日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その58)

 NHKテレビの「クマロク」で先週取り上げられましたが、熊本工業高校の電波部ロボット班の生徒さん達が制作した透明マスクの贈呈式を昨日本校会議室で行いました。
 熊工と熊聾による透明マスクの共同開発は、「市販品の透明マスクに改良を加えたものを3Dプリンターで制作していただけないだろうか」と、本校から依頼したことがきっかけでした。
 また、熊工電波部ロボット班としては今年度の全国高等学校ロボット競技大会が中止となり、新型コロナウイルス対策として何か出来ることがないか検討されていたことも相まって、両校でのコラボレーション企画が始まりました。
 改良途中ではありますが、市販品と比べて改良型透明マスクには次のような特徴(メリット)があります。
①   透明部分(マスク)の大きさを好みの大きさに調整できること
②   安価で作れること(本品は1枚当たり30円程度)
③   軽量であること
④   顎にかける部分を必要とせず、肌への接地面を極力小さくしており、ベタつきを軽減でき、夏場に蒸れないこと
⑤   マスク(透明部分)の取替品を簡単に自作出来ること
 
※マスクの土台となる部分を透明素材にすれば、見た目の違和感が更に無くなると思われます。(透明の材料が現在は品薄で手に入らない状況ということです…)

 令和2年7月10日      

 熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その57)

 今月4日未明からの県南地域の豪雨災害に続き、6日から7日にかけては長崎県、佐賀県、福岡県と熊本県北地域にも線状降水帯がかかり、大きな被害をもたらしました。本当に恨めしい雨です。
 今週日曜日(5日)は人吉~八代間の高速道路が通行できたので、寄宿舎生の多くは帰舎することができ、学校生活も通常通りに過ごすことができています。しかし、一部の御家庭では、一時車中泊をされたり、自宅待機をされていたり、交通事情により学校に通えていないところもあります。先ずは、安全第一でお過ごしできますことをお祈りしています。
 さて、昨日の学校安心メール等でお知らせしました通り、明日金曜日は全学部ともに給食後下校といたします。御理解と御協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
なお、天候悪化や高速道路等の交通状況の変化によっては、寄宿舎生が自宅に帰省できないことも十分考えられます。その際には寄宿舎を開舎して対応出来るよう、既に準備を整えています。御相談やお尋ね等がありましたら、寄宿舎の方にお問い合わせください。
 また、このたびの豪雨被害に対しまして、連日、全国各地の聾学校長様からお見舞いの便りをいただいております。本書面にてあらためて深く御礼申し上げますとともに、他都道府県におきましても被害が拡大しないことを心からお祈りいたします。
 

令和2年7月9日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その56)

 コロナ禍ということもあり、校内の教職員が理容科の実習モデルとなって、シャンプーやマッサージの授業に入っています。
 高等部本科理容科の3年生は実習経験を積んだだけあって、技術が伸びてきていることを肌で感じます。1,2年生も負けじと一生懸命実習に励んでおり、吸収欲が旺盛な様子が伝わってきます。
 普段、理容店に行くときには気持ちよくなってうたた寝することもありますが、授業中ですのでそういう訳にはいきません。授業の最後には、生徒に評価(感想)を伝えねばなりませんので、生徒たちの動きの一挙手一投足に注目したり、力加減を確かめたり、接客態度を見たりしながらモデルを務めています。

 
令和2年7月8日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その55)

 本校が位置する東町周辺は県立学校4校(本校、盲学校、熊本はばたき高等支援学校、第二高校)、市立学校3校(東町小学校、東町中学校、健軍東小学校)や警察署、消防署、自衛隊、税務署等々が建ち並ぶ文教地区です。
 このような地の利を生かして、本校では以前から各学部等で「交流及び共同学習」を進めてきています。
 本年度に限っては新型コロナウイルス感染症対策のため、年度当初から例年通りに進めることが難しい状況ですが、交流及び共同学習についても段階的に再開していければ…との思いでいます。
 皮切りとして、先週2日間にわたり延べ12人の第二高校バドミントン部の生徒さんと本校体育館で練習(試合)を行いました。本校の生徒たちにとって他校生徒との練習試合は貴重な経験であり、有難い機会となります。試合経験を多く積むことで度胸をつけ、試合慣れし、本番で自分の力を出し切ることに繋がっていきます。
 部活動顧問からは今後他校にも練習試合の声掛けをしていきたいと聞いています。お互いにとって意義のある部活動交流が広がっていくことを大いに期待し、応援(支援)していきます。

 
令和2年7月7日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(特別号)

 7月4日(土)未明から県南地域を襲った豪雨は甚大な被害をもたらしました。テレビや新聞で報じられる映像や写真等を目にして、言葉が出ないほどの衝撃を受け、心を痛めております。
 本校幼児児童生徒のうち人吉・芦北・水俣・八代方面から通っている子供たちは寄宿舎生と施設利用者を含めて18人います。4日のうちには全員の無事が確認されましたが、自宅や親戚の家屋が浸水したり、周辺道路が遮断されたりと登校できる状況にはない御家庭もあります。
 今後しばらくは大雨が続くとの予報が出ていますので、土砂災害等の二次災害が起きないことを願うばかりです。当該地域に関わらず、災害時には先ずは身(命)を守る行動をとることが大切です。言うまでもありませんが、いつでもすぐに避難できるよう情報収集を心がけ、避難場所や持出し品等の確認と準備をしておきましょう。
 さて、このような中、早速全国聾学校長会会長の村野一臣校長先生(東京都立立川ろう学校長)、九州地区聾学校長会会長の中野康子校長先生(福岡県立福岡高等聴覚特別支援学校長)からお見舞いと励ましの御連絡をいただきました。あらためて御礼申し上げます。
 振り返ると4年前の熊本地震の時にも、県内外の皆様からの多くの御支援に勇気づけられ幾多の試練を乗り越えてくることができました。このたびの豪雨により被害を受けた国道や鉄道橋、ライフラインの復活までには相当の期間を要すると思われます。被災地の皆様の安全を心よりお祈りするとともに、一刻も早い復旧を願っています。


令和2年7月6日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その54)

 昨年、全国聾学校長会の中で『Ontena(オンテナ)』という新しいタイプの機器の紹介がありました。どのようなものか簡単に言えば、音や声、音楽などを振動や光に変えて体で感じることのできる新しいタイプの送受信機器です。これまでにも似たような発想から開発された機器として、ボディソニックチェアやボディソニックマットなどがありますが、それらの小型軽量版(携帯型)と考えればよいでしょう。
 既に全国の多くの聾学校で使用されていると思いますが、本校でも試用を希望したことで、今年3月には10台の機器が届けられました。昨年度末からの休校期間があったことで、今年度は学校再開後にようやく音楽の授業で使い始めたところです。実際に着用した小学部の子供たちは最初「くすぐった~い」と口々に言っていたようですが、すぐに馴染んで体のいろんなところにくっつけて感触を楽しんでいるようです。 
 私も実際に試してみましたが、音楽や話しことばをリズムとして捉えるには有効な手立てとなり得るようです。また、音楽以外でも発想を広げれば、自立活動や体育、その他の教科等でも活用の幅が広がると思われます。試用していくうちに効用と課題も見えてくると思いますが、先ずは音楽科の中で試していきたいと考えています。
さらに付け加えれば、振動覚を活用しての学習は聴覚に障がいのある子供たちに限らず、他の障がいのある子供たちにとっても有益な学習につながります。聾学校以外の他の特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室での活用も大いに考えられますね。

 
令和2年7月6日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その53)

 小学部3・4年生の大好きな歌に『にじ』(教科書に掲載)があります。
 先日、音楽の授業を見に行った時には、情景を味わいながら歌っている子、大きな動きで虹を作っている子、飛び跳ねながら体全体を使って表現している子、と十人十色ならぬ九人九色の豊かな表現に触れ、私の心も踊りました。
 授業の後半では、音を体で感じる新しいタイプの機器『Ontena(オンテナ)』が登場しました。このOntenaについては次号でお伝えします。
 どうぞお楽しみに!

 
令和2年7月3日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その52)

 中学部の「自立活動」~ろうの先輩に学ぶ~の授業を参観しました。Zoomを用いて、『手話フレンズ』でお馴染みのモンキー高野さんとの遠隔交流の様子を見せていただきました。本校の生徒たちは勿論、私たち職員もモンキー高野さんの豊かな表情と手話表現、そして高野さんの生い立ちや面白いエピソード等々に引き込まれ、あっという間の1時間を過ごしました。
 生徒たちの事後の感想を聞かせてもらうのがとても楽しみです。  

令和2年7月2日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その51)

 今回は少し硬い話から入ります。
 特別支援学校においては、個々の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服するための指導が必要となるため、小・中学校等と同様の各教科等のほかに、特に「自立活動」の領域を設定し、その指導を行うことによって、幼児児童生徒の人間として調和のとれた育成を目指しています。
 「自立活動」は個に応じた指導計画を作成し指導を行うことが基本ですが、指導目標を達成する上で効果的である場合には、集団を構成して指導することも考えられます。
 先週、高等部本科の自立活動の時間に、生徒たち共通の課題について学年毎に学習している様子を参観しました。


令和2年7月1日

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その50)

 7月からのプール使用に備えて、本校生徒と熊本はばたき高等支援学校の生徒、そして職員によるプールの清掃を先週終えました。
 また、旧寄宿舎が取り壊されたことで、外からプールの中を覗かれないよう応急的な仮囲いを取り付けています。
 準備万端!あとは水を張って待つだけです。
 

令和2年6月30日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その49)

 高等部1年の〇〇さんが作業学習の一環で育てた無農薬の枝豆を校長室に届けてくれました。高等部の「グリーンガーデン」で林田先生、榮先生と一緒に育ててくれた貴重な枝豆ですので、しっかり味わっていただきたいと思います。
 校長室でのやり取りの中で〇〇さんが「おつまみにどうぞ。」とさらりと私に言ってくれました。「なんて自然に気持ちのこもった言葉をかけてくれるんだろう。」と胸がほんわかすると同時に、〇〇さんの家庭での様子を勝手に想像してしまいました。
『こぼれ出る笑み 輝く瞳の 〇〇さん』でした。

令和2年6月29日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その48)

 本校の全幼児児童生徒と教職員は災害時等の非常用備蓄として、各自防災リュックを準備し、教室や職員室などに保管しています。また、毎学期の終わりには消費期限や保存年限等を確認するようにしています。
 職員間では6月中に備蓄品を取り揃えるよう申し合わせをしましたので、私も「非常時持出し用品リスト」を活用し、再チェックしてみました。
 

令和2年6月26日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その47)

 陸上部、バドミントン部に朗報が入りました。5月には県高校総体や九州地区聾学校体育文化連盟(長崎大会)の中止が発表され、部活動(運動部)の生徒たちは残念で悔しい思いをしていたところですが、県高校総体の代替大会として、本校生徒たちが日々取り組んでいる陸上、バドミントンについては個人種目が開催されることが決まり、学校宛に通知が届きました。
 新たな目標とやりがいを見い出した生徒たちは、これからの練習により一層気合いが入ることでしょう。

令和2年6月25日      
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その46)

 ひと月ほど先のことになりますが、今年度も「熊ろう公開デー」と「高等部オープンキャンパス」を開催します。
 今年度は新型コロナウイルスの影響により、「熊ろう公開デー」については開催を延期し、7月18日(土)に「高等部オープンキャンパス」と同日に実施します。
 例年、この公開デーとオープンキャンパスには多くの学校や園、関係機関等から沢山の御来場をいただいているところですが、今年度は県ひばり園、及び県内難聴学級のみに御案内しているところです。
 お子様、保護者の方々の来年度以降の進路選択に資する有意義な機会となるよう準備を進めて参ります。また、個別の教育相談にも対応いたしますので、是非足をお運びいただきますよう、よろしくお願いします。既に本ホームページ上に要項を掲載しておりますので御覧ください。

 

令和2年6月24日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

  

今、熊聾では・・・(その45)

 非常時を想定した訓練として、先週水曜日には寄宿舎避難訓練、金曜日にはシェイクアウト訓練を行いました。いずれの訓練も日時を予告しており、方法を伝えたうえでの訓練でしたので、スムーズに進めることができました。突発的な事態に対応する力を身につけるためにも、定期的な訓練は意味のあるものですが、子供たちは実に真剣な表情で訓練に臨んでいました。
 先ずは自分の命を守ることを主眼に、防災に対する意識を更に高めていけるよう、訓練後のフィードバックにも取り組んでいきたいと思います。
 

令和2年6月23日   

熊本聾学校 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その44)

 先週、熊本市東消防署から3体のダミー人形をお借りし、幼稚部ホールにて「心肺蘇生法」とAED使い方について演習を行いました。
 救命措置の手順や内容は科学的見地や技術の進歩等で変わっていくこともありますので、常に最新の手順や方法等については知っておいた方が良いでしょう。
 私が大学生の頃、遠泳実習と併せて人命救助の演習があったのですが、当時は、生身の学生同士で救助者役と要救助者役になり、気道確保のために砂浜を掘って、そこに要救助者の頭を置き、口にガーゼを当てて息を吹き込む(他人の生温かい息が吹き込まれる)といった実習をやっていました。今では考えられないですね。遠い記憶ですが忘れることができません…。
 

令和2年6月22日   

熊本聾学校 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その43)

 6月の学校再開後、透明マスクやファイスシールドの活用については、本校のみならず国内外でもメディアに取り上げられ話題となっています。しかし、最近過剰な対応をしすぎているのではという事例を見聞きすることがあります。批判的な内容を具体的に示すと差し障りがありそうなのでここでは控えますが、少なくとも本校内では教職員間でそのことを整理しようと思い、先生方の意見を反映させた「マスク使用に係る確認事項」を昨日の職員会議で説明したところです。
 新型コロナを完全に防御しようとすれば、かなりの重装備をしなければならないでしょう。しかし、現実的にはそのようなことは不可能です。現在の県内感染状況も念頭に置き、マスクの効用等も考慮しながら聾学校としてのマスクの使用の在り方については聞こえる子供たちが通う学校とは異なる対応をとらざるを得ないと考えています。
     

令和2年6月19日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その42)

 梅雨時の代表的な花として「アジサイ」が頭に浮かぶ人は多いと思います。本校内には種類や色の異なるアジサイが数カ所にありありますので、毎年私たちを楽しませてくれます。見ごろのピークは過ぎた感がありますが、もうしばらくは私たちを癒してくれそうです。校長室の生け花もこの時期アジサイが途切れることはありません。
 一般的にアジサイの花の色は酸性土壌になると青色に、アルカリ性土壌になると赤くなると言われています。リトマス試験紙の反応とは逆と覚えておけばいいですね。リトマス紙の色の変わり方を間違えて覚えてしまうと元も子もありませんが…。

 
令和2年6月18日   

熊本聾学校 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その41)

 幼稚部の子供たち…「おはようございます」「こんにちは」のあいさつが板についてきたように感じます。
 昨日、廊下で私を見つけたA君が、「あっ、こうちょうせんせいだ! おはようございます」と声をかけてくれました。昨年までは私のことを「社長!」と呼んでくれていたのが、最近は「社長!」の言葉が聞かれなくなりました。ちょっと寂しくもあり、嬉しくもありです。
 さて、「校長」の手話のひとつに、片方の手の甲の上に、もう片方の手の親指(女性であれば小指)を立てて乗せる表現があります。くれぐれも親指を立てて表現してください。親指を曲げると「おじいちゃん校長」になりますので…。 

 

令和2年6月17日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その40)

 先週木曜日に九州北部に梅雨入り宣言が出されました。
 さて、雨の日には特に図書室が賑わいを見せますが、密を避けるための取組として、本校図書室では入室者数制限と待機場所設置、一人当たり利用時間の短縮などで対応しています。
 また、小学部各学年用に「雨の日文庫」を用意し、各学級で読んでもらえるよう、図書室の清田先生が工夫をしてくださっています。

 休み時間の利用については、しばらくは今まで通りにはいきませんが、図書の貸出はこれまでと同じように出来ますので、多くの本に触れてもらいたいと思います。

 熊聾図書室には絵本から専門書まで約2万冊の蔵書の他、新聞4紙と雑誌6誌を取り揃えてあります。保護者の方も大いにご利用ください。

 (「学校図書館法」に基づくと正式には「図書館」ですが、本校内では「図書室」と呼称しています。)

 

令和2年6月16日   

熊本聾学校 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その39)

 今年で第3回目を迎える「ありがとう」の作文コンクールのご案内ということで、熊本県障害児・者親の会連合会会長の坂田様が来校されました。
 こちらも新型コロナウイルスの影響で入賞作文の発表会及び表彰式は中止ということですが、作品(作文)応募については今後正式に県下の特別支援学校に依頼をされるそうです。今年も本校の児童生徒の皆さんの奮っての応募を期待していますし、子供たちの心からの「ありがとう」の想いに触れたく思っています。
 「ありがとう」は誰が聞いても心地良くなる、ハートウォーミングな言葉ですね。

 

令和2年6月15日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その38)

 朝から校長室の廊下側のドアをトントンとノックする音…小学部のA君でした。開口一番、「お金くれるって~!」と嬉しそうな表情で私に報告してくれました。私は直ぐにピン!と来たのですが、数日前にお隣の「熊本はばたき高等支援学校」からカブトムシ販売のお知らせがあり、その時のポスターに真っ先に食いついていたのがA君だったのです。
 カブトムシを買ってもいいというお墨付きがもらえたのが余程嬉しかったのでしょう。私が「よかったね~」と言うと、コクっと頷いてあっという間に走り去っていきました。また次の人に報告するのでしょう。

 

令和2年6月12日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その37)

 日華議員懇談会を通じて台湾から900枚の救援マスクが届けられことに対し、本校中学部生徒たちがお礼状を書いてくれました。
 一人ひとりのお礼状の中には、感謝の気持ちや今の生活の様子、そしてこれから頑張っていく決意などが綴ってありました。素直に感謝の意が表れていますので、きっと台湾の方々にも伝わることと思います。
 中学部職員のネットワークを通じて、他校の先生に中国語に訳していただいた原稿も添えることができました。中学部の先生達に私から感謝です。
 

令和2年6月11日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その36)

 “くまもと「花っていいよね!」緊急キャンペーン”として、県からの委託により『熊本県花き協会』からフラワーアレンジメント2点が本校に届けられました。できるだけ子供たちの目に触れる場所に設置してほしいとの趣旨から、子供たちが毎日必ず通る幼小学部棟1階と中高等部棟1階の階段付近に設置しています。
 せっかくの綺麗な花を長く愛でられるよう、花の持ち具合を見て中学部の吉本先生がアレンジを加えてくださるそうです。どうぞお楽しみに!
 

令和2年6月10日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その35)

 昨日(6/8)から部活動も本格再開となりました。先週までは、放課後にグラウンドや体育館を使っての体慣らし程度の軽運動でしたので、部活動生にとっては待ちに待った時がやってきました。
 待望の部活動初日は気温30度を超える真夏日となりましたが、風が吹いてくれたのは救いでした。陸上部員、バドミントン部員ともに汗だくになりながら、黙々と基礎練習に励む光景に今年は尚更胸が熱くなりました。
 

令和2年6月9日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その34)

 先週末、1学期終業式と2学期終業式の期日についてお知らせ文をお届けしたところです。詳細については後日連絡いたしますが、保護者の方の関心事の一つに給食のことがあると思います。ご安心ください。7月の1学期延長期間と8月の2学期前倒し期間も、給食・舎食ともに提供可能です。
 お弁当を作る時間が無くなりますので、その分お子様とじっくりしっかり関わっていただければ幸いです。特に、送迎される保護者の皆様、どうぞ時間と心に余裕をもっての登校をお願いいたします。

令和2年6月8日       
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その33)

 昨日、「透明マスク」に関する記事が熊日新聞に掲載されました。今回は写真部の記者さんの取材ということもあって(かどうかは分かりませんが)、大きめの写真が掲載されました。生徒の生き生きした表情が捉えられており、嬉しく思ったところです。
 コロナ禍の中、透明マスクが注目を集めていますが、お出でいただいた記者の方は本校の理容科にも興味を持たれたようです。マスクのことだけではなく、本校のこと、子供たちのこと、聴覚障がいのこと等を広く知ってもらえるよう、今度はこちらから逆取材依頼をかけていきたいと思っています。
 以前「今、熊聾では(その27)」で書いた理解啓発につなげるためにも!

 
令和2年6月5日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その32)

 6月2日(火)放課後、中学部の生徒職員で十数種類の花苗を植えました。
 今回の花苗は、ひのくに高等支援学校と松橋支援学校の生徒さん方の手によって丹精込めて育てられたプロ顔負けの立派な花苗です。
 植えられた場所は来賓駐車場横と正門横の両側の花壇です。お陰で、癒しと和みの場へと一気に様変わりしました。

 
令和2年6月4日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その31)

 つい先日、「盲学校」と間違えて本校を訪ねてこられた方がいらっしゃいました。隣同士の学校でもあり、電話口で「盲(もう)」と「聾(ろう)」を聞き違えることも考えられますし、しばしば起こることです。
 通称では、「盲学校」「聾学校」と言ったりもしますが、正式名称は「盲学校」「熊本聾学校」であり、本校名には「熊本」が付きます。このことは、両校の歴史を遡ってみると合点がいきます。私立熊本盲唖技芸学校として一つの学校として設立された両校ですが、盲聾が分離した後、「県立盲学校」と「県立聾学校」に名称を変更します。本校はその後、天草分教場(後の天草聾学校)が独立したことから、現在の校名に改称されました。
ちなみに、天草聾学校は平成6年3月に閉校となり、現在、聾学校(聴覚特別支援学校)として本校のみが存続しているのです。熊本県内に聾学校が2校存在していたことが分かる「熊本聾学校」の歴史の一端です。
 

         令和2年6月3日      

       熊本聾学校 校長 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その30)

 高等部本科理容科を訪ねました。
 今の時期、初めて手にしたハサミや櫛(くし)を手にした高3生は、いつも真剣な眼差しで教師の指導を受け、基本的な動きの練習に励んでいます。ハサミや櫛を用いた実習は始まったばかりで、人に対してハサミを使い始めるのはまだまだ先で来年以降になります。
 基本をしっかりと押さえ、確かな技術を身につけてくれることでしょう。 


令和2年6月2日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その29)

 約3か月ぶりの学校本格再開です!
本格再開とは言え、子供たちや保護者の方々にとっては、まだまだ不安や緊張感を抱きながらの登校ではないでしょうか。そんな中ではありますが、今年度初めて全員が揃ったクラスの写真撮影があっていました。嬉しさで涙がこみ上げそうな場面でした。


 さて、新型コロナウイルスの影響でこれまでに様々な行事・大会等の中止が発表され、目標を失い、悔しく辛い気持ちでいる子供たち(特に中高等部生徒)がいるかもしれません。また、進学について不安が増している生徒もいると思います。
 しかし、この3か月間で得た私たちの気づき・教訓を無駄にせず、是非将来のために活かしていってほしいと願っています。本校でも出来る限りのコロナ対策(対応)を取り入れながら、新しい生活様式の中で学校生活を送っていくことになります。
 熊聾教職員は、子供たちをしっかりと支えていきます。保護者・関係機関の皆様方どうぞ、今後とも御理解と御支援のほどよろしくお願いいたします。


令和2年6月1日       

       熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その28)

 本日は今週月曜日(25日)からの段階的再開最終日となります。この一週間の子供たちを見ていますと、学校に通える嬉しさや安堵感を感じたり、友達と会話をしたり遊んだりできることを喜んでいる様子が窺えます。ホッと一安心した状況ではありますが、子供たちは少なからず緊張感や不安を抱えながらの5日間を過ごしたのではないでしょうか。土日はしっかりと休養も入れながら、且つ気持ちを少しずつ高めながら来週に備えてほしいと思っています。
 子供たちだけではありません。大人もしっかりと来週からの本格再開に備えていきましょう!


令和2年5月29日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その27)

 聴覚障がいは分かりにくい(理解が難しい)障がいとよく言われます。
 個々人の障がい(きこえ)の程度は様々であり、年齢や環境によってもコミュニケーションの方法は実に多様です。また、補聴器や人工内耳をしていても髪の毛等で隠れていたり、補聴機器を装用していなかったりすれば、外見上は聞こえる人と何ら変わらないため、きこえる人(聴者)は聴覚障がいに全く気づかないこともあります。
 それ故に本校の子供たちは誤解や差別を受けやすく、理不尽な対応をされてしまうことが時にあります。そんな時、悔しく歯がゆい思いをした子供たちや保護者・家族の方々はたくさんいらっしゃると思います。私たち熊聾の職員も同じです。
 子供たちの将来の「自立と社会参加」に向けて、本校卒業までに「主体的に人生を切り開いていこう」とする態度を育むことと併せて、聴覚障がいを正しく理解してもらうための理解啓発活動にも力を入れていきたいと考えます。
  

令和2年5月28日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その26)

 5月26日(火)、校長室に可愛らしい8人のお客様がありました。幼稚部新入学の赤組(3歳児)の子供たちです。
 「がっこうめぐり」という単元学習の一環で、校内の各所を回りながら学校に慣れ親しみ、やりとりの力やことばの土台を育てていくことを目的として行っているものです。例年であれば4月に行っているのですが、今年は否応なしにこの時期になってしまいました。
 想定内ですが、子供たちは校長室のソファーの上を歩いたり、飛んだり跳ねたりと、子供らしさを存分に発揮してくれました。

 
    令和2年5月27日      
           熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その25)

 寄宿舎生は今週いっぱい舎食がないので、3食を外注(弁当、パン等)で対応しています。(熊本地震の時のことを考えると、この点については先が見えていますので何てことは無い筈です。)つい先日は新入舎生A君の誕生日だったこともあり、急遽お寿司を取り寄せての誕生会があったと聞きました。寄宿舎の先生達の粋な計らいに、誕生日を迎えた生徒にとって、きっと忘れられない思い出になったことでしょう。「あの時は大変だったけど、みんなで工夫して頑張ったよね!」と言える時が早く訪れることを祈っています。

 さて、今週は食堂を広く使わせていただき、密にならない環境で食事をとっています。生徒間の距離は離れていても、手話が使える子供たちにとっては見える範囲に相手がいればコミュニケーションは全く苦になりません。手話の強みのひとつであることを改めて目の当たりにしました。
 一つだけ私から、平行になっているテーブル配置を少し菱形状にしてみてはと提案してみました。横に座っている生徒同士の顔や手話が見えやすくなるはずです。
 

令和2年5月26日      
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その24)

 いよいよ今日から、本校は段階的に再開します。
 先ずは子供たちの学校生活のリズムを少しずつ取り戻すこと(体力の回復)を目標に、各学部で外遊びの時間をとったり、体育の授業を少し多めに設定したり、放課後の運動場利用を促したりなど、出来るだけ体を動かす活動を取り入れていきます。(天気予報では今週いっぱい晴れの日が続くみたいで好都合です。)
 早速、休み時間には小学部の子供たちの弾む声が聞こえてきます。


令和2年5月25日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その23)

 以前、透明マスクについてのテレビ放映がありましたが、その時の内容も含めた第2弾として、本校及び県ろう者福祉協会等による特集が以下のとおり放映されます。是非ご覧ください。
 
 ○放 映 日:令和2年5月26日(火)
 ○テレビ局:TKUテレビ熊本
 ○時 間 帯:18時14分から4分間程度
 
※先日放映された透明マスクに関する本校ニュースは、TKUのネット上での週刊アクセスランキングトップということです。関心の高さが伺えますね。


    令和2年5月22日      

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その22)

 5月25日からの段階的再開に向け、本校では校舎内外の環境整備、配付用マスクや消毒液などの諸準備、そして感染防止対策の確認作業などを行っています。
 寄宿舎では、舎食の提供は6月1日以降となり、それまでの5日間は弁当等で凌いでいくことになります。そのような状況にもかかわらず、多くの舎生が寄宿舎からの通学を望んでくれているようで大変嬉しく思います。待ち望んでいた学校の再開と友との再会を楽しみにしていることでしょう。寄宿舎の先生達も弁当の調達先などを調べ上げ、着々と準備が進んでいます。
 さて、来週からの学校生活はあくまで段階的再開で、本格再開は6月1日からです。やむなく来週からの登校ができない舎生・通学生の皆さんも心配することなく、安心して6月からの再開&再会に備えておいてください。 


令和2年5月21日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

 

今、熊聾では・・・(その21)

 前回の記事(その20)では、「コロナ面談」について少し触れましたが、実際に面談をする中で、ある先生から「自分の働き方を見直すいい機会になった。」という話を聞きました。大変な状況になっても自分を見失わず、転んでもタダでは起きないその精神に、私の口から思わず「凄い!いいねぇ!」という言葉が飛び出しました。
 働き方と言えば、本校でも働き方改革(業務改善)を推し進めています。各学部、寄宿舎、事務部ごとに今後取り組んでいきたい(いけそうな)具体的な業務改善の内容(アイデア)を書き出して、現在集約中です。
 仕事の質は落とさずに、無駄を省き新しいやり方を創造していくことを楽しみながら進めたいものです。

 
令和2年5月20日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その20)

 コロナウイルス感染拡大防止に向け世の中で「ステイホーム」の取組が始まるや、「コロナ鬱(うつ)」「コロナ疲れ」「コロナ太り」「コロナ痩せ(やせ)」等といった言葉が聞かれるようになりました。そのようなニュース等を見るにつけ、子供たちや先生たち(職員)のことがとても気がかりで心配になるものです。子供たち・保護者向けには、本校でカウンセリングをしていただいている井料美輝子先生からのメッセージ動画「手話で解説:家の中でこころの健康を保つために」に本校ホームページからアクセスできますので是非是非ご覧ください。(再生回数が5,000回に迫る勢いですので、既に多くの保護者の皆様も見ておられるかもしれませんね。)井料先生…動画のご提供本当にありがとうございました。
 さて、職員向けにはゴールデンウィーク明けから「コロナ面談」と勝手に称し、管理職と職員とのメンタルヘルスチェック面談を集中的に行っています。職員一同、体調を万全にして子供たちが学校に来る日に備えています。


令和2年5月19日      
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

  

今、熊聾では・・・(その19)

 本校の段階的学校再開の日程ついては、既に学校安心メールやホームページでお知らせしたところですが、次のお知らせとしては学校再開後の「感染症防止策(熊聾版)」を登校日に合わせて配付または郵送する予定です。各学部、寄宿舎で検討した具体的防止策について、現在、学校医さんに確認と助言をいただくようお願いしています。
 学校としても最大限出来得る対策を講じ、細心の注意を払っていきますが、保護者・ご家庭の皆様のご協力も是非ともお願いします。また、必ず「感染防止策(熊聾版)」に目を通していただきますよう、併せてお願いします。


令和2年5月18日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その18)

 本校教職員の在宅勤務を開始してちょうど1カ月が過ぎました。在宅勤務率8割を目指して取り組んできましたが、目標はほぼ達成出来ているようでコロナ感染拡大防止に大きく貢献できたのでは‥と自負しています。
 何せ初めての取組ですので、不安と戸惑いの中に在宅勤務はスタートしましたが、ある先生からは「家に居ることで絶対に自分には移らない、また他人に移していないという安心感がある。」という話を聞きました。まさに在宅勤務の目標はここにあると思いました。
 さて、在宅時の先生方の業務内容ですが、①授業に係る内容(教材研究、課題作成、手話の学習、動画作成、掲示物作成、学級通信等作成、学習指導要領読込、年間指導計画の見直し等)②分掌業務に関する内容(職員研修資料作成、専門書・文献研究、事務室業務の具体的内容検討等)③その他(保護者・生徒との連絡、関連機関等からの情報収集、マスク作成、コロナ関連の情報収集)等々と多岐にわたっています。細かい指示は出していませんが、先生方の創意工夫や独自の発想が見えて大変有難く、頼もしく思っているところです。
 さらに嬉しいことに、在宅勤務の成果物として先生方から私にマスクのプレゼントがありました。洗って使えるマスクです!…どこかで聞いたような…。有難く使わせていただきます。


 
令和2年5月15日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その17)

 

 5月12日、午後から3本立てで職員研修を行いました。その中のひとつとして飲酒運転撲滅研修を行いました。
 皆さんの記憶の新しいところでは、2年前の同じ5月12日早朝、自転車で登校途中の県内女子高校生が飲酒運転の車にはねられて亡くなるという大変ショッキングな事件(事故)がありました。
また、過去(平成18年)には福岡の海の中道大橋を通行中の車が後続の飲酒運転の車に追突され、3人の子供が博多湾に投げ出され、幼い命が奪われるという痛ましい事故もありました。何年経とうが遺族の悲しみは続き、心の傷が癒えることはないでしょう…。このことは大きな社会問題にもなり、後に道路交通法の改正にもつながり、飲酒運転とひき逃げの罰則が強化されました。
 研修のまとめでは、「誰にでも失いたくない大切な人がいるように、自分がいなくなると人が悲しむ。自分の命、他人(ひと)の命を大切にしてください。」と締めくりました。
 学校再開後は、時機を見て交通安全教室を学部毎に実施していきますが、交通安全教室だけでなく、様々な教育活動を通して「自分の命、他人の命の大切さ・尊さ」を学ぶ(育む)教育を進めて参ります。
 コロナ禍の今の状況も、学びの材料の一つになることは言うまでもありません。


     令和2年5月14日      

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その16)

 すでにテレビニュース等でご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、昨日午後、蒲島知事による記者会見があり、熊本県の感染状況が「感染拡大傾向期」から「感染確認地域」に移行したとの発表がありました。状況としては良い兆しとは言えるのでしょうが、まだまだ気を緩めてはいけないと思っています。皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
 また、会見の中では、学校の段階的再開についても触れられました。知事の会見を受け、本校では今後の段階的再開について検討するため、本日早朝から臨時総務会(管理職、学部主事主任、教務主任)を開き、出来得る準備等について確認作業を行いました。

 これまで本校が設定している登校日についても、今後日々刻々と状況が変わることもあり得ます。重要な事柄については学校安心メールやホームページ等でお知らせしますので、必ずご確認いただきますよう、よろしくお願いします。

 

令和2年5月13日      

熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

今、熊聾では・・・(その15)

 昨日(5/11)は久しぶりの登校日でした。各学部の教室を回りながら子供たちの様子を見たり、会話をしたりとわくわくする時間を過ごしましたが、まだまだどこか寂しい雰囲気であることは否めません。一刻も早くコロナが収束し、そして学校が再開し幼小中高の子供たち全員が揃うことを願うばかりです。

 昨日は子供たちだけではなく、数名の幼小学部の保護者の方(お父さん、お母さん)とも話ができました。休校期間が長くなるにつれ、特にお母さん方が抱えていらっしゃる不安やストレスが増してきている様子を感じ、胸が痛みました。中高等部の保護者さんとは話ができていませんが、何らかの不安や悩みを抱えていらっしゃることは同様かと察します。
 あるアンケートによると、聴覚障がいのある子供をもつ保護者の困り感として、次のようなことが挙げられています。①生活リズムの崩れ、②子供の運動不足、③授業が進まないこと(進路・就職のこと)、④手話環境が減っていること、⑤友達や先生と会えないこと、⑥ゲームやインターネットばかりしている。…等々です。④を除けば、きこえる・きこえないに関係なく言えることのようです。
 私の想いですが、「こんな時こそコミュニケーションが大切!」です。できれば、フェイス トゥ フェイスで。例えば、テレビ電話でもいいでしょう。個別に学校に来られても構いません。どうぞ、本校職員とより多く連絡を取り合っていただきたいと思います。ご意見ご要望、無理難題…とりあえず何でもおっしゃってくださいませ。そして、時には励ましていただけると有難いです。

令和2年5月12日      
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その14)

 GW(ゴールデンウィーク)は皆さん如何お過ごしだったでしょうか。

 きっと、Stay Home(ステイホーム)中心で、それぞれに工夫した過ごし方をされたのだろうと想像します。私は家の子供部屋だったところをトレーニングルームに模様替えし終え、日頃の運動不足を解消し体づくりをしようと本気で考えています。

 さて、学校内もGWとは言え、生きている野菜や花があちらこちらにあります。休みの日にもかかわらず、高等部の林田先生や小学部のたんぽぽ学級の先生方が水やりに来てくださいました。日照りが続いていましたが、お陰で野菜も花も元気にすくすくと、コロナなんてどこ吹く風で五月晴れの中育っています。

 

   令和2年5月11日

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その13)

 来週11日(月)の登校日に向けて、保健室から「保健だより」と「健康観察シート」の起案が上がってきました。

「保健だより」には、今の時期ならではの感染症予防対策と熱中症予防のための対策が載っていますので、保護者の方々にも是非お読みいただければと思います。私も解説に目を通しながらハッ!と気づいたことですが、最近はマスクを着けている時間が長いため、水分補給がおろそかになっています。皆さんそんなことはありませんか!?

 薫風の季節となりましたが、日中の最高気温は30度前後になることもあり寒暖差が大きい季節でもあります。特に、今は室内で過ごすことも多いでしょうが、室内であっても熱中症に対する注意は必要です。コロナだけでなく、他の疾病予防にも気を払っていきましょう。そのためにも、日常の健康状態の把握と健康管理が大切です。保健室作成の「健康観察シート」が役に立つことと思いますので、どうぞご活用ください。

    令和2年5月8日

     熊本聾学校 校長 五瀬 浩

今、熊聾では・・・(その12)

 4月30日(木)、登校日の午後に職員研修として「防災研修」と「学習支援・心のケア研修」を行いました。休校期間中という非常時であっても、必要性の高い事柄については、①密を避け、②換気に気を付けながら研修を進めています。

 防災研修では3人の講師(工藤先生、林田先生、千場教頭先生)から防災教育に関する基本的な考え方、校内防災体制と各人の役割、非常用持出し袋等について説明があり、再確認することができました。天災は時と場所を選びません。防災の予防対策を進めることはもちろん大切ですが、緊急事態宣言が発令されている今の状況下で大規模災害が起きないことを先ずは祈っています。


 学習支援・心のケア研修についてですが、こちらも3人の講師(松下先生、橋本先生、犬塚先生)から説明をしてもらいました。既に本校のホームページから動画等の配信を試みているところですが、今後更に充実させていくための仕組みやマニュアル、著作権の取扱いについて学びました。著作権の課題がかなりクリアできたので、今後多様な動画配信が可能になると思われます。しかしながら、各家庭のインターネット環境には違いがあります。インターネット閲覧ができない御家庭に対しましては、動画を収録したDVDの配付及び機器の貸出ができるよう準備しているところです。

令和2年5月7日                       

 熊本聾学校 校長 五瀬 浩   

 

今、熊聾では・・・(その11)

 4月30日(木)、「透明マスク」に関してTKUテレビ熊本から取材がありました。そして、同日夕刻の番組の中で教室での様子やインタビュー場面等が映像で流れました。放送の中でも私が一番嬉しかったところは、番組キャスターが最後に、「表情も手話の文法のひとつである」ことを付け加えられたところです。取材を受けたことで、聴覚障がいのこと、手話のこと等を広く知っていただくための一助になったと思います。

 さらに、胸が温かくなるエピソードがあります。昨夕のテレビを見て透明マスクのことをお知りになったI様(益城町在住)が、「困ってらっしゃるでしょうから・・」とおっしゃって、透明マスク50枚を本日午前中、本校に届けてくださいました。驚きと同時に、人の優しさ・温かさに触れる幸せな時間をいただきました。I様、本当にありがとうございました。

 新型コロナウイルスは人と人を切り離し、遠ざけようとする厄介者ですが、こんな困難な時こそ、相手を思いやる 心、助けあう心、励ましあう心を大切にしたいものです。

 暦の上では、ゴールデンウィーク真っ只中ですが、実際には5月いっぱい休みが続きます。本来であれば思いっきり遊びたいこの時期ですが、今しばらくが正念場です。必ずや耐えた先に学校再開があることを信じて、今を乗り切っていきましょう!


令和2年5月1日       

熊本聾学校 校長 五瀬 浩

 

今、熊聾では・・・(その10)

 久しぶりに私が聴能担当だった頃のことを思い出すような出来事がありました。本校に昨年赴任された事務室の稲田先生が熊聾出身者であることはご存じの方も多いかと思います。稲田先生は補聴器ユーザーですが、つい先日イヤモールドとチューブをつなぐエルボー(L字型の部分)が破損し、困っておられました。たまたま通りかかった私が応急措置としてチューブとエルボーをつなぎ、今を凌いでもらっています。今後、福祉制度を利用して新しい補聴器とイヤモールドを購入されるそうですが、新しいものが届くまでには3週間から1カ月ほどかかるそうです。補聴器をフルに活用されている先生の様子を普段から見ているだけに、ちょっとお役に立てたかな…と思いました。

 さて、本校幼児児童生徒の皆さん、補聴器やきこえのことで心配なことはありませんか?急な困りごとや相談したいことがある時などは、休校期間中であっても遠慮することなく、担任の先生や聴能担当(齊藤先生)に遠慮なく連絡してください。密を避けて個別に対応することは可能ですよ。

 

   令和2年4月30日       

     熊本聾学校  校長 五瀬 浩