2021年11月の記事一覧
剣道、作文、美術、ボランティア ~ 西高生の多彩な活動
熊本県高等学校剣道新人戦大会が11月20日(土)~21日(日)に行われ、西高剣道部が躍進を見せました。男子団体が3位、男子個人で山下貴薫君(1年)が準優勝、女子個人では平江愛梨さん(2年)がベスト8に入り、それぞれ九州大会進出を決めました。男女ともに九州大会出場を決めたのは県内の高校で西高だけです。特に、剣道王国の熊本において強豪校相手に次々と勝ち抜き、個人戦準優勝を遂げた山下君の快挙を心から称えたいと思います。大会前日の19日(金)に剣道部の充実した稽古風景を見て期待感が高まりましたが、見事に実力を発揮してくれました。上げ潮に乗っている今の剣道部の勢いに注目です。
また、11月24日(水)、熊本西税務署の清水副所長が来校され、令和3年度「税に関する高校生の作文」(主催:国税庁)で入選を果たした田中瑠夏さん(1年)が表彰を受けました。科目「現代社会」の夏季休業の課題として取り組んだ田中さんの作文は、日頃は意識しない税の使い道について改めて調べ、学校教育や近所の公園整備など身近なところに活かされていることを知ったことをまとめたそうです。社会を意識することにつながったと語ってくれました。
第5回全九州高等学校総合文化祭長崎大会が来月12月10日(金)~12日(日)に開かれます。昨年は熊本大会でしたが、コロナパンデミックで事実上の中止となり私たち高校関係者、生徒達が無念の涙を呑みました。今年は2年ぶりに平常開催の予定です。本校から美術部門で浪平佳凜さん(2年生)の作品が出品されます。浪平さん自身も生徒交流会に参加するため、長崎県立美術館へ赴きます。
このように体育、文化と生徒の個々の活動が高い評価を受けることは学校にとって誠に喜ばしいことです。スポーツに、文化活動に、そして学習にと、それぞれの生徒が自ら得意とする領域で存分に自分の可能性を発揮しています。そして、生徒の無尽の可能性を引き出すために、教職員が寄り添い指導、支援しています。ここ熊本西高は、高校生の可能性が開花する環境が整っているのです。
さらに明るい話題です。11月21日(日)に第1回「熊本みなとマラソン」が西区で開催されました。熊本港の親水緑地広場をスタート、ゴールとし、県道51号(熊本港線)を走るハーフマラソンです。このマラソン大会に西高から56人の生徒が運営ボランティアで参加しました。大会主催者の久保理事長(NPO法人スポレク・エイト)が来校され、「多くの生徒さんの積極的なボランティアの姿勢に感謝します」と御礼を申し述べられました。こちらとしては、ボランティアの機会を与えて頂いたことに感謝したいくらいです。
西高生の活動範囲がどこまで広がっていくのか期待が膨らむ日々です。
「校長室からの風」
「税の作文」表彰
「夕日が美しい学校」 ~ 生徒会からの「西高魅力化プロジェクト」案
11月16日(火)、今年度2回目の学校運営協議会を開催しました。地元の三和中学校長、地域の自治会長、西区区長、保護者会代表、同窓会代表等8人の委員さんを招いて、今後の学校運営のあり方を検討して頂くものです。今回はこの場に会長の濱﨑さんはじめ生徒会役員8人が参加し、生徒会が考える「西高 魅力発信プロジェクト」案を提言してもらいました。
西高生がもっと積極的に小、中学校へ出かけて連携、交流を図るという提言がありました。体育コースの生徒が小学校の体育の授業のお手伝いをする、サイエンス情報科の生徒が小学校のプログラミング学習のお手伝いをする等です。また、いざ大規模な自然災害が起きたときに備え、防災活動を地元の小中学校と共同で実施する案も出されました。とても現実的な良案だと思います。
また、西高にもっと地域住民の方が足を運んでもらえるよう、従来の創立記念祭(文化祭)とは別に「西高フェスタ」(仮称)を学校で開催し、地域の商工業者の皆さんに特産品販売を行ってもらうのはどうかという案も出ました。この他、移動販売車(スタンドカー)に学校に定期的に来てもらうことは販売の促進と西高生の買い物の楽しみが増える効果があるとのユニークな意見も出されました。高校生の視点からの面白い発想です。
学校運営協議会委員の皆さんも、共感的に受けとめてくださいました。三和中の校長先生からは「中学校と高校の生徒会の共同活動はすぐにでもできる」と支持していただきました。また、西区区長さんからは、西区主催のイベントへの西高生の参加を歓迎する旨のご発言がありました。
そして、同窓会代表の委員さんから、「あなた達にとって、西高の魅力は何ですか?」と生徒会へ質問がありました。
「熊本市にありながら、周囲の自然が豊か」、「学校の敷地が広い」、「学習のICT化が進んでいる」、「生徒と先生の距離が近い」などの意見が出る中、「西高から見る夕日が美しい」と回答した生徒が3人いました。西高の西側には田畑が広がり、高い建物はありません。白川、坪井川の河口に連なり、その先は有明海です。鮮やかな朱色に輝く夕日が校舎、グラウンドから見えます。あの情景はきっと西高生の胸に刻まれるものでしょう。
西高は公共交通機関には恵まれていません。JRの熊本駅、西熊本駅から約5㎞の距離があります。しかし、多少遠くても通うだけの魅力ある高校でありたいと思います。そして、そのような魅力ある西高を創っていく主役は生徒の皆さんです。これからもより魅力的な学校を目指し、生徒及び保護者の皆さん、地域住民の方々、教職員とで対話を重ねていきたいと思います。
「校長室からの風」
ひたすら歩く、みんなで歩く ~ 西高チャレンジウォーク
秋晴れの11月2日(火)、西高伝統の「チャレンジウォーク」を開催しました。学校を出て、西区地域を歩き巡る遠行(えんこう)行事です。2年前までは金峰山頂上まで登っていましたが、今年は新型コロナウイルス感染防止の観点からマスク着用での強歩(走らない)で、学年別に時差出発とし、コースや距離も変更しました。距離は15.6㎞、行程は日蓮宗の名刹、本妙寺までの往復です。
早朝の7時45分には体育コースの生徒(1~3年)が最初に出発しました。体育コースの生徒達は先に行き、交差点や曲がり角において保護者役員の方や職員と一緒に交通案内も担当するのです。そして、一般の生徒が通り過ぎた後、追うように歩きます。8時半から9時半にかけて2年生、1年生、3年生の順で出発していきます。各クラス、男女別に4~8人の班をつくり、そのチームで歩くのです。3年8組の生徒達が最後に出発したのですが、その最後尾から私も歩き始めました。
西高北門を出て、坪井川の堤防道を上流へ進み、高橋稲荷の通称「赤橋」(朱色の橋)を渡り、西回りバイパス道の歩道へ。柿の実が朱に染まり、薄が群生し、秋景色が広がります。沿道に保育園、幼稚園があり、幼児たちから「がんばれー」と可愛い声援が送られ、生徒達も手を振り返しています。島崎町に入り、次第に上り坂となり、いよいよ本妙寺(西区花園町)へ。
本妙寺は中尾山(標高218m)の中腹にあり、鬱蒼とした木立に覆われ、疲労した身体には涼風が心地良く感じられます。しかし、最後に300段の石段という難所が待ち構えていました。息を切らしながら石段を登ると、加藤清正公の雄姿(銅像)が迎えてくれました。ここがチェックポイント。帰りは、清正公が眠る浄池廟(じょうちびょう)の本殿・拝殿の脇を通り、「胸突き雁木(がんぎ)」と呼ばれる急な石段を下り、表門から出て往路と同じ道に戻り、学校へ。
復路では、遅れた1年2組の女子の班と一緒に歩きました。普段、長い距離を歩かない一般の生徒にとって、約15㎞の道のりは大きな負担となるようです。早くゴールした生徒達は制服に着替え、自転車で帰宅する姿が見られ、焦りも出てきます。しかし、一人ではありません。女子7人で朗らかに声を掛け合い、一歩一歩、ゴール(学校)を目指します。ひたすら歩く、みんなで歩く。ただそれだけの鍛錬行事ですが、西高生としての一体感が強まる得がたい時間です。
午後1時近く、1年2組の女子7人の班と私が最後尾でゴールしました。同窓会及び育西会からバナナ、ドーナツ、飲み物を頂きました。完歩した達成感は何物にも代えがたいものでした。
「校長室からの風」