2023年2月の記事一覧

卒業生の皆さんへ ~ 同窓会入会式、表彰式、卒業式予行の実施

 卒業式を明日に控え、2月28日に同窓会(西峰会)入会式、表彰式、卒業式予行を体育館で行いました。表彰式では、「がんばる高校生」をはじめ高校生活で顕著な実績を残した皆さんに賞状を渡しました。受賞された皆さんの努力を称えたいと思います。

 さて、明日は、皆さん全員が高等学校卒業証書を手にすることになります。皆さんたちが考えている以上に、高等学校卒業は重要な資格です。普通自動車運転免許も大切ですが、その重要性は比較にならないと思います。運転免許は君たちなら1か月半から2か月で取得できるでしょう。しかし、高等学校卒業資格は最低3年必要です。定時制高校なら4年かかります。皆さんは日々登校し、授業に臨み、学習を積み重ねて3年間で96単位の履修科目を修得しました。そしてホームルーム活動、生徒会活動、学校行事に参加し、また各自の部活動にも取り組みました。その成果として熊本西高校の卒業資格を得ようとしているのです。このことを「よくやった」と自分で自分をほめてほしいと思います。大切なのは自己評価です。高校卒業後は、進む道は多様に分かれ、他人と比較することに意味はありません。自分はどんな生き方をしていくのか、自分自身に対して問い続けてほしいと思います。

 急速なICT化やグローバル化など社会が大きく流動化している現代において、学びが終わるということはありません。高校の教育課程が終了しただけです。生きるとは自ら学び続けることです。

 最後に一つ伝えたいことがあります。明日、皆さんが手にする卒業証書の一人ひとりの氏名及び生年月日は、書道の山下綾先生が一枚一枚、筆で墨書されたものです。手は心につながっていると思います。私たち教職員一同の祝福の思いを凝縮して山下先生が250人全員の名前と誕生日を丁寧に手書きされました。そういう意味でも、唯一無二の卒業証書なのです。

 皆さん、卒業おめでとう。

「校長室からの風」

            西高同窓会(西峰会)への入会式の様子

「eスポーツで壁を超える」 ~ 崇城大学eスポーツスタジオのオープン

 崇城大学IOT・AIセンター内にあるeスポーツスタジオに足を踏みいれた瞬間、未来空間にいるような感覚に包まれました。縦6m、横11m、高さ7mの部屋には放送・音響の最新鋭機材と共に、高性能のコンピュータが並び、壁面はスクリーンで、メタバース(仮想空間)と連動したスタジオが創り出されていました。現実空間の壁を超えるような、不思議な揺らぎを感じる空間です。

 2月10日(金)午後、崇城大学IOT・AIセンターに新しくeスポーツスタジオがオープン。「eスポーツで壁を超える」と銘打たれた、そのオープニングイベントに熊本西高eスポーツ部が招待され、6人の代表生徒と顧問の有馬教諭、そして校長の私が参加しました。本校eスポーツ部は県立学校として先駆けて令和元年度に発足。eスポーツのeとはelectronic(電子)の略であり、対戦型コンピュータゲームです。誕生して4年目となりますが、現在、約50人の部員が活動を展開しています。サイエンス情報科の生徒が多いのですが、普通科からも入部が増えており、「eスポーツ部があることが、西高を選んだ理由の一つです」と多くの部員が答えてくれます。

 今回のオープニングイベントには、eスポーツのまちづくりへの影響に関心を持ち、崇城大学情報学部と連携を深めておられる山鹿市議会から議員の皆さんが参加されました。そして、議員の皆さんと、崇城大学eスポーツサークルの学生、そして西高eスポーツ部の生徒の対戦から始まりました。今回は議員さんと大学生、あるいは高校生が2人組をつくり、2人対2人の対戦形式でした。少し練習されてきたとはいえ、中高年層の議員さんには、大学生及び高校生の迅速なコンピュータ操作にはお手上げの状況でした。しかし、世代の差を超えて協力し、共に戦うというゲームの楽しさに会場は包まれました。

 対戦ゲームで懇親を深めた後は、議員さんたちと大学生、高校生とのトークセッションです。eスポーツのこれからの可能性をはじめ、SNSを活用しての議員活動の発信のありかた、若い世代から見ての議員のイメージ、政治への興味・関心など話題は多岐にわたりました。

 eスポーツは新しい分野です。いま、競技としてスポンサーが付いた大会が増える一方、高齢者の認知症予防のためのゲームでのボランティア活動も広がっています。社会の急速なICT(情報通信技術)化に伴い、コンピュータリテラシー(活用能力)が重要になってきています。eスポーツを楽しむことは、このリテラシーの向上にもつながると私は考えています。令和の学校部活動でもあるeスポーツがこれからどんな発展をしていくのか楽しみです。

 「校長室からの風」

        崇城大学eスポーツスタジオオープニンイベントの様子

創立50周年に向かって ~ 実行委員会の始動

 「この城山(じょうざん)地区に県立高校ができると聞いた時は、みんなで大喜びしました。うれしかったですね。あれから50年近くなりますねえ。」

 昨年、西高に赴任し、城山地区の区長さんや自治会のお世話をされている人々に挨拶して回った時、ある高齢者の方が西高創立の際の地域の歓迎ぶりを語られました。JR熊本駅(当時は国鉄)より西方に県立高校はありませんでした。熊本市西部地区の皆さんの待望の県立高校誕生だったのです。

 私たちの学校、熊本西高校は昭和49年10月に創立されました。最初は職員4人だけで、生徒はまだいません。「清 明 和」の校訓をはじめ校旗、校章、教育課程などを定め、募集定員は普通科4学級で発足することが決まり、翌年の昭和50年4月に第一期生の入学を迎えたのです。今年で創立48年となり、令和6年度に創立50周年を迎えるのです。

 2月6日(月)午後、西高の会議室にて、同窓会(「西峰会」)から藤井会長はじめ役員7人、保護者会(「育西会」)から田畑会長はじめ役員9人、そして同窓職員5人を含めて教職員12人が集い、第1回の「熊本西高等学校創立50周年記念事業実行委員会」を開きました。関係者が一堂に会し、意見を出し合う場はやはり必要です。「50周年に向けての大テーマのようなものが必要ではないか」、「記念式典と創立記念祭を合わせて実施するスケジュールを検討すべき」、「企画段階から、生徒会など生徒を積極的に参加させた方が良い」等の貴重な意見が出されました。

 西峰会の藤井俊博会長に実行委員会委員長を引き受けていただき、育西会の田畑会長と校長の私が副委員長となり、企画委員会はじめ総務、財務、記念式典、記念祝賀、記念行事、記念誌、広報の部会を設けた組織が立ち上がりました。しかし、中身はこれからであり、この組織を動かしていく力、熱意の醸成が重要となってきます。私はその点は心配していません。同窓会の皆さんには、強い母校愛があります。また、保護者、旧職員の方たちからは、「西高がんばれ」という応援をいつも受けています。

 また、心強い動きが見られます。1年生の探究学習において、創立50周年に向けて生徒たちで何ができるかをテーマに取り組んでいる班があり、地域社会とのコラボレーション行事や記念植樹など具体的プランの検討を始めているのです。現在の1年生が3年生に進級した時、熊本西高は創立50周年を迎えます。私たちの学校をどんな学校に変化させていきたいのか、生徒たち自身に主役意識を持ってもらい、実行委員会をリードしてほしいと期待します。

                                     「校長室からの風」

          第1回熊本西高創立50周年記念事業実行委員会