建設工学科のトピック

2023年12月の記事一覧

「防災教室」実験装置(地震編その1)

防災教室のために制作した実験装置の紹介

第3回目は「地震波」です。

「やってみて理解する」をコンセプトに

まずは調べ学習からはじめました。

Youtubeにいろいろな実験装置が紹介してあり

見よう見まねでちゃちゃっと製作しましたが

思うようにうまく作動しませんでした。

1号機の製作では ①板材を切断して ②横にくぎを打ちつけ

③等間隔に配置し

④百均で購入した洋裁用のゴムを取り付けて

⑤完成のはずでした。

これがYoutube動画のように波が全く伝わってくれません。

ばらばらにしてゴムの張り方を変えたり(2号機)

またバラバラにしてゴムの間隔を変えたり(3号機)

それでもうまく作動しません(振動が起こらない)。

問題点1:板が軽い? 問題点2:ゴムが固い?

悩んだ末に板の裏面に鉄板を取り付けることにしました

高速切断機で幅4cm暑さ3mmの鉄板を切断し

小学生がけがをしないようにバリを取ります。これを板の裏面に接着しました。

 ゴムの素材も見直し

弾力が一番あるのは輪ゴムでは?と思い使用することにしました。

4号機の完成です。動作は微妙ですが完成は近い?

吊り下げた輪ゴムの配置をさらに改良を加え

遂に完成することができました(5号機)。

 

地震波にはP波(縦波)とS波(横波)がありますが,そのどちらもうまく再現する装置になりました。

ただ一つだけ弱点があり

それは輪ゴムの耐久性です。

時間の経過ととも輪ゴムが伸び始めていきます。

そのため防災教室の直前に輪ゴムを張り替える作業が必要になりました。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「防災教室」実験装置(土砂災害編)

防災教室で使用した実験装置紹介の

第2回目は「土砂災害(地すべり)」です。

昨年の防災教室では本物の土を盛って斜面とし

そこに本物の水をかけて崩れる様子を観察してもらいました。

(画像を取り忘れ・・・すまぬ)

その結果

①いつ斜面が崩れるかわからない

②地すべりの仕組みが伝わりにくい

③説明のたびに斜面を作り直すのが大変

と強く反省しました。

そこで本物の土や水を使わず

地すべりの仕組みを理解することに特化した模型を

製作しようと思いました。

どういう模型にするかスケッチしてCADで図面を引きました。

材料はコンクリートパネル1枚を使用し

ゴミが出ないように無駄がないように設計しました。

(建設工学科ではSDGsを意識しています!)

これをコンクリートパネルに描き

丸のこで切断して

ビスで組み立てました(これまた画像撮り忘れ・・・すまぬ)

さらに防災教室用にデコレートしました。

上の部分が滑り落ちるようになっています。

一番難しかったのはストッパーの製作です。

ストッパーはこの装置の心臓といえる部分です。

自分の好きなタイミングで斜面を滑らせるようにしなければなりません。

電気式で作ろうとしたんですが無理!これは無理!

手動式でレバーをあげると斜面が滑るようにしました。

 水害や地震の実験装置よりも

かなり苦労して工夫して作ったんですが

一番地味な実験装置となってしまいました。

しかし小学生の皆さんは

地すべりの仕組みが「よくわかった」と言ってくれたので

苦労した甲斐はありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人吉西小学校5年生を対象とした「防災教室」

令和5年10月30日(月)

人吉西小学校5年生46人を対象とした「防災教室」を開催しました。

講師は建設工学科3年生です。

昨年度よりも内容を充実させるべく実験装置などを製作して

体験型の防災教室にしました。

テーマは「水害」「地震災害」「土砂災害」の3つです。

小学生は3班に分かれ,それぞれのテーマについて学習します。

はじめはスライドを見ながらの学習です。

水害や土砂災害はいつどこでどうして起こるの?

緊急地震速報はいつ鳴るの?

バックウォーターって何

こうしたことを動画やスライドを見ながら学習します。

次に実験や体験を通して学びを深めます。

これはバックウォーターの実験です。

川(水)の流れとは逆方向に水が流れ始めると

小学生の皆さんはキラキラと目を輝かせその様子を観察していました。

これは地震の波の伝わり方を学習する装置です。

地震波には縦波(P波)と横波(S波)があって

波の伝わり方や伝わる速さがそれぞれ違うんです。

こうした伝わり方を学ぶことで緊急地震速報がいつ鳴るのかがわかります。

各テーマの終わりには

「水害」や「地震」,「土砂災害」が起こったら起こりそうだったら

どう対応しなければならないか学習します。

当日はテレビ局2社,新聞3社から取材があり

建設工学科3年生代表と小学生の代表が

緊張した面持ちでインタビューに答えていました。

 

学生の皆さんがここで学んだことを家庭に持ち帰り

「防災」の話題をしてくれることで

地域の防災力が高まってくれればと思います。

次回からは苦労して製作した実験装置を紹介します。