職員エッセイ
今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(8)~
*天草*
こんにちは。3年2組担任、国語科の池下です。
突然ですが、私は島が好きです。
それも小型のプロペラ機や船を乗り継いでようやく辿り着く絶海の孤島が大好きで、これまでに約30の離島を巡りました。断崖絶壁から紺碧の海を覗き込んだり、その島特有の自然や文化を堪能したりして癒されます。
さて、天草は絶海の孤島ではありませんが、四方を海に囲まれ、景色や食、観光など様々な面でその恩恵に預かっています。生活圏からわずかに車を走らせるだけでこれほど鮮やかな青い海を望むことのできる地域は、日本中探してもそう多くはありません。
その物質面(生活のしやすさ)と精神面(癒し)のバランスの良さは全国トップレベルだと、47都道府県全てを旅した私の中で誠に勝手ながら認定されています!
天草高校の生徒は、多くが卒業後すぐに天草を離れます。今は自分の出身地を田舎でつまらない所だと思っている人もいるかもしれません。私もそうでした。大きな塾や書店も少なく、勉強に不利だと感じることもあるでしょう。
でも、潮風香る綺麗な空気に包まれ、“誘惑”の少ない静かな空間で暮らせることは、勉学に励む上でも決してマイナスなばかりではないはずです。
離れてみてわかる良さが天草にはあります。故郷に誇りを持つと同時に、今置かれた環境の良さに目を向け、せっかくならばその良さを十分に生かしながら生活したいですね。
次は英語科の中村先生にバトンをお渡しします。
今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(7)~
*少し前に見たネットニュース*
暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?田上先生よりバトンを授かりました理科の上中です。僕からは少し前に見たネットニュースの話をしたいと思います。見たことのある人もいるんじゃないでしょうか?
最近は、スーパーやコンビニでコロナウイルス感染症の対策でレジ前に店員と客の間に透明なシートが張られているのを目にしますよね。とあるコンビニでは、こんなお願いの紙が貼ってあったそうです。
いかがでしょうか?
真面目に物理的な話をすると、音波(波)は空気などの媒質の振動を伝達していくことによって、音として聞き取ることができます。口元にマスク、間に透明なシートがある状態では振動がうまく伝わらないため、声が聞き取りにくくなるのはご理解いただけるかと思います。
マスクをつけると暑苦しいですし、声も聞き取りづらくなりますが、しかしそれは相手も条件は同じです。これからはさらに暑さも手伝ってイライラしてしまうこともあるかもしれません。そんな時にこそ相手に少しの気遣いができるようになってほしいと思います。
自分がキツイのに無理!!という気持ちもあると思いますが、そんなときにこそ、周りのために気遣いができる、周囲を見渡すことができるそんな器の大きな人になってほしいと思います。ちょっとの気持ちでお互いに助け合える関係を作ってほしいと思います。
どこか説教臭くなってしまいましたが、これから2学期に向けて様々な取り組みが進んでいく中で、自分のことももちろんですが周りと協力していくうえで、少し大人になってほしいなと思う上中でした。
次は、進路室のつながりで池下先生にバトンをお渡ししたいと思います!
今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(6)~
*卒業生との会話*
物理の田上です。みなさんよろしくお願いします。教科の都合上、一人で作業することが多い私ですので、リレーメッセージを書くにあたって、誰かと誰かの間をつなぐ意味を持つこの言葉に憧れと心地よさを感じています。うれし楽しいというパスには答えられていませんが、『休校からの生活リズムの回復が課題!!』という新聞記事を見て、物理選択だった一昨年度の卒業生との会話を思い出しましたので、ご紹介します。
みなさんも中学校でならったであろう慣性の法則ですが、どのようなものか説明できますでしょうか?物体は運動の状態を保存する性質があり、それを「慣性」とよびます。力がはたらかいない状況下では、静止しているものは静止し続け、動いているものは同じ向きに同じ速さで運動(等速直線運動)し続けるというものです。その生徒が言うには、「私たちの行動にも『慣性』がはたらいている。勉強し始めれば止まらずにできるのですが、休憩しているときはいつまでもだらだらとしてしまう。これは『慣性』そのものだし、今とは違う状態へと動き始めるのに力が必要なのもまた物理の法則どおりですね(精神的にも体力的にも)!!!」と。
私も休み明けの月曜日や長期休暇明けは確かに体は重いと感じますし、皆に共通することでしょう。卒業生との会話に、物理的な考え方を付け加えるとすれば、体を動かし新しいことへ挑戦するとき、私たちは「力」(1年生6月履修済み)を加え、自分自身に対して「仕事」(1年生7月履修予定)をすることになるでしょう。その結果社会的な「位置のエネルギー」(1年生8月履修予定)をため込むことになります。この「位置エネルギー」は保存力に逆らってした「仕事」の分だけ蓄えられるのですが、この「力」は常にはたらいているので、気を抜いて支えを取ってしまうと、元の高さ(またはそれ以下)に落下してしまいます。天草高校の皆さんは、自分を高めるための、進路目標を設定していることと思います…がそれだけでは、エネルギーは蓄えられません。今の自分をしっかり支えて、目標に向かって高く高く持ち上げてください。
次は理科つながりで上中先生にバトンをお渡ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(5)~
*ある新聞記事より*
宮部(日本史)です。学校が再開されて1カ月がたちました。学校中が、授業が受けられる「喜びに満ちた」生徒の顔であふれている・・・ような気がします。さて、5月初旬の話になりますが、ある新聞記事(投稿)が気になりました。
1人暮らしの私は、政府から配布される布マスクが届くのを心待ちにしています。スーパーへ買いに行ってもマスクは品切れだし、年で指が動かないので自分では作れません。配布されるマスクがいらないという人がうらやましい。というのも、私、1枚しかない使い捨てマスクを洗いながら大事に使っているからです。そのマスクは今年1月、インフルエンザがはやったころ、病院の玄関先に置いてあったもの。それを毎日、顔との間にガーゼを挟んで着用しています。けば立ってきましたが、せきエチケットが大切だと思って。今どきの体温計も品切れなので、昔の水銀体温計で体温を測っています。今の時代、私は落ちこぼれなんだと思いますよ。 (熊本市西区、女性、82) (『西日本新聞』5月5日(火))
アベノマスクには「小さい」「2枚では足りない」「届いても使わない」など多くの批判がありました(自分もその一人です)が、このおばあちゃんのように一日千秋の思いで待っている人もたくさんおられたのでしょう。そして、けばだっても1枚のマスクを大切にして、水銀の体温計を使うこの女性に、貧乏性で我慢強かった亡き母の姿を思い出して、不平不満ばかりの自分を反省しました。また、この記事を見て、「おばあちゃんに使ってほしい」とマスクが続々と新聞社に送られてきたそうです。人との距離を保つことが義務付けられたソーシャルディスタンスの中でも、人のぬくもりを感じられました。
さて、次回は田上先生(物理)から、うれし楽しいお話があると思います。
今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(4)~
*パラレルワールド*
こんにちは、もうすぐ年男の辻 伸吾です。3年2組副担、数学を担当しています。
2月末からのコロナ禍の影響で、特に3年生は十代の一番濃い時期を「自粛」という規制でストレス溜まりまくりだったのではないでしょうか。私の教師生活35年で、このような事態は初めてです。ただ、この事態は全人類平等です。今後を濃い素晴らしい人生にするか、しないかはあなた次第!
ところで、「パラレルワールド」という言葉を聞いたことがありますか。現在の世界と平行していくつもの「ワールド」が存在し、それぞれの「ワールド」に自分(あなた)がいるのだが、自分を取り巻く環境は違う。という話です。どの「ワールド」に自分の身を置くのかは自分の考え方や行動で決まり、それによっていろいろな「ワールド」に移行することができるのだといいます。今がその時期ではないでしょうか。ベストな「ワールド」に向けて、今何を考え、何をするのかであなたの未来は決まります。
今こそ、この逆向に立ち向かう時です。天高生、頑張れ!全職員がみんなを応援しています!
次回のメッセージは宮部先生です。おたのしみに。