美術科アーカイブ

美術科ブログ(~平成30年度)

美術科文化祭~ステージ装飾とお化け屋敷

9月20日、21日の第二高校文化祭、美術科も頑張りました。
まず、1年生がステージ装飾。熊本のさらなる復興をイメージした作品です。

 毎年恒例になってしまいましたが、2年生お化け屋敷も頑張りました。

 この経験を創作に活かしてくださいね。

2年美術科 モニュメント制作

 美術科2年生、2学期最初の課題はモニュメント制作です。テーマは「第二高校または近所の公園に設置したいモニュメントを制作する」でした。

 グラウンドの真ん中に第二高校のDをイメージしたモニュメント。

 美術棟の庭にくつろぎの空間が。

 公園にも軽やかなモニュメントが登場しました。

 これはケント紙で作成し、画像処理ソフトで合成しました。制作・写真・画像編集と複数の学びをしました。
 また、紹介したいと思います。

フレスコ画講座~SSH特別授業

 8月25日(土)、午前中美術科1年生、午後美術科2年生によるSSH特別授業「フレスコ画講座」を行いました。
 フレスコ画とは、イタリア語で新鮮なという意味で、砂と石灰を混ぜて作ったモルタルで壁をつくり、その上に水だけで溶いた顔料で絵を描く技法です。ミケランジェロのアダムの創造やポンペイの壁画などが有名ですね。
 美術科では昨年度から、美術を科学的に探究することをSSH事業の一環として行っていますが、先日のプルシアンブルーをつくる実験で「顔料」について学びました。今回、フレスコ画講座で古典技法による顔料の定着の仕組みを学びました。

 講師は画家で東京藝術大学でもフレスコ画の講座を持っていらっしゃる第二高校美術科卒業生椎葉聡子さんです。フレスコ画の仕組みから、歴史、現代アートにつながる実践までレクチャーしていただきました。

 さらにGRで講師及び活動助言をいただいている一般材探法人ツタワルドボクからコンクリートの専門家福島邦治さんから資料提供・助言いただきました。本校SSH部主任の化学福田先生が資料を受け継ぎ、美術科の生徒たちにフレスコ画の原料になる水酸化カルシウム→炭酸カルシウム→生石灰の関係を基に、モルタル、セメント、コンクリートとは何か、フレスコ画はなぜ絵の具が定着するのかを講義していただきました。

 モルタルを練ります。

 支持体であるレンガに薄く塗ります。



 テーマは自画像です。

 次に2年生の作品。





 機会を見つけて展示する予定です。
 この研修は美術科以外の先生方、保護者の皆さんも参加・御協力していただきました。

 前日に先生方がリハーサルを行ってくださいましたので、スムーズに実習を行うことができました。

 1・2年の保護者の方も一緒に体験してくださいました。生徒たちも大いに刺激を受けたと思います。
 夏の終わりの「フレスコ画講座」、美術を究めようとすると「科学」にたどり着く、そんな経験をさせてもらいました。また、美術と化学だけでなく、国語、世界史、家庭科、事務の先生と多方面の視点から、美術や科学について考えることが気でいました。
 御協力いただいたみなさん、ありがとうございます。

季節のかたち~益城病院展(8月26日まで)

 毎年恒例、第二高校美術科2年生による益城病院展が行われています。
 7月31日から8月26日(日)まで。10時から16時まで。益城病院内犬飼記念美術館で開催されています。

 展示は初秋の演出です。

 作品のタイトルは今年も俳句です。

 「紫陽花の 色変わりゆく 我らのよう」


 「夏の夜 こいつの出番だ 蚊をとるぞ」


 「初夏の日が さし込み光る 朝黄色」


 「ピーマンと 扇風機だけで 昭和感」


 「夏の海 子供帰りに ご注意を」

 夏休みもあと少し、美術科2年生は高校美術展に向けての作品制作に没頭しています。実りの秋になることを祈っています。

色彩学ワークショップ~美術科外部講師講演会~

 今年度、美術科外部講師講演会は女子美術大学から坂田勝亮先生(芸術学部美術科芸術文化専攻教授)をお招きして、色彩学の講座を実施しました。
 まず、90分の講義で「色」とは何かを学び、次に色の三属性及び、色を分析的に見る眼を養う方法を学びます。

 次に色票(PCCS Harmonic Cards)を使って色と色との関係を把握するワークショップを行いました。
 赤から黄色の間(7色)のカードを取り出し、左右に赤と黄色を置きます。カードをシャッフルしてカードを一枚ずつ取り出し、その色が赤と黄色の間のどの位置にあるかを見極め、置きます。それを順に繰り返すと赤から黄色のグラデーションができるのですが、その感覚はなかなか均等にはなりません。 

 同様にビビットカラーの全ての色相(色味)を24色を取り出し、シャッフルしたカードを一枚一枚手に取り、その色が色相環(色を近い色味で並べたときにできる輪)のどの位置にあるかを感じ取り、その仮説をもとに置いていきます。結果は多くの生徒が下の写真にようになりました。間隔が広いところはその色に対する感覚が敏感で、その色と色の間にもう何段階かあるはずと感じているところ、ということでした。

 最後は4人一組でゲーム形式でワークを行いました。中彩度のトーンから4グループ取り出し、ばらばらに並べます。神経衰弱の要領で、同じ色相を選ぶことができたら、自分のカードとなります。

       

 次に、低彩度のグループの神経衰弱をします。

 簡単なようで、裏返すと隣の色相だったり、なかなか当たりません。

 最後は七ならべをしました。

 「自分はずっと美術と心理学の接点を探していたけれど、今日ここで見つけました。」という生徒の感想がありました。「見る」ということは目に映った像を脳が解釈すること、という言葉が講義中にありました。全く異なる領域の研修で学んだ「見る」ということはバラバラの情報を意図をもってまとめること、という考えを思い出しました。色彩の学習は科学的な学習なのだと生徒の感想から改めて気づかされました。
 坂田先生、ありがとうございました。