SSHの授業
1年生理数探究「YSPⅠ」 中間報告会
10月5日(水)、本校体育館で第1学年理数探究「YSPⅠ」中間報告会を行いました。各クラスの中で代表に選ばれたグループが課題研究の経過報告を行いました。
講師には一般社団法人GlocalAcademy 代表理事の岡本尚也様をお招きし、質疑応答の中で研究の進め方や発表時の注意点についてアドバイスをいただきました。
1年1組代表 井上さん・片山さん・五嶋さん・佐藤さん・原口さん
「協応性を高める新手法の考案~運動機能向上に向けた目と身体の相関について~」
1年2組代表 大嶋さん・井上くん・宮本くん・三森さん
「熊本にいる外国人が地震時に安心できる町作り」
1年3組代表 有働くん・坂口さん・嶋田さん
「未来の川を守るために~マイクロプラスチックと環境汚染~」
1年4組代表 中川さん・宮川くん・瀬戸さん
「山鹿市のフードロスの削減について~企業・自治体の取り組み~」
1年5組代表 井上さん・北岡さん・猿渡さん
「山鹿市の空き家対策」
岡本先生による講評の中で、「自分がこれだという面白いものを見つけ、どうやったらそれが出来るのかを考えたら、人間の能力は伸びる」とお話になられました。
【SS国語探究Ⅰ】水俣学連続講義①
9月30日(金)
1年2組グローバル探究コース(39名)を対象に、水俣学連続講義の第1回目を実施しました。
講師は 熊本学園大学特命教授 水俣学研究センターの高峰 武 先生です。
事前に高峰先生の著書『水俣病を知っていますか』についてレポートを提出し、そちらを元に講義をしていただきました。
以下、生徒の感想です。
私達はこれまで、水俣病の長い歴史と、その歴史の中で多くの人が傷つきながらもこの問題に向き合ってきたことを学んできました。水俣病の歴史は決して風化されませんが、歳月が経つにつれ、私達の世代の中には「過去の出来事」という捉え方が強まっていると思います。
私は今日の講義で水俣病についての自分の考えを持つことが大切であることを学びました。自分の考えを持つことで、未来に繋がっていきます。これからもっと水俣について調べ、理解することで自分の考えは形成されていきます。多面的に物事を見る姿勢を、水俣病に限らず、日常生活の中でも持とうと思います。
【SS数学探究Ⅱ】データサイエンス講義
9月26日(月)
2年2組グローバル探究コース(39名)を対象に、データサイエンス講義「財政教育プログラム」を実施しました。
講師は 財務省九州財務局財務広報相談室広報相談第一係長 右田 智也 様 です。
身近な「公共サービス」や「公共施設」などの予算案を行政担当者になったつもりで編成し、意見を出し合い、グループごとに発表、質疑応答を行いました。
ビックデータの活用法を学ぶとともに行政について考える機会になりました。
以下、生徒の感想です。
・日本の歳入、歳出、何に使ってるか、どうやって稼いでいるのかがわかり、勉強になりました。
・今までり前り前に過ごしてきたけど、財務大臣はじめ、様々な人達が色々なことを考慮しながら予算を立てていて難しいことだなと思いました。そして、グループ内でも意見が分かれたので、国民全員が納得できるような予算の作成はなかなかできないと実感しました。
・歳出歳入の割合を通して国の考え方を自分なりに考えることができ、国の財政を知り、理解することができました。
・日本の借金の深刻さがわかりました。日本の財政が、世界的に見て、負担とサービスのバランスが良くないものだとわかり、今後の日本について考える機会となりました。
【SS国語探究】水銀フリー講座
9月16日(金)
グローバル探究コース1年生が熊本県環境生活部環境政策課が実施している「水銀フリー出前講座」を受講しました。講師は国連環境計画国際技術センターの本多俊一様です。
講話を通して現在直面している地球規模の課題と水俣病との関連について学び、視野を広げました。
以下、生徒の感想です。
「目先の豊かさより長期的な結果を考えて動く」この言葉が心に残っています。水俣病も、チッソが汚染水を処理するための1億を削らなければ、その後の埋め立て工事や様々な補償にかかる4000億円を失わず、人々も、また美しい自然も損なわれることはありませんでした。原子力発電やプラスチックの問題もそうです。そう考えると、他人事ではないと思いました。
また、完全な水銀フリーは難しいものの、環境に優しいことを一つでも毎日行えば、少しずつ小さくても変わることを学びました。
水俣病を学ぶことは、世界の仕組みや環境問題を知ることにつながるので、グローバルに考える大切さを改めて知ることができたと思います。
私達は今、水俣学習のプレゼンづくりを行っていますが、熊本と国の関係だけでなく、世界に目を向けて、作成していきます。」
菊鹿中学校「プレゼン講座」
R4.9.14(水)
山鹿市立菊鹿中学校の1年生に向けて、本校職員の冨田教諭が「プレゼン講座」を行いました。
当日はスライド作成のポイントをお伝えしました。また、本校2年生3名が中学生のために「発表の仕方」の動画を作成してくれました。
菊鹿中学校の1年生は、作成したスライドを、10月8日(土)の文化祭で発表するそうです。素敵な発表になるよう、応援しております。
熊大ワクワク研究室訪問参加
熊本大学薬学部を訪問し、 和田 美貴代 特任准教授、薬用植物園技術主任の渡邊 将人様に個人研究についてのご助言をいただきました。
参加した生徒の感想
「自分の行っている研究への現実性や、スムーズに研究を進める方法などのアドバイスをいただき、これからの研究の方向性を決めることができました。とてもいい経験になりました。」2年耕さん
「アドバイスをいただき、テーマを少し変えてみようと思いました。学ぶことが多く、とてもいい時間になりました。」2年廣﨑さん
今後どのような研究になっていくのか、非常に楽しみです。和田 美貴代様、渡邊 将人様ありがとうございました。
【SSH】水俣フィールドワーク②
8月2日(金)「SS国語探究Ⅰ」の授業の一環として、1年2組25名が水俣にフィールドワークに行きました。その報告の後半です。
【班別フィールドワーク】13:30~14:30
午後は3つの班に分かれ、研修を行いました。
①「水俣病事件の科学的及び社会科学的検証」
講師:熊本県環境センター館長 篠原亮太さま
水俣病がチッソ工場の排水で汚染された魚介類を食べることで起きた、食物連鎖による重金属中毒であることはよく知られています。
篠原さんの講話では、メチル水銀生成反応やなぜ、人の身体に取り込まれたのかを、化学式等を用いて分かりやすく説明されました。
また、問題が拡大した背景に潜む、経済問題、貧困問題、都市と地方の格差問題、法の問題等、水俣病を考える上でのさまざまな視座を教えていただきました。
②「患者さんの暮らしと今も続く水俣病裁判」
講師:谷 由布さま 特別ゲスト:坂本しのぶさま
ヘルパーとして長年、患者さんたちの暮らしを支える谷さんと、胎児性水俣病患者である坂本さんのお話を伺いました。
生徒の感想より
「患者さんの何気ない生活が一瞬にして全く異なるものとなってしまったこと、症状や暮らしは患者さんによって違うこと、また、それぞれの方々の心情を知ることができて本当に良かったです」
「小・中学校の学習と比べて、水俣病の裏側まで学べました。今の水俣にもまだ課題は山積していて、水銀のことや裁判のことなど、大変だと思います。水俣に対する差別や、水俣病に対する差別也偏見をなくすためにも、まずはしっかり学んで、水俣・そして日本がより安心して暮らせるようにすべきだと思います。坂本しのぶさんが言われた“色々なことに対して自分も関係あると思って考える”ことをしていこうと思います」
③「水俣のお茶農家として」
講師:桜野園 松本 和也様
松本さんは水俣市で和紅茶を生産されています。ここで育てられているお茶は和紅茶の他、緑茶、ほうじ茶など現在6種類。1990年よりすベてのお茶を無農薬・無化学肥料で栽培しており、2005年からは肥料・農薬を一切使わない自然栽培にも取り組まれています。
【水俣病関連地フィールドワーク】14:30~15:30
最後に、吉永さんの案内の元、水俣病関連地を訪問しました。
①茂道
②坪谷(つぼたに・つぼだん)
1956年5月1日、一番最初の水俣病患者がこの小さな美しい岬から出ました。田中実子さんもその一人です。
現在、実子さんは24時間の介護を受けながら生活しています。
魚が豊富だった水俣の海も、現在は最盛期の10分の1くらいだそうです。原因の1つは護岸工事。自然に人が手を加えることで住めなくなった生物たちがいます。
生徒の感想より
「写真では白黒の風景しか見れないので、リアルの、色のついた鮮やかな実物とはとても同じ世界とは思えませんでした。それと同時に、白黒の写真の中で起こっていたことは、この現実の世界で起こっていたことだったんだと、当たり前のことを自覚させられました」
③百間(ひゃっけん)排水口
水俣病の”爆心地”とも言われる場所です。流された水銀量は最大450トン程度といわれています。
このフィールドワークは9月はじめに報告会を行う予定です。
9月16日には水銀フリー講座、
また9月30日からは熊本学園大学水俣学研究センターの先生方をお招きして5回の連続講座を実施します。
一つの問題を1年間かけて深く掘り下げることで、問題の多面性に気づくとともに、課題を粘り強く考える力を身につけていきます。
令和4年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会
今回、みらい創造科グローバル探究コース2年の3名が「バイオプラスチックの合成」というタイトルで全国のスーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会に参加してきました。
同じ高校生や大学の先生方にポスターセッションでしっかりと自分達の研究を発表することができていました。
また、様々な研究を見聞きすることで多くの刺激とやる気を得ることができたようです。
〔生徒感想〕
このような大きな場で、ポスターを作り、研究を発表することは初めてでしたが、人前で話すことや、質疑応答などでの対応力が身についたと思います。
発表では
「なぜ固くなるのか」「水質によって分解速度が変わるのか」「カゼインが多ければ多いほどいいのか」「柿渋溶液に含まれる柿渋の濃度は?」「カゼインプラスチックの分子構造は?」「プラスチックを薄くしても強度は変わらないのか?」
など科学的な質問を沢山受けました。
今後はそこをもっときちんと理解をするとともに、グラフなどでわかりやすく伝える方法や、実験などを行って証明できるようになりたいです。
【SSH】水俣フィールドワーク報告①
8月2日(火)1年2組25名「SS国語探究」の授業の一環として、水俣フィールドワークを行いました。
【エコパーク水俣・親水護岸】10:00
案内人:吉永利夫様のお話。背景にあるのは美しい海と恋路島。この海にはかつて仕切り網が設けられていました。総額485億をかけて作られたこの埋め立て地の下には水銀に汚染されたヘドロと共に、ドラム缶3000個分の魚たちが眠っています。
【水俣病慰霊の碑】
沖縄の碑と違い、この碑にはなくなった方々の名前が記されていません。
また人だけでなく、魚や猫たちも亡くなっています。失われた数多くの命に黙祷を捧げました。
【語り部講話:川本愛一郎さま】10:30-11:30
川本さんのお父様、川本輝夫さんは、映画「MINAMATA」でチッソとの交渉や裁判で活躍するヤマザキのモデルとなった人です。輝夫さんは当時、沈黙を強いられていた滞在患者の家を訪ねて声を拾い上げ、水俣病患者救済の運動の先頭に立ってきました。
〔生徒の感想より〕
「川本さんのお父さんがチッソ工場に座り込んでまで話を聞いてもらおうとしたのに、話を聞くどころか、川本さんのお父さんを殴って蹴って、たくさんの怪我を負わせました。チッソや国や県は(水銀流出を)放置していたとばかり思っていたけど、まさか暴行まで加えているとは思わなくて、本当に驚いたし、聞いてて胸が痛かったです。資料館で埋め立て地の話や今も水俣病で苦しんでいる人たちがいる話を聞いて、水俣病の問題はまだ続いているんだなと痛感しました」
【水俣病資料館見学】11:30ー12:20
資料館は入り口から順に、水俣の歴史を追うことができるように展示がされています。
水俣病裁判の複雑な問題、埋め立て地の下に眠る水銀を今後どのように処置していくべきか、
改めて考えさせられました。
〔生徒の感想より〕
「これからもまだまだ課題があること、政治の対応が(東京と地方で)目に見えて違うことにびっくりした。たくさんの人、時間、お金が費やされて今の水俣があると感じた。”ここで終わり”ではなく、これから自分ができることを考えて行動しようと思った」
午後は3つの班に分かれてのフィールドワークを行いました。 こちらの模様はまた後日UPします。
第Ⅰ期・第3回運営指導委員会を開催しました
7月29日(金)、本校セミナーハウスで令和4年度(2022年度)第Ⅰ期・第3回運営指導委員会を行いました。運営指導委員会は、運営指導委員の皆様に、本校SSH活動についてのご意見、ご助言を賜り、SSH活動の充実をはかるものです。
今回は、7名の運営指導委員の方にご出席いただき、様々な視点からのご意見を伺うことができました。
1 指定校校長挨拶
挨拶とともに、委員会の趣旨、内容についての説明がありました。
2 鹿本高校からの報告・説明
司会 東京大学先端科学技術研究センター 教授 神崎 亮平 様
(1)課題研究活動報告
「バイオプラスチックの合成」 2年 安部さん、松原さん、豊後さん
8月3日のSSH生徒研究発表会(神戸市)でポスター発表する課題研究の報告を行いました。
地元の特産品の来民うちわに使用されている柿渋を用いたバイオプラスチックの研究です。
運営指導委員の方から、たくさんの質問、助言を頂きました。
本番前に自分たちの研究を振り返ることができました。
(2)鹿本高校SSH事業概要説明
3 意見交換
本校SSHの取組について、運営指導委員の方から貴重なご意見を頂きました。
頂いたご意見をSSH活動の評価、改善に生かして、より充実した内容にしていきます。
ありがとうございました。