2016年5月の記事一覧

平成28年6月

 5月10日から学校を再開し、5月26日から全学年一斉に授業をすることができるようになりました。保護者の皆様をはじめ、関係の皆様の御尽力の賜と感謝申し上げます。しかし、授業や部活動における支障が解消されたわけではありません。教室等への移動経路が限られ、迂回して移動しなければならないこともあり、授業の間の移動休憩時間を15分取らざるを得ません。その結果、1コマ45分授業の形態がしばらく続くことになります。また、理科や家庭科の実験・実習室を急きょホームルームとして使用することになり、実習関係の授業も満足にできないような状況です。このように制限された状況での授業になりますので、各教科共に授業内容の濃度を濃くし、時間の有効活用を努めてまいります。
 さらに、体育館の復旧がいまだに予定が立ちません。体育館で活動をしている部活動は練習会場を確保するのに苦労しています。高校総体では総合開会式が中止となり、各競技も震災前の予定とは違った会場で実施されることになりました。練習不足に加え、例年と違う会場で試合に臨むことになりますが、このような時こそ、生徒の皆さんの頑張りに期待したいところです。
 高校総文祭も県立劇場が使用できないこと等の理由により、囲碁、将棋、百人一首かるたを除いて、パレード、ステージ及び展示部門が中止となりました。高文連会長として苦渋の決断をしなければなりませんでした。生徒たちには大変申し訳なく思います。
 放課後になると、運動系、文化系部活動ともに練習に励んでいます。目標に向かい、ひた向きに部活動に取り組む姿は私たちに元気を与えてくれています。
 本校も、熊本地震の前震からグラウンドが避難所となりました。本校のグラウンドにも本校の生徒が避難してきていました。避難所を開設してからすぐに、生徒たちが避難所の本部に来てボランティア活動を申し出てくれました。グラウンドに入った車が最大時は約600台くらいになり、学校への車の出入りを一方通行にせざるを得ませんでしたが、その誘導に進んで協力してくれました。また、学校の近くに集合住宅があります。そちらには、本校のグラウンドまで物資を受け取りに来られるのが困難な方もおられますので、生徒たちがリヤカーを引いて、飲料水などの物資を届けてくれました。もちろん、本校に限らずいろんな避難所で手伝いをしてくれたと聞いています。生徒の皆さんの心配りに感謝します。
 本校の施設などの被災状況は、今後もお知らせしていきたいと考えています。本校の施設のつくりは他の学校の構造とはずいぶん異なっています。まず、教室棟に廊下がありません。廊下の役割をしているものが管理棟、教室棟、特別教室棟を結ぶ渡り廊下となります。地震で8本ある渡り廊下がすべて使用禁止となりました。移動に時間がかかる大きな要因になっています。
 正門の大きな門柱は花崗岩でできています。今回の地震では、前震では倒れませんでしたが、本震で2つとも倒れてしましました。正門の車の出入りの妨げになっていますので、先日同窓会にお願いして門柱を移動していただきました。本校のシンボルの一つでありますが、元に戻るのには少し時間がかかると聞いています。
 管理棟は、職員室、事務室、校長室、会議室などが入っています。管理棟は玄関を含む東側の部分が全て使用禁止となりました。西側の部分も県の審査の結果、生徒を入らせないという条件で使用しています。
 校長室の前震の後の様子です。校訓額の下のあったガラス戸の戸棚が下に落ち、これは使用不能になりました。校訓額は落ちずにかろうじて持ちこたえていましたが、本震ではとうとう落ちてしまいました。戸棚が開いていますが、普段から開けているわけではありません。前震が主に横揺れでしたので、激しい揺れで開いてしまいました。ガラス戸も倒れソファーに倒れ掛かっています。
 反対側を写した写真です。歴代校長の写真は、途中までずり落ちたものがありました。
 前例にないような二度の大きな地震は、想定外の部分がたくさんありました。いまだに避難所で生活されている方々もおられます。今回の地震で被害にあわれた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。
 私たち職員は、第二高校に入学した生徒諸君が安心して学校生活が過ごせるよう最大限努力してまいりますので、今後とも御支援、御協力をよろしくお願いします。

学校 学校再開に向けてのご挨拶

学校再開に向けてのご挨拶

県立第二高等学校長 那須 髙久

 まずは今回の地震により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、保護者の皆様には、休校が長く続いておりますことで、大変御心配をおかけしております。
 先日、県の施設課の調査が行われまして、渡り廊下の使用はできないものの、全ての教室が使用可能という判断が下りました。その結果を受けまして、学校といたしましては、5月10日(火)より登校を再開することといたしました。ただ、渡り廊下が使用できないために教室棟や特別教室棟への出入口の使用に一部制限があり、現時点では全学年分の余裕を持った避難経路を完全には確保できないこと、また余震が今なお続いていること等を鑑み、生徒の安全を最優先に考えまして、少なくとも初めのうちは、登校を午前中に限って学年ごとに実施することにいたしました。具体的には10日(火)は3年生、11日(水)は2年生、12日(木)は1年生という形で、順次登校を実施いたします(詳細は本校のホームページ内にある学年のページに掲載いたしております)。まずは生徒達がホームルームで級友たちと顔を合わせ、短時間ではありますが机に向かって学習をする時間を確保し、担任による面談を実施することで、少しずつ学校としての落ち着きを取り戻したいと考えております。またその間に、県教育委員会の指導を仰ぎながら、校舎の復旧・整備等を進め、全生徒が安心して登校できる環境を構築し、生徒達が通常の学校生活に一日でも早く戻れるよう、職員全体で取り組む所存です。生徒が全員登校できるようになるまで、今しばらくは保護者の皆様には御心配をおかけいたしますが、御理解と御協力をいただければ幸甚に存じます。
 最後になりましたが、温かい励ましのお言葉を戴いた多くの方々、またボランティア活動に日々励んでくれた本校の生徒や卒業生の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。