美術科ブログ(~平成30年度)
県議会棟と教育庁への作品展示
当日は県外議員方々や、教育長、文化課の方々が出席され、第二高校から参加した三人も緊張の面持ちでしたが、生徒代表挨拶も堂々と行うことが出来しました。
これらの作品を制作中の昨年4月に熊本地震が起きました。作品や石膏像がなぎ倒され、足の踏み場もない彩画室の作品を職員で一つずつ無事を確かめながら元の位置に戻し、そしてまた一緒に制作できる日が来ることを心待ちにしたのを思い出しました。
文化祭ステージ装飾ができるまで・・・
夏休み前のLHRでテーマを決定し、役割分担をしました。
夏休み7月下旬の前期課外中にリーダーが原画を作成し、8月上旬後期課外中に布を縫い、高さ4m、幅7mの大きさに縫い合わせます。この大きさは運動会の団席画の布の部分と同じ大きさです。(つまり、来年度の団席画の練習も兼ねています。)
布に下書きをします。
10人ずつ、4班に分かれ、着色します。また、この時期は「描く力展」や授業課題の「読書感想画」とも重なり、時間のやりくりが大変でした。
このころ、2年生はそっと一年の教室をのぞいては「このペースで大丈夫かな?」と心配してくれたり、アドバイスしてくれたり、様々な場面で助けてくれました。3年生は1年生や2年生を指導しつつ、その初々しさに美術科制作展の準備や受験勉強の疲れを癒していました。みんな、優しく、頼りになる先輩たちです。
◆教室の半分が文化祭
◆半分が50号作品の制作
◆デザイン室では読書感想画
◆文化委員やリーダーがシフトを決め、効率的に制作できるよう頑張っていました。行き詰ったときは、話し合いをして共通理解を図るなど、自分たちでよく考えて動いていました。
◆時々体育館の2階テラスから吊って、全体の確認をしました。
◆完成!
テーマは「火の国くまもと、水の国くまもと」、火と水、二つの相反するエネルギーが熊本の復興を後押しすることを願って制作しました。
一人一人が自分自身を見つめる機会となり、クラスも集団として大きく成長することが出来ました。大変だったと思いますが、よく頑張りましたね。
美術科制作展開催中!
10月3日(火)~10月9日(月)まで県立美術館分館4階で開催中です。3年間の集大成です。是非、ご覧になって下さい!
美術科SSH特別講義「描画材料と科学」
美術科は午後から、ホルベイン画材株式会社から講師をお招きしてアクリル絵の具のメディウムと油彩画に使うオイルを中心に、絵の具について科学的に考える特別講義を行いました。
画像にもありますが、絵の具は「色の粉」と「のり」でできています。その「のり」の部分が何かで、油絵の具、水彩絵の具、アクリル絵の具と区別されます。
ずらり並んでいるのはアクリル絵の具に混ぜて使うメディウムです。絵の具に混ぜることで、艶やかなレイヤーをつくったり、砂ような質感をつくることが出来ます。素人は何が何やらの種類の多さですが、その一つ一つを分析できるシートにナイフで塗っていきます。
まるでクリームのような質感のものもあります。店頭や個人ではなかなかできないことですね。
ジグザクの線は下地材でどう色が変化してみえるかがわかります。一番下は絵の具にどんなメディウムを混ぜるとどう違って見えるかがわかります。このシートはずっと大切に持っていてほしいです。
最後に希望者対象に油彩画の揮発油と乾性油の違いを試します。揮発油と乾性油を調合したペインティングオイルも様々な種類がありますね。生徒たちは匂いの違いをあれこれ例えていました。また、さらっとしていたり、とろっとしていたり質感の違いも観察できました。
これも乾燥すると違いがクリアになります。
近代になってチューブ絵の具ができるまで、画家は絵の具の調合が出来なければ絵が描けませんでした。画家は科学者・技術者でなければならなかったのです。現代の私たちは何の苦労もなく絵が描ける時代ですか、それでも今回の特別授業で大きな学びがありました。
苦労して描いた作品がひび割れたり、剥落するのには科学的裏付けがあります。この講演を聞いた生徒たちはそのことをよく理解したのではないでしょうか。また、この実践は10月の美術科1年生九州国立博物館バックヤードツアーにつながります。描画材料に対する正しい科学的知識を持つ人材が多く育てば、熊本地震後、修復を待つ多くの文化財を守る糧になるのではないかと思います。
美術と科学は同じ根っこにあるのだとSSH事業の教育実践を行うたびに気づかされます。
外部講師講演会
能見先生からは実際にTVで放映されたCMの制作にまつわるお話をしていただきました。クリエーターを目指す生徒たちにとって実際にその道の方のお話を聞く機会は本当に貴重なものです。
井上先生は本校美術科卒業であり、本校SSH(スーパーサイエンスハイスクール)運営指導委員もお引き受けいただきました。科学系人材の養成を目指すSSH事業ですが、第4期は、「美術を科学的視点から探究する」ことも研究対象となっています。特に「情報と芸術の融合」、熊本地震以後急務となっている文化財保護に必要な「科学的探究能力の育成」に力を入れています。
井上先生の講義では「素敵な誘導」という言葉で、ゲームやデザインを制作するプロセスにある「予測すること(テーマ研究でいう「仮説設定能力」)」の重要性と言語や非言語のコミュニケーションを活用し「人の行動を誘導する」方法についてレクチャーされました。美術科の生徒たちが日々励むデッサンも外国語の習得に匹敵する「コミュニケーション能力」の一つです。
お二人の先生のお話を聞いて、将来のイメージがクリアになったという声をたくさん聞きました。先生方、貴重なお話ありがとうございます。
熊本県立美術館「子ども美術館」
学芸員さんのレクチャーも間近に見ることができ、学芸員や教師を目指す生徒たちにとってはまたとない勉強の機会です。
今年度は6月11日、7月30日、8月20日に参加しました。8月は「ターナーからモネへー英国の至宝」の展覧会にちなんだワークショップで、2・3年生14人が参加しました。水溶性の色鉛筆を使い、ターナーや印象派の色使いやタッチを自分なりに追いかけていきます。高校生も子どもたちと一緒に制作しました。
子どもたちの中には小さなころから毎回参加するお子さんもいて、高校生より美術に関心が高いのでは?と思わせる場面もしばしばあります。
印象派が目指した、刻々と変化する光や色彩の一瞬のきらめきを表現します。
小さな手と大きな手がほほえましいですね。
今年度最後の「子ども美術館」は10月29日、伊藤若冲の展覧会にちなんだワークショップを行うそうです。
二高ゼミ終了 先輩方ありがとうございます
今日は3学年合同コンクールとその講評会、表彰式、閉会式がありました。
美術科は短い夏休みとなりますが、その分誰よりも密度の濃い夏になったと思います。
後輩たちの為に帰ってくれて先輩方、ありがとうございます。
□上位の作品
□上位者の表彰
みんな、よくがんばりました。一人一人の成長があったゼミでした。残りも楽しく実りの多い夏休みを。
益城病院展「季節のかたち」8/1〜27
二高ゼミ始まりました
保護者の皆様ぜひ参観にいらしてくださいね。
全国総文祭 宮城大会に行ってきました
第二高校から出展されたのは「蟲葉」という作品です。
生徒交流会では対話型鑑賞と仙台の風物詩である七夕祭りの飾りを制作しました。
来年は長野です。舞台では真田幸村と猿飛佐助がタイムスリップして信州総文をアピールしてくれました。
「せんだい3.11メモリアル交流館」では東日本大震災の記録と明日への希望の両方を見ることができました。
全国総文祭に参加しました
初日には開会式、2日目には七夕飾りの制作と、作品鑑賞会が行われました。全国からレベルの高い作品が出展されており、いい刺激になりました。
日本画で蟲葉という作品です。
仙台駅には大きな七夕飾りがありました。
仙台はにぼラーメン(にぼし)と味噌ラーメンがメジャーらしいです。牛タンとずんだ餅は有名ですね。美味でした。
初めての油彩画
完成作品も近々アップしますので、ぜひご覧ください。
石膏デッサン
6月は初めての石膏デッサンです。1年生は毎年「ラボルト」という石膏像を描いています。昨年の地震で被害を受けた石膏像ですが、美術科卒業生の皆さんからの援助でこうやって授業を行うことができています。
例えば、量感を意識するためにこんなこともやってみました。
講評会の様子です。
団画
黄団
赤団
紫団
2年生 自画像講評会
ようこそ美術科へ
入学おめでとうございます。
新入生、初めてのLHRです。教室には先輩が黒板アートを描いてくれました。
きれいになった素描室
写真だと片付いているように見えないのですが、素描室はどこの家にでもある(?)よく物が押し込まれるなかなか片付かない部屋でした。震災後は特にひどい状態が続き、新たに購入したり、支援で寄付していただいた沢山の石膏像も余震を警戒して床に寝せている状態でした。
ところが終業式の午後、忽然と整理されていました。新三年生が引っ越しのついでに大掃除し、デッサンしやすいよう部屋の配置も変えてくれたのです。「なんとかしなきゃな~」、と思い1年近く。やろうと思えば数時間でできたのでした。
第二高校美術科では「掃除、デッサン、英語」を特に頑張ろうと常々言っているのですが、掃除については今回の件でこんな意味があったんだなと発見しました。それは、表現者は自分が表現する環境を自分でつくり維持するのだということ。その第一歩が「掃除」なんですね。
もちろん、学校としてみんながもっと良い環境で制作できるよう先生たちも頑張りますね。大事なことを気づかせてくれた卒業生・生徒たちありがとう。
お引越し
制作中の作品、春休みにきっちり仕上げてくださいね。
新一年生の皆さん、みんなの部屋を先輩たちがピカピカにしてくれましたよ。体調を整え、新生活の準備をしてください。「新入生のしおり」にある高校での勉強の仕方をよく読んでおくといいですね。
絵を描く手
楽しみつつ、苦しんでいます。
背中と手が美術科らしくなってきました。
人物デッサン
これは1年生の作品。
2年生の制作風景。
1年生 人物クロッキー
3学期は初めての人物デッサンがあります。
そこで今週は人物強化週間です。
今日は第一日目、クロッキーとは何ぞやから始まります。世界素描体系という画集の中からデッサンを鑑賞。近代の軽やかな描写からレオナルドやミケランジェロの緻密な描写、油彩画などの大作とはまた異なる魅力を感じます。ピカソと並ぶ20世紀の巨匠アンリ・マティスの洒脱な線、晩年の切り紙絵など、日々の鍛練を積み上げたその先にある自由な魂を味わいました。
次に、8人一組となって交代でモデルとなります。3分×3回、10分×1回。グループの中でベストクロッキーを選び鑑賞します。
2時間目は1分×3回、7分×2回、絵がどんどん変わるのを感じます。授業だけでなく、これからは自主的にクロッキー会をしてくれるといいなと思います。普通科や理数科のみんなが日々勉強や部活動で基礎練習を積み上げるように、美術科は毎日手と目と心を動かし、マティスのように真に自由な線が引けるようになってくださいね。
1年生 コラージュデッサン制作
コラージュデッサンとは普段は木炭や鉛筆で描くデッサンを、様々な紙や材料を用いて行うものです。
ここで養われるのは主に空間を認識する能力と画面の構成力でしょうか?ついつい貼り絵のように、そのもの形に切り取って貼ってしまいがちですが、そこを疑ってかかるところから始まります。
二次元のイリュージョンをつくりつつ、物質的なやり取りをするこの課題、デッサンや油彩画の制作につなげていってほしいと思います。
新春デッサンコンクール!!
1月6日、美術科では1・2年生の新春デッサンコンクールがありました。
企画、準備、審査、講評全て3年生が行いました。講評もしっかりしたもので、評価基準を明快し、また今まさにデッサンに格闘している人ならではの具体的アドバイスがありました。余談ですが、ちょっとした口癖が担当の先生に似ているのに日ごろのコミュニケーションの深さを感じました。
クリスマスと新春、美術科ってこんなにデッサンばかりしているの?と疑問に思う人も多いはず。美術の勉強で大事なものを何か一つと言われれば、やはりそれはデッサンなのです。
SSHの講演会である技術者の方が、美術をやるうえで一番身に着けてほしいのはデッサン力と即答されました。この場合のデッサン力とはイメージを実現化する能力です。見た目はきれいに描けていても、3次元では矛盾があることも多いとか。CG全盛の今、逆に確かなデッサン力が必要になっているのを感じます。「デッサンができるひと」=「絵を描く技能がある人」だけではなく、「物事の本質を見ることができるひと」と考えたらどうでしょう。
描くって何?見ることって何?とちょっと哲学的ともいえることを友人同士で、または生徒と先生が熱く(暑苦しく)語り合える学校ってそんなにないのではないでしょうか?
今年も美術科一同よろしくお願いします。
クリスマスデッサンコンクール!
毎年恒例のクリスマスデッサンコンクールがおこなわれました。3年生が講評してくれます。7時間で石膏を描き、10位までの人たちには豪華商品があります。みんな一生懸命頑張りました。一年生も大健闘!次は新春デッサンコンクールです。
12/25まで 風景画・読書感想画作品展開催中
今年度熊本地震の影響で例年通りにできなかった二つの展示でした。年末のあわただしい時期となりましたが、クリスマスのお出かけのついでにご覧いただけたらと思います。
第二高校だけでなく、熊本県各校の作品を見ることができます。ぜひ、ご来場下さい。
写真は全て第二高校の作品です。
崇城大学ギャラリーは熊本市中央区花畑町10-25、花畑町電停からすぐです。 10:30~18:30。最終日のみ15:00まで、入場無料です。
美術科GL、テーマ研究 クラス代表決め その1
代表決め1回目はワールドカフェ方式を応用し、リラックスしたムードで発表しました。
美術科は普通科とは視点を変え、科の特性を生かし「震災とアート」「震災とデザイン」もテーマに入れました。
もちろん美術を科学するテーマもあります。これは、同じ色でも「ヒュー」都会であるのとそうでないのはどう違うの?というのを、電子顕微鏡で確認した研究です。(理科の先生がた、協力してくれた生徒の皆さん、ありがとうございます。)
今回特にプッシュしたのが仮設トイレのデザインです。
トランクを開けると・・・
トイレに変身
消臭剤や凝固剤も入れられます。
たたむと中の物が手を触れずに処分できます。(これ、どなたか実用化しませんか?)
他にも仮設トイレのプランがあるので、また紹介します。
活動中あまりに感動して写真を撮っていましたら、生徒がポツリ。
「先生トイレ好きっすね」
・・・トイレが好きなわけではないですよ。でも水回りのデザインは大好きです。
美棟の秋
色づいた姿を見れるのはほんのわずか、すぐに散ってしまいます。
新名所?憩いのベンチは事務の先生方に設置していただきました。ありがとうございます。
ファッションショー?
ビジュアルデザイン課題、紙立体。お題は「白い紙を使って、帽子を作成しなさい」です。
すでに帽子を域を超えています。指導する側も最初は大丈夫だろうかと思うのですが、生徒達は40人が互いの教師となって、楽しんで克服しました。
音楽と美術史のコラボ
今回で3回目、昨年度は「バロック美術と音楽」、「琳派とその時代の音楽」について授業を行いました。今回は「印象派」がテーマです。音楽史のキーワードに美術史と重なる言葉があるという会話がこのコラボの発端です。
生徒達は前の時間に印象派の作家の特徴を観察・分析しています。本時は有名なクロード・モネの「印象・日の出」が発表当時、批判的な評価を受けた理由を考えます。当時の人になったつもりで、きつく批判してもらいます。「ぼやっとしている」「描写していない」「筆跡が残っているから未完成ではないか」「本物の風景と同じ色ではない」などなど。気のやさしい美術科生徒にとって、人の作品を酷評するのは結構難しいようです・・・。
次に、印象派とその時代背景をおさらいします。一つは社会的背景(産業革命による都市の市民層の成熟、次に科学技術の発展(写真の普及、チューブ絵の具の開発、色彩理論の発展)、文化的背景(旧来の美術アカデミーとの確執、浮世絵をはじめとする東洋の文化との出会い)などなど。そして、これらのキーワードを用いて今度は「印象・日の出」の良さ、革新性を説明します。「写真の普及によって写実性を追及する必要がなくなり、政治的なものからも離れ、郊外の風景など、日常を感じたままに表現した。」、「色の科学的分析を取り入れ、画面を力強くする強い色を混色せずにのせることで、色の良さを引き出している。」
次に音楽の問題です。二つの音楽を聴いて「印象派」の音楽はどれか考えます。
まずドビュッシー、次にリストの音楽を聴きます。「どっちが印象派でしょうか?」
生徒達の分析は最初の方は「感じたままで作られた感じの音楽」、後に聞いた方が「ロマンを感じる」など意見が出ました。
グループで話し合って、二つの音楽の何が違うのかを考察します。最後に「リストの音楽の方が主となるメロディを感じる」という意見がでました。音楽の先生より実際にピアノで弾いていただき、ドビュッシーはある音を外してメロディをつくっているため不思議な旋律が生まれたことがわかりました。最後に先生より、「何かを減らすことで新しい芸術の作風を得ることがある」、「音楽史は美術史の影響を受けている部分がある」という言葉に、美術科の生徒たち感激していました。
美術についても表現を模索しようとする動きが新しい美術史をつくりました。現代の生徒たちにも通じる葛藤です。我が事に落とし込んで考えていってもらいたいと思います。
南先生、御参観いただいた皆様、ありがとうございました。
かわいいメッセージが届きました。
奈良県葛城市立磐城小学校様より、第二高校生へ絵手紙が届きました。毎年6月に行われる美術の先生たち主催の「美術系大学進路対策研究会」に毎年参加されている奈良芸術短期大学様を通じてのご縁です。
あたたかいメッセージありがとうございます。
ファイルにぎっしり絵手紙が入っていました。
子どもたちのユーモアに癒されます。
あわただしい日々の中で忘れていた、季節を感じることを思い出しました。
心にしみます。
一つ一つのメッセージを大切に読ませていただきます。磐城小学校の皆さん、奈良芸術短期大学の先生方、ありがとうございます。
美術科制作展無事終了しました。
また、崇城大学ギャラリー様には会場を貸していただき、本当にありがとうございます。会期中も大変お世話になりました。
会場の人気者、カバの彫刻。
版画の授業で制作しました。
お互いの作品も気になります。作品について議論するのも勉強です。
来年度の制作展もよろしくお願いします。
制作展風景についてはまだまだ写真がありますので後日掲載します。ぜひ、ご覧下さい。
美術科制作展
美術科制作展の展示が無事終了しました。明日から始まります!是非お越しください!!
1年生 制作がんばってます 静物デッサン
講評会前の緊張感いっぱいの制作風景です。
今回はグループで好きなモチーフを集め、構成しました。手におえない難易度のモチーフだったり、構図を決めにくい配置であったり、試行錯誤した課題でもありました。3枚目の木炭デッサンの授業ですが、ずいぶん上達したと思います。
次は同じモチーフで油彩画を制作します。楽しみです。
未来新聞発表会(美術科)
今回はワールドカフェ方式の発表を行いました。ひとつの班を留守番チームと出張チームに分け、出張チームは隣の班の話を聞きに行きます。3分間の発表の後、2分間質疑、評価カードに記入し相手に渡します。さらにもう一班の発表を聞きます。
次に留守番チームと出張チームが交代し、同じように二つのグループの話を聞きます。最後にもとの席に戻り、いままで聞いてきた内容を共有します。これで四つの班の内容を知ったことになります。
この方法の良いところは親密な雰囲気で発表をできるところ、同じ話を複数回することで発表の技術が上がるところ、グループを分けることで全員が発表できるところにあります。質問も最初はぎこちなかった面もありましたが、徐々に鋭い質問と回答のやり取りが見られました。
最後にグループに戻って経験をシェアする場面は、深い信頼関係と互いに研鑽しあう姿を見ることができ、何度見ても幸せな気持ちになります。
最後は自己評価カードに記入します。ルーブリックという評価シートを使っており、評価する内容と基準が表になっているものです。自分が達成できた項目にマーカーで色を付けると、グラフのように達成度が確認できます。
ところで、この未来新聞の記事の中に、「第二高校出身の映画監督、震災後に熊本を舞台にした映画の第二弾制作」という作品がありました。先日さっそく本物のニュースになってましたね。現実のほうが後から追いかけてくる未来新聞、熊本の明るい未来が第二高校からも発信されることを祈っています。
美術科×家庭科「コーヒーの味覚実験」
なぜ美術科で実験?かといいますと、美術科にとって色彩理論の勉強は非常に大切なものなのですが、それが実生活でかなり活用できるものであることを気づいてもらいたかったからです。
色彩は心理的にも生理的にも影響を及ぼすことがあります。部屋の色によって体感温度が変わることもあるくらい。
SSH事業で1年生は全クラス味覚実験を行っていますが、美術科はさらに踏み込んで色が味覚に与える影響を実験し考えてみました。
写真でわかる通り、同じ素材、大きさで色が異なる三つの容器にコーヒーを注ぎます。生徒たちは目の前で注がれるのでそれが同じコーヒーであることは知っています。しかし、実際に飲んでみると・・・
透明の容器に入っていたコーヒーは「お茶のような感じがした」、「薄い感じがした」、白い容器は「苦みを感じ、黒はもっと苦く感じた」、または「白はまろやかさを感じた」、黒は「匂いや味が濃い感じがした」など変化を感じました。また複数の意見で、「三つともあまり変わらない感じがした」もありました。ただし、色が視覚以外の感覚に影響を受けるのを全員で共有しました。
また、その受け取り方の違いはどこから来るのか考えたところ、コーヒーが好きか、嫌いかで味わい方がまた変わったこともわかりました。高校生ですがコーヒー通の意見は「酸味が変わった」という感想を述べてくれました。つまり視覚の刺激が他の感覚へ及ぼす影響は、受ける側の経験によって変わるということです。
一般的に、白い器は高級感を、黒い器は本格派の印象を与えやすい、ということができます。透明の器は試飲用に感じる、期待感が持てないという感想がありましたが、まさにその軽快さがコーヒーに期待する味わい方に反するのでしょう。気づいた生徒もいましたが、アイスコーヒーだと透明がいいですよね。
これから本格的にデザインの勉強も始まりますが、見る人がどう捉え、また見る人の心をどう動かすか、考えられる人材に育ってほしいと思います。
指導者としてはこの研究、食事制限のある人に有効ではないかと思っています。今度テーマ研究でやってみたいですね。
未来新聞制作中(総合的な学習の時間)
将来起こるであろう出来事を想像し、新聞記事にする活動です。昨年、町おこし研修会で熊本県立大学の先生からご指導いただきました。
熊本地震から半年、みんなはどんな未来を描いているのでしょうか?ドキドキしながら、この課題を提案しました。
そして、ふたを開けるとこんな感じになりました。
いい笑顔で話し合ってますね。今回は美術科だけの写真ですが、普通科もに本当に楽しそうでした。しかし、さすが二高生。ただ盛り上がるのではなく、建設的な意見交換を行っていました。
どんな段取りで新聞をつくっているかといいますと・・・
①夏休みの宿題である現代社会のレポートを見直す。
テーマは「18歳選挙権」「震災からの学び」「エネルギー問題」などなど
②新聞記事に再構成する。
「見出し」→「何が起きたか(結論)」→「経緯」→「展開」→「用語、資料」
見出しにするときはできるだけ具体的に何が起きたか考えるのがコツです。
話題のゲームを活用したアイデアも異なる観点から複数見受けられました。
③役割分担して記事を書く。
ここまでで授業時間3時間。結構ハードですが、およそ時間内に完成させたようです。また、新たに資料を用意する意欲的な班もありました。
中間考査後、クラス内発表会があります。その時の記事は普通科の写真もたくさん載せますので楽しみにしてください。
美術科の生徒たちの新聞は「アートイベントで熊本復興を目指す」など、美術と社会を関連付けた内容が多く見受けられました。
2学期後半はテーマ研究が始まります。第二高校テーマ研究の根底にあるのは「ワクワク感」です。みんなで楽しんで科学しましょう。
第二名物の風景
夕暮れ時、第二高校美術科棟側から見える夕日がとても綺麗でした。赤と紫のグラデーションで神秘的でしたよ。一年生がテンション上がっていました。
文化祭!展示もステージ装飾もお疲れさま
今年度は熊本県立劇場でステージ発表も展示も行われた文化祭でした。美術科も全員分の作品を展示できないのが残念でしたが、県劇のホワイエの雰囲気に助けられていい展示になりました。
毎年、1年生はペットボトルアートに挑戦するのですが、今年は中止になった運動会で制作する予定だった団席画の伝統をつなげるため、団画とほぼ同じ大きなのステージ装飾に挑戦しました。熊本の復興をめざし、雄大な熊本城と可憐なりんどう、華やかな椿の意欲的な作品になりました。熊本城は担任の一木先生の写真を参考にさせていただきました。
ステージの照明が変わるたびにイメージが変わり、何枚も撮ってしまいました。ステージに参加した皆さんの演技や演奏にも感動しました。
作品を制作、展示する機会を与えていただき、ありがとうございます。1年生にとって大きな自信となったと思います。制作中は肉体的・精神的につらかったこともあったでしょう。でも、この苦しみを乗り越えることが芸術の醍醐味でもあります。
来年の文化祭も楽しみです。
制作中の一コマです。美術科の先輩たちみんな、勉強、実技の練習、課題、文化祭や運動会の行事、ボランティアなど一度にいくつものミッションをこなし、沢山の壁を乗り越えてきました。
この熊本城で、また一つ美術科の伝統と絆が次の世代に受け継がれました。
ようこそ先輩!井上幸喜先生
講師は美術科卒業生、井上幸喜先生です。宝塚大学東京で教鞭をとるかたわら、デザイナーであり、デザイン会社を経営されている方です。大学内に事務所があり、学生たちはデザイン会社の仕事ぶりを間近に見ることができるそうです。
井上先生の講演でデザインとは「物事をわかりやすく誘導すること」示されました。CGや映像メディアのデザインを多く手がける先生のお話から、デザイナーやアーティストの役割は自分の作品を発表するだけでなく、洪水のように現代人に押し寄せる情報や技術革新をいかに「わかりやすく、誘導するか」が重要なのだと感じました。
そして、一番デザインしなければならないのは何より「自分自身」であること、を伝えられました。
さらに、表現者にとって報酬とは「やったことの対価ではなく、どれだけ喜んでもらえたか」による、という言葉は生徒たちに心に響いたのではないでしょうか。
ところで、井上先生と言えばある伝説的ゲームの制作者でもあります。
講演ではVRの実演もあり、クーロンズ・ゲートの世界に少しだけ入ることができました。体験した生徒たち、大喜びでした。
※後ろのモニターが実際に見えている画像です。
美術大学を卒業され、また未開拓の分野であったCGの世界に飛び込み、誰も見たことがない風景を誰よりも早く創造した先生のキャリアに圧倒されるばかりでした。輝かしい面だけでなく、苦労して制作した作品への酷評が出ることもあったそうです。デザイナーとして精神的にも体力的にも、また経営者としても相当の苦労があったのでしょうが、苦しみを楽しみに変えて、軽やかに振り返る先生の姿に皆勇気づけられた思いです。生徒たちの感想にも、「どんなにつらい状況でも先生がにこやかに乗り越えられたのが印象的でした」とありました。貴重なお話、ありがとうございます。
二高ゼミがスタートしました!
美術科の夏、といえば二高ゼミです。今年もはじまりました。今日から9日まで、美術科OB、OGの講師の方々が帰郷し、後輩たちに指導を行います。
基礎科、油画科、日本画科、彫刻科、デザイン科に分かれ、毎日頑張っていきます。
頑張っていきましょう!!
基礎科
油画科
日本画科
彫刻科
デザイン科
終業式 美術科写真
学校全体で三井グリーンランドに遠足がありました。1学期の終業式も行われます。美術科の生徒もたくさんのアトラクションに乗り、楽しそうでした。いよいよ二高ゼミがスタートします。みんな頑張れ!
1学期最後の授業は講評
2016年7月28日(木)
1学期最後の2年美術科の授業は石膏デッサン講評でした。みんな上達し、良い方向に向かっているように感じます。夏休みもバリバリ描いて、勢いをつけてほしいものです。頑張れ!
風景画コンクール実施中
第二高校は普通科美術部、美術科美術部の共同開催、校内で制作を行いました。絵になる風景画見つかるか心配でしたが、それぞれが自分なりにテーマを設定し、身近な風景から美を発見したようです。
酷暑の中でしたが、それぞれが工夫して頑張ってます。
見回り中、きれいな場所を発見しました。教室棟の前の藤です。
季節外れの藤の花。
1年生VD(ビジュアルデザイ)締切間近!
校内写生大会
真夏の太陽の光がさんさんと降りそそぐ中、美術科では校内写生大会を行いました。それぞれが校内で絵になる場所を探し、思い思いの表現方法で風景写生を行います。暑いけれど熱くなってよく頑張ってくれました。今年も力作ぞろいです。
1年生石膏デッサン始まりました。
また、2,3年生については学校再開直後からほぼ従来通りのカリキュラムを進めています。放課後は上級生が1年生のデッサンの指導をする姿を頻繁に見かけるようになりました。今回の経験を通して、美術科がさらに大きく育つ予感を感じます。
この度の熊本地震では、地震直後からたくさんの温かいメッセージ、支援をいただきました。美術科職員、生徒一同、感謝申し上げます。備品の補充などが終われば、ほぼ元の状態になります。ご安心くださると幸いです。
1年生初めての油彩画
九州大会に行ってきました!
美術・工芸、写真、書道の九州大会に参加するため長崎へ行ってきました。3年生が2人参加し、初日は作品の展示、2日目はバスにライブペインティングするワークショップ、3日目は作品講評と講演会と充実した内容でした。
本場のチャンポンは濃厚な海鮮味でとても美味しかったです。
作品鑑賞会。自分の作品を解説しています。
バスにペインティングしています。このバスは1年間長崎市内を走るそうです。完成した時は皆感動していました。
次年度は沖縄です。楽しみですね!!
1年生講評
1年生初めてのデッサンの講評が行われました。モチーフはブロックをTの字に組み合わせたもので、意外と難しいものです。先生方から丁寧に講評が行われ、お互いに講評し合う姿も見られました。次は初めての油彩画。楽しんで下さい。
2年生はその日のLHRでバレーをしました。楽しんでいました。たまにはいいものですね。晴れ男女が多いのか、雨の予報でも雨は降りませんでした。
先輩によるデモンストレーション
授業が再開し、1年生はブロックをモチーフに木炭デッサンを始めました。まだ、画材の使い方や進め方がわからないので、放課後に2年生がお手本実践(デモンストレーション)をしてくれました。先輩たちが教える姿が多く見られ、とても頼もしいです。