校長ブログ

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23/08/10(18)「赤毛のアン」を読みました。

 「赤毛のアン」(モンゴメリ 村岡花子訳「赤毛のアン~グリン・ゲイブルのアン」新潮文庫)を読みました。勝手に児童書だと決めつけていましたが、とんでもない思い違いで、大人こそ読んだほうがよい本でした。実は秋満吉彦「名著の予知能力」(幻冬舎新書)で紹介されていて、私の中で「絶対「赤毛のアン」を読みなさい」という声が聞こえてきました。あらすじなどは省略します。不遇の身ながら、豊かな想像力や行動力で周囲を魅了するアン。当初アンを孤児院から引き取り、養育することに当惑していたマシューとマリラの兄妹でしたが 、一緒に暮らしていくうちにアンに愛情を精一杯注いでいきます。アン、マシュー、マリラの家であるグリーン・ゲイブルズがあるプリンス・エドワード島の美しさ。この本を読むと、人間は自然に生かされていることがよく分かります。

 さて、この本の中で心に残った文をあげてみます。

〇「…あたし、けさは絶望のどん底にはいないの。朝はそんなところにいられないわ。朝があるってほんとうにすばらしいことじゃない?」(※きっと朝はくる。前向きに一日を過ごそう!と思うフレーズです。)

〇「…グリーン・ゲイブルズにきてからずっとあたしは失敗ばかりしてきたけれど、一つするたびになにかしら自分のとてもわるい欠点がなおっていったのよ。」(※人間は失敗して成長するもの。アンを見ていると失敗が魅力に変身します。)

〇「彼女「(アンが通う学校の教師ミス・ステイシーのこと)は生徒たちに自分で考え、探究し、発見するように導き、古い、踏みならされた道から外へ進み出ていくように励ましたので…」(※「赤毛のアン」の初版は115年前です!)

〇「九月の夕暮れで、森のすきまというすきま、空地という空地には真紅の夕日の光があふれていた。…風は梢をわたっていたが、夕方、樅の木の間でかなでる風の音楽ほど美しいものはこの世にはない。」(※この本では自然の美しさが見事に描かれています。)

 読み始めたときまだ幼かったアン。読み終えたころには大きく成長し、私に勇気を与えてくれました。

図書館にもありますよ。