インテリア科blog
立神熊野座神社拝殿天井画(インテリア科)
2023年度「立神熊野座神社拝殿天井画制作」
令和4年の1学期に氷川町立神地区にある立神熊野座神社拝殿改築に伴う天井画制作の相談を受けました。
当時2年生でコンピュータグラフィックスを学んでいたメンバーで依頼を受け制作しました。
【完成予想イメージCG】
天井画の取り付けは令和7年10月頃の予定です。
【完成した天井画を並べて撮影したもの】
455mmの杉板、横12枚、縦8枚にアクリル絵の具を用い、月下に咲き誇る桜を描きました。
【制作にあたって】
依頼を受け、まず熊野座神社ことや氷川町のことを調べ、班員で話し合い、次の要点を抑えた天井画を描くこととなりました。
1.地区の皆様が誇りに思っていただけるようなもの。
2.一度は見てみたくなうような唯一のもの。
3.1枚1枚に花鳥を施すものではなく、天井全体で一つの作品となるもの。
4.神楽や神話をプロジェクションマッピングなどで表現可能。
最終的に立神峡は桜の名所の一つでもあり、氷川町の町花であるので桜をモチーフとしたデザインとなりました。
神社の周囲は崖や木々により薄暗いため、桜や月によって明るさや神秘性を出すと同時に、白をベースとしたことで証明やプロジェクションマッピングで月部分をスクリーンとして使えるようにしました。
【制作の様子】
桜と月をモチーフに決めた後、配色や表現のイメージ画を作りました。
【ミニチュア制作】
完成イメージをより現物に近づけるためにベニヤ板でミニチュアを作る取り組みを行いましたが、制作にあたり花びらを再現するのに時間がかかりすぎることがわかり現物への作業へ移行しました。
【枝を描く】
プロジェクターで転写しましたが、枝の流れがわかりにくく思ったような仕上がりになりませんでした。
そこで校内の桜を観察したり、落ちている枝を写生して枝のつくりを理解することしました。
【花を描く】
当初は一輪一輪を下描きし、筆で着色していました。しかし、数回行ったときにかかった時間で計算すると到底完成することができない時間となってしまいました。
【スタンプ製作】
そこで消しゴムで桜のスタンプを作り、桜を描くこととしました。
絵具の水分量で濃淡が変わるので桜の木の立体感を意識して押していきました。また1回の塗布で2~3回スタンプできるので花を咲かせるスピードが格段にはなくなりました。(下描き→筆 と比較すると大げさではなく50倍は早くなりました。
【地域のみなさまと共同作業】
スタンプで誰でも簡単に花を咲かすことができるようになり、立神地区のみなさまと学校で共同作業を行いました。
天井画の制作に一緒に取り組めることをとても喜ばれていましたし、生徒たちも地区のみなさまの期待と感謝の気持ちを実感し益々制作作業に気持ちがこもるようになりました。
【月を描く】
板を天井に取り付ける間隔に固定し、コンパスを作って真円を描きました。
【ひたすら花を咲かせる】
その後1月23日の引き渡しに向けてひたすら桜を咲かせる作業を行いました。
咲いた桜の数は約3万輪!
【6頭の蝶】
最後に天井画の中に制作した生徒数と同じ6頭の蝶を書き込みました。
ぜひ設置された後に探してみてほしいと思います。
【引き渡し式】
完成した天井画を令和6年1月23日に立神地区の皆様へ引き渡しいたしました。
立神地区のみなさまの前で披露するととても仕上がりを喜んでいただきました。引き渡しの後に熊野座神社や立神峡をみんなで見て回りました。
当日はテレビ局3社、新聞2社、氷川町広報誌の取材があり、生徒たちも今回の取り組みを取り上げていただけることをうれしく思ったようです。
取付が終わる令和7年に熊野座神社で立神地区のみなさまや生徒たちが再会できる日が楽しみです。
ものづくりの創意工夫、完成を待つ人たちの顔を思い浮かべながらの作業、完成した作品を喜んでいただけるものづくりの喜びを感じる機会を与えていただきました立神地区のみなさま本当にありがとうございました。
ぜひ完成した際にはみなさん足をお運びください。