校長ブログ

にっこり 平成28年1月

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
年明けは穏やかな日が続きました。皆さんもそれぞれが、新たな年の目標を設定したことと思います。
「一日の計(はかりごと)は寅に在り、一歳(いっさい)の計(はかりごと)は春に在り」という先人の教えがあります。「一日の計は寅に在り」の寅とは十二支の寅を指し、現在の時刻でいうと午前4時頃を示しています。また、「一歳(一年)の計は春に在り」の春は年の始まりのことで、目標や計画は早めに立てるべきであるとの教えです。
私たちは何かに取り組むとき、あらかじめ目標や計画をたて実行しています。学習も同様で、一年という区切りに加えて、一日、一週間、一か月というスパンで目標を設定してみてはどうでしょうか。長期的目標と短期的目標を組み合わせることで、目標に向けた進捗状況や理解の度合いをより正確に、また具体的に把握できると思います。
 1月2日と3日の二日間、箱根駅伝が行われました。今年で92回目を迎え、国民的行事になっています。今年は往路・復路とも青山学院大学が制し、2年連続2度目の優勝を果たしました。往路・復路ともに一度もトップを明け渡さず全区間を首位で通過し優勝したのは実に39年ぶりという快挙でした。この大会の最優秀選手に送られる賞は「金栗杯」と呼ばれ、今回は青山学院大の往路1区の選手に贈られました。この金栗という冠は、熊本県玉名郡春富村(現在の和水町)出身の金栗四三という人の名に由来します。日本におけるマラソンの父と称された人で、3度オリンピックに出場されました。箱根駅伝は大正6年に第1回が開催されましたが、金栗さんはその開催に向け中心となって尽力された郷土の偉人です。今年も実況中継の合間にモノクロの当時の映像や写真が流され、開催に至る苦労や歴史がよく伝わってきました。
 金栗さんは、「体力、気力、努力」という言葉を残していらっしゃいます。この言葉は、マラソン選手として成功するための3つの条件として述べられたものと推察しますが、スポーツに留まらず私たちが生活していく上でも大切な心構えだと思います。
まず「体力」。何よりも健康で体力があること。健康な体でないといざという時に力を発揮することができません。3年生の諸君はセンター試験が目前に迫っています。体調を万全に整え、最大限の力を発揮してください。センター試験の頃になると毎年寒気が増していきます。体調管理も大切な受験への備えです。
次に「気力」。やる気、強い心。これによって行動へのモチベーションが維持できます。皆さんの大きな目標の一つに、進路実現があげられると思います。1年生、2年生の諸君は2年先、1年先に自分はこうなっているのだということをイメージしながら、気力をもって取り組んで欲しいと願います。
 3つ目に「努力」。継続して行動することが、大きな実りにつながるものと思います。皆さんの将来が全てにおいて順調であれと願いますが、実際は様々な困難に直面し、すぐには解決できない問題が大きく立ちはだかることもあるでしょう。その時、「自分には無理かもしれない」とか「だめだ」と思うと、目標実現に向けての気力が委縮してしまうかもしれません。そんな時に「もうできない」ととらえず、「まだできていないだけ」、「いつかできる」と心に強く思うことで、自己のポテンシャルを高めることができると思います。このような考え方を「成長型マインドセット」と呼びます。
 皆さんもよく知るトーマス・エジソンは「発明家」・「努力の人」と呼ばれますが、一方で、「失敗と敗北の人」とも呼ばれました。彼は次の言葉を残しています。「わたしは今までに一度も失敗をしたことがない。電球が光らないという発見を、今までに2万回したのだ。」と。発明や成功以上に失敗を経験したエジソンですが、うまくいかなかったことを失敗と捉えず、その方法ではうまくいかないということを発見したという考え方に変えたのです。「成長型マインドセット」の典型と言えるでしょう。
 今年の干支は「さる」。十干十二支の組み合わせで言えば「丙申(ひのえさる)」の歳です。申という漢字には「のばす」、「まっすぐにのびる」という意味があります。皆さんがこの一年、目標達成に向けて成長型マインドセットを発揮し、人間力を伸ばし更にレベルを上げてくれることを期待します。