進路部からのお知らせ

2022年8月の記事一覧

保護者施設見学会その3

 進路指導部で毎年夏休みに計画している保護者対象の施設見学会、今回は「障がい福祉サービス事業所ケア・ハピネスCARE HAPINESS」の報告です。
 「ケア・ハピネス」は、熊本市北区梶尾町にあり本校から車で約30分ほどです。障がい者支援施設「チャレンジめいとくの里」系列の事業所で、近辺には「めいとくの里」関係の施設もいくつかあります。定員40名のうち、現在37名の利用者さんが当施設で活動されています。ケア・ハピネスは生活介護事業所ですが、大きく3つの活動に分かれており、それぞれの名称を「らふ」、「そよかぜ」、「ログカフェ」といいます。
 「らふ」は、英語のlaugh(ラフ、笑うという意味)からつけた名称で、名前の通りみんなが生き生きと楽しく笑って活動しているグループで、「五感」で感じる活動を提供され、創作活動、外出等に取り組まれていました。
 「そよかぜ」では、利用者さんがそよかぜにあたるような心地よさを感じながら個別に活動に取り組む所です。ウオーキング、個別の身体活動を行い体力を維持し、また各利用者様の得意な動きを活かして香り玉を制作したりしているとのことでした。
 「ログカフェ」で働く利用者さんは、利用者さんのおやつ、カフェに来られるお客様へのお菓子を作ったり、カフェ接客業務を行っているそうです。外観のみの見学でしたが、とても居心地の良さそうなカフェでした。
 「ケア・ハピネス」では、希望者の方は入浴もでき、実際に見学させていただいた入浴の場所はとても清潔で広く、利用者さんが使用しやすいように工夫されていました。

 また、地域の人達とより積極的に交流を行うことを目的に、近年、ケア・ハピネスのすぐ隣に『かじおハピロバ』という広場ができ、クリスマス、成人、還暦のお祝い等、様々なイベントを催しておられるとのことでした。施設の利用者さんと地域の人達が楽しく交流されておられる写真を見せていただきました。
 ケア・ハピネスは通所の生活介護の福祉施設ですが、グループホームもあり、グループホームを利用される方への食事も出しておられます。
 各利用者さんたちに対しても、医療的ケアが必要な人のため、医師が常駐しておられ、施設で出す食事もそれぞれの利用者さんに対応した食事を作っておられます。
 ケア・ハピネスを見学させていただき、施設の支援員さんからお話を伺って感じたことは、「1人1人の利用者さんを大切に対応されておられる。」、「利用者さんが楽しく交流できるように配慮しておられる。」、そして積極的に地域の人達と交流を行う「開かれた障がい者の施設」を目指して取り組んでおられるということでした。

 


 

 

 

 

 

3枚の写真説明:左からケア・ハピネス外観の写真、らふの活動場所の写真、そよかぜの入り口の写真。


 

 

 

 

 

2枚の写真説明:左からログカフェの写真、広々としたトイレの写真。

*なお、「ケア・ハピネス」の詳しい事業内容やパンフレット等は進路指導部がまとめて保管しておりますので、保護者の皆様は各学部の進路指導部までお尋ねください。 

 

 

高等部普通科進路学習会「先輩を囲む会」

 7月1日に行われた高等部普通科進路学習会「先輩を囲む会」について報告したいと思います。

写真説明:藤岡さんを囲んで話を聞く様子。

写真説明:藤岡さんに生徒が質問をする様子。

 今年は、講師として令和元年度本校卒業の藤岡まいさんをお迎えし、高等部普通科8人、中学部2人、保護者3人、関係教員が参加しました。

 前半は、藤岡さんの盲学校での生活の様子や、進路決定までの経緯等をお話いただき、後半は、質問にお答えいただく対話形式で進行しました。生徒からも積極的な質問があり、あっという間に50分間が過ぎました。終始笑い声の絶えない和やかな雰囲気の中、学校生活や進路選択・進路決定、障害理解、働くということに関する貴重なお話を伺うことができ、生徒たちにとって今後の道しるべになったことと思います。会終了後も、藤岡さんを囲んで、質問や思い出話、近況報告が絶えませんでした。

 藤岡さん、お忙しい中、長い時間にわたり本当にありがとうございました。

※生徒が書いた感想の一部を紹介します

●私は話を聞くまでは、「今は受験生じゃないから、今はそんなに勉強しなくても大丈夫だろう」と思っていたが、藤岡さんは2年生の後半から必死で勉強していたと聞き、自分もこのままではいけないという危機感を持つことができた。

●「高校生は楽しい時期」と話があったので、学校生活を楽しめるよう、勉強や部活動などしっかり取り組み、充実した学校生活が送れるようにしていきたい。

●コミュニケーションについては、まずは周りの人の様子を見ながら、難しいことを話そうとせずに、まずは簡単なことから話してみて、徐々に中身を深めていければいいということも学んだ。進路は変わることもあるが、「自分がやりたくないなと思うことがあっても、最後にはやって良かったと思えるようになるといい」ということを聞いた時、私は嫌なことがあると、「嫌」で全てを片付けてしまうので、少しやってみて、まずは続けられそうなところから少しずつ挑戦してみたいと思った。

●自分の障害について、もっと学生時代にかみ砕いて理解しておけばよかったという話があった。私は、今、自分の障害についてある程度理解できていると思っている。自分の障害について自分では分かっているつもりだけど、藤岡さんの話を聞いて、もっと自分の障害のことについて理解しておかなければいけないなと思った。

●講話の最後に自分の目の見え方について説明してくださり、非常にわかりやすかったので、私も自分の障害についてわかりやすく説明できるように、これから自分について理解し、練習していきたいと思う。

●自分の目や自分のことについて理解していると思っていても、それを相手にわかりやすく言葉で伝えることの難しさを感じています。また、自分が伝えることに躊躇することもあります。これから、少しずつ自分のこと、自分の目のことと向き合っていけたらと思いました。

●印象に残ったことは、「社会に出て自分から周りの人に支援をお願いするときに言い出しにくいとは思うが見えないことは見えない、分からないことはわからないと伝えられるようになることが大事」という話です。また、自分から支援のお願いをするのがあまりできていないので、しっかりお願いができるようにコミュニケーション能力などを身につけていきたいです。

●自分のできないこと、もっとしてほしいことは、遠慮せずに伝えた方がいいということも学んだ。私は、分からないことがあっても、そのままやり過ごしてしまったり、言おうと思っているのになかなか前に踏み出せなかったりするので、自分ができないことは先に言っておくということを心がけたいと思った。先に自分ができないことを伝えておくと、相手側からしてもらえることがあるということも学んだ。

保護者施設見学会 その2

 進路指導部で毎年夏休みに計画している保護者対象の施設見学会、今回は「社会就労センター ライン工房」の報告です。

 「ライン工房」は、熊本市東区戸島にあります。本校から車で約20分ほどです。第一空港線沿いの「らくのうマザーズ」工場の近くになります。

写真説明: ライン工房の外観

 

 障がいの重さに関係なく、地域の中に通う場所があり、そこに協力し合える仲間がいて、自分自身の役割がある、そんな空間を利用者に提供したいとの思いでスタートされた事業所です。就労継続支援B型事業・生活介護事業、就労移行支援事業、就労定着支援事業が展開されています。また、社会福祉法人ライン工房として、障がい者相談支援センター青空(委託相談支援事業所)、しょうがい者生活支援センター青空、グループホームゆうゆう館も展開されています。

  就労継続支援B型事業・生活介護事業では、利用される方それぞれのしょうがいに応じて、クッキーやパン、焼き菓子、自家焙煎コーヒーの製造、販売を中心に、注文を受けて行う軽作業の仕事が行われています。

 当日は、クッキーの製造・梱包、シール貼り、フルーツキャップの箱詰め、洋服につけるタグへの糸通し、珈琲の梱包作業を見学させていただきました。皆さんそれぞれのペースで、和やかに仕事をされていました。

 また、本校卒業生がお菓子の袋にシールを貼る仕事を間近で見学させていただきました。取り組みやすいように工夫した道具を用いて、生き生きと笑顔で仕事をされていらっしゃいました。この姿を、本校生徒たちにもぜひ伝えたいと感じました。

 2枚の写真説明:上から、 補助具を使ってクッキーのラベル貼りをしている写真、使用している補助具の写真

 就労移行支援事業では、仕事のマナーや心構えを学習されていました。就職に向けて学ぶ積極的な雰囲気を感じました。帰り際に、クッキーや焼き菓子を購入させていただきました。たくさん種類があり、どれもおいしくいただきました。

 利用者の皆様の一生懸命な姿に、心を打たれた見学会でした。ひとつひとつ丁寧に説明してくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

 

※「ライン工房」の詳しい事業内容やパンフレット等は、進路指導部がまとめて保管しております。保護者の皆様は各学部の進路指導部までお尋ねください。

保護者施設見学会 その1

 本校では、夏季休業中を利用し、保護者と職員が近隣の福祉施設を訪問し見学させていただく「保護者施設見学会」を実施しています。

 これは、進路選択の機会を広げるとともに、幼児児童生徒の進路について、早い時期から家庭でも考える機会にしていただきたいという思いのもと、進路指導部で計画しているものです。

 昨年度はコロナウイルス感染症感染拡大防止のため残念ながら中止となっていました。そのため、今年度は一年越しの実施となりました。

 いくつかの施設を訪問させていただいていますが、今回は、「くまもと障がい者労働センター おれんじ村」をレポートします。

 

 

 

 

 

 

3枚の写真説明:すべておれんじ村の外観。

 「おれんじ村」は、本校から車で15分ほどの東区長嶺南にあります。

 1985年に養護学校を卒業した3人の障がい当事者が「誰もが地域で働き、地域で生きる場所をつくりたい」との思いでスタートしました。その3人のメンバーのうちの1人である倉田哲也施設長を中心に現在も理念を受け継いでおられます。「障がいがあっても、なくても、支え合える関係性」を大事に、ここでは、利用者を「メンバー」、支援者を「スタッフ」と呼んでおり、利用者と支援者の垣根を越えて、みんな平等な仲間として一緒に働かれているという印象を受けました。

 

 

 

 

 

3枚の写真説明:左から窓に描かれた「おれんじ村」のロゴ。「事務部・IT部」で働く方々(※掲載の承諾を得ています)。IT部が作成した名刺。(点字名刺も作成可能)

  事業部署は5つ。「訪問・イベント販売」「食品製造 油菓子・焼き菓子」「ORANGE CAFE運営」「交流・啓発」「事務部・IT部」です。それぞれ自分のやりたいことと障がいの特性に応じて、様々な活動がなされていました。

 本校と「おれんじ村」との関わりは、本校で使用する再生紙トイレットペーパー、ギフト製品の購入、長期休業中の弁当注文、機関誌「WITH」の回覧などがありましたが、これまであまりイメージできていなかった「おれんじ村」で働く方々の姿を見学により知ることができ、「工夫、協力、真心」を感じた一日でした。

 帰り際、購入させていただいたお弁当とクッキーもおいしかったです。

 

 

 

 

 

2枚の写真説明:左から、手書きメッセージ入りのお弁当。ラッピングされたクッキー&コーヒー。

 お忙しい中、長時間にわたり施設説明や施設案内を親切丁寧に行って下さったスタッフの武富様と仕事中も笑顔で迎え入れてくださったメンバー及びスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

※なお、「おれんじ村」の詳しい事業内容やパンフレット等は進路指導部がまとめて保管しておりますので、保護者の皆様は各学部の進路指導部までお尋ねください。

※今後、本校ホームページや進路便りでも情報提供をしていきたいと思います。