美術科ブログ(~平成30年度)
「坂本善三美術館展」鑑賞会
10月21日(土)、肥後銀行本店にある肥後の里山ギャラリーで、「坂本善三美術館展」を鑑賞しました。
郷土の作家であり、“東洋の寡黙”と称された画家・坂本善三の没後30年を記念する展覧会。ただいま、二作目の油絵制作の準備をしている1年生には勉強になることばかりです。
抽象画のイメージがある坂本善三ですが、初期は静物画をたくさん描いています。この展覧会で坂本善三の変化を見ていくと、どうしてこのような作品を描くようになったのか体感できます。
写真のとおり、学芸員さんが丁寧に、熱く解説してくださいました。
10年以上前の新聞に坂本善三は自身の絵に対して「最近私は空間に『すき間』があるのを発見した。そしてその『すき間』自分がいる(平成18年2月25日熊本日日新聞)」と語っていたという話がありました。今回の鑑賞会は、まさに「表現とは何か」、「絵画表現における空間とは何か」を問いかける体験となりました。
お忙しい中、鑑賞会を開催していただいた肥後の里山ギャラリーの皆様、ありがとうございます。
郷土の作家であり、“東洋の寡黙”と称された画家・坂本善三の没後30年を記念する展覧会。ただいま、二作目の油絵制作の準備をしている1年生には勉強になることばかりです。
抽象画のイメージがある坂本善三ですが、初期は静物画をたくさん描いています。この展覧会で坂本善三の変化を見ていくと、どうしてこのような作品を描くようになったのか体感できます。
写真のとおり、学芸員さんが丁寧に、熱く解説してくださいました。
10年以上前の新聞に坂本善三は自身の絵に対して「最近私は空間に『すき間』があるのを発見した。そしてその『すき間』自分がいる(平成18年2月25日熊本日日新聞)」と語っていたという話がありました。今回の鑑賞会は、まさに「表現とは何か」、「絵画表現における空間とは何か」を問いかける体験となりました。
お忙しい中、鑑賞会を開催していただいた肥後の里山ギャラリーの皆様、ありがとうございます。
アートサイエンス~テーマ研究
AS(アートサイエンス)の総合的な学習の時間にあたる領域ではテーマ研究が始まりました。今日は3回目、テーマを決定し、仮説にあたるゴール設定、役割分担を行います。
美術科1年テーマ研究は「美術史と科学」「材料研究」「震災とデザイン(プロダクトデザイン)」「熊本を元気にするプロジェクト」の四つの大テーマで行います。
教えていないのに自分たちでアンケートを作成し、もう集計をしていました。
色彩を考える班
有機的な材料で絵の具が作れないか???
前回のブレインライティングも活用しています。
2年生はそれぞれのテーマで個人研究を行います。
1年次のグループ研究と比べると責任は増えますが、思い切り調べたいことを探究できます。
テーマ研究は2年生は12月、1年生は1月に発表会を行う予定です。
美術科1年テーマ研究は「美術史と科学」「材料研究」「震災とデザイン(プロダクトデザイン)」「熊本を元気にするプロジェクト」の四つの大テーマで行います。
教えていないのに自分たちでアンケートを作成し、もう集計をしていました。
色彩を考える班
有機的な材料で絵の具が作れないか???
前回のブレインライティングも活用しています。
2年生はそれぞれのテーマで個人研究を行います。
1年次のグループ研究と比べると責任は増えますが、思い切り調べたいことを探究できます。
テーマ研究は2年生は12月、1年生は1月に発表会を行う予定です。
音楽と美術史
10月24日(火)学校オープンデーの日、美術科1年生は美術探究で美術と音楽のコラボ授業を行いました。27年度の三十六歌仙図屏風と日本音楽、バロックとルネサンス、28年度は印象派の音楽と、音楽史と美術史をリンクさせた実践を重ねています。
そこでわかるのは、美術も音楽もその時代の課題や特徴を体現していること、論理的に考察することと直感で判断することは両輪であることです。
さて、今回は新古典主義の巨匠ダヴィッドとロマン主義のジェリコーの作品を比較しました。
作品をよく理解するための補助線を任意で引き、そこで気が付いたことを発表します。
ダヴィッドは豪華で整然とした感じ、ジェリコーは重々しい感じ。明暗の対比や登場人物の配置、メインになるモチーフに目線を集める構図の工夫など意見が出ました。
次にルネサンスから印象派までの年表を見て、新古典主義とロマン主義が美術史の中のどの位置にいるか考えいます。
最後に南先生のフルートを聞き比べます。フルートも新古典主義の時代とロマン主義の時代のものと変えています。
どちらが新古典主義(ベートーベン)の曲か話し合います。
発表の中で、王政の時代から民衆の時代に表現が変わってきているという意見がありました。絵画と音楽の聞き比べと簡単な資料から自分たちなりにその時代の特徴を探し当てました。
最後はICEルーブリックで自己評価です。生徒たちも慣れてきました。
美術科は音楽の履修がないのでこの授業をとても楽しみにしていました。南先生ありがとうございます。
そこでわかるのは、美術も音楽もその時代の課題や特徴を体現していること、論理的に考察することと直感で判断することは両輪であることです。
さて、今回は新古典主義の巨匠ダヴィッドとロマン主義のジェリコーの作品を比較しました。
作品をよく理解するための補助線を任意で引き、そこで気が付いたことを発表します。
ダヴィッドは豪華で整然とした感じ、ジェリコーは重々しい感じ。明暗の対比や登場人物の配置、メインになるモチーフに目線を集める構図の工夫など意見が出ました。
次にルネサンスから印象派までの年表を見て、新古典主義とロマン主義が美術史の中のどの位置にいるか考えいます。
最後に南先生のフルートを聞き比べます。フルートも新古典主義の時代とロマン主義の時代のものと変えています。
どちらが新古典主義(ベートーベン)の曲か話し合います。
発表の中で、王政の時代から民衆の時代に表現が変わってきているという意見がありました。絵画と音楽の聞き比べと簡単な資料から自分たちなりにその時代の特徴を探し当てました。
最後はICEルーブリックで自己評価です。生徒たちも慣れてきました。
美術科は音楽の履修がないのでこの授業をとても楽しみにしていました。南先生ありがとうございます。
SSH特別授業~絵の具をつくろう~
写真の「元素の周期表」と絵の具の関係はなんでしょう?
10月21日(土)プラスワン講座の③④限目、美術科1年は化学室でSSH特別授業で絵の具をつくる実験を行いました。
きっかけは校長先生が下さった一枚の記事、今熊本県立美術館で展示されている伊藤若冲の絵には「プルシアンブルー」という世界で初めての合成絵の具が使われていたという内容でした。この話を化学の先生にしますと、理系の2年生でこの実験は実施されているとのこと。あっという間に話はまとまり、本日の実験となりました。科学の履修がない美術科にとって、初めての化学室。初めての白衣でした。
まず、プルシアンブルーをつくります。
塩化鉄水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム水溶液を少量加えます。
写真が小さいですが、藍色に変わったのがわかりますか?
次にろ紙をたたみます。
ろ紙で濾します。紙に残ったのが顔料です。
同じように、ジンクホワイトとクロムイエローをつくります。
ジンクホワイトは過熱して、水分を飛ばします。
出来上がった絵の具は膠で溶いて、絵を描きました。お手本はもちろん若冲です。
この中から明日の若冲が、または文化財を守る人材が生まれることを祈っています。全員が文化財保護のスペシャリストを目指しているわけではありませんが、一連の活動を通して、「何を守らないといけないのか」「どうやって守ればいいのか」「どうやって調べればいいのか」「誰を頼ればよいのか」を考える力を身に付けてほしいと思っています。第二高校で実践しているICE評価で言いうところの究極のE(Extensions)の学びだと思います。
今日の実験は、10月29日(日)熊本県立美術館こども美術館で生徒たちが紹介とワークショップの補助をする予定です。こちらも楽しみです。
SSH事業 九州国立博物館バックヤードツアー
10月18日、1年生美術科で九州国立博物館に行ってきました。
SSH事業として美術科が初めて校外学習を行いました。内容は「文化財保存科学」に関わる講義と見学です。
行きの車中では、美術科からちょうど展示されている「新桃山展」に関連する美術史の復習を、そして特別講師として日本史の池下先生による安土桃山時代と世界史の関連をレクチャーしていただきました。歴史の面白さを存分に味わい、車中のモニターで岡倉天心を描いた映画『天心』を鑑賞しました。岡倉天心は明治期にフェノロサと日本文化の保護に尽力した人物です。博物館のレクチャーでも、名前があがりました。
到着後、「あじっぱ」というアジアの文化を小さな子供でも楽しめるゾーンを体験。
10:00から博物館職員の方による博物館の役割と文化財保存についての講義を受けました。
博物館の役割は簡単に表現すると「見る」「守る」「調べる」「広める」ということが出来ます。「守る」は特に文化財保存と修復になります。九州国立博物館では最新の機器を用いた調査研究を行っていること、文化財を守るため建物が免震構造になっていることなど様々な施設・設備があることの説明を受け、間近で見学できました。それらは目先の利益ではなく文化財を100年、1000年守ろうとする意思をもって計画されたことも知ることが出来ました。
午後のハイライトであるバックヤードツアーは写真撮影ができず残念でしたが、3Dプリンターを活用した文化財の再現、CTスキャンを用いた分析によって文化財の研究が深まったこと、そして修復には化学の力と人の技術の双方が必要なのだと理解出来ました。
この活動で、第二高校SSHで育成を目指している「見つめる力」「きわめる力」「つなげる力」全てが文化財保存の現場で実践されているのを見ることが出来ました。今後につなげていきたいと思います。
SSH事業として美術科が初めて校外学習を行いました。内容は「文化財保存科学」に関わる講義と見学です。
行きの車中では、美術科からちょうど展示されている「新桃山展」に関連する美術史の復習を、そして特別講師として日本史の池下先生による安土桃山時代と世界史の関連をレクチャーしていただきました。歴史の面白さを存分に味わい、車中のモニターで岡倉天心を描いた映画『天心』を鑑賞しました。岡倉天心は明治期にフェノロサと日本文化の保護に尽力した人物です。博物館のレクチャーでも、名前があがりました。
到着後、「あじっぱ」というアジアの文化を小さな子供でも楽しめるゾーンを体験。
10:00から博物館職員の方による博物館の役割と文化財保存についての講義を受けました。
博物館の役割は簡単に表現すると「見る」「守る」「調べる」「広める」ということが出来ます。「守る」は特に文化財保存と修復になります。九州国立博物館では最新の機器を用いた調査研究を行っていること、文化財を守るため建物が免震構造になっていることなど様々な施設・設備があることの説明を受け、間近で見学できました。それらは目先の利益ではなく文化財を100年、1000年守ろうとする意思をもって計画されたことも知ることが出来ました。
午後のハイライトであるバックヤードツアーは写真撮影ができず残念でしたが、3Dプリンターを活用した文化財の再現、CTスキャンを用いた分析によって文化財の研究が深まったこと、そして修復には化学の力と人の技術の双方が必要なのだと理解出来ました。
この活動で、第二高校SSHで育成を目指している「見つめる力」「きわめる力」「つなげる力」全てが文化財保存の現場で実践されているのを見ることが出来ました。今後につなげていきたいと思います。