2017年3月の記事一覧

SSH サイエンスセミナーinくまもと

【第4回 サイエンスセミナーinくまもと】
2017年3月12日(日):東海大学熊本キャンパス2号館4階大講義室
熊本県理化部会、第二高校SSH共催

 熊本県内の公私立11高等学校のサイエンスに興味ある生徒102名が参加して「第4回 サイエンスセミナーinくまもと」が開催されました。
 セミナーの目的は、生徒たちが互いに交流を深めるとともに、課題解決能力やコミュニケーション力、表現力を伸ばすことです。
    正解のない6テーマが設定され、102名が学校間を越えた4〜5名程度の23チームに分かれ、九州工業大学、熊本大学、東海大学の先生、大学生によるサポートのもと、それぞれのチームに課されたテーマについてさまざまな側面から議論し、導き出した考えをポスターにまとめます。
    最後は、各班のメンバーを組み合わせたグループで順番にポスターを回り、自分の担当ポスターに来たら発表するというポスターツアーで発表会を行いました。
    参加者の皆さん一日お疲れ様でした。ご指導いただいた先生方、大学生のみなさんありがとうございました。








俵屋宗達「松島図屏風」の鑑賞

 なぜSSHのページで「松島図屏風」の鑑賞かといいますと、美術作品を鑑賞する過程で、観察力、画像を分析する能力、知識と観察を結び付ける能力、などなど科学的探究能力と言われる力を必要とするからです。
 さらに、理数科、普通科、美術科生徒達それぞれの作品の認識に特徴を見ることができ、今後の指導の参考になりそうです。
 今回の事業は熊本大学からの御紹介で、京都文化協会とキヤノンの「綴 文化財未来継承プロジェクト」の成果である俵屋宗達「松島図屏風」の高精度複製を利用した授業となりました。実社会での「サイエンス」と「アート」のコラボの成果です。

蛍光灯の下で鑑賞した時と、光を落してスポットライトを当てたときは全く異なる表情を見せます。背景の金の存在が増し、図と地の関係が入れ替わるような印象です。自然光の下でも、墨で描かれた波と波の間の金の線が角度によって光り、図版では発見しえないことがわかりました。

今日は、畳の上での授業です。少しでも、この屏風を置いている雰囲気を味わってもらえればと。

昼休みも先生方のお声がけで学年を越えてたくさんの生徒が見にきれくれました。京都文化協会の方も喜んでいらっしゃいました。キヤノンの技術を駆使してプリントアウトしたものを京都の職人さんが金箔部分を仕上げたそうです。
先生方も教科を越えてたくさん見にいらしてくださいました。文化には学問を越えた「知」の水脈があり、偉大な芸術作品はそれを体現したものと感じました。

実際に金箔や顔料を見せていただきました。

今回は熊本大学、京都文化協会だけでなく、肥後銀行本店肥後の里山ギャラリー(学芸員さんのお一人は美術科卒業生です)、福岡市博物館の学芸員さんも応援に駆け付けてくださいました。ありがとうございます。