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今だから伝えたいこと~天高からのメッセージ(6)~

*卒業生との会話*

 物理の田上です。みなさんよろしくお願いします。教科の都合上、一人で作業することが多い私ですので、リレーメッセージを書くにあたって、誰かと誰かの間をつなぐ意味を持つこの言葉に憧れと心地よさを感じています。うれし楽しいというパスには答えられていませんが、『休校からの生活リズムの回復が課題!!』という新聞記事を見て、物理選択だった一昨年度の卒業生との会話を思い出しましたので、ご紹介します。

 みなさんも中学校でならったであろう慣性の法則ですが、どのようなものか説明できますでしょうか?物体は運動の状態を保存する性質があり、それを「慣性」とよびます。力がはたらかいない状況下では、静止しているものは静止し続け、動いているものは同じ向きに同じ速さで運動(等速直線運動)し続けるというものです。その生徒が言うには、「私たちの行動にも『慣性』がはたらいている。勉強し始めれば止まらずにできるのですが、休憩しているときはいつまでもだらだらとしてしまう。これは『慣性』そのものだし、今とは違う状態へと動き始めるのに力が必要なのもまた物理の法則どおりですね(精神的にも体力的にも)!!!」と。

 私も休み明けの月曜日や長期休暇明けは確かに体は重いと感じますし、皆に共通することでしょう。卒業生との会話に、物理的な考え方を付け加えるとすれば、体を動かし新しいことへ挑戦するとき、私たちは「力」(1年生6月履修済み)を加え、自分自身に対して「仕事」(1年生7月履修予定)をすることになるでしょう。その結果社会的な「位置のエネルギー」(1年生8月履修予定)をため込むことになります。この「位置エネルギー」は保存力に逆らってした「仕事」の分だけ蓄えられるのですが、この「力」は常にはたらいているので、気を抜いて支えを取ってしまうと、元の高さ(またはそれ以下)に落下してしまいます。天草高校の皆さんは、自分を高めるための、進路目標を設定していることと思います…がそれだけでは、エネルギーは蓄えられません。今の自分をしっかり支えて、目標に向かって高く高く持ち上げてください。

 次は理科つながりで上中先生にバトンをお渡ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。