなされ、優秀な成績を収めた学校もあります。詳しくは熊本県高等学校文化連盟のHPや各学校のHPをご覧ください。
 先日、所用があって実家に帰りました。帰りが遅くなって夜実家に向かって歩いて帰っているとき、ふと夜空を見るときれいな天の川が見えました。熊本市内は夜も電灯で明るい状態なので天の川をはっきりと見ることはできません。実家のまわりは明かりが少ないので久しぶりにきれいな天の川を見ることができました。南天を見ると天の川の右の方にさそり座を見ることができます。星座の中でも大きくて有名ですから、夏の星座として皆さんもよくご存じのことでしょう。
 さそり座の中で最も明るい赤い色をした星がアンタレスです。アンタレスは地球から500光年以上の彼方にある、太陽の直径の500倍以上の大きさを持つ赤色超巨星です。アンタレスの表面温度が太陽より低いので赤く見えます。
 さそり座を見ながら、星座に伝わるギリシャ神話の中のサソリとオリオンの関係をおぼろげながら思い出しました。いい機会ですのでギリシャ神話に関する本をもう一度読み直したいと思います。
  本校には、特別教室棟(グラウンドに近い側の建物)の屋上に天体観測ドームがありその中に15cmの屈折望遠鏡が備え付けてあります。8月の下旬に高教研地学部会が主催する県下高校の地学部員向けの天体観測会をこの天体観測ドームで開催する予定になっています。昨年私はこの地学部会の会長をしていましたので昨年も計画しましたが天候が悪く天体観測は中止になりました。今年は晴天になって観測会ができることを祈っています。
 8月も後半になり、学校は課外が再開され生徒たちはがんばっています。夏の暑さに負けず元気に学校生活を送ってくれることを期待します。

にっこり 平成27年7月

 今年の梅雨は、晴れ間が少ないような気がします。実際、野菜や果物の生育が悪いというニュースを聞きましたので、日照不足が続いているようです。7月になりましたので、もうすぐすると梅雨明けになるのではと期待しているところです。
 ショッピングモールに買い物に行って車を駐車場に泊めて歩いていたら、生け垣にクチナシの花が咲いているのに気が付きました。クチナシは常緑低木で野生に自生していますが、白色の花が咲き、また、果実が漢方薬の原料となることから園芸用としても栽培されています。
 クチナシについては、本校では理数科の課題研究で、研究材料として取り扱っています。この研究内容はHPでも紹介していますのでご覧ください。熊本市黒髪の立田山には、1929年に国指定天然記念物に指定された「立田山ヤエクチナシ」が自生しています。「オオスカシバ」という蛾の幼虫がクチナシの葉を好んで食べるため、この蛾は園芸用のクチナシの害虫として駆除の対象となっています。立田山ヤエクチナシも同じようにこのオオスカシバの餌になりますから食害の被害にあうことになります。立田山ヤエクチナシは希少種ですので、その保全のためにその被害特性を調査しました。今年度もこの研究は継続しています。様々な昆虫の餌として植物の葉が餌となりますが、特定の昆虫はある特定の葉しか食べないことが多く見受けられます。前述の「オオスカシバ」もそうですが、食べ物に好き嫌いがあるのでしょうか。食べた時の味が違うとか。これは味覚の問題だけではないようです。自然界の生物の生態は不思議なことばかりです。これは解明されているのかもしれませんが、研究材料としてはおもしろいと思います。
  昆虫の話題を取り上げましたので、それに関するものをもう一つ。蛾の幼虫を農業に利用している例を挙げると何があるでしょうか。答えの一つに「カイコ」が挙げられます。カイコは「カイコガ」の幼虫の名称です。カイコは数千年前に家畜化された昆虫であると言われています。野生には生息することはできません。人間が管理しないと生育することができない昆虫です。
 カイコは蛹になる時、糸をはいてまゆを作ります。その細い糸を集めて撚ったものが絹糸です。以前は農産業の中でも養蚕は重要な位置を占めていました。私の実家は農業をしていて、祖父の話では戦前は米作と共に養蚕をしていたそうです。私が生まれた頃には養蚕はすでにやめていましたが、家の近くに養蚕組合がカイコを飼育するおおきな建物がありましたので子どもの頃はよく遊びに行っていました。また、カイコをもらってきて自分で桑の葉を与え育てたことも記憶にあります。日本では養蚕農家がずいぶん減少し、新聞の報道によると県内の養蚕農家戸数は、昭和初期は約7万件で西日本一だったそうですが、現在は県下の養蚕農家は4軒になってしまいました。飼育数は30万匹から9万匹へ大きく減少しています。絹は、貴重な天然繊維です。明治時代頃は重要な輸出品として国が力を入れた産業でもあります。貴重なものですから、別のもので絹糸の代用ができないかという研究も進みました。絹のような感触や性質を持つ繊維としてビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)といった再生繊維、ナイロンなどの合成繊維があります。これらの繊維については「化学」の授業で習うことになります。詳しくは化学担当の先生に尋ねてください。
 本校では、7月17日に1学期の終業式を行います。夏休みに入りますが生徒の皆さんには、有意義な長期休業になることを期待しています。

にっこり 平成27年6月

 福岡管区気象台が、6月2日に九州北部地方が梅雨梅雨入りしたとみられると発表しました。私はこの情報を熊本県防災情報メールで知りました。この防災情報メールは、登録しておくと大雨に関する情報、注意報や警報、光化学スモッグに関する情報等を知らせてくれます。自分が知りたい地域も指定できるので便利です。たとえば光化学スモッグ発生に関する警報などが発令された地域に学校が入っていた場合、屋外での活動を控えるなど有効に活用できます。様々な災害に備え、どのように対応して生徒たちの安全を守っていくか情報を得る方法として活用しています。その前に、何も起こらないのが一番よいと思っていますが。
 5月の下旬には、高校総文祭が、県立劇場と水前寺共済会館を会場として開催され、また、うまかなよかなスタジアムで高校総体の総合開会式が開催され、各会場で競技が行われました。新聞やテレビなどで連日報道されていましたので、皆さんご存じのことと思います。
 高校総文祭は、5月28日(木)に上通、下通、新市街のパレードから始まり、翌29日には県立劇場で総合開会式が行われました。私は、高文連の会長として開会式に出席し、標語やポスターの最優秀賞の該当になった人に賞状を渡しました。標語は天草高校の生徒が最優秀になりました。ポスターでは、3人の最優秀者すべてが第二高校の生徒となり、高文連の会長として賞状を渡しましたが、本校の校長としても大変うれしく思いました。このほかにも吹奏楽の演奏や展示などに出演や出品がなされ、第二高校の文化系部活動の活躍を改めて感じました。受賞された生徒の皆さん、おめでとうございます。また、出演や出品をしていただいた生徒の皆さんにもお礼を申し上げるとともに役員として手伝っていただいた方に感謝します。
 高校総体は、5月29日(金)にうまかなよかなスタジアムで総合開会式が行われ、第二高校の選手団は、元気よく堂々と入場行進を行いました。当日は晴天で気温が上昇し、たいへん暑い状況だったと思います。お疲れ様でした。一部の競技では総合開会式に先立ち、実施された競技もありましたが、どの部活動も上位進出を目標としてよく頑張ってくれたと思います。私は、高文連の役員をしていましたので総体の方の応援に行くことができませんでした。生徒の活躍を実際に見ることができなかったのが残念です。
 どの部活動もがんばってくれましたが、テニス部が団体戦で3年ぶりに7度目の優勝を果たし、また、アーチェリー部が団体戦で、2年ぶり2度目の優勝を果たしました。栄誉を讃えます。高校総体の団体戦では優勝校には優勝旗が渡されますが、本校には、団体優勝の2本の優勝旗が来ました。生徒職員一同喜びたいと思います。夏休みには、インターハイが近畿地区で開催され、熊本県代表として参加します。上位を目指してがんばってください。
 個人の競技でも、陸上の競歩で1位、2位を勝ち取り、また、アーチェーリーの個人戦で優勝、テニスのダブルスで優勝、個人戦で準優勝となるなど、第二高校の活躍が光りました。
 生徒の皆さんの努力のおかげで、第二高校は勉学にも部活動にもがんばる文武両道を実践する学校であること示してくれました。これからも皆さんの活躍を期待しています。

笑う 平成27年5月

 1学期が始まって約1ヶ月が経ちました。4月から5月にかけては様々な行事が行われ、生徒にとっても職員にとっても慌ただしい時期になります。しかし、生徒たちは自分のペースを乱さずしっかりと学校行事に参加し、また学校行事を楽しみながら参加してくれていたようです。
 1年生の皆さんは4月16日から玉名温泉で宿泊研修を行いました。第二高校の生活に早く慣れてもらうために、各分野からの説明や講話を行いました。私も時間を頂いて少し話をしました。新入生の皆さんはどの話もしっかりと聞いてくれていたようです。
 翌4月17日は、本校の恒例行事である遠足を実施しました。場所はグリーンランドです。2、3年生は学校からバスで移動し、1年生は玉名の宿泊研修会場から合流しました。全員私服で参加ということで他の学校では無いようなことでしたが、皆さんそれぞれに楽しんだ1日でした。午後には新入生の歓迎行事が生徒会を中心にして実施されました。
 4月の下旬に入ると運動会の練習が始まりました。今年は曜日、連休の関係で運動会の直前は十分な練習時間が取れないような日程設定でしたが、天候は味方したのか雨天による体育館での練習は少なかったようです。運動会前日の準の日はあいにくの天候で準備が十分にできず、当日の朝準備することになりましたが、朝早くから部活動等の生徒の皆さんのおかげで間に合いました。準備に参加してくれた生徒諸君にお礼を申し上げます。
 第二高校の運動会を初めて最初から最後まで見ることが出来ましたが、生徒の皆さんそれぞれが楽しんで運動会に参加しているのが非常に印象的でした。学校行事はとにかく楽しみながら参加することが大事です。楽しみながら参加することで本当に自分たちでやっている行事だと実感できると思います。二高生の素晴らしさを感じた一日でした。生徒の皆さん、お疲れ様でした。
 さて、5月12日にかけて台風6号が沖縄を通過し、12日の夕方には温帯低気圧となって本州南側の太平洋を通過しました。この頃はこの時期にも台風を心配することが増えてきたように感じます。台風のエネルギー源は水蒸気ですから、海水温が高いとそれだけエネルギーが供給され勢力が維持されます。今回は日本に近いところの海水温はまだそれほど暖かくないので日本に近づくに連れ台風の勢力が著しく弱くなってしまいました。今の時期の台風はその傾向が強いので、風ではなく大雨の方に警戒すべきですが、夏場になると風も雨も両方に警戒が必要となってきます。この頃、地球温暖化の影響で日本に襲来する台風の大型化と襲来時期の拡大が言われていますから、台風が発生した時の天気予報には十分気をつけておく必要があります。
 台風が持つエネルギーは莫大なものです。このエネルギーを人間の生活に利用できないものでしょうか。研究者の中にはこのエネルギーを利用する研究に取り組んでいる方々もいますので、近い将来には人間が台風を制御してエネルギーとして利用できることが実現するかもしれません。