2022年7月の記事一覧

中学生の皆さん、ようこそ西高へ ~ 中学生体験入学(オープンスクール)

    強い日差しと入道雲、蝉時雨。絵に描いたような真夏の一日が始まりました。7月26日(火)、熊本西高校の「中学生体験入学(オープンスクール)」の日です。新型コロナウイルス感染の第7波という困難な環境の中、感染対策を講じ中学生を迎える体制を整え、今日という日を待ちました。

 午前と午後の部に分け、参加者全体を一カ所に集めることはしません。それぞれ1時間の受付時間帯で随時受付を行い、4,5人~7,8人の小グループをつくります。そして、ボランティアで集まった西高生が1人または2人でリーダを務め、模擬授業や理科の物理・化学・生物・地学の実験、そして英会話やeスポーツはじめ様々な文化部活動を体験して回るのです。

 午前9時~午前10時までの午前の受付。自転車で、保護者の送迎で次々と中学生が来校しました。中学生の皆さん、ようこそ西高へ。遠隔地の中学生のためにJR熊本駅と西高を結ぶ臨時貸し切りバス1台を走らせましたが、30人以上の利用がありました。受付の1学年棟の入口では、太鼓部の歓迎演奏が行われました。そして、リーダーの西高生が各グループを引率し、校内を回ります。参加した中学生の好みも聞きながら、各種体験活動の場に案内します。そこでは、係の西高生が中学生を支援して、実験や様々な学習活動を体験します。この体験入学の目的は、西高生と中学生の触れ合いなのです。中学生の皆さんに西高生のことを直接知ってほしいのです。

 午前の部は約200人の参加者がありました。午後の部は午後1時~午後2時が受付。約130人の中学生が来校してくれました。また、中学生の保護者の方達も午前と午後合わせて40人を超えました。昨年よりも中学生、保護者の来校者は増えました。西高生を前面に立て、教職員はそのサポートに徹し、中学生の皆さんに西高の雰囲気を体験してもらうという狙いは当たったと思います。 

 西高に初めて来たという中学生がほとんどだと思います。中学校よりも広大な敷地に戸惑い、正門から入っても迷う中学生もいました。西高育西会の役員有志の方達や、当初の計画にはなかった事務部の職員の方にも手伝ってもらい、おかげで大きなトラブルもなく和やかな中学生体験入学となりました。

 日差しは強い一日でしたが、有明海からの風が吹き抜け、西高特有の爽やかさも覚えました。高校生と比べると明らかに幼い中学生のあどけない表情、好奇心等を様々な場面で感じた一日でした。

 今日の体験入学が「西高を選ぶ」きっかけとなってくれることを期待します。

「校長室からの風」

「未来への可能性」 ~ 大西市長からのメッセージ

 「未来への可能性」というタイトルで、大西一史 熊本市長のご講演を西高の2年生が聴く機会に恵まれました。7月14日(木)、会場は熊本市民会館シアーズホーム夢ホールで、NPO法人熊本教育振興会の主催によるものでした。同会の主要活動である「新しい風を呼ぶ教育講演会」は、今年度は西区の高校生を対象にしていただき、市立千原台高校2年生と県立熊本西高2年生の合同参加の講演会となりました。両校の代表生徒たちが司会進行を務め、謝辞も行いました。

 大西一史熊本市長(2期目)は54歳、政令指定都市熊本のリーダーです。日頃はテレビなどマスメディアを通してしか知らない熊本市長が、直接高校生にメッセージを伝えられる特別な学びの場となりました。

 「やったことに無駄はない」

 プロになるつもりで高校、大学時代に没頭したバンド活動の話から始まり、140社余り受けた就職活動、そして商社でのビジネスマン生活、国会議員秘書時代の体験とダイナミックな経歴を語られます。

 「何歳からでも学び直しができる」

 熊本へ帰ってきて30代で県議会議員に当選し、議員活動を始められます。そして、40歳で九州大学大学院に入り、法政理論を学び、修士号、博士号を取得されます。この大学院での学び直しは大きい意味があったと述べられました。

 「高校生としての目線でよい、自分の頭で考える」

 6年前に18歳選挙権が導入されましたが、相変わらず若い世代の政治への関心が低いことを指摘されます。みんなの声が反映されるのが政治であり、そうして社会は変化していくもの。インターネット上で政治家は自分の考えを表明しており、ネットを通して質疑応答もできる環境となった。若い世代に対して、もっと政治を身近に意識してほしい、関心をもってほしいと呼びかけられました。

 「より良い意思決定には経験が必要」

 不確実性が高く、正解のない問題があふれている現代社会。急速な情報化、グローバル化に対応しながら、正しい意思決定を行い、生きていくことは大変なこと。しかし、何がファクト(動かぬ事実)か見極めて意思決定していかなければならない。それには人生経験が必要だと強調された。市長自身は若い頃から何度も失敗し、修正し、経験を深めてきたことが今の拠り所となっているとのこと。

 約90分間、張りのある力強い声は変わることなく、情熱をもって高校生に「未来への可能性」を語り続けられた大西市長は次の言葉で締めくくられた。

 「青年は決して安全な株を買ってはならない」(ジャン・コクトー)

「校長室からの風」

西高生、全国の舞台へ! ~ ラグビー7人制全国大会、インターハイ、全国高校総合文化祭

 7月16日(土)~18日(月)、ラグビーの聖地、菅平高原(長野県上田市)で第9回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会が開催され、熊本西高ラグビー部は3回目の出場を果たしました。14日(木)夜に熊本を貸し切りバスで出発し約20時間かけ現地に到着。予選リーグで1勝1敗となり決勝リーグに勝ち上がることはできませんでしたが、敗者復活戦リーグで試合を重ね、力を大いに発揮しました。19日(月)のお昼頃、帰校。悪天候の中の長時間のバス移動にもかかわらず、15人の選手達は疲れも見せず、実力を出し切った達成感と冬の花園大会に向けての意欲を示し、頼もしく思いました。

 また、今年の全国高校総体(インターハイ)は四国4県が会場です。「躍動の青い力 四国総体2022」です。全国高校総合文化祭は「とうきょう総文2022」、東京で開催されます。いずれも西高生の出番は8月上旬の予定です。

 総体、総文祭に本校から、柔道部、なぎなた部、陸上競技部、ウェイトリフティング部、書道部、美術部と六つの部活動、合わせて21人の皆さんが出場します。eスポーツ部の1チーム2名も、予選を勝ち抜き、フォーナイト部門のオンライン全国大会(8月)へ出場します。

 伝統を誇る柔道部は団体と個人(4部門)が全国上位を目指します。なぎなた部は6月に行われた全九州総合体育大会で団体3位となり、自信を深めています。陸上競技部の杉山君(走り高跳び)、飯田さん(やり投げ)、水野君(砲丸投げ)の3人は2年次から県のトップ選手で、南九州大会でも上位入賞の実力者ぞろいです。全国大会での躍進が期待されます。ウェイトリフティング部は個人3部門に出場。3人とも西高入学後に競技を始め、伸び盛りの選手たちで、初めてのインターハイを楽しみたいと語っていました。

 この2年半、未曾有のコロナパンデミックによって私たちの生活は大きな影響を受けました。部活動も様々な制約を受け、思うような活動ができなかったと思います。目標を見失いかけたこともあったでしょう。それでも、自己管理に努め、たゆまぬ努力を続けてきたことが全国大会出場につながったと思います。逆境の中でも、生活の軸がぶれず、自らの本分を貫いた姿勢を心から称えたいと思います。

 全国大会に出場する西高生が、全国各地から参加する志ある高校生と競い合い、交流し、ひとまわりもふたまわりも大きく成長し、笑顔で帰ってきてくれることを期待しています。

 西高生、全国の舞台へ進む夏です。

「校長室からの風」

     女子柔道部          なぎなた部           陸上競技部

 ウエィトリフティング部     eスポーツ部

「真心はかはらざりけり」 ~ 160年前の国際交流から学ぶ

 ただいまALTのケリー先生の退任式を行いました。ケリー先生の故郷、カリフォルニア州はアメリカ50州の中で最も人口が多く約4000万人。面積は42万㎢あり、日本列島がすっぽり入る広大さです。サンフランシスコやロサンゼルスといった大都市があり、ヨセミテ国立公園などがあることでも知られています。

 そして、私たち日本人にとって、カリフォルニアはハワイと並んで歴史的に深い関係がある州です。鎖国が続いた江戸時代の末期、アメリカのペリー来航によって日本は開国することとなりました。1860年(万延元年)、アメリカ合衆国と通商条約を結ぶために江戸幕府の使節団が、咸臨丸やアメリカの軍艦に乗船し、太平洋を航海しました。一ヶ月以上かけて西海岸のカリフォルニア州サンフランシスコに到着したのです。幕府使節団はこの後、首都ワシントンやニューヨークなどを訪問し、鉄道や近代的な工場、ビルディングなど進んだ西欧文明に圧倒されます。長い鎖国政策で世界を知らなかった幕府の使節団にとって、言葉も通じず、人種も違い、服装や食事など生活慣習も大きく異なるアメリカの人たちはどう映ったのでしょうか? 自分たちとは全く違う化け物のように感じたのでしょうか?

 使節団の一人の村垣淡路守という人がアメリカで歌を詠んでいます。

 「姿見ればことなる人とおもへども その真心はかはらざりけり 」

 姿は違っても、心は同じだと言っているのです。

 それでは、ちょんまげを結い、刀を差した和服姿の侍たちは、アメリカの人々に野蛮人扱いされたのでしょうか?全く逆でした。東洋のサムライの一行が初めて米国へ来たと大歓迎を受けます。かれらの立ち居振る舞いは礼儀正しく気品があると当時のアメリカの新聞、雑誌が報道しています。

 160年前の私たちのご先祖、サムライたちは、国が異なり、習俗が違っても同じ人と人なのだと本質を見抜きました。開国したばかりのアジアの島国から来た、変な格好をした日本人をアメリカの人々は温かく迎え入れました。

 翻って21世紀前半の今日、分断と対立が世界各地で起こり、ウクライナでの戦火がやみません。人種、宗教、言語、政治などが異なっても、私たち人間同士には本質的に理解し合えるものがあるのだということを、私たちは歴史から学ぶことができると思います。

 明治時代になると日本から多くの移民が船でカリフォルニアへ渡りました。「その日本人移民の子孫の一人が私かもしれません」とヨギ・ケリー・アン先生が笑いながら語ってくれたことがありました。

 ケリー先生と出会えた幸運に感謝し、1学期終業式の話を終わります。

「校長室からの風」

    表彰式、全国大会出場部への同窓会からの激励金交付、1学期終業式のスタジオの様子

ケリー先生有り難う! ~ ALT退任式

 Assistant Language Teacher(ALT)のケリー先生は、コロナパンデミック前の2018年夏に西高へ赴任され、4年の勤務を経て来月、アメリカ合衆国へ帰国されます。ケリー先生はICT(情報通信技術)が得意で、アメリカの友人やご家族とオンラインでつなぎ、本校と交流授業を何度も実現されました。パンデミックの中でも、インターネット環境とタブレット端末があれば国際交流ができることを証明してくれました。また、ケリー先生はいつもポジティブで、フレンドリーでした。ケリー先生の出身はカリフォルニア州。アメリカ西海岸の太陽の明るさや太平洋のビーチの爽やかな風を連想するお人柄でした。

 

 Greeting of thanks  for  Ms Kelly.

Thanks  for all your work at Kumamoto west High School.

You taught students English hard and politely for four years, and you encouraged students. Students loved your English lessons.

 We will miss  you  because  you will leave  Kumamoto soon.

but we will never forget  working  with you .

It is very tough to say good bye.

We hope you will remember  Kumamoto forever.

You are youthful,  and  you have  great potential.

We wish  the best luck on your bright future.

thank you so much.

 有り難う、ケリー先生!

                           2022年7月15日

(校長室からの風)

            ケリー先生によるカリフォルニアとの国際交流授業の様子(4月)

                  ケリー先生退任式の様子(7月15日)