進路部からのお知らせ

進路部からのお知らせ

高等部普通科進路学習会「先輩を囲む会」

 7月1日に行われた高等部普通科進路学習会「先輩を囲む会」について報告したいと思います。

写真説明:藤岡さんを囲んで話を聞く様子。

写真説明:藤岡さんに生徒が質問をする様子。

 今年は、講師として令和元年度本校卒業の藤岡まいさんをお迎えし、高等部普通科8人、中学部2人、保護者3人、関係教員が参加しました。

 前半は、藤岡さんの盲学校での生活の様子や、進路決定までの経緯等をお話いただき、後半は、質問にお答えいただく対話形式で進行しました。生徒からも積極的な質問があり、あっという間に50分間が過ぎました。終始笑い声の絶えない和やかな雰囲気の中、学校生活や進路選択・進路決定、障害理解、働くということに関する貴重なお話を伺うことができ、生徒たちにとって今後の道しるべになったことと思います。会終了後も、藤岡さんを囲んで、質問や思い出話、近況報告が絶えませんでした。

 藤岡さん、お忙しい中、長い時間にわたり本当にありがとうございました。

※生徒が書いた感想の一部を紹介します

●私は話を聞くまでは、「今は受験生じゃないから、今はそんなに勉強しなくても大丈夫だろう」と思っていたが、藤岡さんは2年生の後半から必死で勉強していたと聞き、自分もこのままではいけないという危機感を持つことができた。

●「高校生は楽しい時期」と話があったので、学校生活を楽しめるよう、勉強や部活動などしっかり取り組み、充実した学校生活が送れるようにしていきたい。

●コミュニケーションについては、まずは周りの人の様子を見ながら、難しいことを話そうとせずに、まずは簡単なことから話してみて、徐々に中身を深めていければいいということも学んだ。進路は変わることもあるが、「自分がやりたくないなと思うことがあっても、最後にはやって良かったと思えるようになるといい」ということを聞いた時、私は嫌なことがあると、「嫌」で全てを片付けてしまうので、少しやってみて、まずは続けられそうなところから少しずつ挑戦してみたいと思った。

●自分の障害について、もっと学生時代にかみ砕いて理解しておけばよかったという話があった。私は、今、自分の障害についてある程度理解できていると思っている。自分の障害について自分では分かっているつもりだけど、藤岡さんの話を聞いて、もっと自分の障害のことについて理解しておかなければいけないなと思った。

●講話の最後に自分の目の見え方について説明してくださり、非常にわかりやすかったので、私も自分の障害についてわかりやすく説明できるように、これから自分について理解し、練習していきたいと思う。

●自分の目や自分のことについて理解していると思っていても、それを相手にわかりやすく言葉で伝えることの難しさを感じています。また、自分が伝えることに躊躇することもあります。これから、少しずつ自分のこと、自分の目のことと向き合っていけたらと思いました。

●印象に残ったことは、「社会に出て自分から周りの人に支援をお願いするときに言い出しにくいとは思うが見えないことは見えない、分からないことはわからないと伝えられるようになることが大事」という話です。また、自分から支援のお願いをするのがあまりできていないので、しっかりお願いができるようにコミュニケーション能力などを身につけていきたいです。

●自分のできないこと、もっとしてほしいことは、遠慮せずに伝えた方がいいということも学んだ。私は、分からないことがあっても、そのままやり過ごしてしまったり、言おうと思っているのになかなか前に踏み出せなかったりするので、自分ができないことは先に言っておくということを心がけたいと思った。先に自分ができないことを伝えておくと、相手側からしてもらえることがあるということも学んだ。

保護者施設見学会 その2

 進路指導部で毎年夏休みに計画している保護者対象の施設見学会、今回は「社会就労センター ライン工房」の報告です。

 「ライン工房」は、熊本市東区戸島にあります。本校から車で約20分ほどです。第一空港線沿いの「らくのうマザーズ」工場の近くになります。

写真説明: ライン工房の外観

 

 障がいの重さに関係なく、地域の中に通う場所があり、そこに協力し合える仲間がいて、自分自身の役割がある、そんな空間を利用者に提供したいとの思いでスタートされた事業所です。就労継続支援B型事業・生活介護事業、就労移行支援事業、就労定着支援事業が展開されています。また、社会福祉法人ライン工房として、障がい者相談支援センター青空(委託相談支援事業所)、しょうがい者生活支援センター青空、グループホームゆうゆう館も展開されています。

  就労継続支援B型事業・生活介護事業では、利用される方それぞれのしょうがいに応じて、クッキーやパン、焼き菓子、自家焙煎コーヒーの製造、販売を中心に、注文を受けて行う軽作業の仕事が行われています。

 当日は、クッキーの製造・梱包、シール貼り、フルーツキャップの箱詰め、洋服につけるタグへの糸通し、珈琲の梱包作業を見学させていただきました。皆さんそれぞれのペースで、和やかに仕事をされていました。

 また、本校卒業生がお菓子の袋にシールを貼る仕事を間近で見学させていただきました。取り組みやすいように工夫した道具を用いて、生き生きと笑顔で仕事をされていらっしゃいました。この姿を、本校生徒たちにもぜひ伝えたいと感じました。

 2枚の写真説明:上から、 補助具を使ってクッキーのラベル貼りをしている写真、使用している補助具の写真

 就労移行支援事業では、仕事のマナーや心構えを学習されていました。就職に向けて学ぶ積極的な雰囲気を感じました。帰り際に、クッキーや焼き菓子を購入させていただきました。たくさん種類があり、どれもおいしくいただきました。

 利用者の皆様の一生懸命な姿に、心を打たれた見学会でした。ひとつひとつ丁寧に説明してくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

 

※「ライン工房」の詳しい事業内容やパンフレット等は、進路指導部がまとめて保管しております。保護者の皆様は各学部の進路指導部までお尋ねください。

保護者施設見学会 その1

 本校では、夏季休業中を利用し、保護者と職員が近隣の福祉施設を訪問し見学させていただく「保護者施設見学会」を実施しています。

 これは、進路選択の機会を広げるとともに、幼児児童生徒の進路について、早い時期から家庭でも考える機会にしていただきたいという思いのもと、進路指導部で計画しているものです。

 昨年度はコロナウイルス感染症感染拡大防止のため残念ながら中止となっていました。そのため、今年度は一年越しの実施となりました。

 いくつかの施設を訪問させていただいていますが、今回は、「くまもと障がい者労働センター おれんじ村」をレポートします。

 

 

 

 

 

 

3枚の写真説明:すべておれんじ村の外観。

 「おれんじ村」は、本校から車で15分ほどの東区長嶺南にあります。

 1985年に養護学校を卒業した3人の障がい当事者が「誰もが地域で働き、地域で生きる場所をつくりたい」との思いでスタートしました。その3人のメンバーのうちの1人である倉田哲也施設長を中心に現在も理念を受け継いでおられます。「障がいがあっても、なくても、支え合える関係性」を大事に、ここでは、利用者を「メンバー」、支援者を「スタッフ」と呼んでおり、利用者と支援者の垣根を越えて、みんな平等な仲間として一緒に働かれているという印象を受けました。

 

 

 

 

 

3枚の写真説明:左から窓に描かれた「おれんじ村」のロゴ。「事務部・IT部」で働く方々(※掲載の承諾を得ています)。IT部が作成した名刺。(点字名刺も作成可能)

  事業部署は5つ。「訪問・イベント販売」「食品製造 油菓子・焼き菓子」「ORANGE CAFE運営」「交流・啓発」「事務部・IT部」です。それぞれ自分のやりたいことと障がいの特性に応じて、様々な活動がなされていました。

 本校と「おれんじ村」との関わりは、本校で使用する再生紙トイレットペーパー、ギフト製品の購入、長期休業中の弁当注文、機関誌「WITH」の回覧などがありましたが、これまであまりイメージできていなかった「おれんじ村」で働く方々の姿を見学により知ることができ、「工夫、協力、真心」を感じた一日でした。

 帰り際、購入させていただいたお弁当とクッキーもおいしかったです。

 

 

 

 

 

2枚の写真説明:左から、手書きメッセージ入りのお弁当。ラッピングされたクッキー&コーヒー。

 お忙しい中、長時間にわたり施設説明や施設案内を親切丁寧に行って下さったスタッフの武富様と仕事中も笑顔で迎え入れてくださったメンバー及びスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

※なお、「おれんじ村」の詳しい事業内容やパンフレット等は進路指導部がまとめて保管しておりますので、保護者の皆様は各学部の進路指導部までお尋ねください。

※今後、本校ホームページや進路便りでも情報提供をしていきたいと思います。

高等部普通科重複障がい学級3年生のインターンシップ

 高等部普通科重複障がい学級の3年生は、5月中旬から7月上旬にかけて、実習を通して、福祉施設の日中活動を体験するため、インターンシップ(現場実習)を体験しました。

 一人一人が卒業後の進路に向けて、期待感と緊張感を持って、真剣に臨んだ実習でした。インターンシップ最終日の評価会では、実習の様子を丁寧に評価していただいたり、卒業後に利用する際の情報をいただいたりすることができました。コロナ禍ではありますが、学校では体験できない貴重な体験をさせていただくことができました。

 

 実習場所は、白鳩園地域生活支援センターさくら、社会福祉法人恩賜財団済生会熊本福祉センター済生会ほほえみ、社会福祉法人熊本市社会福祉事業団はなぞの学苑、社会福祉協議会障がい者支援センターれんがの家(スペーシアれんが生活介護)、一般社団法人あゆみあゆみアクア、社会福祉法人志友会くまもと江津湖通園センターです。ご協力いただいた事業所の皆様大変ありがとうございました。

(事業所名掲載は、実習期日順です。)

   あじさいの装飾作り     ペットボトルキャップの仕分け作業

 

             

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 マスコットの綿入れ作業

専攻科理療科3年 治療院実習

9月12日(木)専攻科理療科3年4名が「よろず治療院」へ実習に行ってきました。「よろず治療院」の細田院長は、本校の卒業生で高齢者施設やヘルスキーパーの経験を積み、5年前に国府電停の近くに開業されました。

実習では、開業に至るまでの経緯や開業に必要な資金、臨床現場でよく遭遇する肩こり、腰痛、膝痛に対する治療法等、丁寧に詳しく教えて頂きました。

 よろず治療院では、治療院に来られる患者さんだけでなく、近隣の高校のスポーツ選手のケアや高齢者宅への訪問マッサージ、そして、自己研鑽のため定期的に研修会への参加等、視覚障がいがあっても積極的に外に足を運ばれているとのことでした。

 外との関わりの中で成長できるため、卒業後は自分の成長のためにも、積極的に研修会等に参加することがいいとアドバイスを頂きました。                   

                                      文責 高等部理療科 山岡正人                                                                              

                                                

専攻科理療科3年 青磁野リハビリテーション病院見学実習

9月10日(火)に青磁野リハビリテーション病院へ見学実習に行きました。専攻科理療科3年生5名が参加しました。

 マッサージ師・鍼灸師が病院でどのように働いているかを知り、将来の進路選択に役立てるため毎年実施しています。

 当日は、本校卒業生の松村さんが案内してくれました。マッサージ師・鍼灸師の病院内での役割や仕事内容の説明をして頂き、病院内(リハビリ室)の見学や物理療法機器の体験をさせて頂きました。物理療法機器の体験では、温熱機器、牽引、電気治療等を実際に体験し、その効果も説明して頂きました。

                                      

                                      文責 高等部理療科 山岡正人 

令和元年度(2019年度)進路指導職員研修

進路職員研修

 

令和元年度(2019年度)進路指導職員研修

 

全職員が視覚障がい者の進路について考え今後の進路指導・キャリア教育の参考とすることを目的に進路指導職員研修を6月6日(木)に実施しました。

 

内容

①平成30年度卒業生の進路状況

②キャリア教育について

③盲学校からの大学進学について

 

①平成30年度卒業生の進路状況

各学部の卒業後の進路状況について報告を行いました。

 

 ②キャリア教育について

キャリア教育の概要、キャリア発達、新学習指導要領のキャリア教育のねらい等、講話を行いました。

 また、北海道立特別支援教育センターの研究紀要から「視覚障がい教育におけるキャリア発達を促す能力や態度の段階表」を紹介し、盲学校で育てたい力について話しをしました。

 最後に、キャリア教育の実践事例を紹介し、特別活動や各教科でのキャリア教育の考え方について全職員で共通理解を図りました。

 

 

 
 
 
 
 ③盲学校からの大学進学について

 本校普通科卒業生の大学進学状況、全国盲学校卒業生の大学合格状況、受検前相談から入学までの流れ、受験上の配慮、受験対策、2021年度以降の入試情報について講話を行いました。

 盲学校からの大学進学者は、推薦やAOでの進学が7割以上占めており一般入試での進学は少ない状況であることや、視覚障がい者の受験上について時間の延長や文字の拡大・点訳等について話しをしました。

本校でも大学進学希望者が増加傾向にあり、全職員に盲学校からの大学進学の状況や大学進学までの流れを知ってもらう機会となりました。

 

熊本県高等学校総合体育大会スポーツケア校外学習

熊本県高校総合体育大会スポーツケア校外実習

  6月1日(土)、2日(日)専攻科の2・3年生が、熊本県民総合運動公園陸上競技場で陸上競技選手に対するスポーツマッサージを行いました。

 盲学校では毎年、施術者としての技能・知識向上のためスポーツマッサージ実習を行っています。この日のために放課後等の時間を使い、練習を行ってきました。

2日間で82名の選手がスポーツマッサージを受けに来てくれました。

マッサージを受けに来た選手の中には、シンスプリントや肉離れ等のケガをしている選手もいて、普段、校内臨床では見ることのできない症状の選手に対しマッサージすることができました。

また、競技前後のコンディショニングのために来た選手に対して、マッサージをすることができ、競技の前と後でのマッサージの力の入れ具合の違いなどを勉強することができました。

 参加した生徒からは、「筋肉の知識を身につける必要がある」、「高校生とのコミュニケーションの取り方が勉強になった」、「筋肉の柔らかさに驚いた」等の感想が聞かれました。

 

平成30年度高等部専攻科第2回校外実習

   6月19日(月)卒業生が開業している、「もみりこ」(西村理子院長)という治療院へ実習に行ってきました。

 開業して4年目の治療院で、本校から歩いて10分のところにあります。当日は専攻科3年の4名が参加して実習を行いました。

 はじめに、西村院長のこれまでの経歴をお話ししていただきました。本校を卒業後、病院で勤務され、病院では普段治療院に来られる患者さんと違い、色々な症例に出会って経験できたことがとても勉強になったということでした。その後、開業したいという思いが強くなられ、4年前に開業されたそうです。

 生徒の中には、将来開業を目指している生徒もおり、西村院長から開業するための資金・物件探し等、アドバイスをいただき将来に向けてとても参考になりました。

 鍼灸やあん摩以外に、小児鍼やアロママッサージをされており、最後には、小児鍼の方法や腰痛に対する手技等を教えていただきました

手技を教えて頂いている様子1 手技を教えて頂いている様子2

高等部普通科ライフプランニング授業について

 6月15日()5・6限目に、高等部普通科6名を対象として、ライフプランニング授業が行われました。これは、熊本県雇用環境整備協会主催「高校生向け支援事業」の一つで、ソニー生命保険(株)熊本支店のライフプランナー3名によって授業が展開されました。最初は少し緊張した面持ちの生徒たちでしたが、ライフプランナーの方々の語りに吸い込まれるようにうちとけて、自分の考えを素直に話すことができました。班ごとにくじ引きで仮想のカップル(夫婦)を作り、子どもの人数を決め、どんな学校に通わせるか意見を出し合いました。さらに、カタログの中から住む家や車を選び、旅行やレジャーも楽しむという計画を立てました。皆、生き生きとした表情で夢を描いていました。ところが、収入とのバランスを検証してみると、23億円の赤字という厳しい結果になった班もありました。しかし、ローン返済の金利の選び方によって、18億円の赤字、つまり5億円も借金を減らせることを知り、生徒たちはとても驚いていました。この授業を通して、生徒たちは「選択」と「計画」の大切さを実感し、きっとこれからの人生に生かしてくれるものと思います。
ライフプランナー ライフプランナーの説明を聞く生徒たち2