校長ブログ

2024年4月の記事一覧

2024/04/26 (58)体育大会ありがとうございました!

 本日4月26日(金)体育大会を行いました。4月開催の体育大会ということで、短期間の準備となりましたが、生徒会やダンスリーダーのみなさん、そして全員が集中して取組んだおかげで今日を迎えることができました。私が何よりもうれしかったのは、前日の予行練習に真剣に取組んでいたこと。大きな声で声援をおくっていたこと。一所懸命に準備をしたこと。

 3年生に残された学校行事は段々少なくなっていきます。一つ一つの学校行事を大切に過ごしてください。2年生はこれまでの伝統に、2年生色を加えて来年につなげてください。1年生は球磨中央の良さを味わって、これからの学校生活を楽しいものとしてください。

 改めて、生徒会のみなさん、ダンスリーダーのみなさん、大会運営を行ってくれたみなさん、大きな声援を送ってくれたみなさん、まじめに競技に参加したみなさん、本当に有難うございました。球磨中央生の真剣な顔や笑顔が大好きです。友達を思いやるところが大好きです。

生徒のみなさん、こんなに素敵な体育大会を有難う。球磨中央生は最高の生徒です!!

最後に平日の早朝よりお越しいただきました保護者の皆様及びご来賓の皆様に心から感謝申し上げます。

▲3年生のダンス

▲前日の予行練習①

▲前日の予行練習②

▲当日の朝の準備、天気が心配

 

2024/04/23(57)3回目の校歌のお話

 新学期が始まって2週間が過ぎました。この間、新しいクラスでの生活や気温の寒暖差、生徒の体調が心配でした。先週はほとんど学校にいなかったので、生徒の様子が分からず、もどかしさを感じていました。全体的には無事に学校生活を送っているように見えますが、一人一人をしっかりと見守る必要性を感じています。26日(金)は体育大会、今日から学年練習が始まりました。短い練習期間ですが、それだけに集中して取り組んでほしいものです。

 さて、卒業式の式辞の中で本校の校歌についてのお話をしました(校長ブログ49)。実は、この話には続きがあります。作詞をされた渋谷 敦(しぶや あつし)先生はこうおっしゃっています。「歌は時代とともに生き、時代とともに消長する。やがてこの歌詞が古めかしく、なじまないものになったとき、この歌はいつでも改正され、新しい歌にとって代られても構わないと思う。その踏台(ふみだい)となる日まで、今の願望と今の喜びが、声高らかに歌いつがれていったら、草創時代に生きた私たちの証(あかし)として十分であろう。そんな、ささやかな、一途な願いが、この歌詞にはこめられている。」 私はこれを読んだ時に、現状に留まらない進取の気概を感じました。同時に、先人の足跡を大切にしながら、世界とつながって生きていくことこそが、地球規模の課題解決のために必要であり、そのことは不変のものであるという渋谷先生の確固たる信念を感じます。校歌誕生から50年。体育大会当日、「歌おう!! みんなの校歌を」

▲学年練習はじまりました

▲歌おう!みんなの校歌を 

2024/04/17 (56) 足の痛み

 先週4月8日、左足の甲〜足首〜土踏まずにかけて激痛が走りました。年に数回は発症するのですが、今回の痛みはいつもよりもひどかったような気がしました。8日は始業式、入学式。テーピングをし、鎮痛剤を飲んで式に臨みました。幸い2・3年生や新入生に大きな迷惑をかけることはなかったようで一安心。翌日も杖をつきながら勤務しました。痛みが出るたびに、学校(本校だけでなく、一般的な学校)の施設が人に優しくないことを痛感します。校内に入るためには、一部スロープはあるものの、基本的には段差を越えなければなりません。どこに行くにも段差や階段だらけ。本校は手すりなどが割と多く付けられていますが、車椅子や松葉づえをついての移動はかなり難しいと思います。普段気にならないちょっとした段差も、体に痛みがあると、高い壁のように感じられます。そんな時に生徒から「大丈夫ですか」「早くよくなってください」「危ないから気を付けてください」と声をかけられました。その言葉だけで痛みが和らぎました。

 コロナ禍の中、一人一台端末が進み、オンライン会議や在宅での仕事が当たり前のように行われています。2年前、本当ならばつくば市に行って受ける研修を、学校でオンラインによって受講しました。移動時間を考えるとずいぶん助かりました。その一方で、私はある障がい者の方の次の言葉にはっとさせられました。「障がい者があれだけテレワークやオンライン授業を熱望したのに、あれだけ声をあげたのに、ちっとも耳を傾けてもらえなかった。ところがいざ「自分」たちが同じような困難に直面したらこれだけスピーディーに、これだけダイナミックに世の中変わっていくんだなって、やっぱり悔しいですよ。」

 いろんな出来事が自分事になってはじめて人は考え、行動します。しかし、困りごとがある人の立場にたって、その思いを自分事とし、他者のために行動することによって、少しずつでしょうが、環境がよい方向に変わっていくと思います。学校の施設を一気に改修することは難しいです。しかし、学校の中で困っている人を見かけたら、自分事としてそっと寄り添い、優しく、当たり前のように支える雰囲気をつくっていきたいと思います。

▲ちょっとした段差もつらい

▲家庭科室前の階段の手すり

▲事務室前のスロープ

▲正面玄関のスロープ

2024/04/09(55)藤の花

 今日4月9日(火)は、昨日の始業式・入学式とはうって変わって透きとおるような青空。午前中、2・3年生は課題考査、1年生はオリエンテーション、午後から対面式、部活動紹介と続きました。1年生の前でお話をさせていただきましたが、素晴らしい礼法所作、きらきら光る表情、真剣に聴く態度、私も気が引き締まりました。

 校長室横の庭に藤の花が咲きました。私は恥ずかしながら、藤の花は芽吹いて、少しずつつぼみが開いて、花が咲くのだろうと思っていました。ところが、観察してみると、様々な変容を経て、美しい紫の花となることが分かりました。

3月1日、立派になって卒業した生徒たち。3年間、楽しいことも、つらいこともあったことでしょうが、色々な困難を乗り越えて大きく成長しました。1日1日成長し、大輪の花を咲かせたのです。これから、子供たちの、毎日の少しずつの成長を見逃さないよう、伴走していきたいものです。

▲3月7日「藤の花」

▲4月2日「藤の花」

 ▲4月9日「藤の花」①

▲4月9日「藤の花」②

▲4月9日「藤の花」③

2024/04/08(54) 熊本県立球磨中央高等学校第8回入学式 式辞(抄)

 ただ今、入学を許可しました104名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

晴れて本校への入学を果たされた皆さんを、職員、在校生一同、心から祝福し、歓迎します。今、皆さんは入学の喜びとともに、新しく始まる学校生活への大きな期待に胸をふくらませていることと思います。今の気持ちを大切にして、志を高く掲げ、それぞれの夢の実現に向けて、これからの学校生活を充実させてください。

本校は、平成29年4月に開校し、今年で8年目を迎えます。球磨商業高等学校の伝統を引き継ぎながらも、新たな専門的で探究的な商業に関する専門的な学習活動を行う商業科及び情報処理科、地域の課題を発見し、未来創造を担う人材を育成する地域未来探究科からなり、皆さん方は八期生となります。

 商業科や情報処理科では、実践的・探究的な学習活動を通して、「新たな価値の創出に向け、探求・創造・実行することができる人材」、「経済発展と社会的課題の解決を両立できる人材」を育成し、地域産業をはじめ、経済社会の健全で持続可能な発展を担うための資質・能力を育成します。

 地域未来探求科では、地域への愛情を深めた、将来の地域社会の発展を担う地域リーダー育成をします。学びは本来

楽しい活動です。どうか専門的で、創造的な各科の学びの中で学ぶおもしろさを味わってください。

さて、本校の教育方針は、「全ての人の幸福のために、倫理的に正しく、規律ある判断力をもって責任ある行動がとれる人間の育成を目指す」です。世界では戦争やテロが至る所で起こり、地球沸騰化や大規模な自然災害、エネルギーや水、食糧の枯渇など、本来ならば地球人としてこうした大きな問題に立ち向かわなければならないはずなのに、自国第一主義と分断、偏見と暴力、富の集中と貧困がその解決を阻んでいます。また、SNSの急速な発達は、私たちの生活を便利にする一方で、自分に都合のいい情報だけを取り込み、平気で嘘をつき、人をだまし、人の心を傷つけています。

熊本県は、人吉球磨は、熊本地震、豪雨災害と本当につらい思いをしてきました。そして人々はその苦しみに正面から立ち向かい復旧・復興にまい進しています。だからこそ、他者のことを自分事として捉えることの大切さ、一人一人の力を合わせることの大切さ、人を思いやることの大切さを知っています。本校では教育方針に基づき、自分自身の、他者の、地域の、あらゆる人々の幸せのために行動する人材を育てていきます。現在、本校の学校生活はコロナ禍以前の状況に戻ってきました。どうか、クラスメート、先輩、先生方とともに充実した毎日を過ごし、皆さんの無限の可能性を伸ばしてください。

そして、入学式にあたり、私から皆さんにお願いがあります。

「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」、この当たり前の、本当に当たり前の会話が、当たり前にかわされてほしい。この言葉が聞こえるということは、今日一日を生きている証です。皆さんに期待することはたくさんありますが、一教師としての、一人の大人としての願いは、健康であってほしい、生きて欲しい、ただその願いだけです。皆さんはたくさんの人から愛されています。そして、この球磨中央高校でたくさんの人と出逢い、支え、支え合ってください。自分を大切にし、周りの人を大切にし、毎日を過ごしてください。当たり前の幸せを土台にして、3年間をかけて自分の未来を開拓してください。

この3月に卒業した生徒が「私たちの未来のために」と題した作文を書き、警察庁長官賞を受賞しました。その作文の終わりには「明日、当たり前の日常が当たり前に来るとは限らない。もしかしたら、明日、当たり前が変わるかもしれない。そのことを胸に刻んで、一日一日を大切に自分の行動に責任をもってこれからも生活していきたい。」と書かれています。何気ない日常の一日一日があることを幸せと思い、大切に生きてください。

新入生の皆さんの輝ける未来を祈念いたしまして式辞といたします。

 令和六年四月八日 

   熊本県立球磨中央高等学校長 松下 宏則

▲入学おめでとうございます。

▲入学式の準備