本校校長より

 この4月に本校に着任した校長の村山です。どうぞよろしくお願いします。

 4月8日(水)入学式を行い、小学部3人、中学部3人、高等部本科5人、高等部専攻科5人 計16人の新入生を迎えました。

 新入生にとっては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本年3月2日以降、自宅での学習や生活が中心となり、不安な日々を過ごされていたかと思いますが、新入生が、夢と希望に満ち溢れた表情で、体育館へ入場する姿を見て、本校職員一同心より嬉しく感じたところです。

 その入学式で、私は2つ話をしました。
 まず、一つ目が、ヘレンケラーについてです。ヘレンケラーは昭和12年5月31日に盲学校に来校し、その当時の写真が校長室に掲示してあります。
 視力、聴力、そして言葉さえ失っても、福祉の人として人々の幸せのために尽くしたヘレン・ケラーは、こんな言葉を私たちに残しています。「幸福の一つの扉が閉じられると、別の扉が開く。しかし、私たちは、閉じられた扉をいつまでも見ているために、開いた扉に気付かない。」皆さんが少し前に経験した卒園・卒業という「節目」では、共に過ごした人達との「別れ」を乗り越え、慣れ親しんだ多くの物、習慣、風景など生活の全てを大切な「思い出」として自分の中に刻み込んだことと思います。古い扉を閉め、いくつもある新しい扉のうち盲学校の扉を選んだ皆さんは、今日、新しいその扉を開けました。
 その扉には、本校の校訓である「明るく、強く、精いっぱい」と書かれています。皆さんが、明るく、強く、精いっぱい充実した学校生活を送ることができるよう全職員一丸となり、幼児児童生徒の教育活動の充実に向け取り組んでまいります。

 2つ目が、好奇心や疑問をもつことの大切さについてです。
 「人間は学んで成長する」生き物です。人間のことをラテン語では、「ホモ・サピエンス」と言います。「ホモ」とは「ヒト」、「サピエンス」とは「知恵がある」という意味です。つまり、人間は学ぶことによって成長するのです。 では、知恵はどこから生まれるのかというと、毎日の学びから身に付いていきます。人類はアフリカ大陸の厳しい自然の中で生まれ、世界中に広がっていきました。その過程で、食料を獲得したり、外敵から身を守るために道具や火を使ったりするようになりました。さらに、一人では 生き抜いていくことは困難なため、仲間をつくり、コミュニケーションをとるために言葉を使うようになりました。道具や火、言葉は人類の知恵の象徴です。道具・火・言葉を獲得し、使えることができるようになったのは、「どうしたら○○ができるようになるのだろう」とか「なぜ、○○なのだろうか」など疑問や好奇心があったからなのです。疑問や好奇心もつことが、学びの出発点になります。これから、学習する学部は違いますが、盲学校での学習がはじまります。どんどん 疑問や好奇心をもち、学習に励んでください。

 また、新型コロナウイルス感染拡大がおさまらず、本校は、4月19日まで休校延長を決定いたしました。引き続きの休校となり不安を抱かれる児童生徒並びに保護者の皆様もおられるかと思いますが、各家庭と連携をとり、家庭学習の充実に向け取り組んでまいりますので何卒御理解のほどよろしくお願いいたします。

 最後に、盲学校の学校生活が実り多い充実したものとなり、本校に入学して、本当によかったと心から思えるよう頑張りますので、引き続き、御支援・御協力のほど、よろしくお願いします。

                                     

                                                    令和2年4月10日

熊本県立盲学校 校長 村山 浩之