熊本県高等学校教育研究会地学部会
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吉尾層・与奈久層
場所:葦北郡芦北町女島京泊
この海岸には砂岩・粘板岩にチャートをはさむ吉尾層(三畳紀前期~ジュラ紀前期)のチャートが分布している。
この先の唐舟岩などの小島には粘板岩・チャートに石灰岩を含む与奈久層(三畳紀前期~ジュラ紀前期)が分布している。
この与奈久層中の石灰岩の中には1㎝前後の大型のフズリナ化石が入っており,海岸で採集することができる。
このフズリナ化石により与奈久層は、かつては二畳紀とされていましたが、この石灰岩はオリストリスということがわかり、与奈久層の時代は訂正されました。
<<オリストリスとは>>
地層が海底地すべりによって遠方に移動して再び堆積したとき,その移動はゆっくりと長期間にわたり行われるために,最終的に落ち着いたときにはその直下の地層よりも古いものになってしまう。このような堆積層をオリストストロームといい,この中に含まれている巨大な外来岩塊をオリストリスとよんでいる。
その大きさは長径数キロメートルにも及ぶことがあり,この巨大さのために本来の地層と間違ってしまうことがしばしばある。その中に含まれている化石の時代と本来の地層の時代とが合わなくなって混乱を引き起こすようだ。