日誌

校長室からの便り

今、熊聾では・・・(その104)

 先週木曜日に、新型コロナウイルス感染症に係る熊本県の警戒レベルが「レベル2」に引き下げられました。2週続けてのレベル引き下げで、感染は縮小傾向にあるというコメントが添えられていますが、まだまだ予断を許さない状況という認識で、基本的な対応を続けていきましょう。
 さて、本日から校内では「保護者手話学習会」を再開します。
 毎週月曜日、共同教育センター棟1階にて午前10時30分から正午までの時間帯で実施します。
 講師は本校生徒保護者の乘富様です。乘富様にはいつも大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。


令和2年10月5日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その103)

  熊聾が学校全体として手話を取り入れた教育を始めたのは平成16年度からです。全国でも1990年代後半から幼稚部段階で手話を取り入れる聾学校が少しずつ出始めてきたころです。
 当時の聴覚障がい教育をめぐる背景や手話を取り入れてきた理由等については、本校創立100周年記念誌の中に私の拙稿が収められていますので、熊聾の先生方は是非目を通していただきたいと思います。
 さて、このたび、手話による教育の必要性をテーマにした冊子が全国早期支援研究協議会から発刊されました。(以下の斜体文は、当協議会の会長でいらっしゃる南村洋子先生の言葉を引用しています。)この冊子は、最近の医療技術の進歩の中で「きこえない子もきこえるようになれば手話は要らない」という風潮に対して、手話の大切さ・必要性を身をもって実感している人工内耳装用を含む本人たちとその保護者、そしてそれを支えてきた関係者の三者によって書かれた体験・実践報告集です。
 本冊子には熊聾が手話を取り入れて以来大変お世話になった南村洋子先生、上農正剛先生、河﨑佳子先生、木島照夫先生方が執筆者として名を連ねておられます。本校職員はもちろん、関係する多くの方に是非とも読んでいただきたい一冊です。手元に置いておきたい!という方は、お気軽に幼稚部職員にお声かけくださいますようお願いします。近日中にまとめて発注いたします。

 なお、個人で申し込まれる方は以下にお問い合わせ・注文願います。
 soukisien@yahoo.co.jp(メール)

 
令和2年10月2日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その102)

 9月29日、小学部にて新児童会役員任命式を行いました。
 新しく、会長、副会長、書記、生活保健委員長、生活保健副委員長、体育委員長になった子供たちは緊張した面持ちで任命状を受け取っており、小学部をしっかりまとめ引っ張っていこうという気持ちを新たにしたことと思います。
 任命式が終わった後は、初仕事として今年度初めての「わくわくタイム」を取り仕切ってくれました。今回のわくわくタイムでは縦割り4グループによる「空き缶積み競争」が繰り広げられ、小学部全体で楽しい時間を過ごしました。役員としての活動や経験を積み重ねていくことで、考える力・考えをまとめる力・わかりやすく説明する力・物怖じしない度胸等々を培っていってほしいと願っています。
 

令和2年10月1日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩  

今、熊聾では・・・(その101)

 9月25日(金)、高等部生徒全員による校内弁論大会が開かれました。
 生徒たちの演題は、将来の夢や目標、新型コロナウイルス感染症にまつわる社会問題、障がいや手話のこと、部活動等々、実に多岐にわたっていました。どの生徒も自身の内面を深く見つめ、自己分析し、率直な思いを自分の言葉で語っていました。生徒たちの多くは幼稚部時代から知っている子がほとんどで、しかも皆心優しいお兄さんお姉さんに成長している様子を肌で感じることができ、本当に嬉しく頼もしく思いました。また、中学校まで難聴学級で辛い思いをしながら過ごしてきた生徒たちの発表にも心を打たれると同時に、考えさせられる場面も多々ありました。唯一残念だったことは、コロナ禍で保護者の皆様にその様子を見ていただけなかったことです。
 高等部の生徒たちには遅かれ早かれ「卒業」という二文字がちらつき始め、新しいことへ挑戦していこうとする希望や意欲が湧いてきます。一方で安心して過ごせる聾学校を卒業し、聴者が多数を占める社会への仲間入りをしていくことに少なからず不安を抱いています。私たち熊聾職員の役目の一つは、生徒の不安を少しでも和らげ、彼ら彼女らが壁にぶち当たった時にはしっかり寄り添い、乗り越えていけるよう、そして最終的には生徒たちが自立(自律)し、周囲の人々から可愛がっていただける存在となれるよう丁寧に支援していくことです。
 生徒たちが私たち職員の気持ちを奮い立たせてくれた弁論大会でした。
 

令和2年9月30日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩 

 

今、熊聾では・・・(その100)

 本年4月から学校の様子等をお知らせするために、校長室からの便り「今、熊聾では」を掲載してきましたが、今回100号では嬉しい便りをお届けすることができます。
 事前にお知らせしていました「第7回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」が9月27日に開かれ、見事準優勝という成績を収めることができました。予選第2位の得点で予選を通過していましたので、本選でも上位入賞が狙えるだろうと期待していたところにこの度の準優勝でした。
 今年のパフォーマンスは生徒たち自らが考えた内容構成でしたので、受賞は自信にも繋がったでしょうし、喜びもひとしおだったようです。また、受賞後のインタビューでは、このコロナ禍において全国の皆さんに笑いを届けられたことが嬉しかったと話していました。
 そして、翌日の職員朝会では代表2名が喜びとお礼の報告をしてくれました。これからも熊聾手話落語部が伝統を受け継ぎ、ますます発展させてくれることを大いに期待しています。
 

令和2年9月29日        
熊本聾学校 校長 五瀬 浩