都会の喧騒を離れ、バスが常磐道を北上すること約3時間。
福島県いわき市にある「アクアマリンふくしま」に到着しました。
バスを降りた瞬間、生徒たちを迎え撃ったのは、海沿い特有の激しい潮風でした。
その鋭く冷たい感触に、誰もが思わず肩をすぼめ、足早に館内へと駆け込みます。
しかし、一歩中へ入ればそこは別世界。
東北の豊かな海を再現した水槽には、力強く泳ぐカツオの群れや、悠然と舞うエイの姿がありました。
水槽越しに差し込む夕方の柔らかな光と、水のゆらめき。
生命(いのち)の輝きを辿る時間の締めくくりには、この館のシンボルでもある「潮目の海」の巨大な三角形のトンネルをくぐり、神秘的な青の世界に包まれながら、福島の海の生命力を肌で感じているようでした。
生命の温もりに満ちた館内を後にし、再び屋外へ。
出口に集まった生徒たちの手には、早速お土産の袋がいくつも揺れています。
サンマのぬいぐるみや、アザラシの鳴き声が聞こえてきそうな愛らしい品々。
「このペースで買っていって、最後まで持ちきれますか?」と思わず声をかけたくなるほど、満足げな笑顔が溢れていました。
しかし、バスへ向かう足元に忍び寄っていたのは、ついに0℃へと達した厳しい冬の冷気でした。
到着時より一段と研ぎ澄まされた空気。吸い込むたびに肺の奥がツンと凍える感覚に、生徒たちは大切そうにお土産の袋を抱え、白い吐息を弾ませてバスへと急ぎます。
刻一刻と深まる福島の夜を、文字通り肌で実感する瞬間でした。
福島の海に別れを告げ、バスはさらに北へ。夕闇が迫る中、本日宿泊する楢葉町の「Jヴィレッジ」へと無事に到着しました。
サッカーの聖地として名高いこの場所は、かつて福島第二原発からわずか数キロという距離にありながら、震災直後には事故対応や復興の最前線基地として機能した場所でもあります。
今、窓の外に広がる美しい芝生と、凛と澄んだ夜の静寂。
その静けさの向こう側に、確かにあの日の記憶と、人々の不屈の歩みが息づいていることを感じずにはいられません。
今日は長距離の移動となりましたが、心地よい疲れとともに、生徒たちは一人も体調を崩すことなく元気に1日目の全行程を終えています。
まずは今日一日を頑張った自分たちをねぎらい、この地で過ごす夜を大切にしたいと思います。
明日は双葉町や浪江町でのフィールドワーク。
15年の月日を経て、復興へと歩むこの地の「今の息吹」を、真っ直ぐに受け止めてきます。
※次回の更新は明日の朝を予定しています。2日目の学びの様子も、どうぞ楽しみにお待ちください。
福島の 冷気は明日の 道しるべ
一歩進むごとに、日常が遠ざかり、空の旅が近づいてきます。
この橋を渡れば、いよいよ雲の上の世界へ。
阿蘇くまもと空港を飛び立ち、約1時間半。
羽田空港に降り立つと、ターミナルの自動ドアが開いた瞬間、ひんやりと乾いた都会の風が肌を刺しました。
熊本のしっとりとした寒さとはまた違う、どこか急ぎ足で洗練された空気の匂いが鼻をくすぐります。
空港ビルを後にし、大型バスに揺られて首都高速へ。
「うわ、車がすごいね!」
「どこまでも並んでる……」
途切れることのない車の波や、すれ違う大型トラックの圧倒的な多さに、生徒たちは窓に釘付けです。
そんな中、霞む冬空を突くようにして現れたのは、巨大なスカイツリーの姿でした。
ビル群の向こうにそびえ立つその圧倒的なスケールを間近に感じ、車内のあちこちから再び感嘆の声が上がります。
一路、常磐道を北へと向かう車中。
窓の外には林立するビル群、そしてどこまで走っても途切れることのない住宅地の波が続いています。
熊本で見慣れているはずの家並みや道路でさえ、この巨大な「都会の迷宮」の一部だと思うと、すべてが新鮮で、特別なものに見えてくるから不思議です。
都会の大動脈が持つ力強いエネルギーに包まれながら、車内ではお待ちかねのお弁当タイムが始まりました。
仲間と肩を並べて食べる食事を楽しんだあとは、バスはいよいよ福島県へと入ります。
次なる目的地は「アクアマリンふくしま」。
震災から力強く立ち直ったこの地の「今」に触れる旅が、ここから本格的に始まります。
「冬の風 見るものすべて 旅の色」
まだ街が深い眠りの中にある午前6時20分。
キーンと冷えた冬の空気を震わせるように、2年生75名が体育館へと集まってきました。
アスファルトに響くキャリーバッグのゴロゴロという音、早朝とは思えないほど元気な挨拶。
吐き出す息は真っ白ですが、整列した生徒たちの瞳には、これから始まる未知の4日間への期待が熱く灯っています。
少し眠そうな目をこすりながらも、どこか誇らしげで、弾むような笑顔。
その一つひとつの表情から、この日をどれほど心待ちにしていたかが伝わってくるようです。
結団式では、教頭先生の激励の言葉があり、続いて福祉科の遠山くんが「安全に、そして多くのことを学び、最高の思い出を作りましょう」と、力強く決意を語ってくれました。
予定の午前7時よりすこし先に。大型バスのエンジンが重低音を響かせ、ゆっくりと校門をあとにします。
まだ暗い中、温かく送り出してくださった保護者の皆様。
そして、円滑な出発のために交通整理や誘導を担ってくれた職員の仲間たち。
多くの方々の支えがあって、この旅が始まるのだと改めて身が引き締まる思いです。
バスは一路、阿蘇くまもと空港へと走り出しました。 五感のすべてを研ぎ澄ませて、実り多き旅にしてまいります。
「朝陽待つ 白き息さえ 弾ませて」
「ついに明日だね!」 総合学習室に集まった生徒たちの間から、そんな弾んだ声がざわざわと心地よく聞こえてくる午前中。
いよいよ明日、2年生75名が福島・東京への旅に出発します。
3時間目からの事前指導を前に、1時間目、2時間目の授業中から、どこか「うわの空」だったのでは……。
見上げれば窓の外には広い空。
生徒たちの心は、授業のチャイムよりも一足先に芦北を飛び出して、もう飛行機の中へと乗り込んでいたに違いありません。
■ 期待を膨らませて
事前指導では、集団行動のルールについても改めて確認を行いました。
「5分前行動」や「感謝の挨拶」といった約束ごとも、明日からの時間を自分たちの手で最高のものにするための大切なステップ。
楽しみを成功させようとする前向きな熱気が、冬の教室のひんやりとした空気を、優しく暖めているようです。
しおりをパラパラと捲りながらルールを学ぶ時間も、これから始まる未知の体験への高揚感に包まれていました。
■ 最後のパッキング、進んでいますか?
放課後、いつもより少し早足で教室をあとにする生徒たち。
その「明日が待ちきれない!」という背中を見送っていると、ふと「あ、あれ買い忘れた!」なんていう声がどこからか聞こえてきそうな気がしています。
今ごろご家庭では、「今からお店が開いているうちに買ってこなきゃ!」と焦る我が子に、
「もう!こんな時間になって言わないでよぉ……」なんていう保護者の皆様の苦笑い。
そんなバタバタと準備に追われる、賑やかで温かな風景が目に浮かぶようです。
何度も「しおり」を確認して、準備万端。
着替えと一緒に、「たくさんのことを学ぶ気持ち」もしっかりバッグに詰め込んで。
明日の朝、期待でパンパンに膨らんだ荷物を抱えて、元気に登校してくる姿を楽しみに待っています。
■ 朝陽とともに始まる旅
明日の出発式(結団式)では、福祉科の遠山くんが代表として旅への決意を表明してくれます。
集合は「朝6時20分」
まだ冷え込みの厳しい時間になりますが、ご家庭での温かい送り出し、どうぞよろしくお願いします。
大切なお子様をお預かりし、安全を第一に、心揺さぶられるような素晴らしい体験を積み重ねてまいります。
旅先で出会う風景、生徒たちの笑顔、新しい発見に驚く声。
その一つひとつを、このブログを通じて丁寧にお届けします。
明日の朝、元気な「おはよう!」の声に出会えることを願って。
「心はもう しおりの中の 空の下」
生きる喜びの基本は食べること
いつまでも美味しさを楽しめる生活をしたい
しかし、高齢による衰えや、障がいによるお口まわりの機能が低下している方々にとって、口から食べることが難しくなる場合もあります。
こんな時に、食べやすさ飲み込みやすさに配慮した食べ物やレシピがたくさん考案されています。
今回は、その食べ物を実際に食べてみました。さらに、それを食べていただく「食事介助」をしました。
とろみのあるもの、通常より柔らかくしたもの、カロリーを少し高めにしているもの、などなど。
いつも食べている味に慣れている分、少し違和感がある食べ物もあったようです。
ー どのようにすれば、美味しく食べていただけるか ー
声かけやタイミングなどいろいろ考えながら、介助する必要があります。
「噛む力」「飲み込む力」「味覚」
特にこの3つの機能が、食事の安全性と満足度を左右します。
今回の授業で、「食事」と「介護」を考えるきっかけになりました
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