インテリア科blog
妙見宮祭礼絵巻映像化協力についての報告
12月2日、八代市総合体育館において妙見宮祭礼絵巻を4K画質で撮影する作業が行われました。インテリア科3年の木工班では、笠鉾の部材再現、組立マニュアルの作成とあわせて撮影用のレールとドリー(カメラを載せる台車)を制作しました。この日もインテリア科の生徒5名と、モーター駆動の部分を制作した機械科の生徒2名で撮影のお手伝いをしてきました。
レールの設置、五巻の巻物設置と撮影で一日がかりの作業となりましたが、滅多に見ることができない巻物だけに貴重な体験となりました。
まずは埃が撮影や巻物に影響しないよう、大アリーナ全体にモップ掛けです。
その後、ベニヤと塩ビのパイプで作ったレールを真っ直ぐに設置しました。
メインの巻物は40mあります。レールを並べるのは初めてでしたが、改めてその長さを実感しました。
敷き終わる頃には膝が痛くなっていました。
次にベニヤの上に布を敷き、まずは乙本四巻を配置します。
乙本は10mほどで、墨だけで描かれています。
とりあえず一巻めを配置し、カメラの調整をしました。午前中はここまで。
午後からは博物館の学芸員さんも参加し、残りの三巻を配置しました。
撮影は外の光が入らないようにし、専用のライトだけを使って行われました。
ドリー(カメラを載せた台車)は機械科の機械工作部作成のリモコンで、機械科の生徒によって操作されました。
新幹線のようにゆっくりスタートし、その後一定のスピードで撮影。最後もゆっくりストップします。
いよいよメインである甲本の配置です。甲本は彩色が施され緻密に描かれています。
非常に長いため、全てを延ばすのは二回目ということでした。
延ばせる場所も、この体育館の大アリーナしかありません。珍しいのでテレビや新聞の取材もありました。
妙見祭保存振興会の方も、博物館の方でさえも、「全て広げた姿を見るのは二回目だ」とおっしゃってましたよ。
そんなものを間近で見ることができるとは、これだけでも貴重な体験でした。
再度カメラの調整をし、撮影です。
ここまでくればあとは・・・、と思ったら
暗闇でカメラの操作を誤った先生がフラッシュをたくという失態を演じ、やり直しになりました。
申し訳なさに正座をしていた先生でしたが、優しく声をかけてくださった学芸員さんに促され、ドリーと一緒に歩き始めました。
まる一日かけた作業で大変でしたが、それ以上に貴重な体験でした。
巻物を見ることができたこともそうですが、これまでに関わってきた多くの方々との交流。
皆で一つのことをやり遂げた事で得られる達成感はすばらしいものです。皆様、ありがとうございました。
映像は編集され、博物館をはじめ多くの場所で活用されそうです。多くの方に見ていただきたいと思っています。