「先生、お久しぶりです!」
本日、農場にとても嬉しい来客がありました。
本校農業科の卒業生で、現在は「東海大学農学部農学科」の「3年生」として、大学での学習や研究に励んでいる「宮内愛理」さんです。
高校を卒業し、さらに専門的な学びの道へ進んだ彼女。
今回はただ遊びに来たわけではなく、大学での大切な「研究素材」を集めるために母校の門を叩いてくれました。
【スマホの画面に映る、専門的な研究の目】
現在、大学で「植物病理学研究室」に所属しているという宮内さん。
本校の野菜、草花、果樹の圃場(ほじょう)をまわり、「病徴(病気の症状)」が出ている植物体をサンプリングしにやってきたのです。
「持って帰って病徴から判断するとともに、病原を特定するんです」と熱心に語る彼女。
見せてもらったスマートフォンの画面には、顕微鏡で捉えた「ブロッコリーのスス病」の病原がくっきりと映し出されていました。
かつてこの農場で基礎を学んだ生徒が、今ではこうして専門の目を持ち、持ち帰る柑橘類の葉を手に笑顔を見せる姿は本当に頼もしい限りです。
その生き生きとした活躍ぶりに、立ち会った職員も胸が熱くなります。
【現役生と一緒に。先輩が気軽に溶け込める農場環境】
こうして無事に研究素材を集め終えた宮内さんですが、実は彼女の妹さんが現在、本校農業科の1年生に在籍しています。
終礼までの待ち時間を活かして、6限目に実施されていた2年生のフラワーアレンジメント実習にも急きょ飛び入り参加してくれました。
現役の高校生たちと同じ机に並び、ひまわりやカーネーションを器用に生けていく宮内さん。
卒業して数年が経っても、こうして後輩たちの輪の中に自然と溶け込み、一緒に実習を楽しめるのは、本校の農場ならではの自由で温かい雰囲気があるからこそです。
【卒業生の皆さまへ、農場からのお願い】
卒業しても、何かあったときにこうして気軽に足を運んでもらえる場所であり続けられることは、学校にとってこの上ない財産です。
宮内さん、大学での研究、大変だけど頑張ってください!
最後になりますが、本ブログをご覧の卒業生の皆さま。
「研究の素材を探したい」
「恩師に近況を報告したい」
「久しぶりに農場の空気を吸いたい」など、理由はなんでも大歓迎です。
ぜひ、いつでもお気軽に農場へ足を運んでください。
後輩たちと職員一同、皆さんの元気な姿に会えるのを楽しみに待っています。
「――それでは、発表を始めてください」
マイクを通じて部屋に響く、少し緊張を帯びた、けれどもしっかりとした声。
カーテンを閉め切った総合学習室の暗がりに、ぽっと浮かび上がるプロジェクターの白い光。
そして、手元の資料をめくるカサリという微かな紙の音。
昨日の考査最終日、テストが終わったばかりの放課後のことです。
総合学習室には、息をつく間もなく集まった生徒たちの静かな熱気が満ちていました。
来週の23日(火)と24日(水)の2日間、本校を事務局(会場)として「令和8年度 熊本県学校農業クラブ連盟 年次大会」が開催されます。
【支える手、挑む声。それぞれの真剣練習】
この大会は、県内の農業高校から集まったクラブ員たちが、日頃のプロジェクト研究や自らの意見をステージで発表し合う、年に一度の大きな舞台。
本校は今年、その運営を担う事務局校を務めます。
昨日集まったのは、大会の成否を握る司会進行や計時などの「運営」を担う生徒たち、そして芦北高校の代表として壇上に立つ「意見発表」「プロジェクト発表」の生徒たちです。
発表チームは、スクリーンのタイミングを合わせながら、自分の言葉に熱を込めて語りかけます
一方の運営チームは、手元に置かれたマイクを前に、シナリオを何度も読み込みながら進行の流れを細かくチェックしていきます。
そこにあるのは、「自分たちの発表を成功させたい」という想いだけではありません。
「他校から参加する発表者の仲間たちが、少しでも気持ちよく壇上に立ち、日頃の成果を100%出し切ってほしい」
そんな、事務局校としての温かい「おもてなしの心」が、生徒たちの真剣な眼差し、そして何度も繰り返される練習の姿からひしひしと伝わってきました。
【最高の舞台を、私たちの手で】
テスト勉強の疲れも見せず、遅くまでリハーサルに邁進した生徒たち。
誰かの輝くステージは、こうして見えないところで汗を流し、準備を重ねる人の手によって創られていくのだと、改めて教えられる時間でした。
大会本番まで、あとわずか。
熊本県の農業を担う仲間たちを最高の舞台で迎えるために。
そして、自分たちの学びを堂々と伝えるために。
チーム芦北、一丸となって最後まで心を込めて舞台を整えていきます!
ピッ、ピッ。
静まり返った農場実習棟2階。
室内に響くのは、一定の間隔で鋭く鳴り響くタイマーのブザー音だけです。
その音が鳴るたびに、立ったまま問題と対峙していた生徒たちは一斉に動き出し、次の問題へと移動していく――。
4日間にわたる期末考査も、本日がいよいよ最終日。
農業科の締めくくりは、この試験時間内をフルに使って全学年が入れ替わりで挑む、「農業鑑定競技会」です。
【一瞬の迷いも許されない、専門知識の総力戦】
目の前に並んだ実物や写真を見て、その名称や特徴をわずか「20秒」で判別し、立ったまま解答用紙に滑り込ませるノンストップの知力戦。
日頃の授業や実習で培った「五感」のすべてが試される時間です。
例えば、草花分野の問題。
目の前に並ぶA、B、Cの苗をじっと見つめ、わずか20秒で特徴を見抜かなければなりません。
正解は「C」。
光沢のある葉と中央の白い葉脈が日々草の証です。
また、果樹分野から。
正解は「Bの採収ハサミ」。
果実を傷つけないよう刃先がわずかに曲がっています。
実習で使い慣れているはずの道具だからこそ、その細かな違いを見極める確かな「目」が試されます。
基本は20秒のハイテンポですが、うち2問だけ、タイマーが「40秒」へと切り替わる強敵が潜んでいます。
それが「計算問題」です。
総重量(2,800g)から個数(35個)を割り出し、「売り上げ(7,000円)」を導き出す。
20秒の波に乗っていた脳を瞬時にフル回転させ、立ち止まったまま、焦る気持ちを抑えて正確な数字を叩き出す40秒間。
次々と襲いかかってくる難問に、生徒たちは知識の引き出しをフルスピードで開け閉めしながら、限られた時間の中で解答用紙を埋めていきました。
【テスト終了の解放感、そして次へのステップへ】
最後のブザーが鳴り響き、これですべての考査が終了。
実習棟には、極限の緊張から解き放たれた生徒たちの、ホッとした笑顔と大きな歓声が広がりました。
しかし、農業科の夏はここからが本番です。
この鑑定競技は定期考査であると同時に、7月28日に開催される「熊本県大会」の予選。
さらに今日からは、来週に控える年次大会や部活動など、生徒それぞれが「次のステージ」へと一斉に走り出します。
ガチガチに縛られていたテストの時間が終わり、ようやく自分のために使える自由な時間が戻ってきた君たちに、この言葉を贈ります。
「時間は有限、その使い方は無限」
限られた時間の中で、どれだけ自分を磨き、輝かせることができるかは、これからの過ごし方次第。
ふと見上げると、朝からどんよりと曇っていた空には、いつの間にか目が覚めるような鮮やかな青空が広がっていました。まるで、張り詰めた緊張から解き放たれた生徒たちの心を映し出しているかのようです。
さあ、これから僕たちの「熱く」、そして「暑い」夏が始まります。
ここから選び抜かれる鑑定競技の代表メンバーも、それぞれの活動に全力で打ち込む仲間たちも、この青空のように真っ直ぐ、次の目標に向かって全力で駆け抜けていきましょう!
本日は定期考査の2日目。
静まり返った3年農業科の教室。
そこには朝から一点を見つめ、机にかじりつくようにして猛勉強に励む生徒たちの姿がありました。
一問一答に魂を込め、資料をめくる手にも熱が入ります。
すべては自分自身の理想の進路実現のため。
ここが踏ん張りどころです。
頑張れ、農業科三年!
【生徒が真っ直ぐ育つための環境づくり】
生徒たちが教室で未来を切り拓くためのテストに挑んでいる間、授業や実習がないこの時間を活かして、ある「奮闘」を続けていました。
それは、広大な実習園地の環境整備(草刈り)です。
今回は、長年タフに外を支えてくれている相棒の背負い式刈払機に加え、果樹の木々の間をスイスイと進む最新鋭のラジコン草刈機をフル稼働!
プロポを巧みに操りながら、傾斜にも力強くかじりつくようにして、生い茂る夏の草をスッキリときれいに刈り整えていきます。
ブーンと響くエンジン音のなか、ふと頭をよぎったのは、すでに退職されたかつての校長先生が遺してくださった、ある大切な言葉でした。
「環境は人を育む」
美しく整えられた園地、清潔な学び舎。
そうした清々しい環境があってこそ、生徒たちの心が真っ直ぐに育ち、豊かな感性や技術が磨かれていく――そう固く信じ、この手で環境を整え続けます。
【見えないエールを、刈り跡に込めて】
流す汗の先には、テストを終えて再びこの果樹園に戻ってくる生徒たちの笑顔があります。
教室で必死にペンを動かす君たちの熱気に負けないよう、私も外でプロポを握りしめ、全力で汗を流しています。
場所は違っても、目指すところは同じ。
私も頑張るから、君たちも最後まで諦めずに踏ん張ろう!
考査はまだまだ続きますが、一歩ずつ、共に乗り越えていきましょう!
今日は湿気も少なく、カラッと過ごしやすい天候に恵まれました。
絶好の実習日和のなか、食品製造室の扉を開けると、初夏の暑さを吹き飛ばすような、目が覚めるほど爽やかな香りが部屋いっぱいに広がります。
本日、農業科2年生の「食品製造」の時間は、これからの季節にぴったりな「甘夏ゼリー」の製造実習です。
【本校の果樹園が育んだ「紅甘夏」を贅沢に】
今回使用した原材料は、ただの甘夏ではありません。
本校の果樹園で、生徒たちが愛情を込めて大切に栽培してきた「紅甘夏(べにあまなつ)」です。
通常の甘夏よりも果皮の赤みが濃く、みずみずしい甘みと爽やかな酸味が詰まったこの大切な一玉を、自分たちの手で最高のスイーツへと仕上げていきます。
実習が始まると、教室内は一気に職人の現場へと変わりました。
まずはゴツゴツとした厚い皮を、生徒たちが一つひとつ丁寧にむいていきます。
皮がはがれるたびに、部屋中にフレッシュな柑橘の香調が弾け飛びました。
続いては、果汁を一滴も無駄にしないようギュッと力強く絞り出す作業。
それと同時に、もう一方では一粒ずつのぷりっとした食感を残すために、薄皮から果肉を美しくむき出していきます。
手際よく、かつ繊細に施される手仕事によって、黄金色の素材がどんどん集まっていきました。
集まった果汁を火にかけ、温度を見極めながら慎重に加熱し、ゼリー液を作っていきます。
そして今回の主役であり、最高のこだわりが「果肉もゴロッと」贅沢にカップへ忍ばせること。
温かいゼリー液をそっと注ぎ込むと、透明感あふれる、目にも鮮やかで爽やかな色のゼリーが姿を現しました。
あとは、冷蔵庫でしっかりと冷えれば完成です!
自分たちが育てた農産物が、技術の手によって美味しい食品へと形を変える。
そんな「ものづくり」の喜びと達成感を、生徒たちはキラキラとした表情で肌で感じていました。
【おまけの1コマ:昨日見上げた空に】
最後に、ちょっと素敵なエピソードを。
昨日の夜19時頃、一日の実習や実務を終えて「さあ帰宅しよう」とふと空を見上げると、そこには驚くほど大きくて綺麗な虹が架かっていました。
夕暮れの空に静かに輝く虹のアーチを見つめていると、一日の疲れもすっと溶けていくようでした。
このブログを読んでくださっている皆さまにも、なにか良いことが起こりますように。
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