2025年8月の記事一覧
カステラの製造(食品工業科)
3年生「食品製造」の授業で、カステラの製造実習を行いました
使用する材料は、砂糖・卵・小麦粉・水あめ・ざらめの5つでシンプルですが、単に混ぜて焼けばできるものではなく、焼き上げる際の生地の管理にコツが必要ですこれまでの実習で製造してきた菓子類と比べると難易度は高めですが、生徒たちはカステラ製造の要点を理解するためにしっかりと説明に耳を傾け、ひとつひとつの工程を丁寧に進めていきました。そして…初挑戦ながらも、立派なカステラを作り上げることができました!
カステラ製造のポイント
〇原材料
パウンドケーキやマドレーヌでは、使用する小麦粉と砂糖の量はほぼ同量ですが、カステラの生地は小麦粉の約2倍の量の砂糖を使います。また、しっとりした仕上がりにするために水あめを使用します。
〇生地の泡立て具合
スポンジの製造では、泡立て器から落ちる生地で「の」の字が描ける程度にしっかり泡立てますが、カステラの製造ではスポンジほどは泡立てません。生地の比重が0.57~0.58程度になるように仕上げます(ちなみにスポンジ生地の理想の比重は0.4程度です)。
〇焼成
カステラの生地は砂糖を多く使っているため焦げやすく、通常の焼き方では表面だけが焦げて中は生焼け…という仕上がりになってしまいます。そこで、生地の表面と中心の温度差をなくすため、焼き上げる途中で生地を混ぜる「泡切り」という工程を3回行います。また金属製の型を使用すると、型に接している部分が焼けすぎてしまうため、熱が伝わりにくい木枠を使って焼き上げます(今回の実習では、木枠の代わりに新聞紙で作った型を使っています)。
1回目の泡切り(ゴムヘラを縦横に動かして生地を混ぜます)。
2回目の泡切りをする前の生地。ほんのりと焼き色がつき始めています
生地の表面は乾燥しているので、泡切りをする前にしっかりと霧吹きします
泡切りが終わったら焼成開始!表面にきれいな焼き色が付いたら・・・
焼き色が付きすぎないように新聞紙をのせ、40分ほど焼き上げます
端を切り落とせば・・・売っているカステラみたい
生徒の感想
〇卵と砂糖が多くてびっくりしました。カロリー計算をしてみたところ、作ったカステラ1つで2000kcal超えでした。焼いてすぐもおいしかったのですが、次の日でもおいしかったと家族は言っていました。
〇ボールに材料を入れて混ぜれば完成で簡単かなと思っていました。でも実際は、デコレーションケーキのときくらい混ぜる力が必要で驚きました。汗かくくらい混ぜて、できたときの達成感がすごかったです。水あめを入れる製造は初めてだなと思いました。
〇泡切りが特に印象深かったです…生地を混ぜて温度を均一にするということが初めてだったし、深さを変えながら1回ではなく3回も行ったから。
〇型を新聞紙で作ったとき、なんでパウンドケーキの型とかじゃだめなんだろうと思ったけど、熱伝導の関係で木枠や新聞紙を使っていてすごいと思いました。泡切りは初めて聞いたけど、確かに温度を均一にするために合理的な方法だなと思いました。よく使われるのかなと思って調べたけど、カステラしかでてきませんでした。
〇スポンジケーキの生地感と違うところがおもしろいと思いました。(生地の仕上がりを)比重で考えて数字で見るのは、より正確でおもしろいなと思いました。
〇カステラ以外にも泡切りをするお菓子があるのかなと気になりました。また、他のお菓子にも特殊な工程があるのかなと思いました。
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