2022年6月の記事一覧

夏が来た ~ 梅雨明け、向日葵、期末考査 

 校庭のひまわり(向日葵)が伸び、勢い盛んです。その眩しいほどの黄色の花が夏の太陽を象徴しているかのようで、見ているだけで元気が湧いてきます。

 6月28日(火)に熊本県が梅雨明けしました。観測史上最も短い梅雨でした。そして梅雨明けと同時に太平洋高気圧の勢力が増し、一気に猛暑の夏が始まりました。連日、35℃に迫る危険な暑さが報道されています。

 熊本西高では6月28日(火)~7月1日(金)まで1学期期末考査が行われています。午前中、エアコンの効いた教室で試験問題に取り組みます。そして、昼には早々に帰宅する生徒が多いのですが、試験期間中、午後も学校に残り試験勉強する生徒の姿が見られます。風が吹き抜ける生徒ホールで机を寄せ合って勉強する生徒たち。また、エアコンが効いた図書室で勉強する生徒たち。気温が上昇するにつれ図書館組が増えてきたようです。

 二人から三、四人で勉強を教え合う姿はほほえましく爽やかです。苦手な科目は学校で、得意な科目は自宅で行うのが試験勉強の鉄則です。また、友達に教えることで自分の知識が整理され、自らの学力定着につながることはよく知られています。先生から教えられたことより、友人同士で教えあった方の定着率が高くなることもよく言われます。勉強は孤独な営みの面もありますが、チームワークの側面もあるのです。そして、様々な学びの場を提供するのが学校の役割です。

 「僕はやっぱり英語は紙の本で勉強した方がやりやすいです」とある生徒が図書館で言いました。タブレット端末を活用してのリスニングやスピーキングの技能向上の一方、リーディングやライティングは紙の本(参考書、問題集)を愛用していると彼は言いました。デジタルとアナログ双方の特色を活かして、自分なりのスタイルで勉強することが大切です。自分に合った勉強方法を見つけてほしいと思います。令和の学校は、ICT(情報通信技術)の普及により、勉強方法も多様に広がりました。しかし、自分の頭で考えるという身体性は変わらないと思います。

 学校に残って試験勉強に悪戦苦闘する生徒達の姿を、ひまわり(向日葵)が見守っています。期末考査も明日まで。明日の午後は部活動が再開されます。2022年は記録的な長く暑い夏になりそうです。皆さん、大いに水を飲み、手を洗い、高校生として夏を満喫しましょう。

「校長室からの風」

バトンは引き継がれました! ~ 6月17日、新生徒会の発足(認証式)

 ここに坂田菜月(なつき)さんを会長に新しい生徒会が発足したことを全校生徒の皆さんと共に喜びたいと思います。会長、副会長はじめ14人の皆さんは、自らの意志で一歩前に出て、西高の生徒会役員という責任を担ってくれることになりました。その進取の精神を頼もしく思います。

 また、この1年間、西高を引っ張ってきてくれた、濱﨑まりのさんを会長とする旧生徒会役員の皆さんに深く感謝します。コロナパンデミックの様々な制約がある中、力を合わせ工夫し、創立記念祭や体育大会などの大きな学校行事を充実したものに創り上げてくれました。キッチンカーを学校に呼ぶなどユニークな企画も印象に残っています。そして、新しい女子の制服として、ポロシャツやスラックスの導入の提案があり、来年度から実現する運びです。常に前向きに取り組む姿勢は、きっと新生徒会にも引き継がれることと思います。

 さて、今年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳成人の時代到来です。すでに18歳選挙権は6年前に導入されています。高校生の皆さんは、大人の入り口に立っているのです。社会には多くの課題、問題があります。誰かヒーローが現れて解決してくれると思っていても社会は変わりません。皆さん一人ひとりが、積極的に社会に関わっていく姿勢が大切です。学校も同じです。生徒会役員だけでなく、全校生徒一人ひとりが「私たちの学校、西高」という意識を持って欲しいと思います。

 これから、私も、新生徒会役員の皆さんと学校行事や学校のルールなど様々なことについて対話していきたいと思っています。

 新生徒会の皆さん、「for  others, with  others みんなのために みんなとともに」というモットーで活動していってください。そうすればきっとあなた達のもとに皆が集まってくると思います。一緒に、「私たちの学校、西高」を創っていきましょう。

「校長室からの風」

試練を超えて ~ 県高校総体で女子柔道部4連覇!

 「団体優勝が決まりました!」という顧問の大久保教諭からのメールを受け取った時、ちょうど会場の駐車場に到着しました。急いで車を降り、山鹿市総合体育館の柔道場に入ってみると、表彰式が始まるところでした。優勝の瞬間には間に合いませんでしたが、晴れ晴れとした笑顔の選手達の様子を間近に見ることができ、格別な喜びを共有できました。

 令和4年度熊本県高校総体女子柔道団体戦は、6月3日(金)午後に行われました。私は午後1時半から2時半まで県立劇場の県高校総合文化祭開会式に出席し、式が終了次第、山鹿市の柔道会場へ車を走らせたのです。女子柔道部に対しては強い思い入れがありました。今年1月の県選抜大会に新型コロナウイルス感染症の影響で出場できず、悔し涙を流しました。柔道の試合はマスクを着けず、密着した競技となるため、コロナの感染リスクが高く、その後も思うような部活動ができず、部員達は苦しみました。誰も悪くありません。ウイルスという見えない敵に翻弄され、目標を見失いがちな時もあったと思います。しかし、荒木信知教諭の指導を信じ、部員一同が結束して練習に懸命に取り組み、たゆまぬ努力を重ねてきました。自分たちを厳しく追い込む鍛錬の日々を見てきた私は、この度の県高校総体で先ず柔道部の応援に駆けつけたのです。

 西高女子柔道部は、見事復活し、県高校総体4連覇を果たしました。度重なる試練を乗り越えての堂々たる勝利でした。表彰式に臨む団体メンバー(山田さん、平原さん、東さん、藤原さん)、及び全員一丸となって応援した部員(15人)のみんなと共に喜びを分かち合うことができました。

 女子柔道部は神が与えたような試練を乗り越え、凱歌をあげました。しかし、一緒に高校総体総合開会式に出場したラグビー部は決勝進出を逃しました。伝統の強さを誇る女子なぎなた部は、団体戦は制したものの個人戦優勝を他校に奪われるという無念の結果でした。その他、それぞれの競技種目において、目標を達成できず、不本意な結果に甘んじた生徒達がいます。今は失意に沈み、気持ちの整理がつかない状態かもしれません。しかし、柔道部の例でわかるように、勝負の世界は「悲喜交々(こもごも)至る」(悲しみと喜びが代わる代わる起こる)ものなのです。

 負けたことから多くのことを学んだとやがて気づくことでしょう。悔しい体験も豊かな体験なのだと時間が教えてくれると思います。

「校長室からの風」

高校生のエネルギー発信の舞台 ~ 県高校総体・総合文化祭の開幕

   令和4年度第50回熊本県高等学校総合体育大会の総合開会式が6月3日(金)午前、「パークドーム熊本」(県民総合運動公園)が行われました。参加校が一堂に会しての総合開会式の実施は3年ぶりのことです。

 国旗及び高体連旗を持って先頭で行進したのは西高陸上競技部の生徒達です。全77校が総合開会式に参加し、西高は5番目の行進。各学校、生徒・教職員合わせ15人以内と定められ、本校はラグビー部の生徒と顧問教諭、そして団長として校長の私が出場しました。新型コロナウイルスの出現前は、「えがお健康スタジアム」に観客の高校生も含め約1万人の大規模な祭典でした。今回の規模はその10分の1で、屋根付き会場のため熱中症の心配もなく、シンプルではあっても選手のコンディションに配慮されたスマートなものでした。「アマチュアスポーツに引退はありません。生涯にわたってスポーツを続けてください。」との高体連の大嶋会長の挨拶が胸に響きました。オープニングアトラクションとして、熊本工業高校の吹奏楽部による華麗で勇壮なマーチングドリルも行われました。

 コンパクトな総合開会式でしたが、県下の高等学校の一体感があり、ラグビー部の生徒達と共に歩き、参加できたことで熱い思いに包まれました。さあ、アスリートの戦いが繰り広げられます。「みんなは、自分で思っている以上のエネルギーを持っている。この高校総体で存分に爆発させよう!」とラグビー部員を励ましました。

 第34回熊本県高等学校総合文化祭の総合開会式が同日の午後、熊本県立劇場で行われました。こちらも3年ぶりです。オープニングアトラクションで、西高生を含む有志の演劇部員合同パフォーマンスに引きつけられました。それは、コロナパンデミックによって声を発することが制約された苦しみの表現から始まり、表現の手段は言葉だけではないことに気づき、身体全体を使って表現するパフォーマンスでした。そして、最後に「きざめみんなの青春ONEカット!」と大会テーマを声高らかに発信したのです。

 2年を超えるコロナ禍という逆境の中にあっても、熊本の高校生は自らが選んだ部活動(体育・文化)にひたむきに取り組んできました。そのエネルギーを発信できる最高の舞台を設けることができました。このことが望外の喜びです。

 「校長室からの風」

 県高校総合文化祭開会式のオープニングアトラクション(演劇部合同パフォーマンス)